さいきん
滝沢馬琴の「南総里見八犬伝」(岩波文庫のやつ)
にはまっているのですが、
「そういやジュサブローさんの人形劇が昔 NHKでやっていた」
と教わりまして……
アマゾンで探すとDVDがありましたので さっそく見てみました。
なるほどおもしろい。
そうとうに人気だった番組らしい。
ただ残念なことに ほとんどテープが残っていない、とか。
DVDに収録されているのは
第一回 第二十回 第四百六十四回(最終回) この三話のみ。
オープニング画面。↓↓
音楽かっこいい。
第一回。
犬のシロ そしてシロの産んだ赤ちゃんのはなしからはじまる。
ま。その赤ちゃんが「八房」なわけです。
原作はオープニング 結城合戦から里見義実がどのように脱出するか、
というはなしですので 全然ちがいます。
子供向けの人形劇なので 終始「犬」にこだわっているようです。
(原作は、「犬」は比喩というか、イメージを利用しているだけ)
ワンちゃんかわゆし。
「玉梓が怨霊」 というのがオープニングから出てきます。
どうも「新八犬伝」では これが終始悪役として登場してくるようです。
玉梓。
原作では 重要といや重要だが、冒頭部分にちょっとでてくるだけ。
原作では逆に 伏姫の神霊みたいのが終始登場します。
第二十回。
瀕死の伏姫と金碗大輔(のちのゝ大法師)。
原作でもやっぱり許嫁同士の二人ですが、
こんなラブラブではない。
というか……
原作は
伏姫、切腹する→八つの玉が天に向かって散らばる。
という壮絶なシーンですので、
こんなのんきに抱き合ったりできない。
あ。あと伏姫。何か月も山で暮らした後なので
髪がぼさぼさ、衣装もボロボロという 美人の山姥みたいな挿絵がありますな。原作には。
(これがまたセクシーなんだ……)
「新八犬伝」はとにかく「犬イメージ」で攻めます。↓↓
八つの玉をみつめる 義実と大輔主従。
話は突然 最終回。
ラスト、ゝ大坊が腹を切ります。
で、玉梓が怨霊を鎮めます。
んー原作はまったくこんなシーンはありません。
でも、原作はラストのあたり、完全にダラダラしてくるので、
「新八犬伝」のこのラストはすばらしい。
八犬士の皆さん。↓↓
しかし、「8」という偶数は なんか画面的に落ち着かないものがある……
奇数だと 誰かが真ん中にズカッと入るので構図がシャキッとするのですが……
なるほど だから 黒澤明の名作は 「7」人の侍 なわけか???
犬塚信乃↓↓
なんか強情な きかん気の強そうな顔をしている。
原作では女の子として幼少期育てられるのですが……
「新八犬伝」でもそうなのか?
やっぱ「村雨」はでてくるのか?
犬川額蔵↓↓
と、「新八犬伝」ではいっていたが、
原作では 「額蔵」という名前はよくない。といって「荘助」に改名します。
原作では性悪の村長に下男としてこき使われたり
冤罪で捕まって拷問されたり、
八犬士で一番の苦労人なのですが……
「新八犬伝」ではどうなのかな?
あんまり苦労人っぽいルックスではないですが。
犬飼現八↓↓
なんかかわいい顔してますな。
原作ではけっこう地味めなヒト。
武芸に長じている。というが、それほど目立ってない。
ほかの人が華やかすぎるのだな。信乃とか毛野とか
犬山道節↓↓
苦み走った……なんか悪役みたいな強烈なルックス。
でも、原作のイメージもこんなかな。
武断派、というか、なにかというとマッチョなことをおっしゃるお方。
そのくせ、
八犬士のなかでは一番のお坊ちゃんキャラだったりする。
犬田小文吾↓↓
なんですが、このお人形さん個人的にはあまり納得がいかない。
八犬士で一番 ガタイがいいのは小文吾のはずだ。
でもお顔は 彼のなんか穏やかな気性をよく表現している。
(とか、ジュサブローにむかって偉そうなこと書いてます)
犬坂毛野↓↓
なるほど、美少年キャラです。
でも、子供向け番組なんだから
いっそのこと 女性キャラにしちゃったほうがよかったのでは??
とか、勝手なことを思ったりする。
原作はとにかくギラギラして 美少女の格好で大虐殺しちゃったりするわけですが……
「新八犬伝」はどうやって再現したのでしょうか??
犬村大角↓↓
うん。大角先生はこんな感じでしょう。
この人もなんか地味なんだよな。
犬江親兵衛↓↓
これは完全に納得がいかない。
なんでこんなシュワルツェネッガーみたいなマッチョキャラなのか?
とか おもったのですが、
「新八犬伝」ではほとんど登場機会のないキャラであるらしいです。
原作は 八犬士の中の最強キャラ。後半の主人公は彼です。
(というか、あまりに強すぎて まったくおもしろくない)
細川政元というホモ・ヘンタイの権力者が 親兵衛に惚れてしまって
彼を軟禁するというエピソードがありますので、
いよいよこんなマッチョな感じはよろしくない。
えー、で 「新八犬伝」のさいごのさいごですが、
八犬士はワンちゃんに姿をかえて、
どこかへ飛んで行ってしまいました……
ということになっています。
なるほどモダンな終わり方です。
原作はほんと ラストがダラけてくるので
こっちのほうがいいですな。
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いや、しかし、
このDVDみて一番 驚いたのは……
坂本九さん、この人の存在感ですな~
名前はさすがに知ってたけど。
(「上を向いて歩こう」だろ??)
テレビあんまし見ないもので
ひょっとして動く九ちゃんをはじめてみたかもしれんです。
昔の「スタア」ってすごいな~
ニコニコして、明るくて、
歌はうまいし、ナレーションもできるって……
こんな人いないよな。今。
母親に坂本九のことを聞くと、
なんでも つくば万博で 彼の歌声を 遠くからだけど聞いたことがあったそうで、
で、その少しあと、例の日航機墜落事故で亡くなったということでした。