いいかげん 9月末の旅行の記事を終わりにしないと――
……ということで、東光園の記事3回目は 画像がやたらと多めです。
まずは空中庭園の探索です。
下の画像、赤丸で囲んだ部分。 本館の4階が空中庭園になってます。
こんなです……
これはすさまじかった……
なんかすごい所に来てしまった。
なにもない……
なにもないことのすごさ。
ただのコンクリートのかたまりじゃん?
……
とおもわれる方、多数かとおもうのですが、
ちょっと考えてみてください。
1964年の菊竹清訓。
36歳の、これからガンガン世の中に向って攻めて行こうという
若手建築家が――
こんな枯れきった空間を作りますか??
フツー
もっとさあ、「何か」やりませんか、派手なことを??
とはいえ――
ホテル側は この空間をどうしてよいものか、扱いに困っているのではあるまいか?
けっきょく喫煙所として使うより他ないよね。
なんか余計なことをすると、トマス・ピンコみたいな建築ファンが
プンスカ! 😠😠😠 ……ですものね。
例の、SRC造の組み柱。
および巨大な貫。
60年代の夢・ロマンを感じてしまう。
あるいは実現しなかったコルビュジエのソヴィエトパレスはこんな雰囲気だったか、とかおもってみる。
↓↓
これはなんですか?
メンテナンス用の設備なのでしょうが。
さすがに登っていく勇気はなし。
亀裂。錆びた手すり。
21世紀の東光園=はらわたが見えちゃってるゾンビ建築
などという意地悪な見方も可能です。
んー
このような「廃墟」じみた未来を 菊竹先生は予期していたのではあるまいか?
というくらい、なんだかかっこいい。
あの、
だんだん、
廃墟を探索している気分になってきたのですが……
リドリー・スコットあたりに見せたら、
なにかの映画の舞台に使いそうな気がするぞ……
↓↓空中庭園からみた階段室。
やはりかっこいい。
↓↓
右手 クリーム色のドアが仲良く2つ並んでますが、
エレベーターです。
その右手 非常階段が「階段室」です。
いよいよ……
入りますぞ。階段室。
……
潜入してみた階段室は
やはりかっこよかった……
(なんだ、お前は「かっこいい」以外の褒めことばを知らないのか??)
なんといいますか、今回の旅のハイライトだったかもしれません。
サンライズ出雲のシングルデラックスでもなく――
宍道湖に沈む夕日&島根県立美術館でもなく――
イバラキからはるばる山陰まで。
この階段室を見にやってきたのではないか、などという気さえします。
まあ、この記事をご覧のかた。
大部分が
「はぁ??……」
という感じでございましょうが。
おわかりかとおもうのですが、
↓↓赤丸の部分をうろうろしているわけですよ。わたくしは。
カラーで撮ってるんだけど、
モノクロみたいに写ってる……↓↓
のぼっていくと、
まあ、5階にたどりつきますわな。
5階をとおりこして、
下をのぞきこんでみる。
7階にたどり着くと
こんな安っぽい(失礼)鳥居が待ち構えていまして
ちょっとギョッとさせられます。
ここから先はスチール製の螺旋階段。
(これはおもしろくもなんともない)
ですが、登ったところでこれはおもしろくない。
「立入禁止」スペースに出くわすだけです。
上は行けないことがわかったので、
7階の扉をあけてみよう、ということになる。
わたくしの予想だと――↓↓
このなんともいえん特徴的なシェル屋根の下あたりに出るんじゃなかろうか?
とおもえるのですがね……
あたり。
正解。
あれですね。「菊竹清訓巡礼」で紹介されていた
最上階のフレンチレストランだな。
んーだが、現在使われている形跡はない。
中には入れない、だろうな。
とおもいつつドアに手をかけると……
――なんと、開きました。
内部からの様子。
ガラス扉にぼんやりと
トマス・ピンコ先生の
抜群のプロポーションが(笑)……↓↓
えー
で、もはや使われていない最上階レストランの探索、なのですが……
(厨房とか空っぽでした)
さすがに「不法侵入」っぽい気がして
あまり写真を撮ってません。
宿泊客だからな、怒られないよな……
「ちょ、ちょっとあなた、何をしているんですか!?」
「いえ、ちょっと写真を撮っていたら迷い込んじゃいまして……」
「え」
「ここは何階ですか?」
なんていう会話を脳内シミュレーションしたりして。
窓からの様子。
奥にぼんやり見えているのは、大山でしょうか?
雨の日だったのは ほんとうに正解。
このフレンチレストランが封鎖された理由がよくわかりました。
原因:雨漏り。
名建築って、けっこう雨漏りと縁が深いのだが……
(丹下健三先生の東京カテドラルとか)
まさか、実際に目にすると、ねえ……
このあとやってくる台風、大丈夫だったかしら??
上の画像をトリミング。
この青い照明器具 たまらなくかわいい。
――というか、このレストラン、現役時代に来たかったものです。
復活はあるのかな??
雨漏りの修理って大変なのよね。
けっきょくシェル天井しか撮らず、
最上階レストラン(だった場所)をあとにし、
今度は階段を降りていきます。
はい。
以下、ひたすら階段の写真です。
6階。
ところどころガラスが割れてました。
5階。
美しい、美しすぎる階段……
気取ってところどころモノクロ写真を挟み込みます。
4階。
踊り場にゴミを置かないでください。
3階の踊り場は
誰かペットボトルを放置したようです。
2階。
1階。
下の階に行くほどモノが増えていくな。
地下階は ゴミ置き場になっていて
これ以上進めませんでした。
ゴミ捨て場から上を見て パチリ。
モノクロにしてみる。
なんという艶めかしい曲線か……
東光園は 表も裏も 至福の空間です。
ああ、こんどは本館(天台)に泊まらないとな。