最近 イヤなことばかり續くのはきつと
しばらく神社へお參りしていないせいではなからうか?
などとおもつて 鹿島神宮へお參りしました。
かなり久しぶりです。
あ。最近舊字(旧字)にはまっているのは
別に ヘンなスピリチュアル系のなにかとか 神道系の新興宗教とかにハマっているせいではなくて、
たんに毎日のように昭和3年のアサヒグラフを讀んでいるせいです。
ご安心ください。
御手洗池で しばらく寫眞を撮りました。
望遠レンズを使つて 藝術家氣取りの寫眞を撮りました。
アアテイスト氣取り、その二。
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もとい、
アサヒグラフ 第十巻第五號 昭和三年一月二十五日
を、勝手にご紹介します。
閻魔大王の表紙ですが、なんか異人さんがイメージする「エキゾチック・ジャパン」という感じ。
「お前ら、こういうのが見たいんだろ?」
というあざとさを感じる。
表紙一番上のタイトルが英語ということからして、
まず外国人(歐米の人ね)に向けてのメッセージという意味が強かったのか、この雜誌は。
p2 美しい廣告。
廣告はとにかくおもしろい。
大正時代のアサヒグラフ復刻版をみると カルピスの廣告をよく見かけるのだが、
そういう類のものなのかなぁ??
甘酒みたいなものなのか?
「河合」「花白酒」で検索すると 20年代30年代の廣告が出てくるから
黨時は人氣商品だったのか?
ご存知の方、ご教授下さい。
p5
日本水泳普及會では、十五日午前十時から、第四回寒中水泳大會を大森海岸で催した。朝來雪粉々とふりしきる中を、勇しい少年少女が、美事なクロールをみせた。「ちつとも寒くはないよ」と若い人達は大元氣。
……1月15日。真冬。雪降る中、寒中水泳なんかやってる……
大森……というから東京湾でこういうイベントが可能だったわけだ。
かわいい女の子達。
しかし、ご存命の可能性もあるな。100……何歳くらいか。
水着はなんだかオシャレなデザインです。
鉢巻みたいなものをしているところをみると 今の「スイミングキャップ」みたいなものはなかったのだろう。
p8
兩脚に保險料 金二十五萬弗
美脚のダンサーの エリ―ナー・モーリスさんが
脚に$250,000の保險をかけたと。
マレーネ・ディートリッヒがどうこういう話は聞いたことがあるが、
マレーネ以前にもこういうことがあったのね。
というか、今もこういうモデルさんいるよね。
まあ、宣傳ですよね。
p9
米陸軍新造の爆撃機
のちのB-29(太平洋戰争) B-52(ベトナム戰争)とかいう化物を知ってる我々からすると、
なんとも可愛らしい複葉機です。
しかし、アサヒグラフ 米國の軍事情報はこまめに目を光らせております。
p14 漫畫(マンガ)のコーナー。
「女學生のスキー」という讀者のお題に
細木原靑起という先生が答えて曰く、
つき當つてもらひたいスキーマンが、圍(囲)繞してすべれない。
……というのだが、のちの小津の「若き日」(1929)そのまんまです。
とにかくスキーは流行っていたようです。
p22
世界中の時がわかる時計
……というのだが、
開發者のおっさんの表情が怖すぎて↓↓
時計には目がいかない。
サンフランシスコのフランク・フォンタナという時計屋さんである由。
シャッターを切ったタイミングが惡かったのだとおもうが、
ぎょろっとした目といい、ヒトラーみたいな髯といい
繪にかいたようなマッドサイエンティストである。
いや……演説中のヒトラーに酷似か?
p27 流行の髪
今號 個人的に一番氣になったのはこれ。
左側の少女、小櫻葉子さんは、のちに上原謙と結婚し
加山雄三の母となる……というあたりは まあ、置いといて……
(そういわれると加山雄三のおもかげがなんとなくある)
問題は眞ん中の……繪に描いたかのようなモダン・ガアル
岡村文子さんで……↓↓
岡村文子といや、あなた、戰前の松竹作品では
眼鏡をかけたイジワルなおばさん役を演じるあの人に決まってるじゃないですか。
これは清水宏監督「信子」(1940)の岡村文子さん↓↓
高峰三枝子の若い教師(九洲出身)に 「九洲弁はいけません」などとイジワルをいう校長役。
たった10年かそこらで まあよく變わるものです。
まあ、メイクと髪型で どうにでもなるんでしょうかねえ。
これは驚きました。
p28 毎度毎度のカールツァイス。
今號は双眼鏡の廣告です。
前囘は何が言いたいのかわからない不氣味な廣告でしたが、
今囘はわかりやすい。
毎號毎號 「グラフ・テスト」という懸賞企畫がありまして……
有名人が質問を出し、正解した讀者が抽選で賞品をもらえるというもの。
今回の出題者は 澁澤榮一氏……
毎度おなじみ マクマナス「おやぢ教育」
主人公ジグスが奥さんのマギーにぶん殴られて病院へ、というシーンですが、
・黨時の救急車の樣子がわかりおもしろい。
・走行する自動車をポップに表現するやり方、興味深い。
(ちょっと生き物っぽく描いている氣がします)
戰後日本のマンガ・アニメーション文化の出發點はこのあたりにあるのでしょうか?
裏表紙。
日畜の廣告
……銀座一丁目の日畜の小賣部を紹介してます。
小津の「非常線の女」(1933)
水久保澄子が勤めるレコード店と比べてみるとおもしろいです。
あれはヴィクターのお店なのかな。