竹橋の 東京国立近代美術館へ。
「クマガイモリカズ」を見に行きました。
この人のコトバで
「絵描きくさいのはやり切れない。
それは大変な欠点です」
というのがあるが、なにやらすさまじいことを言っている気がします。
だいたい世の中は「~くさい」ヤツだらけなのです。
「小説家くさい」ヤツ
「アーティストくさい」ヤツ
「大学生くさい」ヤツ
「ビジネスマンくさい」ヤツ
「公務員くさい」ヤツ
「業界人くさい」ヤツ
……えんえんとこのリストは続くことでしょう。
演技が鼻につくヤツばかりです。
といって「僕は演技をしてません」
というヤツもけっこういたりするのですが、
そんなやつは大抵
「アナーキストくさい」ヤツ
「自由人くさい」ヤツ
「ヒッピーくさい」ヤツ
で、やっぱりなにかしらの「演技」をしていたりして
がっかりすることがほとんどです。
そんな中で 絵描きの世界で突き抜けちゃっている二大巨頭は――
・バルテュス
・クマガイモリカズ
この二人で……
・バルテュス→「絵描きくさい」演技を徹底的に追求→絵描き界の帝王。魔王。
・クマガイモリカズ→「絵描きくささ」を放棄→ゼロ絵描きへ。
ということになろうかとおもいますが……
両者ともこんな「図式」なんてもの ハナから問題にしていないことでしょう。
ともかく(クマガイモリカズからいったん離れますが)
巨匠・会田誠の
「わだばバルチュスになる」
というふざけた落書き
が、感動的な理由はそのあたりの「演技」にあるのではあるまいか?
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もとい、熊谷守一展です。
以上、たいそう偉そうなことを書いてきましたので
さぞや熊谷守一に詳しいのだろう、とおもいきや……
じつは、
別冊太陽「気ままに絵のみち 熊谷守一」
――これを読んで、「いいな。いいな」とおもっていただけ。
ホンモノのクマガイモリカズ作品。初体験です!!
当たり前すぎるほどあたりまえのこと書きますが、
やっぱり実物はいい……
本でみて とくになんともおもわなかった
↑↑「雨滴」(1961)
に、おもわず涙してしまった。
・誰もが目にしているあたりまえのことを描くバカさ。
・これを画題にしてしまうバカさ。
・これをまじめに描くバカさ。
・他人の反応とか無視しきっているバカさ。
そして「赤」の輪郭線の美しさ……
ネコもよかった。
3月までやってるから……会期中にもう1回 会いに行きたいところです。
近代美術館。
谷口吉郎先生の建物もいいです。(吉生先生のパパ)
古き良きモダン。
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おとなりのパレスサイドビルにもちょっと寄りました。
林昌二先生の作品。
こっちはなんかレトロSFっぽい雰囲気。
おとなりの近代美術館を見下ろします。