坂倉準三作「鎌倉近代美術館」(1951)です。
わたくし、
見に行こう、見に行こう、とおもっていたのですが、
今まで見に行かず、
7年間横浜に住んでいたのにかかわらず、
見に行かず、
イバラキに帰ってからも
鎌倉に行く機会は
小津安二郎先生のお墓参りなどで何度もあったのに、
「カマキン」は見に行かず――
気付いたら、もう、最後の展覧会だという。
「カマキン」なくなってしまう、という。
(建物自体は残すようですが??)
でやっと、
去年の十一月に見に行きました。
平家池にサギがいました。
11月の体験をようやく今になって書こうというのですが、
んーさっさと書けばよかったです。
記憶があいまいになっている。
「すばらしかった……」
という以外、あんまし憶えていない……
あと、天気が最高によかったことはおぼえてます。
今まで見に来なかったわけですけど、で、
それが最後になってしまいそうなわけですけど――
(上記のとおり、建築自体は残るらしいので?? わかりませんが??)
一番いい気候の時に、
こんなすばらしいものがみれたというのは、
ま、逆に良かったかな、などともおもいます。
↑エントランス部分は、ボロくて、
「あれ?」という感じでしたが――
一歩、中に入ると……
至福の空間が広がっている。
大谷石というのはなんでしょうね。
ライトの自由学園もそうだが、
気分が落ち着くね。
しかし、大谷石+ガラスブロック。
ちょいとクセのある素材をこう組み合わせるか!
もさもさっとちょっと野暮ったい手触り(大谷石)
+
つるつる都会派の手触り(ガラスブロック)
で鉄骨構造も(柱ですね)なにげなくみせる、という。
イサム・ノグチ「こけし」という作品だそうですが、
「建築」に「彫刻」って……
たとえ高名な建築家の作品でも
「なに気取ってんの?」
「なにもない方がいい」
というものが多いような気がするのですが……
(そう感じるのはわたくしだけ?)
この子は、かんぜんにカマキンの主ですな。
この建築の住人ですな。
1階テラスはとにかく至福。
見飽きない。
光の角度によってくるくる姿を変える。
池も姿を変える。
展覧会場内の液晶モニターで、
このテラスの四季折々の様子を紹介してましたが、
(記憶があいまいなので……正確じゃないかもしれませんが、
梅雨の雨の頃、雪が降っているところ、など映像があった気がする)
それがすばらしくて……
夏来ればよかった。
あ、今度は冬に来よう。
閉館前に来るんだ。
――とかおもったのですが、
けっきょく行かずじまい。
平日でほとんど人がいなかったというのも良かった。
とにかくこの子が好き。
階段の側面部分をわざとみせる。
手すりのエロいカーブを楽しみましょう。
そして、鉄骨、大谷石の壁といった、
構造部材(重力を支える部材)を露出させる。
そしてそして……
構造部材が
風景をみせる「額縁」「フレーム」になっているという――
ものすごさ。
影もまた美しい。
その2につづく。