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先日、吾輩はディズニーの「ダンボ」を
生れてはじめてみて、何度も号泣してしまったので
感想をば、書いてゆきたいと思うのである。
にしても、なんてかわいいのかしら、ダンボちゃん…
彼はスクリーン上に出現した
もっともかわゆい生物なのではあるまいか。
いや、この吾輩が断言するのだから、まず間違いはないのである。
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感想①とある病室にて
登場人物紹介
・女医:ユダヤ系美人精神科医
・患者:さいきん「ダンボ」をみて感動した。
女医はライトグレーのスーツ姿、
ベッドに横たわる患者のすぐわきで
ワインレッド色のストッキングにつつまれた美脚を
これ見よがしにブラブラさせながらメモを取っている。
患者:「ダンボ」を今回はじめてみて、最初に思い出したことはこうです。子供の頃、親戚で集まってディズニーランドへ行ったのですが、そこでのぼくの唯一の目標は
「叔母と空飛ぶダンボに乗る」
というものであったことです。それ以外のことは何も考えませんでした。
他の乗物のことは考えませんでした。とにかく5歳か6歳だったぼくは叔母とダンボに乗りたかったのです。
女医:わかりました。あなたには母親が二人いるのよ。
患者:は?どういうことですか?
女医:正確にいうと…こういうこと、常にあなたは本当の母親から引き離された人生を送っている、と感じてきた。そうではなくって?母親だけじゃない。父親にしろ、友人関係にしろ、学校、職場にせよ、すべてにおいて「ホンモノじゃない」という感覚を抱いてきた。そうではないの?
患者:う~ん、それってメシア願望みたいなものなのかな。
女医:すべては母親が二人いることに起因するの。わかる?あなたは若くて美しい叔母を「本当の母親」だとおもっていた。それで実の母を「まやかしの母親」だとおもっていた。
患者:ひどい奴だ。
女医:ひどいけど、これが真実なのよ。じっさいにこの「二人の母親」という歪みが、トマス、あなたの性格上の歪みの原因なんだし、対人関係、とくに女性との関係の問題もこのあたりに起因している。妙に相手を崇拝してみたかとおもえば、次の瞬間は暴君的にふるまってみたり…
患者:ま、そんなところもあるかもしれません。でもそれが「ダンボ」とどんな関係があるんです?
女医:鈍いわね。「ダンボ」の中心プロットは一体何?それは「引き離された母と子が再び一緒になる」…でしょ?
患者:ジャンボとダンボ、ですね。でも「二人の母親」なんかでてきませんよ。
女医:問題は、子供の頃のあなたが何を考えていたか、です。繰り返しましょうか、あなたは若くて美しい叔母を「本当の母親」だとおもっていた。
患者:認めますよ、認めます。若い女性を見ればすべてを叔母と比較するんです。顔だちや声や話し方…いやそれどころじゃありません。体つき、肌の色、おっぱいの大きさ、形、もうなにもかも、です。すべてを若いころの叔母と比較して…それで…それで…
女医:がっかりする?
患者:そうです。ドクター、あなたがなにをおっしゃりたいのか、だんだんわかってきました。ぼくは、自分自身をダンボに重ねあわせていたわけですね。
女医:そう。ディズニーランドは、5歳のあなたにとっては、不当に引き離されていた「本当の母親」と出会え、抱き合える場所だったの。そこで「本当の母親」と一緒に体験するにふさわしい乗り物は一体なに?――母を失い、また獲得する物語。…「ダンボ」以外にはないのではありませんか?
患者:そう。そういわれると、その頃の将来の夢は「飛行機のパイロット」でした。つまり究極の目標は、叔母を自分の操縦する飛行機にのせて一緒に空を飛ぶこと、でした。
女医:はぁ~、ずばりいうわね。あなたはダンボなのよ。でも空を飛べやしないし、あの親切なネズミ(ティモシーとかいったっけ?)もいやしない。
患者:でもぼくにはあなたがいる。
女医:お大事に。
患者:さよなら。帰ったらまた「ダンボ」みるんだ。
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ううーー、なんでこんなひねくれた形でしか
感想を書けないのだろう。
ただ…「大好きな叔母と空飛ぶダンボに乗る」という
願望は本当です。
5歳か6歳か忘れましたが、
ディズニーランドへ行って、それで
なにがなんでも…「叔母と空飛ぶダンボに乗る」んだ、
と言い張っていたのを思い出します。
ただおもしろいのは
じっさいに乗ったのかどうか、さっぱり記憶がないことです。
どうしたわけだか他の乗物でごまかされたような気もするし、
だが、わざわざそんな子供相手に残酷なことをする親戚たちでは
ない気もする。そういえばダンボに乗ったような気もするんだが、
それははたして5歳か6歳のぼくの「願望」を、
じっさいにあったことにして、記憶しているようなそんな気もする。
はっきりいおう。
われわれは皆ダンボなのだ。
母から無残に引き離され、
本来持った能力――隠された能力を
発揮できず、
世間からは誤解され、後ろ指差され、
バカにされ続けている。
「だが、いつかは?」――
という願望がこの「ダンボ」をかくも感動的にさせているのであろう…
ま、まとめるとこんな感じですかね。
次回はもっとすっきりと感想が書けるといいのですが…