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明治村 帝国ホテル(フランク・ロイド・ライト)その5

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その5
帝国ホテル、残りの部分の写真をのせていきます。
あと、えらい先生方の帝国ホテル評価を引用しておこうかとおもいます。

まず、バルコニーの写真。
ロビーホールを見おろすバルコニーなんですが、




かつてはロビーを見おろすと同時に、
メインダイニングルームも見おろせたわけで、

たぶん、空中に浮かぶ廊下みたいな効果があったとおもうのですが、
今はまったくそういう印象はないです。




 成果は比類ない幻想的な作品で、よろこばしい、魅力的でちょっと信じられないほど見事なできばえであった。
 帝国ホテルは外装が、それまでのライトの作品の中では一番「日本的」でない建物であった。なぜそうなのかということを説明するのはむずかしいけれども、おそらくライトは、だれか(きっと自分自身)に日本的な伝統から全然影響をうけてはいないことを証明したかったのである。
(中略)
 しかし、その尺度や人を驚かせる要素の演出といった面では、帝国ホテルはまったく日本的であった。ライトは日本のものが小づくりであることに非常に強い印象をうけていたので、帝国ホテルではすべてのものを小さめにした。
(中略)
 テラスや中庭も小じんまりとしていて、非常に狭い廊下が不意に3階の高さの吹抜けに開けたりする。

(彰国社、ペーター・ブレイク著「現代建築の巨匠」323ページより)

ブレイク先生。
日本的だけど日本的じゃない。
日本的じゃないけど、やっぱり日本っぽい。
微妙さをうまく表現しています。

いっぽう、ケネス・フランプトン先生はわけのわからんことを書いてます。

 とはいうものの、ライトは、プレイリー・スタイル(特にロビー部を参照してほしい)の層状の構成を変形し、日本の中世建築における重量感ある石積の伝統、すなわち、16世紀の日本の城郭の傾斜した堡塁を結びつけた。
(A.D.A.EDITA Tokyo、「MA①1851-1919」212ページより)

お城の石垣に影響をうけた、とかいってる。
どうかね??

えー つづいて ティーバルコニー……

帝国ホテル喫茶室。ですが、↓↓


他のお客さんへの遠慮もあってあんまり写真も撮れず。

でも。まー悪口をいうのもなんだが、
椅子・テーブルも そんなに良いものではないので
ま。いいかな。

でも。居心地のいい場所でしたよ。

喫茶室から外をみたところ↓↓


つづいて、西側のギャラリー。

ポーツマス条約の時つかわれた机、とかいうもの(たしか)
があったが興味がなかった。

横須賀の三笠の中にあるのならわかるが。
なぜここに?




藤森照信先生の帝国ホテル評価を引用しておきます。

 完成した帝国ホテルは、平面の連続性や立面の水平性の強調もさりながら、見なれぬ装飾で東京市民の目をうばった。目立つところには幾何学紋様を細かく刻んだ大谷石が張られ、ふつうの壁面には、表面を竹櫛で引っ掻いたスクラッチタイルが張られる。これほど毛深いモダンデザインも珍しい。
 (中略)
 ライトは北アメリカ以外には仕事がなく、日本の作品は例外といっていいが、作品だけなく人脈も例外的に強く残る。
 大正六年、帝国ホテルの準備のため来日したライトのところに押しかけて弟子入りした遠藤新をはじめ、ライトに従って来日したスタッフのアントニン・レーモンド……
(あとは省略します)
(岩波新書、藤森照信著「日本の近代建築(下)」180ページより)

「東京市民」の反応を描くところ、
それから「毛深い」とか書いちゃうところ、さすが藤森先生。

あと「人脈」も書いています。
この文章のあとでは「教団」とさえ、いっちゃってます。

ライト教団。

その……遠藤新を代表とするお弟子、あるいは孫弟子たちが
日本国中に スクラッチタイルやら 幾何学模様を彫った大谷石やらを
ひろめていくわけで……
(以前の首相官邸を思い出していただければ手っ取り早い)

ま。とんでもない影響力のあった建築であったわけです。はい。




ポーツマスには興味がないが、

ライトデザインのお皿にはおおいに興味があるトマス・ピンコであった。




オールドノリタケ。

今、復刻版がでてますが、この味わいはないなー

これ、欲しいな……




しかし楽しかった帝国ホテルも……

15:30 明治村発のバスに乗られねばならず。

例の山あり谷ありの地形を考えて
はやめに帝国ホテルとさよならすることに……

14:50くらいまでいたかな。

3時間くらい、帝国ホテルで過ごしたことになります。




明治村。
他にも アレを見よう、これを見ようとかおもっていたのですが、
まったく見れず。

食事さえもとる時間がなかった。

唯一撮ったのはこれ↓↓

赤坂離宮の入口の……なんだ? 番人小屋みたいの。



そうそう、小津安二郎先生の「お茶漬けの味」の アレ。



しかし。
昼飯ぬきはさすがにつらい。

そこでバス待ちの時間、入口近くの売店で
エビだったかカニだったかのコロッケを購入。

ほお張っていたところ……




黒猫くんがおずおずと登場。

あんまり物欲しげな顔をしているので――

半分コロッケをあげました。




コロッケの衣まで 全部食べちゃいました。



明治村、帝国ホテル以外まったく見れませんでしたが、

さいごのさいごビッグイベントがありました。


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