地味ぃ~……
かつ、大部分の方には意味不明な記事。
あくまで続けます。
曲亭馬琴「南総里見八犬伝」なんて
誰もが知ってるけど、誰も読まない本の代表格だもんな~
まあ、いいや。
わかる方にだけわかればいいのです。
あと、自分の考えていることの整理&記録、という意味もあります。
もし、気になったお方。岩波文庫の「南総里見八犬伝」全十巻
チャレンジしてみてはいかが??
□□□□□□□□
①震・☳=三碧木気=犬江親兵衛
②離・☲=九紫火気=犬村大角
ここまで証明ができました。(??)
とくに親兵衛に関しては めちゃくちゃあてはまっている気がするのですが。
異常な成長スピードとか、
他の七犬士をさしおいて目立ってしまう(というか、読者を興ざめさせる)
「長男」ぶりとか、
「三碧木気」でなくては説明がつかないのではあるまいか??
つづいて
③兌・☱=七赤金気=犬川荘介
を田中胎東編「気学密意」にしたがって見ていきます。
七赤を少女となす。
(香草社、田中胎東編「気学密意」182ページより)
→しょっぱなから「なんじゃそりゃ?」という記述ですが……
むしろ「仮少女・にせおとめ」毛野にこそぴったり という感じもするんですが、
じつはこれ、荘介にぴったりです。
易の八卦はそれぞれ……
乾・☰→父
兌・☱→少女
離・☲→中女
震・☳→長男
巽・☴→長女
坎・☵→中男
艮・☶→少男
坤・☷→母
という家族構成を持っています。
中国流の男尊女卑の価値観ですから、
この家族では 乾・☰・父 が一番偉く、 兌・☱・少女 が一番身分が下なのです。
もちろん八犬士の間に身分の差はない。誰が偉いとか誰が身分が低い、とかはありません。
皆同格。
しかし……出身階層はそれぞれ異なる。
そうです。
荘介は「小厮(こもの)・額蔵(がくぞう)」として登場します。
大塚村の村長・蟇六にこきつかわれる孤児として登場するのです。
「七赤を少女となす」
これは八犬士の中での一番の苦労人、荘介にぴったりの記述です。
(ついでにいうと 乾=父=犬山道節は 八犬士の中で一番のお坊ちゃん、出身階層が上、ですから、
これまたぴったりです)
おつぎ。
七赤を容喙となす。
積極的に発言関与するを、容喙という。
人、七赤の剋気を用うるや、容喙して人に嫌忌せらるるに至るべし。
(同書190~191ページより)
これ、例の冤罪事件のことではないでしょうか?
荘介を奴隷のようにこき使っていた 蟇六&亀篠夫婦でしたが、
娘・浜路をめぐるごたごたから
陣代・簸上宮六というやつと助役・軍木五倍二というやつに殺されます。
その殺人現場にたまたま帰ってきた荘介。
主人の仇を討ったのですが
「蟇六&亀篠夫婦を殺したのはお前だろう」
と無実の罪をきせられて投獄されてしまいます。
べつに蟇六&亀篠夫婦には忠義を尽くす必要などないのですが、
そこは律儀に行動してしまう荘介です。
あと、道節だの毛野だのでしたら、
要領よく殺人現場からトンズラしそうな気がするのですが、
いちいちいらんことに「容喙」してしまうのが荘介です。
本命七赤金性の人は、色白く辨能優れて如才なく頭脳また明敏なりといえども、幼少その父と生別死別の悲に遭い刻苦するものとす。
(中略)
七赤金性の人は、親の財産を当てにせず、質素堅実を旨とし独立自営の志を立てて、刻苦精励堅実なるその将来の大成を期するを要す。
(同書195~197ページより)
すべて荘介してます。
両親との死別……
でもグレたりしないで、「質素堅実」「刻苦精励堅実」……
まじめまじめの荘介です。
はい。四番目いきます。
お待ちかね(?) 紅一点キャラ(?) 毛野たん……
④坎・☵=一白水気=犬阪毛野
すべて宇宙の陰を司宰する大気のうち、その用最旺なるを一白水気となす。
一白は陰と陽との交って成れるものとす。
一白を胎となす。
胎とは、二つのものが一つになるをいう。
(同書23~25ページより)
ぜんぶ毛野のためにあるようなコトバです。
美少年にして美少女……
殺し屋にして踊り子……
「陰」「陽」……
「男」「女」……
すべて「二つのものが一つ」に……
ちなみに卦の
坎・☵
も、「陰」に「陽」がはさまれた形をしています。
陰中の陽、なんていい方をしたりします。
一白を悩みとす。
悩みとは、二つ以上の心憂をいう。
およそ宇宙一切の悩みは、みなこれを一白水気となす。
(同書27ページより)
これまた毛野のキャラ設定にぴったり
親の仇をつねに狙う……その苦悩を指しています。
一白を裏とす。
およそ人には、必ず裏あるものとす。裏なき人は成功せざるべし。
(同書27~28ページより)
毛野の登場シーン……
「仮少女・旦開野(にせおとめ・あさけの)」を思い出しましょう。
一白を流水とす。
先から先へと、水のごとく低きにつきて進む性を流という。
すなわち、一処に止ることなく、先から先へときりも際限もなく流れ流れて動くを、一白水気となす。
(同書28~29ページより)
これはもう
小文吾君、毛野へ求婚シーン→毛野による大虐殺シーン
→毛野の逃走シーン
というめくるめく展開を思い出すところ。
そして一所不在 流れる水のように移動し続ける毛野の運命……
一白を孤独とす。
孤独とは周囲に連絡なきをいう。
孤独は自力本願、自営、不羈、独楽となりその裏、頑迷、固陋、偏狭、傲岸、悲哀、と変ず。
(同書35~36ページより)
はい。孤独ですね~
犬士たちの群れに最後に合流するのは毛野ですね。
本命一白水性の人は、その親との縁薄く幼少にして既に辛苦すべし。その親と早く生別死別をなすをもって、一白水性の後天の運はかえってますます開発せらるるものとす。
その性独立不羈、よく患難に堪忍して遂に大成し、いわゆる山問の涓滴末は大江となるに類す。すなわち、守成より創業をもって成功するの運となすべし。
(同書47ページより)
これまた説明のしようがないほど。
孤独な運命だった毛野ですが、さいごは里見候の軍隊を指揮っちゃうまでに出世します。
はい。
どんなものでしょう??
①震・☳=三碧木気=犬江親兵衛
②離・☲=九紫火気=犬村大角
③兌・☱=七赤金気=犬川荘介
④坎・☵=一白水気=犬阪毛野
以上、
これで八犬士のうち、半分が証明できました。
とくに①親兵衛&④毛野たんに関しては自信あります。
彼らの特異なキャラクター設定には、
元・易者志望の馬琴先生、
易・五行・九星の知識フル動員で考え抜いたのではあるまいか??
次回から、残りの4人について みていきます。