Quantcast
Channel: トトやんのすべて
Viewing all articles
Browse latest Browse all 593

置塩章 旧茨城県庁(1930)感想 その2

$
0
0

その2です。

旧茨城県庁は意外にもかっこいい!
という記事なのですが……

こういうのは一気に書かないといけませんね。
見に行ってから1か月たった今、

感激はそうとうに薄れている……

だが、必死にあの感動をおもいだしてみると――

中央階段がすさまじかった。というのがあります。

はい。こんなのです。
イバラキの田舎にこんなゴージャスな空間があるのです。はい。


とくに↓↓

赤丸で囲んだ部分がすさまじいとおもいました。

手すりの端っこの部分。



赤丸のところを
マクロプラナーで撮ってみる。

んーこのディテールの凝りっぷり、わかりますかねぇ??

壮絶な凝りようですよ。はい。

なめらかな曲線の処理。
隅から隅までデザインしているこの力量。

……といって、「頑張ってます」感がまったくない。
さりげなさ。

優雅な曲線。




というか、このパーツの名前がわからんので
どなたか教えていただきたい。

「ニセ手すり」
と、とりあえず呼んでおくか??

実用的な機能は一切ないわけです。この曲線パーツは。




凄腕の石工の仕事ではないか、とみましたよ。僕は。



実用的な機能はなにもない、と書きましたが、

じゃ、一体この「ニセ手すり」は何なのか?

というと、視覚的な機能……

空間を引き締める機能を担っている、と僕はみました。




つまり、ですね。
設計者、置塩君としては、

こういうやり方もあったはず、です。↓↓

凝りに凝ったパーツはとっぱらって、
直線のみで「ニセ手すり」を作る、というやり方が。

だって、誰もこんなところ見てませんもの。
マニアしか見ませんもの。
第一、コスト削減になりますもの。



でも置塩君は
この曲線が欲しかった。

メインの中央階段にはこの無意味で贅沢なパーツが欲しかった。



この「ニセ手すり」の重要性は……

他の……メインじゃない階段をみてみるとよくわかる気が。
(以下、2枚↓↓)

木の手すり。ニセじゃない手すりがついていますが、
これは置塩君のデザインではないでしょうね。
後世の追加でしょう。



はい。
明らかにメインの階段。
中央階段を差別化しようとしています。置塩君。




また中央階段にもどりましょう。



中央階段には「ニセ手すり」がある。
なんの意味もない、純装飾目的のパーツがある。



けれど、視覚的には心地よい。
この「うねうね」が気持ちいい。



そうそう。
ちょっとエッシャーじみているような気もします。


この照明も工業製品臭がまったくなくて……

いかにも手作り、で良かった。



「迷宮」みたいです。


えー、階段をほめ終わったので、
次は廊下もほめておこう。


旧社会主義国の映画をみると、

タルコフスキーの「鏡」とか
ワイダの「大理石の男」とか……

まっすぐでやたらと長い廊下が出てきて、
おそろしくなることがあるんですが……
(そう思いません??)

あのおっかない廊下がなぜか水戸にあります。

えー無人でこわいです。

もちろん天井のパイプ類は1930年代にはなかったでしょうが。



ちょっとおっかない雰囲気にいじってみる。
なんなんだろう、置塩君。

「北欧風、おしゃれ玄関」といい、
「意味なしゴージャスニセ手すり」といい、
この「ひたすら長い廊下」といい、

日本人離れしたセンスを感じます。

置塩章。
メジャー建築家じゃないんですが、
他の作品がすごく気になります。

んーー 実はものすごい建築家なのではあるまいか??

「天才」じゃないにしても「鬼才」みたいな??

ちょうど同時代の小栗虫太郎みたいな
そんな位置づけをしてみたくなります。



はい。
いいかげん眠くなってきましたので、
これで終わりにしときます。

自販機コーナーがめちゃくちゃゴージャスだった!!!!




はい。もちろん置塩君は「自販機コーナー」なんて想定してなかったでしょうが。

しかしなんだ、この石造りの豪華な空間は。



例によってマクロプラナーで床を接写してみます。

このブルーと白という色彩センスが
やっぱし置塩君のただならぬ実力を感じる。

ちょっとくたびれてますが↓↓

豪華ですよ。これは。




あ。
僕のブーツが写りこんでいますが。

旧茨城県庁の感想、以上です。



Viewing all articles
Browse latest Browse all 593

Trending Articles