あららぁ~、またまた
物欲に負けたぁ~、という記事。
最近、
小津映画にひたる日々を送っております、と――
ウエストミンスターチャイムがやけに気になってきた。
キーンコーンカーンコーン、というあのチャイムです。
小津作品においては「お金持ちの家」というと必ず、
どうしたわけか??
ウエストミンスターチャイムが優雅に鳴らされるのです。
「淑女は何を忘れたか」のドクトル(斎藤達雄)の家。
「晩春」のアヤちゃん(月丘夢路)の家。
「お茶漬けの味」の佐竹家(佐分利信、木暮美千代)。
あと、なにかあったかな?
「戸田家の兄妹」でも出てきたけど、
お金持ちのお屋敷しか出てこないのでどのシーンかは忘れました。
どのお屋敷でもチャイムの音が優雅に鳴る。
対して、庶民の家はボンボン時計。
「晩春」の曾宮家、
「麦秋」の間宮家、矢部家はボンボン時計。
ボーンボーンボーンと、大抵夜のシーンで鳴り響きます。
もとい、ウエストミンスター時計。
一番「いいな」とおもうのは、「晩春」のこれ↓↓
だったりする。
アヤちゃんちのホールクロック。
ただ調べてみると、このサイズのホールクロックはたいてい100万越え、である。第一、こんなもん置くスペースがない。
なので、掛け時計、ということになりますが、
ヨドバシの時計コーナーとかのぞいてみたりしましたが、
セイコー、シチズン、等、国内大手メーカーの掛け時計だと、
ウエストミンスターチャイム、鳴るには鳴るんだが、
ぜんぶ電気仕掛け。
時計自体もクオーツ(電池でうごく)
電気仕掛けのチャイム。
だったら学校のチャイムとたいして変わらん。
そんなものに何万もかけるのはバカらしい。
というか、今どき
機械式の掛け時計なんて、売ってるのみたことがない。
全部クオーツ。
くりかえしますが、
僕が欲しいのは機械仕掛けで
ピンポンパンポン鳴るやつ。
ようするに、
小津映画に出てくるやつ。
□□□□□□□□
今日日、そんなもの手に入らんだろう。
骨董屋でもいけば別だろうが。
でも、古いのは性能がどうなのか??
とあきらめていたのですが、
Amazon みてみると、……
あっさりみつかってしまった。新品。
機械式時計で、ウエストミンスターチャイム付き。しかもドイツ製。
お値段は……
RedWingブーツ 2足分。
どうにか手が出る範囲。
ここでトマス・ピンコの
脳内会議がはじまる……
「おまえさ、今度の秋冬、RedWingのアレとアレ欲しがってたよね」
「うん。キツネ色のと赤茶のやつ」
「あれさ~、来年にしない? 今、時計欲しいんだよね~」
「んん~、でも僕」
「この時計さ、限定なんだよね、RedWingなんていつでも買えるじゃん」
「んん~、でも僕」
「おまえさ、もう2足も持ってんじゃん、な、来年にしようよ」
……というわけで、ブーツ2足はあきらめ、
時計を買うことになりました。
ただ、
購入にあたって、ものすごく情報が少なく……
限定115台のもので店舗でみるのは不可能……
ネットで手に入る
唯一の情報がYoutubeに
ウエストミンスターチャイムの鳴る様子を投稿されていた某氏の動画だけ。
(型番は僕のと違い、70411Aだとおもいます)
なので、僕のように情報を欲しがっている方もいるかもしれませんので、
当ブログでこの時計のあらましを紹介しようとおもいます。
□□□□□□□□
Amazon上の正式名称は
「AICHI 創立115周年記念 特別企画木製機械式高級時計 115台限定 シリアルナンバー入りプレート付き クルミ材 黒色塗装 70963A」
というものですが、
実質、ドイツ、ヘルムレ社製、70963A
と考えた方がよさそうです。
70963Aの文字盤にAICHIのロゴをプリントして
箱にシリアルナンバーのプレートをつけたもの。です。
ムーブメントは ヘルムレ社のW0341 だそうです。
(もちろん、クオーツではなく、ゼンマイ式)
箱がやけにシンプル。ドイツしてます。↓↓
社名とか製品名とか一切なーーにもプリントしてなかった。
ガラスに貼ってあるのは
Westminster
Made in Germany
のシール。
付属品。
・ヘルムレ社の保証書
・ドイツ語の説明書
・日本語の説明書(国内の保証書)
・木ネジ
あと……白手袋まであったのには驚いた!!
(右端に写ってます↓↓)
「振り子などを取り扱うときや時刻合わせをするときは、素手で直接触れないでください。さびの発生原因になります」
――ドイツ製品!!
もう、白手袋付属の時点で、このメーカーは大丈夫、と安心してしまった。
↓↓振り子をつけたところ。
フタのあけしめがものすごくきっちりしている。
(フタ→正式名称は全面扉というそうな)
標本箱みたいです。
ひとつ僕がとまどったのが「振り子」でして……
こんなに ゆ~らり ゆ~らり 頼りないものだとはおもわなかった。
というのも、機械式腕時計を普段愛用しているのですが、
腕時計の場合だと、
カチカチカチカチカチカチ……
ものすごい気合がはいった……
いかにも「メカ」という動きをするんですわ。
そのつもりでいたので、
機械式掛け時計……
この ゆ~らり ゆ~らり に――
「あれ、故障???」
とかおもってしまいました。
でも、ゆ~らり ゆ~らり が、今にも止まりそうで止まらない。
ずっと ゆ~らり ゆ~らり しつづける。
あと、
チクタク音はものすごく静かです。
うち、
イバラキの田舎でとても静かな環境ですが、
それでも
耳を澄まさないとチクタク聞えないくらいです。
あと、振り子について もうひとつ。
ご存知の方にとってはあたりまえでしょうが、
先端にくっついたネジをまわして 時刻合わせをするのだそうです。
(めんどくさいので、まだやってない)
説明書によると、
「少しずつ正しい時刻に合わせこんでいくのが、振り子時計調整のコツです」
だそうで、
なにもかも ゆ~らり ゆ~らり しているのだな、とわかりました。
↑文字盤に3つ 穴が開いているのは、ゼンマイを巻き上げる穴。
左から
「報時用」「時刻用」「ウエストミンスターチャイム用」
だそうです。
8日巻きなので、週1で巻けばいい、ということです。
え~、で……↓↓
肝心のウエストミンスターチャイム、がこれ。
金属(真鍮??)の棒が5本渡してあって、
それをゼンマイ仕掛けのハンマーがぶっ叩く。
という仕組み。
(ちなみに説明書の楽譜まで書いてあった……)
これは、ちょいと、感動。
電気仕掛けじゃないからね~
アマゾンの評価で、
音が金属的で深みがない、というようなことが書かれていたが……
んー、そういう感性、個人差あるからな~
僕は一発で気に入りました。
(というか、Youtubeの画像でだいたいどんなもんかは把握してましたが)
15分ごとに
「ジ~~……」
と鳴りまして、
やがて、ピンポンパンポン律儀にハンマーが動いていきます。
ついつい、時計のそばまで寄ってみてしまいます。
かわいい……かわいすぎます……
ドイツ製、ウエストミンスターチャイム……
えー……で、設置場所。
アパート暮らしじゃないんで、遠慮なく穴を開けられます。
↓↓部屋の北側の壁がさびしかったので、
ココ!!
と決めておったのですが、
説明書みたら、
「ドアを開閉するときの振動が伝わらないところに設置して下さい」
とあり……
あきらめました。
で、↓↓
ガッカリされてる方も多かろうとおもうんですが、
けっきょく、こんなゴミゴミした場所に設置。
今、思ったんだが、本をどかして写真撮ればかっこよく撮れたのに……
部屋の東側全面、つくりつけの本棚なのですが、
そこの柱に設置。
とにかく頑丈に設計をお願いしたところなので、
ねじの固定も安心。
ただ……もうちょっと地震対策、したほうがいいかな。
ま、このような時計です。
デザインも性能も気に入っております。