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ゆりたんのすべて。その55

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えー、今日はこのピンクのモフモフの話。

トトやんのすべて


このモフモフ、ゆりのお気に入りです。

口でくわえて、どこでも持っていきます。


夜中なんか、ふと見ると、このモフモフ相手にひとりで遊んでいます。


ただの布きれですが、けっこう高かったような気がする。

799円?だっけ、899円だっけ?

袋状になっていて、中に入ることもできます。


なるほど手触りもよいです。

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スヌーピーのライナス君がもっているアレとおなじでしょう。

例のセーフティ・ブランケット。

安心毛布。


幼児心理学とかだとなんていうのかな?

ともかく、

これはゆりのセーフティ・ブランケットです。


…ただ、ここに非常に困ったことがあって、

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「セーフティ・ブランケット」という

高尚な横文字を知らないうちの家族が…


「ゆりちゃんのクンク」


というへんな呼び方をはじめたことです。


「ゆりちゃんのクンクがこんなところに落ちてる」

「ゆりちゃんがクンクをくわえて階段にいる」

…という具合。


そのたびに僕は困ったような、気まずいような、

立場においこまれる。


では、そもそも

「クンク」

とはなにものであるのか?


いったいなぜ僕が困った立場におかれることになるのか??

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――えー、


クンク、

というのはですね、


わたくし、トマス・ピンコが幼少時に気に入っていたくまのぬいぐるみ、ですね。

肌身離さず持ち歩いていたぬいぐるみ、の名前、ですね。

(あ~、恥ずかし)

今でもよくおぼえてますが、

幼稚園のお泊り会でも「ぜったいにいっしょにいく」

といって親を困らせたあのクンクですね。


親は親で、今考えれば

「これが原因でいじめられたりしたらかわいそう」

とか考えたのでしょうが、

息子は息子で(僕、ですよ)

この世の終わりのように泣き叫ぶ……ダダをこねる……

けっきょく、僕はクンクと一緒に幼稚園へ行くことになりました。


けっか。

まぁ…もともと「ピン子はヘンなやつだ」

という名声を確立していたせいか、

べつになんということもなく終わりました。

クンクと一緒の僕は

べつにからかわれることもなく、無事、お泊り会は終了したのであります。


ま、幼児期の思い出はこのへんにしまして…


突然、この期に及んで、例の…恥ずかしい…

クンク

という呼び名がわが家で復活してしまったというわけ。

「ゆりちゃんのクンク」…

「ゆりのクンク」…


母が「クンク」というのは、まだ許せますが、

妹が「クンク」というのは、許せない。


僕の「クンク」時代には、

生まれるか生まれないかくらいの赤ん坊であった妹が

「クンク」と呼ぶのはあきらかに、これは悪意がこもっているといって

断言しすぎではないであろう。


…とって、

「おまえ、クンクと呼ぶな」

などというと

「はぁ?なんですか?キモい」

などといわれるのがオチ。


どうすればよいのですか?皆さま。

トトやんのすべて


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