雪。
まったくひどいものです。
もう降らないでいただきたい。
あたくし。通勤の為にクルマを買って、
5年だか6年だかたつのですが…
この雪で
はじめてチェーンを使いました。
1時間くらいかけて…装着。
職場の駐車場だったもんで
屋根のないところで…
雪と風の中、1時間…あれはつらかった。
なんつっても
チェーン初体験なものでチェーンヴァージンなもので
ヤリ方がわからず苦労致しました。
なもので…
使用後のチェーンをベランダで乾かしました。
で、
たまたま下に敷くのに使った新聞紙で、
山田洋次先生がかの「東京物語」をモチーフに
「東京家族」なる映画を作ったことを知りました。
なんでも1月19日(土)ロードショーだそうですよ。
その紙面をざっとみてみたのだが…
・橋爪功&吉行和子
→が、笠智衆&東山千栄子の老夫婦。(尾道から東京へやってくる)
・西村雅彦&夏川結衣
→が、山村聰&三宅邦子の長男夫婦。(町医者)
・中嶋朋子&林家正蔵師匠
→が、杉村春子&中村伸郎の長女夫婦。(美容院経営)
ここまではわかったが、
平山昌次(妻夫木聡)&間宮紀子(蒼井優)
というのでなんだか一瞬わからなくなる。
あれ?…なんだ、こいつら??…
こんなのいたっけ?
…と、おもったら、なんだ。
「東京物語」の平山昌次は戦死してるんだった。
だから蒼井優ちゃんが、原節子(未亡人)だね。
この二人、つまり妻夫木&蒼井ですが、
「福島のボランティアで出会った二人。舞台美術の仕事をする次男は、彼の将来の見通しを心配して小言を言う父を避けている」
とかいう設定だそうな。
うー…はっきりいうね。
なんと軟弱な(ため息)…
…ん、まあ、
これ以上文句は言わない。文句は言わないよ。
だが、まあ、あらためて、
小津の「東京物語」を支えている構造がよくわかります。
「東京物語」を支えているのは
「ゼロ」あるいは「死者たち」なのだなぁ…
まー誰もが思いつくことだろうとおもいますが、
ここらでロラン・バルトの「表徴の帝国」を引用するのも
悪くはなかろうと思います。
わたしの語ろうとしている都市(東京)は、次のような貴重な逆説、《いかにもこの都市は中心をもっている。だが、その中心は空虚である》という逆説を示してくれる。…(中略)…現代の最も強大な二大都市の一つであるこの首都は、城壁と濠水と屋根と樹木との不透明な環のまわりに造られているのだが、しかしその中心そのものは、なんらかの力を放射するためにそこにあるのではなく、年のいっさいの動きに空虚な中心点を与えて、動きの循環に永久の迂回を強制するために、そこにあるのである。
(ロラン・バルト著、ちくま学芸文庫「表徴の帝国」54ページより)
ようするに
皇居という「ゼロ」「空虚」に支えられた都市、「東京」
そして、
死者、戦争という「ゼロ」「空虚」に支えられた「東京物語」
小津センセイにはこのあたりのパラレル関係がよくわかっていたのだろう、
となんとなく思わせるものがあります。
んで、その肝心の「ゼロ」が見当たらない「東京家族」
どうなんすかねぇ??
蒼井優ちゃんが、吉行和子を泣かせたりするのかな??
んー…想像もつかないっす。