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日本郵船・氷川丸③ 一等読書室・一等社交室・一等喫煙室

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氷川丸・つづき。

前回②の記事を書いたのは4月おわりだったので

だいたい2カ月くらい間があいてしまった……

 

とにかくはじめてみます。

順路の通り進みますと……一等食堂の次にあらわれるのは

「一等読書室」です。

 

前回みた「一等児童室」「一等食堂」はBデッキにありますが、

「一等読書室」は、一階上のAデッキ。

 

ここもマルク・シモンのデザインらしいが、地味すぎて見所がよくわからない。

「アールデコ」!! というケレン味に欠ける、というか。

 

吉田剛市先生の「調査報告書」を引用しますと、

 読書室は、1等船客サロンの左舷側後方にある細長い部屋であるが、もともとここもさしたる造形的要素の見られないシンプルな部屋であった。ただし、壁は全面板張りだったようで、決して簡素というのではない。現在は先述のように、柱形と中央天井灯に当初の姿を見ることができる。

(横浜市教育委員会「横浜市指定文化財「氷川丸」調査報告書」10ページより)

 

ということで、竣工当時の写真をみると、たしかに豪華な木材の壁だったようです。

椅子とかテーブルとかも豪華……ちょうど目の前のホテルニューグランドのロビーみたいな、

そんな感じのものが使われていたようです。

 

今はまったくゴージャス感はない。

 

本棚とか撮ってますが、

天井灯の写真は撮ってない……

 

次回行くことがあったら、一等食堂のドア、そしてこの読書室の天井灯は撮らねばならない、

などとおもいました。

 

お次。

一等社交室。

 

「調査報告書」では「1等船客サロン」と呼んでます。

 

「調査報告書」を引用しますと――

 

 天井は中央部を斜めに折り上げたトップライトで、そのトップライトの矩形による枠取り、斜めの折り上げ部分の半透明のガラスの円弧の組み合わせによる華麗な装飾、垂れ壁の下部の円弧と三角形を組み合わせた帯装飾、柱形の柱頭の独特の植物文様、五角形のガラス4枚と周囲にジグザグ文様を施した中央ガラスからなる天井灯、それに入口ドアの鉄細工の文様など、アール・デコの造形の横溢する空間である。天井周囲の玉縁飾りがややクラシックな印象を与えるが、これもまた幾何学的に簡略化されたディテールをもっており、やはりアール・デコ的である。

(同書8-9ページより)

 

「天井灯」がちらっと写ってます。

 

柱の様子。

「独特の植物文様」というやつ。

 

トップライトはこんなです。

 

「華麗な装飾」というが、

けっこうかわいいデザインだとおもう。

 

部屋全体の様子。

 

五角形のガラスを使った天井灯の様子がわかりますが、

これもあらためて撮りにいかないと。というポイント。

 

天井トップライトの折り上げ部分。

 

暖炉の様子。

 

 

以下、5枚。

5年前の画像です。

武漢肺炎パンデミック以前だったので 無粋な立ち入り禁止のテープなどはなかったわけです。

 

暖炉のディテールです。↓↓

凝った造形。

 

かわいいパンカー・ルーヴル(空調の装置)

そして「円弧と三角形を組み合わせた帯装飾」

 

 

 

柱頭の装飾

 

フレスコ画。

なんかアンリ・ルソーっぽいような感じ。

 

吉田剛市先生によると、

「フォーヴィスムというかプリミティヴィスムというか、アール・デコ的な様式とは少し異なる雰囲気をもつが、先述のエル・ジェゼール号のサロンやパストゥール号の食堂でもシモンと共同している画家・漆工芸家ルイ=レイモン・ドレアージュによるものである」

とのことです。

 

個人的には……あくまでわたくし個人の好みですが、

柱頭のデザインといい フレスコ画のデザインといい、

なんかおどろおどろしい……ごてごてした植物文様がどうも苦手。

この部屋はあまり好みではないかな。

などとおもうのですが……

 

なにもない大海原を航海していると逆に、こういうごてごてしたデザインを愛でたくなるものなのかも??

とも思ったりもします。

 

次。

「一等喫煙室」

 

一等社交室があまり好きではないのは、

こっちの……喫煙室のシンプルなデザインが好きなせいか?

 

元々のマルク・シモンのデザインはもっとごてごてしていたらしい。

 

なんかこう、上品な「バー」みたいな部屋だ。

 

このステンドグラスなんかたまらん。

 

トップライトも社交室よりかっこいい。

「空間」としてこっちのほうが迫力があるんですよね。

 

吉田剛市先生も褒めてて

「しかし、3段に折り上げられたトップライトは圧巻であり、その立ち上がり部分の溝掘り状の帯装飾、同様な溝掘りをもつ柱形、そして天井灯など、やはりアール・デコ的な造形が随所に見られる」

 

3段に折り上げ……ねえ。なるほど迫力はそのせいか。

社交室のトップライトはそういわれると平板な印象だな。

 

シンプルでメタリックな雰囲気が良い。

 

暖炉脇の椅子なんて快適そうです。

某国から広まった疫病のせいで座れないことになってますが……

そういうのそろそろ止めましょうよ。

 

……というか、もうこの状態じゃないかもしれないな。

最近氷川丸行かれた方、いらっしゃいます???

 

好みの空間なので

いろいろなアングルから撮ってます。

 

 

 

 

 

 

 

天井灯。

 

これは……どういう扉なのか?

しかしかっこいいっす。

 

暖炉もシンプルで良し。

社交室のはデカすぎる。(個人的な見解)

 

以下4枚 5年前の写真。

さっき書きましたが、暖炉脇の椅子とか座れたんだとおもう。たぶん。

 

時計。

こんな変な時間には行かなかったはずなので

(正午の汽笛を聞いた記憶がある)

時計は止まっているのでしょう。

 

メーカー名不詳だがゴージャスな雰囲気。

黒い丸はゼンマイの穴か??

(……にしては塞がれているように見えるのがよくわからない)

 

マイナスねじにも注目したい。

 

右側の↓↓

 

船のステインドグラスの部分は バー的なものなのかな?

それともタバコとか葉巻とかがしまってあったのかな??

 

酒もタバコも興味がないんですが、

この空間は好きです。

 

まだ……気力があれば続きます、氷川丸の記事。


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