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メトロポリタン美術館展・感想

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好き、好き…

嗚呼、とにかく大好きなのよ、上野。

貴方なしではいられないわ。


と、日々主張してきた甲斐があり、

めでたくタダ券をゲットしたので、

さっそくいってまいりました。


「メトロポリタン美術館展」東京都美術館

(会期2012年10月6日-2013年1月4日)

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えー、実はあんまし期待はしてませんでした。


なにか

「ざまぁみろこのヤロー」的な

目玉作品もとくにないし

(…でしょ?)


何年か前に渋谷でやった「メトロポリタン美術館展」では、

「テレーズ」そして超大作「山」を持ち込んで

バルテュスファン(もしくはロリコン美術ファン)に歓喜の涙を流させたような

そんな粋な計らいもないし…

(――バルテュスファンにしかわからんな)


だが、振り返ってみるとかなりおもしろかったです。

都合があって1時間半しかいられなかったのですが、

時間があっという間に過ぎていきました。


どうした因果か、割引券ももらったのでまた行こうと思います。


ともかく以下、感想。


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感想①いろいろなどうぶつがいたよ。


色々な動物がいた。

おとなりの上野動物園を意識しているのかもしれないが、

僕がいいたいのは、そんなことではなくて…


「動物」=「人間さまに利用されるだけの生物」

であるとする、ユダヤ・キリスト教的観念に世界が汚染される以前のメソポタミア文明だのエジプト文明だののつくりあげた彫刻作品をいくつか見れるのはこの種の展覧会にはあまりないこととおもわれます。

(ルネサンス絵画にしろ、印象派絵画にしろ、この観念に毒されていることには変わりはないわけですから)


特に・カタログナンバー112「カエルの分銅」

というのは、紀元前2000~1600年ごろのものであるというが、

思わず持ち帰りたくなるほどの愛らしさでありました。


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感想②いろいろなエロ妄想ができるよ。


美術作品というのは

どこかオナペット要素がないと一流とは言えない気がする。


そんな観点から見ると

・カタログナンバー29

「音楽を奏でる男女の羊飼いのタペストリー」

という、おおきなつづれ織りは、完全に一流であるといえます。


1500年~30年頃、南ネーデルラントの産であるこの作品は

ま、タイトルの通り、音楽を奏でるカップルを描いているのだが、


青い服をきた、一見清楚そうなブロンドお姉さんは

年のころはおそらく二十三、四。

貞淑な若奥様を気取っているが、実は十代のころは

そうとうにガンガン多方面に手を伸ばしていた印象を受ける。

カネのために好きでもない男とナニしてみたり、

友達の彼氏を寝取ってみたり、

そのあと何事もなかったように男をポイと捨ててみたり、

そんなアバズレ伝説が数十個くらいはありそうな女である。


このタペストリーは、ようするにこの豪傑美悪女が

うぶな丸顔の…しかし、おそらく将来レコードデビューなどしたら

相当に$を稼ぐであろう十六七歳の天才ミュージシャンを、

いやらしい視線で狙っている、というそういう絵なのである。


1500年ころにレコードデビューも何もないでしょう、という意見もあるが、

これはそうみえるから仕方がないのである。

あ。

あと、このタペストリーにでてくるヒツジさんや小鳥さんは

ひじょうにかわゆいです。


ヤロー、女なんかに興味はねぇ、という硬派なあなたには

・カタログナンバー8

ニコラ・プッサン「パクトロス川の源で身を清めるミダス王」

がおすすめ。


これは触ったものすべてが「黄金」になってしまうという

ミダス王の伝説を下敷きにしている、うんぬんと解説がありますが、

大ウソです。


これは一戦交えたあとのマッチョホモカップルが

汗まみれの体を川の中で洗っているという様子を描いたものです。

川の神さまの方はまだやる気充分ですが、

ミダス王の方はできれば勘弁してほしい様子です。


ふ~ん、そんなものかね、とおもわれるあなたには

以下の情報を提供しよう。

「糞」と「黄金」の密接な関係――(とうぜん「肛門」も関与してくる)

これは精神分析の初歩中の初歩です…


はい。以上しょうもない感想です。

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感想③モノキュラーがけっこう活躍するよ。


モノキュラー(単眼鏡)をお持ちでしたら持っていった方がよいです。


・カタログナンバー21

ヤン・ブリューゲル(子)「冥界のアエネアスとシビュラ」

・カタログナンバー125

カナレット「ヴェネツィア:サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂」


この2作品は、モノキュラーがないと、その真の魅力がわからないとおもわれます。

…というか、

こういう、狂気的な細密画というのは、

壁にかけて眺めるために生まれたのではなくて、

すぐ間近く、舐めるように顔を近づけて、

「ほほう。眼福。眼福…」(by荒俣宏)

と眺めるために作られたものであるからして…


わざわざモノキュラー使って見なけりゃならない、

という状態、状況こそが間違っているわけです。



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感想はこんなところです。


この記事にのっけた画像は、いずれも

2012年10月12日(金)、上野恩賜公園にて撮影。


TOKYO GREENだかなんだかいって

やたらと花と緑にあふれていた。


う~ん、正直こういうのは好きではない。

(ぼくなんぞがボヤいたところでどうにもならないですが)


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