昭和3年1月1日號に 寫眞が大きく載っていた
イタリアの「マリア女王」……
この姫のその後の生涯がわからなかったのだが、
お父っつあんの ヴィットーリオ・エマヌエーレ3世からググってみるとすぐにわかった。
本名は……
マリーア・フランチェスカ・アンナ・ロマーナ・ディ・サヴォイア
というやけに長いお名前。
パルマ公子ルイジとやらいう人と結婚して
86歳で亡くなったという。
それ以上のことはわからなかったが、長生きされたらしいので安心した。
なんとなく、この――大きな瞳で上目遣いというポートレートから
薄幸な生涯を想像してしまった(笑)
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さて、
アサヒグラフ 第十巻 第四號 昭和三年一月十八日
なのですが……
表紙は 秩父宮殿下の御妃に選ばれた 松平節子孃
ということで、皇室になにかおめでたいことがあるとグラフ誌が出版されるという――
そのはしりといっていいのかな。
ただ……はるか後世のわたくしにとっては
秩父宮殿下&松平節子孃の話題ばかりで 内容が薄い號だとおもってしまいました。
どういうわけだか マクマナスの「おやぢ教育」もこの號は掲載されていません。
樂しみにしてたのに……
この頃の廣告、かっこいいものが多いが
「ん?……」
と、首を傾げたくなるようなものもいくつかある。
毎號すてきなツァイスの廣告だが、今號のは、意味がわからん――↓↓
プンクタール鏡玉(レンズ)という眼鏡レンズなのだが
この不気味な繪(絵)を見て、欲しくなるヤツははたしているのか??
珍しく昭和天皇の寫眞。
この頃、秩父宮殿下は毎號のように登場するのだが、
さすがに畏れ多いのか、昭和天皇は數號に一囘くらいの登場です。
編集部としては 秩父宮殿下のお妃が決まった、というビッグニュースがすべてで……
海外ニュースもなんか小粒です。
「男のモガ」というタイトルの記事は、今の目からみると
はなはだ可哀想です。
アメリカ、ペンシルベニア州の ウォルター・マックコークスという少年が
女装をして男性數名にラブレターを送ったところ、密告により逮捕という……
そんなことで刑務所(少年院?)に入れられるとは……
「男のモガ」の上の寫眞はもうメチャクチャで……↓↓
勇ましき乙女
物數寄にも寄りけりで、とかげにさえ、びつくりする浦若い娘が、とかげどころか、その大先祖の鰐公と、大の仲良になつた、今年十六のエリノア・リンクさん相も不變、朝から晩まで、鰐の澤山ゐる池で遊んでゐます。(ロサンゼルスでの事)
と、水着の女の子が ワニを抱っこしている寫眞。
ようするに 男性は女性化し、女性は男性化しつつある、ということがいいたいのか??
これは「コドモグラフ」という子供向けのページの寫眞。
はなよめはなむこ
ジヨン君(右)と福子さん(左)
―釧路の齋藤繁枝さんから―
当たり前のことだが……昔の人もワンちゃん猫ちゃんを可愛がっていたのである。
黨時、あまり長生きはしなかっただろうとも思ったりするが。
そう考えるとなおさら愛おしく思える。
すこし前讀んだ、古川ロッパの日記にもワンちゃんが登場したが、
その子も數年で死んでしまった。
流行のコートの特集。
「ブレードランナー」のレイチェルのファッションは
この頃を参照しているのかな? とおもったりする。
ジョージ・ダブリュ・ヒュースという イギリスのペン先のメーカーの廣告。
「萬年筆」ではなくて
木軸の先にペン先をつけて、で、インク壺のインクにつけて使うタイプのペン……
萬年筆は軸の中にインクが入っているから インク補充の手間は少なくてすむが
これは、書くたびにインクに浸さないといけない。
今の目から見るとはなはだめんどくさい道具だが、天下のアサヒグラフに毎號のように廣告が出るから
かなり需要があったものなのだろう。
わたくしは 大學の建築學部の製圖の授業で
「烏口(からすぐち)」というこれに似た道具を使った覺えがある。
漫畫とか描く人はこういうペンを使うんじゃなかったっけ??
裏表紙は「クラブ白粉」の廣告。
なーんとなく、TBSの外山恵理さんに似ているような氣もする。
こないだ日曜日クルマの中で ラジオから外山さんの聲を聞いたせいだろうか??