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島津保次郎「家族会議」(1936)感想 高杉早苗たんがエアフローで爆走の巻

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アナザー「ヤスジロー」……

島津保次郎の「家族会議」(1936)をみたのですが、

なんだか、わたくし・トマス・ピンコのために作られたかのような作品でした。

すなわち、

 

世界一イケてる自動車メーカー

モーパー……a.k.a. クライスラーの戦前の大傑作

「エアフロー」を、

1936年当時、おそらく世界で一番かわいかったであろう

高杉早苗たんが

運転、爆走する、という……

 

エアフロー&高杉早苗 それでお腹いっぱいのところに、

ツヤコお嬢さまこと、三宅艶子著「ハイカラ食いしんぼう記」で読んで以来、

気になって仕方がない

「銀座エスキーモ」

が登場するという……

 

とんでもない作品でした。

 

□□□□□□□□

もとい、はじめから見ていきます。

わたくしの気になったところだけ見ていきます。

 

キャストですが、

坂本武 斎藤達雄 飯田蝶子 日守新一……彼ら小津組でもおなじみの面々がクレジットされているのですが、

あれ? ヤツらが出てきた記憶がない(?)

どうも現在見ることのできるのは短縮バージョンであるらしいです。

 

初回みた感想では「ものすごくテンポ良くおはなしが進んでいくな」

と思ったのですが、いろいろなシーンがカットされたせいかもしれません。

ただ……カットされたことによる不自然さは感じませんね。

 

冒頭……

歌舞伎座でのお見合い(?)シーン。

 

小津の「お茶漬けの味」でもそんなはなしがでてきて、

これは「松竹」だからなんだろう、とおもってたのですが、

たしか谷崎潤一郎の「細雪」でも 歌舞伎座のお見合いというのはあった気がする。(たしか)

東京のブルジョワ家庭ではよくあったことなのかもしれない。

(「細雪」は東京の話ではないが……あれ? 「細雪」じゃなかったっけ??)

 

主人公は佐分利信なんですが、

なぜか佐野周二もいる(笑)↓↓

 

これはウケ狙いとしかおもえない。

このあと佐野周二の名前が言及されることも

佐野周二が登場することも一切ありません。

どうせなら、上原謙も登場させればよかったのに(笑)

 

で、佐分利信に見とれている桑野ミッチー。

「お見合い」とさっき書きましたが、

 

桑野通子と佐分利信をくっつけようと 二人の共通の友人が出会いを画策して……

みたいなことです。

 

ここ。

パッパッと短いカットでつないでいて、

なんか後年の市川崑みたいです。

 

佐分利信に熱い視線を送る つるつるお肌のお人形さんのような桑野ミッチー。

 

「家族会議」……前半は、桑野通子の映画だとおもいます。

後半は、完全に高杉早苗。

(というか、後半 桑野ミッチーはまったく出てこない)

 

「隣の八重ちやん」でもありました 車の後部座席のショット↓↓

島津保次郎の得意技なのだろうか?

というか、島津オヤジの写真は 「八重ちやん」しか見てないもので……

 

右側。この人が桑野ミッチーと佐分利信をくっつけようとしているわけです↓↓

立花泰子という女優さん、らしい。

いったいどういう人なのか? ググってみたんですが、

今、NHKの朝の連続テレビ小説で

上白石萌音ちゃんが演じている役名が

橘安子、というらしくて……

 

「立花泰子」でググると

上白石萌音ちゃんの画像ばかり

出てきます(笑)

なので、詳細不明です。

 

えー、一方 及川道子。

この作品が遺作である由。

 

「家族会議」 あらすじは……「ロミオとジュリエット」みたいなもので

佐分利信の家と 及川道子の家はお互い敵対していて

どうも、証券取引の世界で 及川ミッチーの父親は 佐分利信の父親を自殺に追い込んだ人らしい。

なんだけど、

過去のいきさつは知らんが、佐分利信と及川ミッチーは好き合っている、ようなのです。

 

――というか、清水宏の「港の日本娘」を見ただけなので、

喋る……トーキーの及川道子をはじめてみました。

 

ただ、2年後の1938年に結核で亡くなるということあって、

なんだかやつれて、気だるげな印象です。

(そういう、病弱そうな役柄ではあるのだが、それ以上に弱弱しい印象です)

 

とにかくかわいい高杉早苗、お着物で登場。

この人は初登場のシーンだけ和服で、あとはずっと洋服です。

 

二人のやりとりが楽しい。

高杉早苗:うち 引き受けてあげる。

及川道子:サンキュ。

二人とも「大阪のいとはん」という役柄なので 関西弁だが……

どの程度上手いんだろうか? イバラキの野蛮人にはわかりません。

 

斜め上方からのショット。「八重ちやん」でもやってた↓↓

なんか小津の逆をわざとやっているかのような(?)

というか、小津が島津オヤジの逆をやっているのか(?)

 

若い男性は、高田浩吉。

仁礼家(及川ミッチーの家)の番頭さん。

おじさんは、ご存知 河村黎吉で、

娘の桑野ミッチーに向って

 

「仁礼さんのシショ(秘書)で……」

と紹介している。

河村黎吉の「シショ」……たまらねえ(笑)

 

後年、渥美清の寅さんが「喫茶店」を「キッチャテン」というようなアレです。

ここはぜひ皆さん実物をみていただきたい。

 

ストーリーとしては、大阪の高田浩吉が 東京の経済界を牛耳ってやろうといろいろ画策している。

それで河村黎吉に手持ちの株券を売ってほしいと頼んでいる。

というところです。

 

以下、しばらく箱根の「レイクサイドホテル」が舞台になります。

具体的になにをモデルにしているのかわかりませんが、

どうも芦ノ湖畔の「山のホテル」のようなそんな感じです。

(自分が山のホテルが好きだからそうみえるのか)

 

たぶんセットなので↓↓

(けっこう立派)

いくぶん理想化されてはいるでしょうが。

当時のリゾートホテルのロビーの様子がうかがえて楽しいです。

右奥 ドアの向こうがフロントでしょうか?

画面左側にバーがあります。

 

例の立花泰子は、桑野ミッチーを佐分利信とくっつけようと画策。

一方の高杉早苗は、及川ミッチーを佐分利信とくっつけようと画策している、という構図。

 

だが……どうも、高杉早苗も実は佐分利信が好きらしいというあたりが複雑。

にしても、すごい衣装です↓↓

 

高杉早苗のドレス、後姿はこんな↓↓

若い男性はさっきも出てきた高田浩吉。

 

及川ミッチーの父親は、

(カネのためなら手段を択ばない男、という風に描かれる)

この子飼いの番頭・高田浩吉を娘の婿に迎えたいと考えている。

 

今度は佐分利信&高杉早苗。

 

高杉早苗はトリックスター的にあっちこっちを飛び回って策略を練っているかんじ。

映画の序盤は高杉早苗の動機が観客には全く分からないので……

「なぜ……この子は?」……

と物語に引き込まれていきます。。

 

桑野ミッチーたちと高杉早苗。

 

さしもの桑野通子も、

キャリアの絶頂期の高杉早苗と比べてしまうと、なんだか影が薄い印象。

 

まあ、シナリオが高杉早苗の「忍(しのぶ)」中心に書かれているせいもあるけど。

 

こんなカットがあるので↓↓

あれ? 高杉早苗は高田浩吉が好きなのか? などと一瞬おもうのですが、

 

この直後、高田浩吉が

「なぜ高之さん(佐分利信の役名)につきまとうんです?」などと聞くと、

図星を指されたかのように 高杉早苗はうろたえるので

観客はこの美しいトリックスターの心中をチラッと垣間見るわけです。

 

以下、「レイクサイドホテル」のロビーに

松竹のスタア大集合 というシーンです。

 

例の……市川崑みたいな短いカットをパッパッととつないで心理描写をしていきます。

市川崑はこれの真似なのか?

ハリウッドあたりにルーツがある技法なのか?

ご存知の方は教えていただきたい。

 

小津は……こういう恋愛ゲームというか 恋愛遊技というか

男女の微妙な心理の交錯みたいのはまったく描きませんね。

 

及川ミッチーは、こうやって他の俳優さんと比べると、

やっぱり病人という感じがして哀れです。

 

スタア大集合↓↓

左から

佐分利信 桑野通子 立花泰子(この人は居づらいんじゃなかろうか?) 高田浩吉 高杉早苗 及川道子

 

高杉早苗の衣装のイメージは「鳥」なんじゃなかろうか?

という気がなんとなくする。

じっさい、あっちこっち飛び回って

かわいい関西弁でさえずって……

という役柄です。

 

で、冒頭ご紹介した クライスラー・エアフロ―……

 

佐分利信が株の売買の交渉で 大阪の高杉早苗の家に来る。

高杉早苗が佐分利信に 愛車のエアフロ―で宿まで送ろうか? というシーン。

 

引用します。

1934年クライスラー・エアフロー・エイト・セダン

(1934 Chrysler Airflow Eight Sedan)

流線型という言葉を一挙に広めた画期的なモデル。直8 4436㏄エンジンをWB123インチ・シャシーの最先端に置き、一方後席を後車軸より前方に送って、快適な乗り心地を実現したと宣伝していた。とにかく非常に目立つ存在で、子供の掌サイズの金属製モデルが発売になった時、三越で買ってもらった覚えがある。

(トヨタ博物館、小林彰太郎著「昭和の日本 自動車見聞録」98ページより)

 

 エアフローは華々しくデビューを飾り、見る者を驚かせると同時に、先進技術に敏感な他社のエンジニアに対して多大な影響を与えた。ところが予期せぬ問題がクライスラーを襲った。一部の新し物好きはともかく、大多数の一般ユーザーにとってエアフローのデザインは余りにもラジカルであり、事実上世間を驚かせただけでまったくウケなかったのである。

(中略)

 エアフローは技術的、そしてデザイン的に見る限り確かにエポックメイキングであり、技術史にその名を残す存在であることは疑いなかった。ただしその存在は、より良い工業技術製品が必ずしもより良い商品にはなり得ないという証明に他ならず、エアフローは商品としては明らかに失敗作だった。

(ネコ・パブリッシング「ワールド・カー・ガイド23クライスラー」42ページより)

 

今の目から見ると かわいくて仕方ないデザインですが、

1930年代においては あまりに尖端的すぎた可哀そうな子だったようです、エアフローちゃん。

 

美女二人とエアフロー。

チェック模様が似合う高杉早苗。

なんてかわいいんだ、香川照之のおばあ様は。

 

エアフローの直後、

桑野ミッチー&佐分利信の修羅場。

 

修羅場って、片思いの桑野ミッチーがフラれるということなんですが。

 

捕食動物の目をした桑野ミッチー。

ターゲット、ロックオン。

 

小津は……食べ物・飲み物描写はするけど、

こういう「飲んでます」という撮り方はしないなあ。

 

さっきの河村黎吉の「シショ」のところ……

高田浩吉と河村黎吉の取引のことを、

桑野ミッチーは佐分利信に教えてあげたので

佐分利は危機一髪のところを助かったという展開です。

 

で、かねて思いを寄せていた佐分利に「結婚して」と迫ってきます。

 

真上からのショット。

「八重ちやん」でもやってたね。

 

小津はやりません。

というか、セットに天井を張ってしまうから(笑)

できません。

 

んー、

ここが個人的には好きになれない……

というか、爆笑してしまうのですが……

 

フラれた桑野ミッチーが

ガーン……

と大げさな顔をする&大げさなBGMがジャーンと鳴る……

 

目をそらす佐分利信。

別に佐分利は思わせぶりな態度をとったり なにか約束したりはしてないので……

勝手に桑野ミッチーが片思いしてただけなので……

 

この大げさな描写は明らかにおかしいとおもう。

とても、あの繊細な「隣の八重ちやん」の作者とは思えない。

 

まあ、「トーキー」作品が作れるようになったばかりなので

この「トーキー」の可能性をいろいろ探っているというのもあるんだろうけど……

大袈裟なのよね。

ここは興ざめ。

 

この直後、ミッチーがコップを割って手に怪我をする。

そして

「あの……これ拭いてちょうだい」と佐分利信に命令口調でせまる↓↓

 

これが十分強烈なんだから、この出血シーンを丁寧に描写して

さっきの「ジャーン!」「ガーン!」はカットすれば、いい作品になったとおもうのだが。

 

で、フラれて茫然と大阪の街を歩く桑野ミッチー。

このロケ撮影は、大阪の方がみるとなにか発見があるかもしれない。

僕は土地勘がないのでさっぱりわからない。

 

偶然、高田浩吉に出会う。

桑野ミッチーを慰めます。

高田浩吉は前半はなんだか陰険なイヤな奴の印象を観客に残すのですが、

このあたりから 実はいいヤツかもしれないぞ、となってきます。

 

というか、この高田浩吉の登場シーンは この種類の「偶然」が多すぎるような気もする。

 

大阪の街のイルミネエション。

高田浩吉と桑野ミッチーが料亭で食事をして……その部屋からの光景。

 

真ん中、「バイエル」の看板がみえます。

 

で、最大のライバルの桑野ミッチーがいなくなった今、

いよいよ及川ミッチーを佐分利信とくっつけようと がんばる高杉早苗&エアフロー。

 

8気筒 4436ccエンジンですか……

たまんねえな……エアフローちゃん。

 

フォルクスワーゲン・ビートルは完全にこれのパクリですよね??

ちなみにこの当時の「ドイツ車」は

ドイツ留学経験のある医者とかが、ごくたまに乗っているというだけのマニアックな存在で、

品質・シェア共に アメリカ車が完全に優勢でした。

 

ついでのついでに申し上げると、

戦前の「クライスラー」は高級車メーカーで(近衛文麿の愛車はクライスラー・ロイヤルだった由)

戦後の「モーパー」のかっこいいんだけど、ちと安っぽいイメージとは異なります。

 

ゴルフウェアの高杉早苗たん。

ドライブ(クルマの運転)……

スイング(ゴルフ)……

と、モダンガアルのお手本のような彼女。

 

なんかイチャついてる 及川ミッチー&佐分利信を尻目に

ひたすらゴルフのスイング……

 

そうそう。こういう描写よ、欲しかったのは。

こういう抑制された心理描写が、なぜ さっきの桑野ミッチーのシーンで出来なかったのだろうか?

 

はい。

一方その頃。

 

佐分利信はしかし、終始グジグジしていて

結婚を申しこんだりしない。

そういうキャラクターです。

 

はい。

で、前半のヒロイン・桑野ミッチーは落ち着くところに落ち着きます。

この記事のはじめで紹介した 「エスキーモ」で

高田浩吉と待ち合わせ。

 

これは↓↓どうみてもロケでしょう。

だから、リアルの銀座エスキーモだろうとおもわれます。

 

店内の様子。

これも実際のエスキーモなのでしょう。

も、もしかして 名高い「新橋ビューテイ」がみれるかも??

とか期待したのですが、

画質が悪く なにがなんだかわかりません。

 

桑野ミッチーはここから洋服。

絵に描いたようなモダンガアル。

 

次のターゲット、ロックオン。

高杉早苗もそうだが、帽子は斜めにかぶってますな。

 

 

 

このカットを最後に桑野ミッチーは姿を消します。

最後の会話がなんとも間抜けでいい雰囲気……

 

高田浩吉:あれ、丹沢でっか?

桑野通子:そうでしょ。

 

横光利一の原作にあったセリフなのか?

それともシナリオの池田忠雄の仕事なのか? どっちなのか、わかりませんが。

 

えー、一方、

仁礼家の攻撃に、息も絶え絶えの佐分利信が、

また高杉早苗のうちにおカネを借りにくる。

 

今度のファッションはこんな↓↓

また、鳥みたいな雰囲気。

 

……のだが、仁礼家に負けてすってんてんになる佐分利信。

小料理屋で、仁礼家の番頭・高田浩吉に出会い、(また偶然!)

小競り合いになるが、

 

そのとばっちりを喰って怒り出す大男は

戦前の伊集院光こと、大山健二↓↓

 

すってんてんになった佐分利信。

佐分利信の邸宅も会社も 皆、高杉早苗のものになる。

 

今度はチェックのワンピースです。

 

佐分利信は、高杉早苗がジョークをいっているのだとおもって、

高杉早苗が「家賃は〇円にしてあげる」とか「お給料は〇円にしてあげる」とかいうのを

冗談半分に応対しているのだが、

 

母親(鈴木歌子)がでてきて、それがすべて本当のことだとわかる。

 

このシークエンスはよく出来ている。

なにより高杉早苗がかわいい。

(トマス・ピンコはそれしか言ってないことにお気づきだろうか?)

……にしても、

戦前の人なのに、早苗たんは何故こんな歯並びがいいのだろうか??

 

チェック模様のワンピースというと、

 

「雨」のジョーン・クロフォードとか、

「脱出」のローレン・バコール↓↓とかを思い出すんだが……

 

そう考えると、物質的にはすべてをゲットしてしまった高杉早苗は「悪女」といえなくもないか。

 

そして……

上司と部下の関係になった二人。

 

佐分利信:今度はいつお帰りです?

高杉早苗:すぐ帰ります。

 

↑↑

こういうスマートな描写がある一方……

 

あくどい、どぎつい……正直良いとはおもえない表現がいくつかあるのが

「家族会議」の特徴です。

 

ここもそうで↓↓

佐分利信の会社を潰したこともあって、

いよいよ 高田浩吉と結婚するように父親に命令された及川道子は、

家出をして 佐分利信のいる東京にやってきます。

 

↑↓そのシーンですが、はっきりいってやりすぎだとおもう。

 

まあ、以下、ラストシーンなんですけど。

結局、及川ミッチーのオヤジが、いろいろ悪いことをした報いで誰やらに殺されまして……

(じつに都合のいい展開)

二人は正々堂々結ばれることになります。

 

ふたたびエアフローで 高杉早苗の別荘へ。

またフワフワの……

鳥みたいな雰囲気の高杉早苗。

 

高杉早苗は佐分利信を「うちの番頭」と呼んでいる。

及川ミッチーにむかって「うちの番頭に紅茶でも入れてやって」といって、

 

みつめるのがこれ……↓↓

 

これって……小津??

島津保次郎が小津の引用??

 

どうみても、「非常線の女」の白いポット↓↓

田中絹代と岡田譲二の夢見る、幸せな家庭を象徴している「白いポット」……

 

そのあたりは知ってか知らずか、

幸せな二人を別荘に放っておいて、

エアフローでドライブに出かける高杉早苗。

 

庶民がマイカーを所有することなど 夢のまた夢、という時代です。

その時代に クライスラー(高級車メーカー)の最先端デザインの自動車を所有している……

 

現代に置き換えると、自家用ジェットとか、自家用クルーザーとか

そういうレベルのはなしかもしれません。

 

なので、今の感覚で

「ああ、きれいなお嬢さんがドライブをしているな」

と思ってしまうと、作り手の意図はまったくつかめない気がする。

 

うっすら涙を浮かべている……

ようにもみえる高杉早苗。

 

この抑制された表現こそ島津オヤジの真骨頂なのでしょう。

それだけに……

桑野ミッチー 及川ミッチーに

ジャジャーンと大げさな演技をさせてしまう、

あれは一体なぜ?? と残念な気もするのですが、

 

すべては高杉早苗のためにある映画なので、それもまた良し、なのでしょうか??


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