最近「あたい」が作った
A4判の市川春代(1913-2004)スクラップブックを手に入れましたので
ブログに載せてみます。
わたくしがひとりでおもしろがっているだけで、
自分以外の人にはまったくおもしろくないような気もしますが、
載せてみます。
おそらく1930年代のもの。
90年くらい前のものですが、それほどの古さは感じません。
かなり大切に扱われてきたように感じます↓↓
背表紙には
「市川春代集」とあります。
達筆。
おそらく字の癖から、「あたい」が書いたのだろうとおもいます。
はじめに注をいれておきますと、
わたくし(トマス)の市川春代知識は ほとんどゼロに近いです。
アサヒグラフ復刻版……
昭和8年(1933)1月1日號の
華やかなモダン・ガアルぶりにノックアウトされまして↓↓
(この頃、19歳か)
「鴛鴦歌合戦」(1939)で
動く春代たんを鑑賞して、和服・日本髪姿でもかわいいとおもいました。
……というそれだけの 市川春代歴です。
というか、あとで調べたら、この頃の市川春代さんは
もうすでに子持ちだったのね。
閑話休題、本題に戻ります。
スクラップブックをページ順に見てまいりましょう。
〇1ページ
達筆……サラサラと流れるような筆跡で
あたいの好きな市川春代ちやん
とあります。
作者について、一体どこの誰なのか?
全く情報がありませんので
とりあえず「あたい」と呼ぶことにします。
1ページ目、全貌。
お澄まし顔の市川春代。
「あたい」は この文句なし美人写真を1ページ目に持って来たかったんだろうとおもいます。
「あたい」の特徴として、
写真のコーナー、「角」を容赦なく切ってしまう、というところがあります。
この1ページ目の写真なんか、
市川春代ファンにとっては「春代たん、きたぁぁぁ……!!」
というようなショットだとおもうんですが、
仮に自分(トマス)だったら、雑誌のページそのまま切り取ると思うのですが、
「あたい」はそうはしないわけです。
〇2ページ-3ページ
この1ページから次の見開きの展開が素晴らしいとおもいます。
お澄ましモダン・ガアルからの
大胆水着ショット。
そして3ページ目はカラーという展開。
とにかくオープニングから 「あたい」の構成力はすごいです。
そしてコーナーはスパスパ切り取ってしまう「あたい」です。
〇4ページ-5ページ
コーナーは切り落とす。
色の組み合わせがいいな、とおもう。
というか、段々わかってくるとおもうのですが、
「あたい」は年代順に並べる、とかいうことはまったく考えていない印象です。
〇6ページ-7ページ
ものすごいのが……
赤丸で囲んだ粗い印刷の紙片……紙切れです……
これは接着せずに はさんであるだけです。
どれだけ大切に保管されてきたものかを物語っているとおもいます。
〇8ページ∸9ページ
こうしてみると、けっこうセクシーめな写真も多い。
2ページ目の水着写真
4ページ目のレビュウ・ガアル風写真
6ページ目の(当時としては)短いスカートの写真
大変失礼ながら、お胸はあまりない方なので
脚線美で攻めて行こうということなのか?
〇10ページ-11ページ
なんとなく夏っぽい組み合わせ。
洋装―和装の組み合わせ。
色使いもいい組み合わせ。
とにかく「あたい」はセンスがいい、というのがわかります。
デザイン的に……今でも広告に使えそうなレベルだとおもう。
この見開きに挟まれていた紙片。
若い母親役だろうか?
やっぱりコーナーはすぱっと切り取ってある。
この紙片は貼るスペースがなかったらしい。
どこにでも貼ってしまえばいい、とおもうのだが、
「あたい」には「あたい」なりのこだわりがあるのだろう。
紙片の裏側はこんな感じです↓↓
アイホーン美眼器、二重マブタになれるらしいです。
今もありそう。
〇12ページ-13ページ
「鴛鴦歌合戦」みたいな日本髪の春代たんですが、
われわれはやはり 斜めに貼ってしまう「あたい」のセンスにやられるわけです。
〇14ページ-15ページ
セクシー水着ショットと 清楚お嬢さまショットの組み合わせ。
パフスリーブの白いワンピース。
さらさらの黒髪。
サイン付きの一枚。
でもコーナーはばっちり切り取る「あたい」であった。
ええと……「未來花」という日活の作品で
小悪魔キャラを演じたらしいのですが、
このタヅルを演じたは市川春代さんでした。これ程俳優と登場人物とがピツタリ一致した場合があるでせうか?
だそうで、メディアがどういうキャラ付けをしていたかがわかります。
「今年二十一で」というのは満年齢のことなのか、数え年のことなのか?
〇16ページ-17ページ
17ページ目に謎の空間があります。
↓↓へんなぬいぐるみ(?)を抱っこしている春代たん。
「スパイファミリー」のアーニャのぬいぐるみにちょっと似てる。
似てないか。
貼られていない、ノリのあとなどがない紙片がはさんでありましたが、
しかし大きさからみると、この謎の空間とは関係がないようです。
日活の大スタア・夏川静江さんとの組み合わせ。
夏川静江―市川春代の組み合わせは、このスクラップブックで何度かお目にかかります。
裏かえすと、
「タンゴドーラン」なるものの広告。
美と魅力の近代化化粧料
タンゴドーラン
三宅艶子お嬢さまの「ハイカラ食いしんぼう記」にもタンゴの話題が出てきた。
どうやら20年代の終わりから30年代にかけて流行ったらしいんである。
〇18ページ-19ページ
ここは「あたい」のハサミさばき(笑)
大胆に切りまくっている、その様を楽しむべきでしょう。
あと色の組み合わせもいいです。
日本髪だろうが洋髪だろうが、
和装だろうが、洋装だろうが、
そこらへんは「あたい」にはどうでもいいらしいです。
18ページの帽子のショットは
10ページの衣装とまったく同じか?
しかし18ページの写真はなんとかクリームという化粧品の瓶をもってますので
広告の切り取りだろうか?
すごい切り取り方↓↓
〇20ページ-21ページ
21ページのこの……
海辺の「百合」路線だか、セクシー路線だかよくわからないショットは、
相棒は伏見信子かな??
伏見信子が松竹蒲田に移籍する以前……日活時代の写真か?
二人とも新興キネマにいたことがあったようなので、その時代なのか??
〇22ページ-23ページ
おてんば・小悪魔キャラの写真で統一されている印象。
当時の水着の構造がよくわかります。
ベルトの意味はあるのか??
明るく、健康なセクシー路線。
少女体型なのであまりいやらしくはなりません。
蓮っ葉な印象のショット。
ピアノの上にでも乗っかっているのか?
へんな柄の壁紙である。
15ページのパフスリーブのかわいいワンピースといい、
このドレスといい、
日本人女性がようやく洋服を着こなしはじめた時代のようにおもえます。
全然不自然ではないですね。洋装が。
えー、今回はここまで。
というか、こんな記事に興味がある人がいるのだろうか??