Quantcast
Channel: トトやんのすべて
Viewing all articles
Browse latest Browse all 593

8月のおわり トーハクへ行った その2

$
0
0

以下、トーハク平常展の感想


…というほど熱心には見てませんでしたが、


トトやんのすべて


雪舟の「破墨山水図」が今、見られます。

平日に行きゃ、国宝を独り占めできます。


僕は十分かそこら見てたが、飽きないな、これは。


トトやんのすべて

フラッシュたかなければ撮ってもよろしいとのことだったので、

撮ってみたが、ま、全然よくないですね。

ググっていただいた方がはやいか、と。


↑この画像の上には雪舟先生ご自身が書かれた文章が

ゴニョゴニョ書かれている。


いわく、

「余かつて大宋国に入り、北は大江をわたり、斉魯の郊を経て…」

ようするに中国にまで行って

絵のお師匠さんを探したが、大した奴はあんまりいないね。と。


トトやんのすべて

こういう…ガラクタみたいな絵を何百年も保存し続けてきた日本人は

けっこう偉いとおもう。

しかも、実物をみてもらえばわかるが、新品同様である。

ものすごく大事にされてきたらしい。


しかし…こんな墨をグリグリぬりたくった絹地が…

なぜこうも感動的になるのでしょうか?


ロールシャッハの模様に似てる…

などというのは、う~ん、安易な気がする。

ジャック・ラカンのいわゆる「現実界」とか、ね。

全然理解もしていないくせに。



トトやんのすべて


「このリズムがいい」とか「ライブ感がある」とかいうのも安易な気がする。

それは所詮、

音楽雑誌から借りてきたボキャブラリーに過ぎない。


サッカー選手の身体能力にたとえてみる…という

村上龍みたいな方法も考えてみた。

メッシだのクリスチャーノ・ロナウドだののゴール前の絶妙な動き…

だがそれは単に僕が最近

リーガ・エスパニョーラばっかりみている、ということを証拠立てるにすぎない。


トトやんのすべて

……などということをくどくど考えているうちに十分くらいは

あっという間に過ぎてしまいます。

駄菓子菓子

けっきょく、さいごは小津安二郎にもどってきてしまうのが

トマス・ピンコの思考システムの常でありまして…

ようするになにがいいたいかというと


小津の「一人息子」(1936年)にでてくる

「とんかつ」の旗のルーツって

じつは雪舟の「破墨山水図」なんじゃねえのか?


ということなのです。


これです。

↓↓ここですよ。ここ。


トトやんのすべて


えー以下、わかる人だけわかればよろしい。

笠智衆の学校教師が東京へ出て一旗揚げるとかいって

けっきょくうだつがあがらず

とんかつ屋さんやってるでしょ。

で「とんかつ」という旗がクロースアップされる。

あのシーンですよ。あの美しいシーン。

ね?――そんな気、しない?……


(「とんかつ」画像も載せられればよいのだが、

やり方がよくわからないし、著作権とかももっとわからない)

トトやんのすべて


だがここでもっともな疑問が浮かび上がる。

「そもそも雪舟が描いたのは『旗』であったのだろうか?」と…


それについては帰ってから読んでみた

赤瀬川原平・山下裕二共著「雪舟応援団」に

きちんと答えが書いてあった。


右下の濃い墨が、屋根と塀だろう、ぐらいは想像がつくが、そこからピュッと突き出した線が、旗であることがわかるのは、相当な玄人だけだ。

上の方は、岩なのか樹なのか、影なのか、私もあらためて考えると、よくわからなくなってくる。

(中央公論新社「雪舟応援団」95ページより)


ううむ、そうか。

僕は「相当な玄人」の域にはやくも達してしまったか…


いやいや「一人息子」をみていたからわかったんだな…


いやいやそもそも小津は…トーハク好きだった小津は

雪舟からあのイメージをパクったに相違ないわけだから…


ああ、もうなにがなんだかわからない。

無限のスパイラル…


トトやんのすべて

そうそう、飛行船(?)みたいのが

飛んでいた。

トトやんのすべて


スヌーピーを一番愛している国民って

じつは日本人ではあるまいか?



Viewing all articles
Browse latest Browse all 593

Trending Articles