ようするに
一番大事なことは常に隠されている――
……わけです。
今回のコロナ騒動でも同様で
常日頃報道されている
・首相のカミさんがどうこう、とか
・芸能人の軽はずみな行動・発言、とか
・マスクがどうこう、とか
そういう話題は「表層」にすぎず、
最も重要なはなしというのは……
・極東アジアの平和を守っている
アメリカ海軍が機能不全に陥っている。
というそのことなはずです。
軍艦というのはアレです。
三密どころの騒ぎじゃない密集度合だからです。
ロナルド・レーガンもセオドア・ルーズベルトも(原子力空母)動けない今、
中共海軍は暴れまくっているらしいし……
(中共は人権などないから 軍人に非人道的な扱いができるため
けっこう動けるようだ)
北朝鮮のおデブさんの情報が錯綜しているのも
けっきょくアメリカ海軍がヤバい、ということにすべては起因しているわけで……
(こんなケンカできない状況で 厄介ごとを起してほしくない、ということ。
真相はもう判明しているのではあるまいか?)
こういう「一番大事なこと」は 優秀な日本のマスコミは気づくはずがないし、
アメリカとしても報道されたくないわけで――
以上、100%兵頭二十八先生の受け売りなんですけど……
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小津もやっぱり常に大事なことは隠している。
そのことを書いております。
「非常線の女」の続きです。
田中絹代×水久保澄子のレズ・キスシーンのあと、
S86 襄二の部屋
岡譲二の部屋を写す かっこいいショットからはじまります↓↓
通風器という「塔」が壁に映っております。
というか、このチラシだか新聞だか、どこから調達してきたんでしょうかね?
時子、抽出しの処へ行きピストルを仕舞う。
襄二、ギョッとし、
お前、
「下らねえ真似したんじゃ
あるめえな?」
時子笑って
「お前さんがあの子好きになった
気持分るわ」
↓↓岡譲二、田中絹代の分身である「白いポット」に触っております。
これも「塔」なんじゃあるまいか? などと前回書きました。
「でも、あたいだって、
ああ言う女に
なれないことないんだよ」
言いつつ紙包みを開ける。
パンや罐詰めが出る。
「どう?」と見せる。
襄二、無言で見返す。
彼女、続いて次の紙包みから、毛糸と編棒を出す。
ここで小津が隠している「大事なこと」は
BLACK&WHITE
白と黒、でしょう。
白と黒の毛糸。
白と黒のストライプの服。
岡譲二もやっぱり白と黒の組み合わせの格好です。
BLACK&WHITE には生涯こだわったのではあるまいか?
「彼岸花」(1958)の S56 バア・ルナのシーンですが↓↓
襄二の部屋のセット同様
まあ、どこから見つけてきたんだというポスターが貼ってあります。
にしても、画面手前の電話機の「赤」が強烈。
(佐分利信の家のラジオも真っ赤なんだよな)
ああ、そうそう、「彼岸花」
小津安っさん最初のカラー作品ですね。
1933年の作品に戻りまして――
背景の「鏡」にもご注目↓↓
どうも小津作品において「鏡」は、
女性の二面性をあらわしている小道具のようにおもえます。
一番わかりやすいのは「東京の女」でしょうか。
岡田嘉子がしきりに鏡をみます。
戦後の作品ですと「東京暮色」のネコちゃん。
「靴下」という
小津のお気に入りの小道具。
真面目に生きて行こうと時子が言い出したことで
ケンカがはじまります。
「あたい此頃、
お前さんに荒い仕事して貰うの、
何だか心配になって来たの」
襄二、キッと見返す。
強い調子で
「俺がドヂを
ふむとでも思ってんのか⁉」
「俺が頼りにならねえとでも
いうのか⁉」
田中絹代と白いポット――
田中絹代とサンドバッグ――
これまた
BLACK&WHITE
ポットにしろサンドバッグにしろ 円柱状の物体です。
「塔」かな。
岡譲二の背後に通風器(塔)
田中絹代と通風器(塔)
「どうせあたいは
ずべ公だよ!」
「どうせあたいは
ずべ公だよ!」
と2回繰り返されるセリフが強烈です。
こんなにかわいい服を着て「ずべ公」と言われても説得力がないのですが、
1930年代の不良娘はこんなかわいい服を着ていたのでしょうか??
えーいろいろありまして
田中絹代は社長の息子と一緒に
ホテルの一室におります。
S92 ホテルの一室
社長の息子(←けっきょくいいヤツ)
田中絹代を口説きます。
「君のそのあからさまが
耐らなくいいんだ」
「OKって
言ってくれない?」
時子、薄笑いを浮べたまま見る。
実、「ね」と返事を待つ。そっと抱く。
時子、目をそらし、すり抜けて窓の方へ行く。
BLACK&WHITE がしきりに繰り返されます。
「黒」に触れる田中絹代。
S93 窓
時子、じっと外を見つめる。
S94 外景
冬木立。まばらな星。
などとシナリオにあるのですが、
じっさいのプリントは 例の「白いポット」――
「若き日」の山小屋のシーンに出てきたような煙突(塔)も登場します↓↓
これはうまいですね……
長々したセリフで説明するのではなくて、
一瞬のショットですべてを観客にわからせます。
田中絹代は……
黒(社長の息子)ではなく
白(白いポット、岡譲二との生活)を選んだわけです。
S97 アパート(襄二の部屋)(夜)
「白」いポットに「黒」い毛糸がまとわりついています。
というか、どうやって暴れたらこういう状況になるのだろう??
女の荷物をはじめ見せておいて
女が戻ってきたことを知らせる……↓↓
後年、「早春」のラスト近く、
淡島千景と池辺良のカップルが似たようなシーンを演じます。
襄二、起き上がって見迎える。
両人、しばらく無言で見合う。
時子、バッグを置いて、
「あたい、帰って来て
悪かったかしら……」
ここでようやく
主人公たち、上を見上げる……
→視線の先には巨大構造物(塔)……
という黄金パターン
が、出現します。
「塔」のかわりに出現するのは田中絹代なんですが……
しかし
「塔」=田中絹代という公式は前回確認しました。
で、そのあと
三井秀夫が 姉・水久保澄子の勤める店のレジから
カネを盗んだことが発覚。
そのカネを返すため
自分の勤める会社を襲う田中絹代 そして岡譲二。
社長の息子からカネを奪う田中絹代――
S112 和子の室を静かにノックして素早く入る
両人、残され見送る。宏、手の中に握らされた紙幣を見る。和子もそれを見る。
姉弟、顔見合わせる。一斉に廊下はずれの窓の方へ。
S113 窓
両人、走り来て下を見る。
これは例の黄金パターンの変奏曲ですね。
水久保澄子&三井秀夫が見おろすと
「塔」および岡譲二があらわれる、という――
に、してもかっこいいショットですね↓↓
S115 姉弟、じっと見送る
二人とも涙がにじみ来る。
S117 襄二の部屋
襄二、せわしなく水をのむ。そして窓を開けて見る。
S118 暗い中に巡査が立っている。
さいご、二人が警察に追いつめられるくだりも
発端は「白いポット」が握っています。
慌てて逃走しようとする岡譲二の背後に
通風器(塔)
クラブ歯磨の看板。
そして煙突(塔)
窓から屋根に飛び下りる絹代たん……
通風器(塔)がガラガラ廻っています。
S135
襄二、時子を立てる様にして屋根より降りる
時子、渋る気持。襄二、うながす。
「オイ! 早く下りねえか!」と言う。
主人公たち、上を見上げる……
→視線の先には巨大構造物(塔)……
という黄金パターン
あらわれるのは通風器(塔)&田中絹代――
二人は仲良く逮捕され、
この作品も終わります。