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萬翠楼福住(箱根湯本)明治棟・金泉楼22号室

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5月中旬。

3泊4日の箱根旅行。

 

ようやく3泊めの宿にたどりつきました……

もう旅行から1ヵ月経ってしまいましたが……

 

創業寛永二年(1625)のお宿のご紹介。

……なのですが、

宿がどうこういうより、わたくし(トマス・ピンコ)の側の問題がいろいろ明らかになった気がします。

今回は。

 

松坂屋本店に続き、以下、

あまりよいことを書かないとおもうのですが、

悪いのは宿ではありません。

 

悪いのはぜんぶトマス・ピンコの野郎です‼

 

□□□□□□□□

冒頭。

わたくしの問題点をはっきりさせておきましょう。

①古い建築に寝泊まりするのはとても怖い。

②たんに「旅館」より「ホテル」のほうが好き。

 

以上2点となります。

今回の萬翠楼福住はこの2点が明らかになったという意味では

非常に意義深いものでした。

 

箱根湯本駅からあるきまして

10分ばかり――

 

こんな風情ある街並みをとおりすぎまして……(萬翠楼福住ではないです↓↓)

 

みえてきたのは

こんな看板。

 

――と、こんな建物。

 

あれ。

「重要文化財」「明治棟」とかいうコトバから連想するのとは違うイメージ。

 

フロントにかかっていた額↓↓

 

だが、中身は立派に「明治」してます。

 

資料コーナーみたいのがありました。

脇に喫煙室がありました、たしか。

 

チェックインして

まず登場しましたのは

 

「ちもと」の湯もち‼

 

これはおいしかった。

おみやげに買っていって 家族に好評でした。

 

22号室の様子。

 

宿泊の予約の際、重要文化財の30号室とどちらにするか悩んだのですが……

川に面した広縁があるということで 22号室に。

(余談:あとNascar ペンスキーの22号車 ジョーイ・ロガーノ君のファンだということもあるな!)

 

8帖+6帖+5.5帖+広縁

で、二人ではもったいない広さ。

 

四人家族でもまだ余裕がありそうな空間でした。

 

広縁。まあ こんな感じで 雰囲気はよかったですが、

川は木々にさえぎられて ほぼ見えません。

ただせせらぎの音はけっこう大きく聞こえました。

 

あと電車の音も聞こえました。

電車の姿はみえなかったとおもう。

 

8帖の部屋の床の間。

 

電話機が座布団(?)の上に乗ってて

カバーがかけてあるのがポイント↓↓

 

↑↓繊細な障子桟。

ネコちゃんは立入禁止……だね。

 

広縁から庭をみたところ。

 

川がちらっと写ってますね。

 

 

6帖の部屋↓↓

 

柱にブザーが。

 

今は作動していません。

電話の内線が存在する前の道具かしら?

 

ブザーというと 小津先生の「戸田家の兄妹」(1941)

――三宅邦子の若奥様がブーブーやるやつをおもいだすのですが、

まあ、あれでしょうね。

もう一度ちらっと見てみたが ブザーのスイッチは画面に写ってなかった。

残念。

 

あと(主演の)高峰三枝子は「ブザー」じゃなくて「呼び鈴」といってましたな。

 

この部屋はほぼ使わなかったな。

キャリーケース置場でした。

 

柱はなんの木材だろう。

和の建築って、けっきょく「この木材は〇〇」って見抜けないとしょうがないところがあるから、

難しい。

 

凝ったディテール

 

8帖の部屋から

広縁をみたところ↓↓

 

部屋のお風呂↓↓

 

ですが、大浴場行ったので使いませんでしたね。

 

 

ええと、たぶん

22号室を外からみるとこうなります、という写真↓↓

 

洗面所の窓を開けて撮ったとおもいます。

 

洗面所は普通すぎるほど普通。

 

 

 

窓を開けて 建物外観を撮ってみたのですが、

正直、そう感銘は受けませんでした。

 

んーみどころがよくわからん。

 

疑似西洋建築といっていいのでしょうが。

構造はなんなのか?

木造建築かね?

 

そうそう。で。

冒頭書きました……

①古い建築に寝泊まりするのはとても怖い。

この問題を書きましょう。

 

そもそも寝る部屋の選択を間違えましたね。

宿のお姉さんに 6帖と5.5帖 どちらにしましょう?

といわれて 落ち着いた雰囲気の5.5帖にしたのは失敗だった。

 

夜中 天井からミシミシと音が……

 

それがまず怖くて……

 

あと……この怖さを描写するのは難しいな。

古い建築の 壁や天井や床やにたまりにたまった 妙な澱? のようなものを

勝手に感じとってしまって……

 

ああ、あれです。霊感が、とかそんなはなしをしているんじゃないんです。

全く違うんですよ。これは。

 

とにかく怖くて怖くて、ですね。

となりのT子さんは毎度毎度 寝つきがいいので

わたくし、ひとりで勝手に怖がっておりました……

 

とにかく僕、怖いんですよ。古い建築は。

それがわかりましたね。

 

昼間 古い建築を見に行って

で、写真撮るのは大好きなんですが――

寝泊まりするのはこうも恐ろしいとは……

 

あー 描写力のなさを痛感しております。

となりのトトロの「まっくろくろすけ」 あれが部屋にいる感じですかね??

重ね重ねいうが、

霊感がどうのこうの、妖怪がどうのこうのいうのではないのです。

あくまで自分の弱っちい神経の問題です。

(T子さんはまったく平気だったもの)

 

でも、なんのかの 3、4時間は寝ましたかね。

起きてみるとなんのことはない、綺麗な和室だったのですが、ね。

 

何か月か前、ホテルニューグランドの本館スイートに泊まった時、

「20年代テイストが……渡辺仁要素がない‼」

などと嘆いたものですが、

 

あれ、オリジナルのままだったら、きっと怖かったに違いない。

わたくしにとっては。

 

もとい、窓の桟の鍵の構造↓↓

 

仲居さんに「どうやって開けるんですか?」と聞くと、

「回すと開きます」とうるさそうにいわれて……

 

でもその「回す」の意味がわからず

試行錯誤したのですが……

 

あー ネジになっているのね。

 

昔は面倒なことしてたんですね。

マイナスねじは好感が持てます。

 

えー続きまして

②たんに「旅館」より「ホテル」のほうが好き。

ですが、

 

 おハンケチをお出し下さいませ。明日までに洗ってまいります。夏場だと、手套も洗っておくと云う。折角ながら一一(いちいち)みんなことわる。そんな物は洗わしても構わないが、洗う程よごれてもいない。何しろ面倒で仕様がない。しかし先方ではそう云う風に気を遣うのをサアヴィスと心得ている。お風呂に這入れと云う。今はいやだと云うと、いつ頃お這入りになるかと尋ねる。ほっというて貰いたいが、浴室の構造や、案内する順序から云って、そうばかりも行かないだろう。どうかすれば向うの都合に順応して、まだ行きたくもない風呂場へ出掛ける事もある。

 これ等の事が、ホテルでは一切何の煩いもない。著くとボイが部屋へ案内して、鍵を置いてお辞儀をして帰って行く。それでお仕舞で後はなんにも構って来ない。風呂に這入りたければバスがある。お茶が飲みたかったら、命ずれば持って来る。命ぜざればいつ迄でも知らん顔をしている。その知らん顔と云うのが、旅先では一番難有い(ありがたい)。

(新潮文庫、内田百閒著「第三阿房列車」165ページより)

 

まあ、内田百閒先生のこれにつきるかな。

こんなにうるさかった、というわけじゃないですよ。

 

部屋食がね。

 

夕食・朝食。

予約の段階では 部屋食は希望していなかったのですが、

来てみると 有無を言わせず部屋食になっている……

 

まあ、それが「サアヴィス」ということなのでしょうねえ。

 

で、夕食。

すばらしかったのですが、

 

山のホテル……松坂屋本店……

 

と並べると 失礼ながら見劣りがする。

どこか垢抜けない。

 

ついでにいうと

先の宿にくらべると 宿泊費的に 〇万円ほど 萬翠楼福住のほうが安いので

これは文句はいえません。

 

まあ、妥当なお値段というところでしょう。

 

これは↓↓

 

料理長自慢の だか、

料理長お得意の だか、

仲居さんのいった明確なフレーズは忘れましたが、

 

新名物焼胡麻豆腐

というものだったのですが……

 

んー……

 

あまりに

料理長

料理長

と口にされると閉口してしまう。

 

あと、胡麻豆腐もそうでしたが

触感が

ねちょねちょ系が多く……

 

そのあたりどうなのかね?

 

食感(触感)はメリハリをつけるべきだな。

ということを学びました。

 

料理長の手打二・八蕎麦↓↓

 

だそうで、

また「料理長」

です。

 

山のホテルにしろ、

松坂屋本店にしろ、

「料理長」というフレーズは一言も耳にしなかったですが……

 

はっきりいいますね。

これはやめたほうがよい。

 

んーひょっとして 僕が知らないだけで、

ものすごい料理長なのかもしれないですが……

 

まあ、ふつうの蕎麦です。

 

デザート。

あくまでねちょねちょ系多い主義です。

 

おいしんだよ。おいしんだけどさ。

 

続きまして朝食。

たしか8時にお願いして……

 

二人とも寝起きが悪いので不安だったのですが

そのことをきくと

「5分前にうかがいます」

とのこと……

 

だったのですが、

ばっちり30分前には起されるよね。

 

T子さんは起きるわけがないので

僕がドアを開ける係。

 

朝は、でも

料理長

なるフレーズはなかったかな?

 

このお味噌汁はおいしかったね。

 

 

 

チェックアウト後

萬翠楼15号室を拝見させていただきました。

 

「折り上げ格天井」かと勝手におもいこんでいたのですが、

違いますね。

折り上げじゃないですね。

 

そこらへんやっぱし

富士屋ホテルは 「折り上げ格天井」なわけで……

 

 

んー やっぱし次は富士屋ホテルだな などとおもいましたです。

工事終わったらぜひ行きたいところです。

 

やっぱり天井に絵描くなら

「折り上げ」て欲しいなあ。

 

でもあれ 隅っこの処理がめんどうくさいんだろうなあ。

ガンと 施工費用があがっちゃうんだろうなあ。

 

「折り上げ格天井」というやつ

なにがいいのか よくわからなかったのですが、

 

なるほど。

折り上げてないやつをみて

はじめて良さがわかりました。

 

 

 

 

これはコンセントが隠れてますよ、

というディテールです。

 

なんかとりとめもない感じになりましたが……

 

あ。肝心の温泉のはなしがなかったですが、

温泉の良しあしはよくわからないもので……

 

浴場。

T子さんが履いてきたスリッパを盗られてしまうというトラブルがあり、

入浴後 けたたましい声で呼び出されましたので

なんだかよく覚えてません。

 

なんでも真綿の湯とかいって評価が高いようですので

温泉好きの方が行かれた場合、

この宿

僕とまったく逆の評価が出るのではないでしょうか?


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