ゆりがうちにやってきた
2011年10月……
こんなだったころ↓↓
世田谷の豪徳寺で
「身心堅固」というお札をいただいて――
そのご利益か……
このようにふてぶてしく健康に育ちましたので、↓↓
もう一度 お礼に行くべきであろうと、
参拝にいきました。
――のですが、
うすうす噂にはきいてましたが、
な、なんか
とんでもないことになってる……
招き猫の洪水……
2011年に撮った観音様の写真ですが↓↓
たしか、まわりにはなにもなくポツンとおられたとおもうのですが……↓↓
2017年
6年後には……↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
やんややんや……
招き猫に囲まれてる……
前は寂しそうだったのだが、
今はみんなでワイワイやってる感じの観音様……
6年の重みを感じましたね……
あと、ガイジンさんが多かった……
僕が着いたとき、
チャイニーズっぽいきれいなお姉さん方が 撮影会やっておられました。
6年経ったね……
年取ったね……
しかし 純白の豪徳寺バージョンの招き猫に統一しているあたり
日本人を感じる。
よくある三毛猫の、とか、黒猫の、とかを
混ぜる不届きものはあんまりいないのではないか??
あ。でもお寺さんの方でどけちゃうのかしら??
はなし、ちと、わき道にそれますが……
さいきんわたくし 吉野裕子という民俗学の先生の本にはまってまして、
この吉野先生の方法論というのが、
易・陰陽五行説
をつかって日本の民俗を解く、というもので……
それで
易・陰陽五行説
にもはまりつつあるのです。
べつにオカルトとしての興味ではなく、
古代日本人~江戸人の思想を支配していたのは
けっきょくのところ
儒教・仏教よりも 易・陰陽五行説だったのではないか?
という興味です。
んで、
日常、五行説のことばっかり考えてるもので
『招き猫』も五行説で解読できるのではないか?
とか思っちゃうのですね。
五行説は 万物を
「木」「火」「土」「金」「水」
この五気で説明します。
それぞれ
木生火→木は火を生み、
火生土→火は土(灰)を生み、
土生金→土は金を生み、
金生水→金は水を生み、
水生木→水は木を生む。
という関係があります。「金生水」はわかりづらいのですが、
冷えた金属に水が結露する、あのイメージではないか、ということです。
あと、
木剋土→木は土に勝ち、
土剋水→土は水に勝ち、
水剋火→水は火に勝ち、
火剋金→火は金に勝ち、
金剋木→金は木に勝ち、
という関係もあります。これはわかりやすいです。
退屈なはなしが続きますが
さいご 招き猫につなげますので お待ちください。
五行であとひとつ重要なのは
五気それぞれ シンボルの色があるんですな。
木→青
火→赤
土→黄
金→白
水→黒
中国では「黄色」の服は皇帝しか着れなかった、とかいいますが、
それは「土」=「黄色」の法則が理由です。
五気の中でいつも中心に位置するのが「土」
(そういうことになっているんですわ……)
それで人間界の中心の皇帝だけが
最も高貴な黄色の服が着れる、ということのようです。
はい。
でようやく
陰陽五行説による招き猫の解読です。
招き猫発祥の地、豪徳寺が なぜ「純白」の招き猫にこだわるのか?
というと、
おそらく、豪徳寺が井伊家の菩提寺であったこと、
サムライと深い関係があったこと、
に由来するとおもわれます。
思い出してください。
白=「金」です。
サムライも「金」に関係があります。
「刀」=「金属」=「金」です。
ほかの木、火、土、水ではなく、サムライ=「金」=「白」ですので、
豪徳寺の招き猫は
黒猫でもなく、三毛猫でもなく
純白の猫でなくてはならんのです。
(白は源氏のシンボルカラーでもあるな……)
えーさて、ここで当然の質問、
「白、はいいとして、『赤』はどうなの? 赤い首輪してますが??」
ここで登場するのが、
「火剋金」=「火は金に勝つ」の原則。
金属は高温に弱い、溶けてしまいます。
純白、つまり金気のネコちゃんは 「火」に弱い、という理屈があるので、
あらかじめ「火」に対する防御策として
「火」を象徴する「赤」を身にまとったのではないか??
豪徳寺の招き猫が 「小判」を持っていないのも
武士のプライドでしょう。
「白」=「金」ですけど、
あくまで刀、日本刀の「金」であって、
「マネー」「ゴールド」の「金」ではないからです。
ところが……
商人階級はそうは考えないでしょう。
「刀」なんて持たないのですから、
彼らは「カネ」が武器なのですから。
もともとの純白・豪徳寺招き猫に小判を持たせたのは
商人階級のだれか、です。
さらに推理をすすめると
黒色招き猫→黒=水……つまり、漁師、あるいは水商売の人たち。
黄色招き猫→黄=土……つまり、農家の人たち。
が、生み出した。
もしくは必要とした、のではないか??
じゃ、
一番定番の三毛猫タイプ招き猫は
五行説でどう説明できるか??
わたくしの推理によると、
木、火、土、金、水
ご利益、ぜんぶぶっこんでやろうぜ!
→三毛猫タイプ招き猫。
とおもわれます。
三毛猫の体の模様は
白→金
黄→土
黒→水
これだけで三気もあるわけです。
すごいにゃんこです。
さらに赤い首輪をしてますので
赤→火
これで四気。
んーでも、待って 青→木 がないじゃないの??
ここでややこしい説明。
寅(トラ)が木気の動物、というはなしです。
五行説は、さっき書きましたが、これで万物を説明しようという原理です。
とうぜん、動物もそれで無理やり説明しようとします。
一年は寅月からはじまります。
寅→卯→辰→巳 という風に 十二支が各月に割り当てられている。
さらに季節にも五行が割り当てられている。
春→木
夏→火
秋→金
冬→水
という具合。
一年の始まり「寅」月は春のはじめ、つまり木気のはじめ。
寅は木気の動物……
なので、小型の寅、
ネコ=木気
なのです。
かなり無理やりなのですが、そういう理屈なのだから仕方ない。
はい。
これで五気そろったわけです。
三毛猫の招き猫は最強
なわけです。
でも、あくまでサムライのプライドを守り続ける豪徳寺、
かっこよすぎます。
純白招き猫はサムライのシンボル
なのです。
はぁ……
はたして最後まで読んでいただけた方はいらっしゃるのか??
お札。
いただきました。
下手っぴな写真ですが……
たまたまゆりが写っているので。
ゆり→身心堅固・災難消除
クロ→身心堅固・病気平癒
です。
クロ、年取って、ちょくちょく具合が悪いので。