Quantcast
Channel: トトやんのすべて
Viewing all 593 articles
Browse latest View live

YOKOSUKA軍港めぐり④ むらさめ型たかなみ型等々

$
0
0

軍港めぐり つづき。

2017年6月はじめの横須賀軍港の様子です。

 

あー 軍港めぐりさんのホームページを見ると

「ひゅうが」が横須賀に戻ってきているらしく……

 

また見に行きたくなっている今日この頃です。

ひゅうが デカいよな……

空母みたいなんだよな……

シナ海軍のあのダッサイ空母より断然かっこいいよな……

 

もとい、

新井堀割水路を抜けると、海上自衛隊の護衛艦群が……

 

 

姿をみせます。

 

ちなみに一番手前の「152」は、

DD-152 護衛艦「やまぎり」

あさぎり型護衛艦2番艦。

 

この海自のフネがぞろぞろいるあたりは

吉倉桟橋というところらしい。

 

 

護衛艦たちより先に

吉倉桟橋の他のフネをみていこうとおもいます。

 

まずASY-91 特務艇「はしだて」

 

んー……というか、

はじめは 「これ、海自のフネじゃないよね??」

と僕は思ったのですが、↓↓

 

立派に海自のフネ。

 

この「はしだて」 「海の迎賓館」とか呼ばれている由。

海外のVIPが来た際にレセプションパーティーが行われたりするんだそうな。

 

かつての

帝国海軍だと そういう目的にはやっぱし

戦艦使ったんだろうな。

「陸奥」「長門」「比叡」あたり、か。

 

↓↓ほんとルックスは ふつうのフネです。

 

 

たまたま内火艇がやってきました。

DD-111 「おおなみ」の内火艇。

なんか涼しげだな。

 

奥に見えているのは

LCU-2002 輸送艇2号。

 

内火艇

AMS-4305 多用途支援船「えんしゅう」 のわきを通り過ぎます。

 

 

 

護衛艦たちをみていきます。

帝国海軍でいうと、「駆逐艦」クラスでしょうか。

 

上記のとおり、「152」は、

DD-152 護衛艦「やまぎり」

あさぎり型護衛艦2番艦。

 

案内人さん、

「昨年の2月、

海上自衛隊の歴史の中ではじめて女性の艦長が誕生した護衛艦としても知られています。

美しすぎる自衛官としても知られる、大谷2等海佐が艦長を務めています」

 

おとなり「153」は、

DD-153 護衛艦「ゆうぎり」 あさぎり型護衛艦3番艦。

 

姉妹艦がなかよく並んでいます。

そういや、

艦橋の形とか、なんとなく

旧海軍の駆逐艦に似ている気がしなくもない。

 

あ。すみませんね。

あくまで帝国海軍ベースでしか モノを考えられないもので。

 

 

 

左端の「111」は

DD-111 護衛艦「おおなみ」

たかなみ型護衛艦2番艦。

排水量4650トン(ウィキペディア情報)

 

右側の「やまぎり」「ゆうぎり」が

排水量3500トン(これもウィキ情報)なので

ひとまわり大きい感じ。

 

86、BRZ のとなりにフェアレディZが駐車している感じ?

 

「たかなみ型」は

手元の資料によりますと、(艦船模型スペシャルNo.11 2004年3月10日発行)

 

「むらさめ型」の改良強化新型だそうです。

 

艦尾にはヘリ甲板があるようですが、よく見えぬ。

艦尾部分の箱状のものは ヘリコプターの格納庫らしい。

 

DD-107 護衛艦「いかづち」 むらさめ型護衛艦7番艦。

DD-101 護衛艦「むらさめ」 むらさめ型護衛艦1番艦。

排水量4550トン

 

まんなか、

AOE-423 補給艦「ときわ」 とわだ型補給艦2番艦。

排水量8150トン

 

海上を動くガソリンスタンドか。

 

 

案内人さん――

「ものすごいのは「ときわ」の補給能力なんです。

なんと1分間に1万1000リットルという燃料を補給することができる。

1秒当たり180リットル」

 

左端の「110」は

 

DD-110 護衛艦「たかなみ」 たかなみ型護衛艦1番艦。

さっきの「おおなみ」の姉妹艦。

 

 

「おおなみ」の艦首でなにか作業をしている。

 

もう書くこともありませんので……

 

写真だけベタベタ貼っていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「陸奥」の主砲。それから横須賀駅がみえます。

 

帰り道。

「陸奥」の主砲と

なにか女の子のお人形を一緒に並べて撮影しているお兄さんをみました。

 

たぶん「艦隊これくしょん」というやつだとおもうのだが、

そっち方面はよくわかりません。

 

汐入ターミナルに戻ってきました。

 

入道雲もくもく。

この後夕立がきました。

 

はあ、おもしろかった。

「ひゅうが」いつまでいるんだろ?

 

近々、また行ってしまいそうです。


デロンギ デディカ EC680R はとても良い。

$
0
0

デロンギのエスプレッソマシンです。

とても良かったのでほめます。

 

正式名称は

デディカ エスプレッソ・カプチーノメーカー EC680R

 

「デディカ」という愛称なのか?

 

そもそも

同デロンギの ECM300J-E なる エスプレッソマシンを使っておったのですが、↓↓

 

購入から6年弱経ち、

まず、水漏れがするようになり……

お湯があたたまるのに妙に時間がかかるようになり……

で、最終的に水しかでてこなくなったため、

 

とても気に入っていたのですが、お払い箱。

デディカちゃんの登場と相成りました。

 

田舎者ですので、実物をみず、(見れず) PCの画面情報だけで

ヨドバシドットコムにて購入したのですが――

 

大正解でした。

 

まず、

①色がいい。

銀色か赤かで迷ったのですが、

赤で正解でした。

派手すぎやしないかと危惧したりもしたのですが、

落ち着いた いい「赤」です。

 

②サイズがコンパクト

そして小さいのもいい。

前のに比べて一回り小さく 場所をとりません。

 

③スイッチがかわいい。

スイッチがわかりやすくなっています。↓↓

しかも 温め中はチカチカ点滅

温まると点灯に変わる、というあたり、なんともいえず愛らしいものがあります。

 

で、以下に述べますポイントが わたくし一番驚いた点なのですが――

 

④うるさくない。

6年前のエスプレッソマシンは それはそれは

ガガガガガガガ!!!

と容赦なくうるさかったのですが、

 

エスプレッソマシンというのはそういうものだとおもっていたのですが、

時代の進化というのはおそろしいもので……

 

このデディカちゃんはまったくうるさくありません。

 

 

で、さいご、

⑤おいしい。

おいしいです。

前のは前ので おいしかったのですが、

 

デディカちゃんはレベルが違います。

容赦なく美味です。

なんだこのクリーミィなエスプレッソは??

 

↓↓これはコーヒー粉から作ったやつですが……

カフェポッドで作っても、こんなキャラメル色のクレマです。

 

まったく、

今まで飲んでいたアレはいったい何なのだ??

という感じ。

 

あとは、どれぐらい使えるのか?

壊れずにいてくれるのか?

というところですね~

 

今のところ100点満点です。

「新八犬伝 辻村ジュサブローの世界」感想

$
0
0

さいきん

滝沢馬琴の「南総里見八犬伝」(岩波文庫のやつ)

にはまっているのですが、

 

「そういやジュサブローさんの人形劇が昔 NHKでやっていた」

と教わりまして……

 

アマゾンで探すとDVDがありましたので さっそく見てみました。

 

なるほどおもしろい。

そうとうに人気だった番組らしい。

 

ただ残念なことに ほとんどテープが残っていない、とか。

DVDに収録されているのは

第一回 第二十回 第四百六十四回(最終回) この三話のみ。

 

 

オープニング画面。↓↓

音楽かっこいい。

 

第一回。

犬のシロ そしてシロの産んだ赤ちゃんのはなしからはじまる。

ま。その赤ちゃんが「八房」なわけです。

 

原作はオープニング 結城合戦から里見義実がどのように脱出するか、

というはなしですので 全然ちがいます。

 

子供向けの人形劇なので 終始「犬」にこだわっているようです。

(原作は、「犬」は比喩というか、イメージを利用しているだけ)

 

ワンちゃんかわゆし。

 

「玉梓が怨霊」 というのがオープニングから出てきます。

どうも「新八犬伝」では これが終始悪役として登場してくるようです。

 

玉梓。

原作では 重要といや重要だが、冒頭部分にちょっとでてくるだけ。

 

原作では逆に 伏姫の神霊みたいのが終始登場します。

 

第二十回。

 

瀕死の伏姫と金碗大輔(のちのゝ大法師)。

 

原作でもやっぱり許嫁同士の二人ですが、

こんなラブラブではない。

 

というか……

 

原作は

伏姫、切腹する→八つの玉が天に向かって散らばる。

という壮絶なシーンですので、

こんなのんきに抱き合ったりできない。

 

あ。あと伏姫。何か月も山で暮らした後なので

髪がぼさぼさ、衣装もボロボロという 美人の山姥みたいな挿絵がありますな。原作には。

(これがまたセクシーなんだ……)

 

「新八犬伝」はとにかく「犬イメージ」で攻めます。↓↓

 

八つの玉をみつめる 義実と大輔主従。

 

話は突然 最終回。

 

ラスト、ゝ大坊が腹を切ります。

で、玉梓が怨霊を鎮めます。

 

んー原作はまったくこんなシーンはありません。

でも、原作はラストのあたり、完全にダラダラしてくるので、

「新八犬伝」のこのラストはすばらしい。

八犬士の皆さん。↓↓

 

しかし、「8」という偶数は なんか画面的に落ち着かないものがある……

奇数だと 誰かが真ん中にズカッと入るので構図がシャキッとするのですが……

 

なるほど だから 黒澤明の名作は 「7」人の侍 なわけか???

 

犬塚信乃↓↓

 

なんか強情な きかん気の強そうな顔をしている。

原作では女の子として幼少期育てられるのですが……

「新八犬伝」でもそうなのか?

やっぱ「村雨」はでてくるのか?

 

犬川額蔵↓↓

 

と、「新八犬伝」ではいっていたが、

原作では 「額蔵」という名前はよくない。といって「荘助」に改名します。

 

原作では性悪の村長に下男としてこき使われたり

冤罪で捕まって拷問されたり、

八犬士で一番の苦労人なのですが……

 

「新八犬伝」ではどうなのかな?

あんまり苦労人っぽいルックスではないですが。

 

犬飼現八↓↓

 

なんかかわいい顔してますな。

原作ではけっこう地味めなヒト。

武芸に長じている。というが、それほど目立ってない。

ほかの人が華やかすぎるのだな。信乃とか毛野とか

 

犬山道節↓↓

 

苦み走った……なんか悪役みたいな強烈なルックス。

でも、原作のイメージもこんなかな。

武断派、というか、なにかというとマッチョなことをおっしゃるお方。

そのくせ、

八犬士のなかでは一番のお坊ちゃんキャラだったりする。

 

犬田小文吾↓↓

 

なんですが、このお人形さん個人的にはあまり納得がいかない。

八犬士で一番 ガタイがいいのは小文吾のはずだ。

 

でもお顔は 彼のなんか穏やかな気性をよく表現している。

(とか、ジュサブローにむかって偉そうなこと書いてます)

 

犬坂毛野↓↓

 

なるほど、美少年キャラです。

でも、子供向け番組なんだから

いっそのこと 女性キャラにしちゃったほうがよかったのでは??

とか、勝手なことを思ったりする。

 

原作はとにかくギラギラして 美少女の格好で大虐殺しちゃったりするわけですが……

「新八犬伝」はどうやって再現したのでしょうか??

 

犬村大角↓↓

 

うん。大角先生はこんな感じでしょう。

この人もなんか地味なんだよな。

 

犬江親兵衛↓↓

 

これは完全に納得がいかない。

なんでこんなシュワルツェネッガーみたいなマッチョキャラなのか?

とか おもったのですが、

「新八犬伝」ではほとんど登場機会のないキャラであるらしいです。

 

原作は 八犬士の中の最強キャラ。後半の主人公は彼です。

(というか、あまりに強すぎて まったくおもしろくない)

 

細川政元というホモ・ヘンタイの権力者が 親兵衛に惚れてしまって

彼を軟禁するというエピソードがありますので、

いよいよこんなマッチョな感じはよろしくない。

 

 

えー、で 「新八犬伝」のさいごのさいごですが、

 

八犬士はワンちゃんに姿をかえて、

どこかへ飛んで行ってしまいました……

 

ということになっています。

なるほどモダンな終わり方です。

 

原作はほんと ラストがダラけてくるので

こっちのほうがいいですな。

 

□□□□□□□□

 

いや、しかし、

このDVDみて一番 驚いたのは……

 

 

坂本九さん、この人の存在感ですな~

 

名前はさすがに知ってたけど。

(「上を向いて歩こう」だろ??)

 

テレビあんまし見ないもので

ひょっとして動く九ちゃんをはじめてみたかもしれんです。

 

昔の「スタア」ってすごいな~

ニコニコして、明るくて、

歌はうまいし、ナレーションもできるって……

 

こんな人いないよな。今。

 

 

母親に坂本九のことを聞くと、

なんでも つくば万博で 彼の歌声を 遠くからだけど聞いたことがあったそうで、

 

で、その少しあと、例の日航機墜落事故で亡くなったということでした。

「異人論」と小津安二郎の諸作品 その1

$
0
0

最近、「経済の誕生」という

小松和彦先生と栗本慎一郎先生の対談本を読んで以来、

小松和彦と栗本慎一郎にはまっております。

 

かたや「妖怪」研究の第一人者で

かたや国会議員もやってた経済人類学の先生なんですが――

 

お二方とも、人類学や山口昌男やらがルーツにある点、共通している。

 

 

で、小松和彦の代表作「異人論」を読みまして、

……

どんな本かというのは一言では書けないのですが、

あえて書くと、

「日本の民話・伝説、そして日本文化の構造の中心には、

異人・ストレンジャーというものがあるんじゃなかろうか?」

というような感じですかねぇ。

究極的には、たぶん、「天皇」という名のストレンジャーが位置しているのだと

おもうのですけど。

 

もとい、「異人論」を読みながら、

「これって小津安っさんの作品も同じなんじゃあるまいか?」

とおもったわけです。はい。

 

つまり、

「小津安二郎の諸作品の構造の中心には

異人・ストレンジャーがいる」

ということです。

 

異人、ちょっと変わった服装・キャラクターの人物が登場して

作品全体を動かしている、ということです。

 

□□□□□□□□

のっけから結論を書いてしまいますと、

小津安二郎の諸作品を「異人」を軸に分類しますと――

 

パターン① 集団全員が異人

パターン② 個人が異人(脇役)

パターン③ 個人が異人(主人公)

 

この3パターンがあるのではあるまいか? とおもいます。

まあ、理屈ばかり言ってもわかりづらいので、

以下、具体的に見ていきます。

□□□□□□□□

パターン① 集団全員が異人

 

現存最古の「若き日」(1929)はまさしくこのパターンです。

主人公たちは

日常→異世界(雪国)→日常

という移行を経験するわけですが、

 

異世界においては皆が皆、黒っぽいスキーウェアを身にまといます。

異装をします。異人になるわけです。

 

 

「浮草物語」(1934) 「浮草」(1959)もこのパターンです。

 

坂本武たち旅役者(異人たち)が、日常世界に侵入してくる、という構造。

 

しかし、ラストは「異人」であることをやめてしまいます。

 

 

当然、リメイク版の「浮草」も同じ。

ただ

異人性はさらに強調されているようにおもいます。

 

異装の集団が街に侵入して――

 

で、普段着で(つまり異装を脱ぎ捨て)

街を去ってゆく、という……

 

 

以上、

「集団全員が異人」というパターン。

 

おもしろいのは……そして小津作品の独特なところは、

「異人たち」が日常に戻ってしまうこと。

「異人であること」を捨ててしまう、という点です。

 

たとえば……

わたくし、最近はじめて鈴木清順作品をみたのですが、

(日本映画専門チャンネルでやってた)

彼の作品においては

原田芳雄にしろ大楠道代にしろ松田優作にしろ

はじめから終わりまで 「異人」でありつづけるわけです。

異世界が日常を飲み込んでしまう構造がある。

 

異人たちばっかり出現する鈴木清順パターンは多いような気がするんですけど、

日常→異世界→日常

という小津パターンは、ちょっとほかに思いつかない。

 

ではお次。

パターン② 個人が異人(脇役)

です。

 

これは小津作品に限らず、映画にはよくあるパターンのような気がする。

ヒッチコックとかがこの手をよく使いますが……

 

「その夜の妻」(1930)

不気味な山本冬郷がそうです。

この人は刑事で 銀行強盗を犯した岡田時彦を追っています。

 

 

 「東京暮色」(1957)の宮口精二は 文字通りの異装……

この人もやっぱり刑事。

 

などとみていきますと、

「なんだ、よくあるパターンじゃないか」

という感じがしますが、

 

小津作品が独特なのは、

プロットとは直接関係がない「異人」が登場する。という点。

 

たとえば「東京物語」(1953)の艶歌師たち……

熱海の旅館に登場するんですけど。

 

 この人たちはセリフがあるわけでもなく、

プロットとまったく関係がない。

極端な話、歌声だけ聞かせて、このショットなんかカットしちゃってもいいように

おもえるんですけど、

 

でもこの翌朝、東山千栄子が海岸でクラクラっとよろめく、あのシーンが……

「死」に関連するシーンがあるわけです。

 

さらにいうと、小松和彦「異人論」によれば

「異人」は「冥界」「死」といった負のイメージを背負わされているという……

 

そう考えると、この3人の異人たちのショットは深い意味がありそうなのです。

ついでにいえば真ん中でアコーディオンを弾いてるのは当時の小津安っさんのガールフレンド。

「性」と「死」との関係……

 

「小早川家の秋」(1961)の団令子も「異人」だとおもいます。

この人もプロットとは直接かかわりがない。

ただ単にかわいいスター女優を登場させたかっただけ、という気もするのですが……

 

このやけに目立つ服装。とか

(背景が純和風建築なのでことさら目立つ)

 

外国人(文字通りの異人さん)のボーイフレンドがいる。とかいう設定は

もろに異人です。

 

このかわいい異人も中村鴈治郎の「死」に深くかかわっている点、強調しておきたいところ。

別に……

彼女が殺した、とか、彼女の存在が死の原因になったとか、ではなく、

 

この異人さんは「お父ちゃん」の「死」にまったく悲しみを覚えないという

異様さ、意味の分からなさ、が、われわれの印象に残る。

という点です。

 

↑↓ いやしかし……おんなじ姿勢を律儀に繰り返す。

さすが小津作品。 

 

 

 

「秋刀魚の味」(1962)の岸田今日子も

やっぱり強烈な「異人」でしょう。

 

この人もやっぱり中心プロットと直接かかわりがない。

 

(今初めて気づいたが……↓電話機の色がすごいな!)

 

ですが、

「東京物語」の艶歌師たち、

「小早川家の秋」の団令子同様、

 

強烈に「死」のにおいをぷんぷんさせているわけです。

ようするに、

笠智衆はこの人に亡き妻のおもかげをみるわけです。

 

さらにいうとこのシーンのBGMが「軍艦マーチ」

滅んでしまった帝国海軍の象徴です。(この作品の笠智衆は元海軍軍人という設定)

 

以上。

パターン②はこんな感じです。

一見、必要がなさそうな脇役たちが、

実は「死」のイメージ(それは性のイメージでもある)の担い手でもある、ということです。

 

その2につづく。

パターン③をみてみようとおもいます。

「異人論」と小津安二郎の諸作品 その2

$
0
0

その2です。

前回のつづきなんですが――

冒頭、かいておきたいのは――

というか 主張しておきたいのは、

 

◎小津安二郎、その人も異人・ストレンジャーであった。

 

ということです。

それも……何重の意味においてそうであったということ。

まず彼が、「小津家」という伊勢松阪の名家の出身であったこと。

豪商・大ブルジョワの家の出身であったこと、です。

 

 商人とは、交易を行なうもののうち、利潤動機を以ってそれを推進する人々の定義であり、これは、ポランニーが「交易者と交易」で述べたことである。つまり、商人とはストレンジャーなのである。

(中略)

 商業は、決して共同体内部からの発展や、肥大化からの転化という性格を持たない。そして、その商業をになう者は、共同体内部からしるしつきとして排除されたスケープゴートではなくして、もともと外部から共同体を訪れたマレビトであり、グロテスクなストレンジャーなのである。

(栗本慎一郎著、青土社「光の都市 闇の都市」53~55ページより)

 

小津安二郎のお父さんというのは、いわば

松阪の「小津グループ」の 江戸出張所の支配人というような立ち場であったそうです。

つまり、栗本先生のコトバでいうと

「松阪から江戸に訪れたストレンジャー」ということになる。

小津安二郎という人は生まれた瞬間から「異人」であったのです。

 

さらに……

彼が当時の日本人としては「異常」なほど体が大きかったこと、

も付け加えるべきでしょう。

出身階層も異人、体格も異人。

 

そして映画製作においてたぐいまれな才能を示したこと……

才能においても異人。

 

もうおわかりでしょう。小津安二郎はどこからどうみても「異人」だったのです。

 

□□□□□□□□

 

では、前回のつづき……

 

パターン③ 個人が異人(主人公)

つまり主人公そのものが「異人」であるということなのですが、

 

このパターンもやっぱり3つに分類できちゃったりします。

・パターン③-A 男性主人公が異人

・パターン③-B 女性主人公が異人

・パターン③-C 女性主人公の親友(分身)が異人

 

□□□□□□□□

ひとつひとつみていきましょう。

・パターン③-A 男性主人公が異人

 

「朗らかに歩め」(1930)のヤクザな主人公がまさしくそうです。

高田稔は白いかっこいいスーツ。 めちゃくちゃ高価なスポーツカーを乗り回す。

「異人」です。

 

しかしそんなヤクザな「異人」が更生して

ふつうのプロレタリアートに。

 

 

「淑女と髭」(1931)は もう誰がみたって「異人」

この岡田時彦も 高田稔同様、

社会に認められるために 「異人」であることを捨てます。

 

この「異人」ヒーローですが、

40年代の作品になると――

あくまで自分の「異人性」にこだわるようになる……

 

「異人」である自分を捨てないようになってくるのはおもしろい。

ここらへん小津安二郎自身の心境の変化があったのだろうか?

 

つまり「俺はけっきょく異人として生きていくより仕方ない」

というあきらめがあるのだろうか??

 

たとえば「戸田家の兄妹」(1941)

冒頭、

佐分利信は 家族の記念撮影に遅れて登場する 「異人」で……

 

作品の終盤になっても

 

中国大陸 という異国から

国民服 という異装を身にまとって出現し、

で、家族相手に ぶん殴ったり、暴言を吐いたり、異常な行動をとる。

(まあ 彼が「親孝行」という正論を言っているわけですが)

 

ようするに異人として登場し、異人としておわる。

あくまで異人にこだわるのです。

 

 という感じなのですが、

「・パターン③-A 男性主人公が異人」

これはおもしろいことに 戦後影をひそめてしまいます。

 
たとえば「風の中の牝雞」(1948)
戦場から帰ってきた佐野周二は 「異人」といや「異人」なのですが、
 
作品の中心はどうみたって 異人にいじめられる田中絹代の方にあるわけで……
 
深読みしてしまえば
欲求不満でMっ気いっぱいの田中絹代が
わざといじめられて快楽に浸っているストーリーとおもえなくもない。
 
じっさいわたくしの記憶も
「ひたすら田中絹代がエロい映画」ということでしかないわけです。はい。
 

晩年の2作品

「浮草」

「小早川家の秋」

の中村鴈治郎はなるほど「異人」してますが……

 

しかし

「淑女と髭」の岡田時彦 あるいは 「戸田家の兄妹」の佐分利信が

あくまで作品の中心に位置していたのと ちょっと違う気がする。

 

「異人」は「異人」なのだが、

どこか京マチ子、若尾文子

あるいは新珠美千代、原節子、司葉子

彼女たちの掌の上で踊っている感がある。

 

「あらあら お爺ちゃん しょうがないわね」というところがある。

 

 

じゃ、ヒロインが「異人」な場合はあるんでしょうか?

ええ。ありますとも。

 

 ・パターン③-B 女性主人公が異人

このパターンのはじまりはおそらく
「その夜の妻」(1930) の八雲恵美子でしょう。
 
和服姿で両手に拳銃。
背景は洋画のポスターという異人です。
 
 
それが「淑女は何を忘れたか」(1937)の 桑野通子に進化します。
 
というか、
「美女」というのは 存在そのものが「異人」なのか??
 
さらにモダンそのものの服装
そして「関西弁」という異国のコトバ
――が、桑野通子の「異人」性を高めるわけです。
 
さらに桑野通子という人の伝説的な生涯もわれわれの心に響いてしまったりするわけですが。
 

「お茶漬けの味」(1952)の木暮実千代もわかりやすい「異人」です。

 

 

「お茶漬けの味」= 美しき「異人」が暴れまわる。

といっても過言ではない。

 

 

――のですが、

「淑女は何を忘れたか」にしろ

「お茶漬けの味」にしろ

 

なーんか ヒロイン=「異人」の作品は おもしくない。

おもしろいことはおもしろいのだけど……

何かが足らない。

 

ということで開発されたのが

・パターン③-C 女性主人公の親友(分身)が異人

なのではあるまいかと、僕は考えます。

 

ヒロインの一種「分身」のようなキャラクターを設定して、

で、その「分身」に「異人」性をかぶせる、という高等テクニックとなります。

 

このパターンの嚆矢はなんつっても

「晩春」(1949)

つくづくこの作品はすさまじいな、と感心します。

 

原節子の親友 月丘夢路は

・お金持ち

・バツイチ独身

・職業婦人

・そしてもちろん美貌

 

といろいろな「異人」要素があるわけです。

 

どことなく原節子に対して「母親」のようにふるまうのも気になるところ。

 

あとラスト近く 笠智衆にキスする という突飛な行動をとったりします。

 

「麦秋」(1951)の淡島千景は 月丘夢路の正当な後継者です。

 

というか宝塚出身という点も同じ。

 

 

淡島千景は 原節子の死んだお兄さんの記憶と結びついているような、

そんなセリフがあります。

 

「麦秋」S130

アヤ 「ああそうか――(話題を替えて)ねえ、ホラ、いつかお宅の省二さんまだスマトラへ行く前、みんなで城ケ島へ行ったことあったでしょ。--あの時の人?」

紀子 「一緒だったかしら、あの時……」

 

あと、佐野周二からちょっとセクハラめいたコトバをいわれたりします。

 

「麦秋」S110

佐竹 「少し教えてやれよ」

アヤ 「なに?」

佐竹 「いろんなこと」

アヤ 「いろんなことって?」

 

この「異人」さんは「性」=「死」のイメージを帯びているようなのです。

 

このパターンの究極の完成形が

「彼岸花」(1958)の山本富士子なのでしょう。

 

京都弁という「異国のコトバ」をあやつる

彼女はいわば……

月丘夢路+淡島千景+桑野通子

といった感じでしょうか。

 

桑野通子……といえば、

この作品、有馬稲子の妹役で 桑野みゆき(桑野通子の遺児)が登場するという――

 

もちろん山本富士子は 有馬稲子の結婚のために

佐分利信にむかってトリックをしかける、

トリックスターでもあるわけです。

 

「彼岸花」S70

幸子 「小父さま――」

平山 「ウム?」

幸子 「今の話、みんな嘘どすのや。トリックどすのや」

平山 「トリック?」

幸子 「へえ、お芝居どすのや」

YOKOSUKA軍港めぐり① そうりゅう型潜水艦

$
0
0

6月某日。YOKOSUKA軍港めぐり

はぁー これは楽しかった。

たくさん写真を撮ってしまったので

ブログに載せます。

 

ひじょうにマニアックな記事になりますが・・・

 

大人1名1400円 小学生以下1名700円 で45分。ぐるっと横須賀軍港を一回りします。

船はこんな↑↑

 

平日に行ったのですが、そうとう賑わってました。

天気が良かったからか。

僕は14時の便に乗ったのですが、バス旅行の団体さんが一緒でした。

あらかじめ予約しておいたのですんなりチケットが買えましたが、

予約してないと、買えなかったかもしれない(??)

 

団体さんがドカッと入るかもしれんので、

たとえ平日でもいちおう予約をして行ったほうがよさそうです。

 

撮影ですが、

これはいろんな方が書かれてますが、

◎「2階」「右舷」に限る!

――となります。

 

1階だと窓越しの撮影になってしまいますし、

左舷はあんまし軍艦がみえません。

僕は幸い右舷の一番前に陣取ることができました。

 

使用レンズですが、この記事の最初の3枚以外は

全部 AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VRⅡ

です。

ただ、aps-cサイズのカメラを使っている人は望遠レンズだと

オーバースペックな気がします。

(近すぎて、船の全体を写せないとおもう)

 

フルサイズ一眼→望遠レンズ

aps-cサイズ一眼→標準レンズ

がいいとおもわれます。

 

「2階」がいい!

――などと書きましたが、

逆に……撮影をしない分には1階右舷のほうがいいとおもいます。

 

2階だといろいろ弱点があり

・案内人さんの姿がみえない。

・汽笛がけっこううるさい。

・日差しが強い。(晴れた日は)

・冬はたぶんめちゃくちゃ寒い。

 

という具合です。

 

もとい――、船上から撮った写真を載せていきます。

 

まず見えてくるのは

船越地区の

海上自衛隊の護衛艦群 なんですが――

帰り道に間近でみれるので 今は紹介しません。

 

ちなみに一番手前のフネは DD-110 護衛艦たかなみ です。

ピシッとそろって停泊してて かっこいい。

 

 

右側に 

米軍のドライドックがみえてきます。

「ブラタモリ」でやってたやつです。

 

アメリカ海軍横須賀基地。アメリカ合衆国です。

 

案内人さんが――

「万が一船から落ちた場合、泳ぐ方向は左側になっております」

「右側ですと、上陸にパスポートが必要です」

などと笑わせていました。

 

 

 アメリカなのだが……

 

建物のわきには 

 

伊藤園とダイドーの自販機……

補充の人はどうするのかね?

いろいろめんどくさい手続きを経て、伊藤園の人が補充したりするのかね??

 

あと、日本のコインですか。やっぱり??

わからないことだらけです。

 

 ↑ダイバー支援船 DS-03

なるフネ。

 

 ずんずん進みますと……

 

朝〇新聞の旗……

じゃない、

旭日旗が見えてまいります。

 

あーなんか日本人の血が騒ぐねぇ~

いや、単にわたくしが

帝国海軍軍人の子孫なせいか……

(こういう感覚、朝〇新聞の愛読者にはわかるまいが……)

 

旭日旗の正体は……

 

潜水艦。

「蒼龍(そうりゅう)」型の潜水艦。(艦名よくわかりません)

 

潜水艦の部隊だけは、どうしたわけか、

アメリカ海軍の基地に司令部があるんだそうな。

 

↑トリミングしました。

X形の舵がかわいいのですが……

 

兵頭二十八先生によると このかわいい尾びれはスウェーデンの特許らしい。

というか、兵頭先生の蒼龍評価はけっこう厳しくて……

 

(トマス注:蒼龍型は)水中速力は「20ノット」と公表されているけれども、これは公的な嘘だろう。20ノット以上出せることは常識で判断できる。それを秘密にすることには問題ない。ただし、世間向けの表記は「N/A」(公示し得るデータ無し)、もしくは「20ノット以上(軍機)」としないと、誠実性を疑われる……という近代社会のしきたりが、いまだ日本人にはよく分からぬらしい。近代社会では、公人が公的な嘘をついたら、恥じなくてはならない。

 特に浅海面に強いという、「X形舵」も、スウェーデンの特許。したがって、AIP機関(トマス注:スウェーデン製の空気を必要としない機関)を搭載しないとしても、スウェーデンへの特許料支払いがゼロになることはない。

 士官9人+下士官56人で、『蒼龍』型は運航される。

(草思社「兵頭二十八の防衛白書2016」411ページより)

 

あと「そうりゅう」型の後期型にはリチウム電池が使われているらしいのだが

その点にも懸念を示しておられる。

 

 宣伝者は言う。リチウム電池の容量は鉛の倍だと。(トマス注:鉛→鉛電池のこと)急速充電が可能だと。残容量が減っても電圧降下しないと。

 それなら、なぜ他の先進国は、潜水艦のバッテリーをさっさとすべてリチウム電池にきりかえてしまわないのか?

 リチウム電池には、不時の発火・火災・膨張の危険があり、その問題が一向に解決されていないからだ。

(同書146ページより)

 

いやー、マニアックなはなしばかり書いてますね~

この記事。

ここまで読んでる方、いらっしゃるんですかね~

 

まあいいや……

 

さらにトリミング。

白い制服の士官(推定)の方が 手を振っていらっしゃる。

 

いろいろ否定的な文章ばかり引用しちゃいました……

海上自衛隊の方、申し訳なし……

 

潜水艦のこの方だけでなく、このあと掃海艇の乗り組みの方も

手を振っておられて……(あとあと紹介します)

ほんと、海自の方の努力には頭がさがります。

 

「そうりゅう」たんの写真をいろいろ載せていきます。

 

 

 まだ手を振っておられる。

 

 右側のクリーム色の建物が司令部なのかな。

 

 と……

突然現れた右側のお人は

艦長さんかいな??

 

 

 いままで我々に手を振っておられたヒト(左側)が、

とっさに敬礼しましたぞ。

 

忙しい職場だな……

 

↑艦橋部分だけトリミングしました。

ハッチがペロッと開いてるのとかたまらんな~

 

わたくし、

ドイツ映画の「Uボート」って潜水艦の映画、けっこう好きなのですが、

どうみても「そうりゅう」 Uボートよりでかい。 はるかにでかい。

 

 「そうりゅう」たんに別れを告げ……

ますが、

 

またえんえんドライドックが続きます。

 

 と、突如バカでかいクレーンが。

 

これは案内人の方の解説によると、

大正5年にできた「5号ドック」というものらしい。

戦艦「陸奥」はここで作られたんだそうな。

 

そういわれると……対岸に「陸奥」の主砲が飾られているのだが、

なるほど。

誕生の地の真向かいに展示してあるわけか。

 

5号ドックを通り過ぎると……

アメリカ海軍の艦艇が姿を見せます。

 

むぅ…・・・かっこいい。

のですが、紹介は次回。

 

そうそう。はやめに書いておきますが、

北朝鮮のへんな髪形の独裁者のせいで、

空母ロナルド・レーガンはお出かけ中。

 

原子力空母の姿はみられませんでした・・・・・・

YOKOSUKA軍港めぐり② アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦など

$
0
0

軍港めぐりつづき。

 

のっけから関係のないはなしですが――

昨晩 BSでコッポラの「ゴッドファーザーPARTⅡ」やってて

ついつい見入ってしまったのですが、

 

ラスト近く 回想シーンで アル・パチーノが

「おれ、Marines に入隊した。」

というところがあるんですが

(真珠湾攻撃の直後、それで兄貴とケンカになる、というエピソード)

 

驚いてしまったのは、この箇所、

「海軍に入隊した」

と字幕が出てるんですよね~

 

これ、完全な誤訳。

 

Marines は「海兵隊」で、

海兵隊はべつに海軍の下部組織でもなんでもない。

 

そもそも「海軍」出身だと、

マイケル・コルリオーネ(アル・パチーノ)が、PARTⅠでとつぜん「俺がやる」とかいって

敵のボスと警察官二人を射殺しちゃうところだって生きてこない。

「海兵隊」という――

敵の領域にまず最初につっこんでいく殴り込み軍団の一員だったからこそ、

あの行動が納得いくわけで……

 

――ええと、なんでしたっけ。

そうそう、横須賀の軍港。

こっちはMarinesじゃなくて Navyです。もちろんアメリカ海軍です。

 

DDG-54カーティス・ウィルバーが見えてまいります。

アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦の4番艦。

 

トリミングしました。

 

えー……説明能力なし。

たぶん衛星通信アンテナとか、機銃の射撃指揮装置とか、対空レーダーとか、

なのだとおもわれます。

 

パイプがうねうねで大友克洋っぽくてかっこいいです。

船体の錆もいい雰囲気です。

 

軍港めぐりのフネが

ぐんぐん艦首方向に進んでいきます。

 

艦橋部分だけトリミング。

 

八角形のなんか修理中のところだけはわかります。

「フェーズドアレイ・レーダー」

というイージス艦の代名詞ですな~

 

煙突のところ トリミング。

人っ子一人いません。

誰か作業しててくれるとおもしろいのですが――

 

真横からみる。

いやはやかっこいいこと。

 

わたくし、軍艦というと、

旧帝国海軍の重巡洋艦(妙高型、高雄型、最上型)

がいちばんかっこいいとおもっていて、

現代のフネとかまったくマークしていなかったのですが……

 

これはかっこいい……

というか、ごっつい艦橋が、

なんとなく高雄型を彷彿とさせる……気が。

 

以下、ウィキペディア情報ですが、

カーティス・ウィルバー

排水量:8362トン

全長:153.9m

全幅:20.1m

ということです。

 

なので、

排水量:13000~15000トン

全長:200mくらい

全幅:20mくらい

の帝国海軍のヘヴィークルーザーは 

 

このカーティス・ウィルバーを50mばかし伸ばしたようなものだった……

ということになるでしょう。

 

↓構図 失敗しました。

海の部分が多すぎる……

 

海:2

空:8

くらいがよかったか???

 

というか、以下、海の部分が多すぎの画像がばかりです。

反省しております。

船、撮りなれていないもので……

 

 

おとなり「63」番は

DDG-63 ステザム

アーレイバーク級ミサイル駆逐艦13番艦。

 

 

真正面から……

 

 

「3隻のイージス艦を効率よく配備することで 日本全土をミサイル攻撃から守ることができる」

と案内人さんがいってました。

 

だがまあ、この子らはアメリカ海軍のフネなので

守るのは原子力空母および米本土でしょう。

 

 

イージス艦、この2隻だけではなかった。

うじゃうじゃいます。

 

タイコンデロガ級ミサイル巡洋艦

んー しかし、これはあんましかっこよくないな。

 

手前がCG-54アンティータム

奥がCG-62チャンセラーズビル

 

艦橋のアップ

なんかずんぐりむっくりで かっこ悪いな。

 

案内人さんが イージス艦は建造に

1隻あたり1500億円かかる といっていました。

 

新国立競技場の建造費が1490億円だとか……

 

だが、この高額の建造費。

兵頭二十八先生に言わせると――

 

 第2次世界大戦後、悪い慣行ができた。米海軍と造船所が馴れ合いで、造船所の方から、できるわけのない安値の見積もりを出すのである。それなら議会を通りやすいから。そして予算が通ったあとで、実際の工費がどんどん膨らみ、当初予定の2倍以上にもなるのだ。

 米国の造船会社はこれをユニオン(労組)のせいにする。だが、ノルウェーやデンマークや日本や韓国にもユニオンはあるけれども、米国のようなトラブルは起こしていない。

 事態を悪化させたのは、1990年代のうちに「海軍工廠」が全廃されたことだった。修理用には少し残してあるが、米国国営の造船ドックはなくなったのである。

 これがよくなかった。「やればできるレベルとはいかほどか」を海軍みずから測り知ることができなくなった。爾後は、民間造船会社の言うなりを信ずるほかになくなってしまった。

(草思社「兵頭二十八の防衛白書2016」351ページより)

 

どうもアメリカ合衆国の「もの作り」システムの崩壊が原因なような気がします……

 

空っぽの12号バースも見えてまいります。

空母専用ふ頭。

 

「ロナルド・レーガン」はいない……

 

のですが、

 

そのかわりに原子力潜水艦をみることができました。

 

SSN717 オリンピア

ロサンゼルス級原子力潜水艦の30番艦

 

「レッドオクトーバーを追え」にでてきた潜水艦「ダラス」

あれも同じロサンゼルス級。

 

一時的に入港しているだけで

ひじょうにめずらしい光景だと案内人さんがいってました。

 

兵隊さんがおり……

 

双眼鏡でこっちを監視しています。

自衛隊の潜水艦とは180度対応が違う……

ものものしいです。

 

「やや。あやしげな奴!」

「我が艦を望遠レンズで撮影しておるな」

「む。見覚えが」

「ん……」

「安心しろ。あれはトマス・ピンコの野郎だ」

「なんだ。トマスの野郎か」

 

 

「蒼龍」型との比較。

なるほど「蒼龍」のほうが艦橋はでかいのか。

 

もしくはアメリカの兵隊がものすんごくデカい、とか??

 

その3につづく。

YOKOSUKA軍港めぐり③ 掃海艦はちじょう&あわじ など

$
0
0

んー なんかあまりめでたくない事で

アメリカ海軍がニュースになってる……

 

クルマに例えると

フェラーリと大型トラックがぶつかって

フェラーリがグチャっといっちゃった という感じなのか。

 

(これは前回 紹介したカーティス・ウィルバーの艦橋部分↓↓) 

 

衝突事故を起こした「フィッツジェラルド」

あれ 前回紹介した 「カーティス・ウィルバー」&「ステザム」の同型艦だそうです。

アーレイバーク級ミサイル駆逐艦の12番艦。

 

もとい、軍港めぐりのフネは

アメリカ海軍横須賀基地を通り過ぎまして……

 

港の外側に……

 

ひたすら海――

 

んーー6月はじめだけど、夏の雲って感じ。

(じっさいこのあと関東地方は夕立になった)

 

海――……

 

潮風が心地よい……

 

海――……

 

なんですが、なんか「モノリス」状のヘンな物体が……

 

????……

 

「A」 「B」 「C」 「D」 とか書いてある??

 

これ、

「消磁所」 (Deperming Station)

なるものだという。

海上自衛隊の施設だそうな。

 

鋼鉄製の軍艦の船体はどんどん帯磁してしまうので

その磁力を打ち消すための施設だという。

磁力があるとなんで困るか、というと、

磁気機雷という機雷にひっかかっちゃうんですな。

 

日本全国でここにしかない、という。

 

――ちなみに帝国海軍では

磁気機雷よけに「舷外電路」(消磁線)というのを使ってました。

はやいはなしが電線を船体にぐるっと這わせる、という方法。 

 

なるほど。時代は進歩しておりますな~……

トマス・ピンコは

海軍に関する知識が、完全に1945年でストップしてますので

妙に感心したことでありました。

 

 

対岸に陸地が……

 「あちらがアメリカ大陸となっております」

と案内人さんが笑わせていた。

 

「まちがえました。千葉県の房総半島でした」 

 

 住友重機械工業の横須賀造船所。↓↓

 

トリミングしました。

タンカーを造っているのであろうか。

 

「軍港」じゃなくて

 

ふつうの港の光景です。

工業地帯でもあるわけですな~

 

追浜工業地帯。

 

でっかい船が……

 

「カーキャリアー」というもの。

クルマを運ぶんですな~ 何台積めるのかしら。

 

別角度から。

 

日産自動車の追浜自動車工場。

 

案内人さんいわく、

工場に窓がひとつもないのは、

産業スパイから企業秘密を守るためだそうです。

 

しかし――

「工場見学ツアーは毎日予約でいっぱいなんだそうです。一体どういうわけでしょうかねぇ??」

 

驚いたのはこれ↓↓

 

横須賀市のごみ処理場ですって。

 

のどかな緑あふれるエリアが……

 

船越地区。ここはなんだろう? アメリカ海軍のエリアなのかな。

 

 

船越地区、奥の方に進むと海自のエリアのようです。

 

掃海艦はちじょう 掃海艦あわじ が仲良く停泊しています。

 

右側 「MSO303 はちじょう」

やえやま型掃海艦3番艦

全長67m 世界最大級の木造船ですと。

木でできてるんだな。

 

左側 「MSO304 あわじ」

あわじ型掃海艦1番艦。

こっちはFRP製ボディだって。

 

さっき消磁所のところでふれました通り、

鋼鉄製の船体だと磁気機雷にひっかかる怖れがあるわけですな。

それで木製だったりプラスチック製だったりするようです。

 

なのですが、驚いたことに……

 

YOKOSUKA軍港めぐりさんの ホームページで知ったのですが、

この「はちじょう」

6月6日。除籍されてしまったとのこと。

 

引退してしまったのですね~

ぎりぎりのタイミングで現役のところをみれたわけです。

なんでも除籍されるとすぐに艦尾の「はちじょう」と書いてある、

あの文字は消されてしまうそうです。

 

掃海艦隊に関して 兵頭先生はこのように書いています。

(そろそろお気づきかとおもわれますが、

わたくしの現代兵器に関する知識はほぼ100パー 兵頭先生の著作の受け売りです。

あとはまー ディスカバリーチャンネルかな)

 

 第2次大戦後、これまでに米海軍の軍艦は、19隻が大破もしくは沈没している。そのうち14隻は機雷にやられたものだ。

(中略)

 システムの欠陥が発見されたとき、すぐにパッチを当てられるのが米国流組織の長所だと思われている。けれども、なにゆえか米海軍は、この掃海部門というアキレスの踵を、20年以上も放置したままだ。大衆アピール的にも金額的にも、地味すぎて、人気がない。部内にも部外にも、ここに予算をつけてやろうという政治的応援団が、育たないようである。

(中略)

 おそらくは、安倍晋三政権が2014年に打ち出した「集団的自衛権の行使」路線が、穴を埋めるのだろう。海上自衛隊の掃海艦隊が、米軍のために駆使されるのだ。

(草思社「兵頭二十八の防衛白書2014」20~22ページより)

 

「あわじ」の乗組員さんたち、手を振ってくれました。

 

潜水艦もそうだったが、

これでは海自ファンにならざるをえないです。

 

フネは狭い水路を通り抜けます。

 

絶景です。

 

新井掘割水路 というもの。

 

明治時代、横須賀本港と長浦港をむすぶために人力で掘られた、とか。

 

ようするに港から突き出ていた半島の根っこの部分を、

水路にしてしまえ。

と掘ってしまった。

奥に海上自衛隊の護衛艦群が。

ううむ、かっこいい。

 

まだ続きます。


北鎌倉・明月院(あじさい寺)

$
0
0

軍港めぐりの記事、まだ続ける予定ですが……

 

同日にあじさい寺も行ったので

先にその記事を。

 

放っておくと、季節外れになりそうなので――

 

北鎌倉駅。

で、降りるとなぜか写真を撮らないではいられないという……

 

これは小津安二郎ファンの宿命でありましょう。

 

駅から歩いて 10分~15分で、

 

明月院へ。

 

6月初め、平日。

ということもあり、

空いていました。

 

まだ時期がはやかったか。

 

でも空いてたから、

6月初旬に来るというのは けっこうアリかとおもわれます。

 

あじさい というと、

この葉っぱを昔の人はトイレットペーパーとして使っていた。

という話をおもいだすのですが……

 

どの程度の方がご存じなのか?

 

トイレのそばにあじさいを植えておいて、

で、トイレに行くたびに葉っぱを一枚ちぎるわけですな……

いや、ほんとのはなし。

 

でもちょうどいい具合の葉っぱしてます。

 

北鎌倉近辺のお寺は

どこもすごい起伏の地形で、

 

山あり谷あり、です。

 

紅葉の時期にまた来たいものです。

人出がたぶんすさまじいのでしょうが。

 

こんな平日でも

ガイジンの方々、多し。

アジア系、アフリカ系、白人……いろいろ。

 

皆さん、どんどんおカネを落としていってください。

でも、もうちょっと静かにね。

 

 

 

 

 

「明月院」

――ということで

ウサギをシンボルにしているようです。

 

夕日を見ています。

 

カメ君は……

 

ウサギ君のついで、か。

 

 

YOKOSUKA軍港めぐり④ むらさめ型たかなみ型等々

$
0
0

軍港めぐり つづき。

2017年6月はじめの横須賀軍港の様子です。

 

あー 軍港めぐりさんのホームページを見ると

「ひゅうが」が横須賀に戻ってきているらしく……

 

また見に行きたくなっている今日この頃です。

ひゅうが デカいよな……

空母みたいなんだよな……

シナ海軍のあのダッサイ空母より断然かっこいいよな……

 

もとい、

新井堀割水路を抜けると、海上自衛隊の護衛艦群が……

 

 

姿をみせます。

 

ちなみに一番手前の「152」は、

DD-152 護衛艦「やまぎり」

あさぎり型護衛艦2番艦。

 

この海自のフネがぞろぞろいるあたりは

吉倉桟橋というところらしい。

 

 

護衛艦たちより先に

吉倉桟橋の他のフネをみていこうとおもいます。

 

まずASY-91 特務艇「はしだて」

 

んー……というか、

はじめは 「これ、海自のフネじゃないよね??」

と僕は思ったのですが、↓↓

 

立派に海自のフネ。

 

この「はしだて」 「海の迎賓館」とか呼ばれている由。

海外のVIPが来た際にレセプションパーティーが行われたりするんだそうな。

 

かつての

帝国海軍だと そういう目的にはやっぱし

戦艦使ったんだろうな。

「陸奥」「長門」「比叡」あたり、か。

 

↓↓ほんとルックスは ふつうのフネです。

 

 

たまたま内火艇がやってきました。

DD-111 「おおなみ」の内火艇。

なんか涼しげだな。

 

奥に見えているのは

LCU-2002 輸送艇2号。

 

内火艇

AMS-4305 多用途支援船「えんしゅう」 のわきを通り過ぎます。

 

 

 

護衛艦たちをみていきます。

帝国海軍でいうと、「駆逐艦」クラスでしょうか。

 

上記のとおり、「152」は、

DD-152 護衛艦「やまぎり」

あさぎり型護衛艦2番艦。

 

案内人さん、

「昨年の2月、

海上自衛隊の歴史の中ではじめて女性の艦長が誕生した護衛艦としても知られています。

美しすぎる自衛官としても知られる、大谷2等海佐が艦長を務めています」

 

おとなり「153」は、

DD-153 護衛艦「ゆうぎり」 あさぎり型護衛艦3番艦。

 

姉妹艦がなかよく並んでいます。

そういや、

艦橋の形とか、なんとなく

旧海軍の駆逐艦に似ている気がしなくもない。

 

あ。すみませんね。

あくまで帝国海軍ベースでしか モノを考えられないもので。

 

 

 

左端の「111」は

DD-111 護衛艦「おおなみ」

たかなみ型護衛艦2番艦。

排水量4650トン(ウィキペディア情報)

 

右側の「やまぎり」「ゆうぎり」が

排水量3500トン(これもウィキ情報)なので

ひとまわり大きい感じ。

 

86、BRZ のとなりにフェアレディZが駐車している感じ?

 

「たかなみ型」は

手元の資料によりますと、(艦船模型スペシャルNo.11 2004年3月10日発行)

 

「むらさめ型」の改良強化新型だそうです。

 

艦尾にはヘリ甲板があるようですが、よく見えぬ。

艦尾部分の箱状のものは ヘリコプターの格納庫らしい。

 

DD-107 護衛艦「いかづち」 むらさめ型護衛艦7番艦。

DD-101 護衛艦「むらさめ」 むらさめ型護衛艦1番艦。

排水量4550トン

 

まんなか、

AOE-423 補給艦「ときわ」 とわだ型補給艦2番艦。

排水量8150トン

 

海上を動くガソリンスタンドか。

 

 

案内人さん――

「ものすごいのは「ときわ」の補給能力なんです。

なんと1分間に1万1000リットルという燃料を補給することができる。

1秒当たり180リットル」

 

左端の「110」は

 

DD-110 護衛艦「たかなみ」 たかなみ型護衛艦1番艦。

さっきの「おおなみ」の姉妹艦。

 

 

「おおなみ」の艦首でなにか作業をしている。

 

もう書くこともありませんので……

 

写真だけベタベタ貼っていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「陸奥」の主砲。それから横須賀駅がみえます。

 

帰り道。

「陸奥」の主砲と

なにか女の子のお人形を一緒に並べて撮影しているお兄さんをみました。

 

たぶん「艦隊これくしょん」というやつだとおもうのだが、

そっち方面はよくわかりません。

 

汐入ターミナルに戻ってきました。

 

入道雲もくもく。

この後夕立がきました。

 

はあ、おもしろかった。

「ひゅうが」いつまでいるんだろ?

 

近々、また行ってしまいそうです。

デロンギ デディカ EC680R はとても良い。

$
0
0

デロンギのエスプレッソマシンです。

とても良かったのでほめます。

 

正式名称は

デディカ エスプレッソ・カプチーノメーカー EC680R

 

「デディカ」という愛称なのか?

 

そもそも

同デロンギの ECM300J-E なる エスプレッソマシンを使っておったのですが、↓↓

 

購入から6年弱経ち、

まず、水漏れがするようになり……

お湯があたたまるのに妙に時間がかかるようになり……

で、最終的に水しかでてこなくなったため、

 

とても気に入っていたのですが、お払い箱。

デディカちゃんの登場と相成りました。

 

田舎者ですので、実物をみず、(見れず) PCの画面情報だけで

ヨドバシドットコムにて購入したのですが――

 

大正解でした。

 

まず、

①色がいい。

銀色か赤かで迷ったのですが、

赤で正解でした。

派手すぎやしないかと危惧したりもしたのですが、

落ち着いた いい「赤」です。

 

②サイズがコンパクト

そして小さいのもいい。

前のに比べて一回り小さく 場所をとりません。

 

③スイッチがかわいい。

スイッチがわかりやすくなっています。↓↓

しかも 温め中はチカチカ点滅

温まると点灯に変わる、というあたり、なんともいえず愛らしいものがあります。

 

で、以下に述べますポイントが わたくし一番驚いた点なのですが――

 

④うるさくない。

6年前のエスプレッソマシンは それはそれは

ガガガガガガガ!!!

と容赦なくうるさかったのですが、

 

エスプレッソマシンというのはそういうものだとおもっていたのですが、

時代の進化というのはおそろしいもので……

 

このデディカちゃんはまったくうるさくありません。

 

 

で、さいご、

⑤おいしい。

おいしいです。

前のは前ので おいしかったのですが、

 

デディカちゃんはレベルが違います。

容赦なく美味です。

なんだこのクリーミィなエスプレッソは??

 

↓↓これはコーヒー粉から作ったやつですが……

カフェポッドで作っても、こんなキャラメル色のクレマです。

 

まったく、

今まで飲んでいたアレはいったい何なのだ??

という感じ。

 

あとは、どれぐらい使えるのか?

壊れずにいてくれるのか?

というところですね~

 

今のところ100点満点です。

「新八犬伝 辻村ジュサブローの世界」感想

$
0
0

さいきん

滝沢馬琴の「南総里見八犬伝」(岩波文庫のやつ)

にはまっているのですが、

 

「そういやジュサブローさんの人形劇が昔 NHKでやっていた」

と教わりまして……

 

アマゾンで探すとDVDがありましたので さっそく見てみました。

 

なるほどおもしろい。

そうとうに人気だった番組らしい。

 

ただ残念なことに ほとんどテープが残っていない、とか。

DVDに収録されているのは

第一回 第二十回 第四百六十四回(最終回) この三話のみ。

 

 

オープニング画面。↓↓

音楽かっこいい。

 

第一回。

犬のシロ そしてシロの産んだ赤ちゃんのはなしからはじまる。

ま。その赤ちゃんが「八房」なわけです。

 

原作はオープニング 結城合戦から里見義実がどのように脱出するか、

というはなしですので 全然ちがいます。

 

子供向けの人形劇なので 終始「犬」にこだわっているようです。

(原作は、「犬」は比喩というか、イメージを利用しているだけ)

 

ワンちゃんかわゆし。

 

「玉梓が怨霊」 というのがオープニングから出てきます。

どうも「新八犬伝」では これが終始悪役として登場してくるようです。

 

玉梓。

原作では 重要といや重要だが、冒頭部分にちょっとでてくるだけ。

 

原作では逆に 伏姫の神霊みたいのが終始登場します。

 

第二十回。

 

瀕死の伏姫と金碗大輔(のちのゝ大法師)。

 

原作でもやっぱり許嫁同士の二人ですが、

こんなラブラブではない。

 

というか……

 

原作は

伏姫、切腹する→八つの玉が天に向かって散らばる。

という壮絶なシーンですので、

こんなのんきに抱き合ったりできない。

 

あ。あと伏姫。何か月も山で暮らした後なので

髪がぼさぼさ、衣装もボロボロという 美人の山姥みたいな挿絵がありますな。原作には。

(これがまたセクシーなんだ……)

 

「新八犬伝」はとにかく「犬イメージ」で攻めます。↓↓

 

八つの玉をみつめる 義実と大輔主従。

 

話は突然 最終回。

 

ラスト、ゝ大坊が腹を切ります。

で、玉梓が怨霊を鎮めます。

 

んー原作はまったくこんなシーンはありません。

でも、原作はラストのあたり、完全にダラダラしてくるので、

「新八犬伝」のこのラストはすばらしい。

八犬士の皆さん。↓↓

 

しかし、「8」という偶数は なんか画面的に落ち着かないものがある……

奇数だと 誰かが真ん中にズカッと入るので構図がシャキッとするのですが……

 

なるほど だから 黒澤明の名作は 「7」人の侍 なわけか???

 

犬塚信乃↓↓

 

なんか強情な きかん気の強そうな顔をしている。

原作では女の子として幼少期育てられるのですが……

「新八犬伝」でもそうなのか?

やっぱ「村雨」はでてくるのか?

 

犬川額蔵↓↓

 

と、「新八犬伝」ではいっていたが、

原作では 「額蔵」という名前はよくない。といって「荘助」に改名します。

 

原作では性悪の村長に下男としてこき使われたり

冤罪で捕まって拷問されたり、

八犬士で一番の苦労人なのですが……

 

「新八犬伝」ではどうなのかな?

あんまり苦労人っぽいルックスではないですが。

 

犬飼現八↓↓

 

なんかかわいい顔してますな。

原作ではけっこう地味めなヒト。

武芸に長じている。というが、それほど目立ってない。

ほかの人が華やかすぎるのだな。信乃とか毛野とか

 

犬山道節↓↓

 

苦み走った……なんか悪役みたいな強烈なルックス。

でも、原作のイメージもこんなかな。

武断派、というか、なにかというとマッチョなことをおっしゃるお方。

そのくせ、

八犬士のなかでは一番のお坊ちゃんキャラだったりする。

 

犬田小文吾↓↓

 

なんですが、このお人形さん個人的にはあまり納得がいかない。

八犬士で一番 ガタイがいいのは小文吾のはずだ。

 

でもお顔は 彼のなんか穏やかな気性をよく表現している。

(とか、ジュサブローにむかって偉そうなこと書いてます)

 

犬坂毛野↓↓

 

なるほど、美少年キャラです。

でも、子供向け番組なんだから

いっそのこと 女性キャラにしちゃったほうがよかったのでは??

とか、勝手なことを思ったりする。

 

原作はとにかくギラギラして 美少女の格好で大虐殺しちゃったりするわけですが……

「新八犬伝」はどうやって再現したのでしょうか??

 

犬村大角↓↓

 

うん。大角先生はこんな感じでしょう。

この人もなんか地味なんだよな。

 

犬江親兵衛↓↓

 

これは完全に納得がいかない。

なんでこんなシュワルツェネッガーみたいなマッチョキャラなのか?

とか おもったのですが、

「新八犬伝」ではほとんど登場機会のないキャラであるらしいです。

 

原作は 八犬士の中の最強キャラ。後半の主人公は彼です。

(というか、あまりに強すぎて まったくおもしろくない)

 

細川政元というホモ・ヘンタイの権力者が 親兵衛に惚れてしまって

彼を軟禁するというエピソードがありますので、

いよいよこんなマッチョな感じはよろしくない。

 

 

えー、で 「新八犬伝」のさいごのさいごですが、

 

八犬士はワンちゃんに姿をかえて、

どこかへ飛んで行ってしまいました……

 

ということになっています。

なるほどモダンな終わり方です。

 

原作はほんと ラストがダラけてくるので

こっちのほうがいいですな。

 

□□□□□□□□

 

いや、しかし、

このDVDみて一番 驚いたのは……

 

 

坂本九さん、この人の存在感ですな~

 

名前はさすがに知ってたけど。

(「上を向いて歩こう」だろ??)

 

テレビあんまし見ないもので

ひょっとして動く九ちゃんをはじめてみたかもしれんです。

 

昔の「スタア」ってすごいな~

ニコニコして、明るくて、

歌はうまいし、ナレーションもできるって……

 

こんな人いないよな。今。

 

 

母親に坂本九のことを聞くと、

なんでも つくば万博で 彼の歌声を 遠くからだけど聞いたことがあったそうで、

 

で、その少しあと、例の日航機墜落事故で亡くなったということでした。

怒!! トーハクの三日月宗近の展示に物申す!!

$
0
0

久しぶりにトーハク――上野の国立博物館へいったのですがね、

 

怒り、ですよ!

(怒ってるらしい)

 

なんたることか、トーハク、お前もか!!

(なんか 叫んでるぞ)

 

許すまじき惨状ですよ!

奥さん、これは日本文化の危機ですよ!!

(奥さんって誰?)

 

えー

お知り合いから トーハクに 三日月宗近でてるよ、と聞きまして……

 

さらに、最近読んだ 吉野裕子先生の「狐」という本で

白狐(伏見稲荷のお使い)と三条小鍛冶宗近との関係がとりあげられていたこともあり、

 

さらにさらに、童子切安綱は何度か拝見させてもらっているのだが、

安綱と並び称される 名物中の名物、三日月宗近は見たことがなかったので、

 

喜び勇んで

上野へ出かけたのですが、

 

なんと三日月宗近の前に

女の子の行列ができている、とは……

 

というか、トーハクの刀剣展示室に

若いカップルだらけ、とは……

 

土日、祝日なら、まあ、わかりますが、ね。

平日、ですよ。

平日で トーハクの平常展で、行列って

一体……???

 

というか、

三日月宗近みるのに

10分待ちって何?

 

 

しかも、女の子らの会話ときたら……

 

「いたいた、三日月」

(いた?……いた?? あんたのお友達ですか??)

 
「こないだはこんな行列できてなかった」
「こないだっていつよ?」
「忘れた。けどシフト制だから」
「はあ、シフト制か、三日月」
「そうよ。年中働いてんのよ、三日月」
「忙しいんだ」
「苦労してんのよ」
(……シフト制?? 働く???  バイトか? これはアルバイトか?? 国宝がバイトか??)
 

 

ああ、数年前の刀剣展示室が懐かしい……

 

沸(にえ)がなんだ、とか 匂(におい)がなんだ、とか、

そんな専門用語を語り出しそうな

一部マニアとオタクっぽいガイジン男性がちらほら、という

あの頃のトーハクが……

 

童子切安綱を30分、独り占めにできた、たった数年前のトーハク……

 

ああ、そうそう 女の子の会話を聞いててわかったのだが、

すべての悪の根源は

「刀剣乱舞」

とやら、いうものらしいですな。

(字があってるかどうか、わからん。でも予測変換で出てきたからあってるのだろ)

 

三日月宗近はそれのキャラクターだか、なんだか、らしい。

 

アニメだかマンガだかゲームだか よくわかりませんが。

 

□□□□□□□□

しかし、さすが、トーハク。奥が深い、

というところでして

 

2階の 高円宮コレクションの現代根付にみとれました。

 

この展示方法、いいですね~

 

チェシャ猫↓↓

 

 

どんぐり↓↓

 

チーズとねずみさん↓

 

象牙とルビーのにゃんこ↓↓

 

 

うむ、しかし

刀剣展示ですよ……

 

三四年の辛抱でしょうか・・・・・・

 

まあ、しばらくはいかないとおもいますが……

 

YOKOSUKA軍港めぐり⑤ 空母ロナルド・レーガン

$
0
0

2017年9月4日 横須賀 USS Ronald Reagan の様子です。

 

6月に行ったとき みれなかった原子力空母ロナルド・レーガン

9/4にようやく見ることができました。

9/7には出港したそうなので、ぎりぎりのタイミングでした。

 

9/3には某朝鮮半島の独裁国家が核実験をやらかした、そんなタイミングのせいか、

どことなく横須賀にはピリピリした雰囲気が感じられました。

 

でも、そんな雰囲気……単にどんよりした天気のせいでしょうか??

 

朝、雨が降っていましたが、11時ごろにはやみました。

海、波がけっこうあり、軍港めぐりのフネ、けっこう揺れました。

 

いたいた、ロナルド・レーガン。

こないだは空っぽだった12号バースが、今は満杯です。

 

最近CSのナショナルジオグラフィックで ロナルド・レーガンに関する番組をみたのですが……

番組情報では、

全長333メートル。

フル装備時の排水量は88000トンとのこと。

 

手元の東洋書林「船の百科事典」によりますと、

戦艦ビスマルク(1939)ーー50900トン

空母瑞鶴(1939)ーー32105トン

戦艦大和(1940)ーー72810トン
戦艦アイオワ(1942)ーー57540トン

 

商船ですと、

タイタニック(1911)ーー46328トン

クイーン・エリザベス2世(1967)ーー67107トン

 

と、いかにロナルド・レーガンがデカいかがわかるのですが、

(大和・武蔵も、あの時代にまあ、とんでない大きさだった……)

 

じっさいのわたくしの印象は

「これほどまでにデカいと フネではなくて港の一部みたいで……」

 

ようするに港の一部を埋めたてて そこに新しく空港を作ったような、そんな印象で……

「うわーー、デケェ……」

というのがまったくありませんでした。

 

これほどのサイズだと人間の感覚がマヒしてしまうのかもしれませぬ。

 

たぶん、停泊しているから、こんな感じなので、

これが動くと

「うわーー、デケェ……」

でしょうねぇ。

たまげるでしょうねぇ……

 

ぐんぐん近づいていきます。

上の写真 艦橋部分だけトリミングしたものが↓↓

 

CSナショジオの番組の情報を書いていきますと……

・建造費5000億円。

・就役期間は50年を見込んでいる。

・85機の艦載機を搭載することができる。

・水面から上は20階分の高さがある。

・乗員は約6000人。

・甲板の総面積は18200平方メートル。

・1140万リットルの航空機用燃料を積むことができる。

 

さいごの航空機用燃料のはなしですが、

原子力空母ならではのデータですな……

フネ自体は燃料がいらないわけですから、

ヒコーキの燃料だけ積んでればいい、と。

 

あと、建造費5000億円というはなしですが、

原子力空母というのは、運用費がめちゃくちゃかかるのだそうです。

ランニングコストがとんでもないのですな。

 

 空母艦隊をつくるのは工業国なら簡単である。越えられない壁は、それを運用することなのだ。具体的には、いつでも夜間に洋上の空母に着艦できるパイロットを、一定数、恒久的に維持しなくてはならない。20年で更新が必要なパイロットの人件費(軍人恩給を含む)を筆頭に、燃料代など、教育訓練費用だけでも莫大なコストを連年、支出し続けなければならない。

 空母も、1回竣工したらそれでもう工事費がかからなくなるわけでもない。米海軍の『ニミッツ』級は、退役までに17回のドック入りをして、リファービッシュすることになっている。数千人を乗せて30ノットで走り回るフネが、あちこち傷まないわけがないだ。そのメンテナンス・コストと人件費は、超大国以外には負担不可能なほど、ズシリと重い。

(草思社「兵頭二十八の防衛白書2014」97ページより)

 

ぐんぐん近づいてきました。

 

CS番組からの情報を続けますと……

・ロナルド・レーガン専用の郵便番号がある。

・6000人が3か月生き延びられるだけの食料を貯蔵可能である。

・照明器具は30000個。

・電話は1400台。

・艦内を全長2100㎞のケーブル・ワイヤーがはしっている。

 

・艦内では現金の使用は禁止されている。

(なんか電子マネーのカードみたいのを使っているシーンがでてきました)

・食堂は1日23時間開いている。

 

艦首部分だけトリミング↓↓

シャープな曲線で構成されています。

 

大和・武蔵と同じ、

例の球状船首だそうです。

 

膨大なゴミが発生するそうですが、

燃えるゴミ→焼却炉で燃やしてから海に捨てる。

生ゴミ→パルプ状に処理してから海に捨てる。

プラスチックゴミ→円盤状に固めて、港に寄港してから捨てる。

 

ということです。

ようするに海に浮かぶ人口6000人の都市なので、

普通の町と同じ問題を抱えているわけです。

 

軍港めぐりのフネ、撮影の絶好ポイントに来つつあります。

 

使用レンズは毎度の毎度の

ニッコールの70-200mm F2.8のズームです。

 

フネけっこう揺れましたが、揺れ防止機能のせいか、

とくにブレませんでした。

 

軍港めぐりのガイドさんによると、

横須賀の街からは どの地点からも空母を見ることはできないそうです。

 

民間人が空母を見ることができるのは

この軍港めぐりのフネからだけだそうです。

 

 

 

で、ようやく……人間の姿が……

(↓赤丸のところ)

 

人間 ちっこい。

このフネのデカさが実感できます。

 

なにをしているのでしょうね?

手に持っているのはホウキのようにもみえますが……

 

でも、甲板清掃をこういう形で

(たった一人でやる)

ということはありえません。

 

甲板上のゴミがジェット機のエンジンに吸い込まれると大変なので

「異物除去」

というのは 空母の大きな仕事の一つであるらしいです。

 

で、どうやって掃除するか、というと、

乗員大勢で 一列に横になって

それで甲板上のゴミを拾って歩くのです。

 

下っ端の水兵さんだけの仕事ではなく、士官も参加する大イベントのようです。

 

 

飛行場としての性能にまったく触れていなかったので、

そのことに触れます。

 

ご存じない方のために書きますと、

スチームカタパルト、という装置でヒコーキを猛スピードで押し飛ばして離陸させ……

着艦は、アレスティングワイヤーというワイヤーを甲板上に並べてヒコーキをひっかけて止める……

 

まあ、かなり無理やりな 危なっかしいことをやってます。

 

個人的な話ですが……

わたしの曾祖父は、旧帝国海軍のヒコーキ乗りで

空母の艦載機乗りもやっていたそうなので、

なんかこの仕事には勝手に親近感を覚えます。

 

旧帝国海軍の時代は 離陸はカタパルトではなかったですが、

着艦にワイヤーを使うという原理は同じです。

 

CSの番組では……

・乗組員たちはカタパルトを「キャッツ」と呼んでいる。

・「キャッツ」は4つある。

・パイロットいわく 「静止状態から2秒半で時速240キロのスピードまであがる」

 

よく、スポーツカーとかのはなしで

「時速100キロ到達まで〇〇秒」というはなしがでてきますが、

 

それから比べると、バカみたいなはなしです。

 

おお。

真正面にきました。

 

兵頭二十八先生によると、

 

このキャッツ……スチームカタパルトの技術は アメリカ海軍独占で

どこの海軍も真似できない技術であるそうです。

 

最近、

中国海軍の空母の写真が公開されましたが、

 

あのフネがものすごくダサいのは

スチームカタパルトが装備できないせいで……

 

スキージャンプ台みたいなダサい滑走路でヒコーキを離陸させなければならないから、です。

 

もう……

みるからにダサくて弱そうです。↓↓

 

うわーーー

ありとあらゆるところがダサいですね。

 

こんな惨めなフネに乗り込まなければならなくなったら、

もう拷問ですね。。。

 

やっぱり

建築的、機械工学的にきちんとしたものは

 

みるからに美しいです。

旧帝国海軍のフネもそうでした。

 

兵頭先生の引用。

 

シナ製の新造空母が、米軍艦並みの「ダメージ・コントロール」思想を、その設計に反映しているかどうかは、大いに疑問である。この「正規空母」にかぎらず、シナ軍は万事、シリコン注入で腕だけ太くした男のようなもので、みてくれによる威嚇だけは一流だが、じつは肉体労働すらも苦しく、ホンモノの格闘戦になってしまった場合には惨めすぎる敗滅が待っているだけだろう。

(同書99ページより)

 

 

 

□□□□□□□□

え。さて……

 

軍港めぐりのあと、鎌倉へ行ったのですが、

 

鎌倉上空。

スーパーホーネットが飛び回っていました。

 

ロナルド・レーガンの艦載機でしょうか??

鎌倉・報国寺(竹の寺) なのですが……??

$
0
0

航空母艦見物 という軍国主義的なイベントのあとは

 

鎌倉散策という 平和主義的なイベントを実施したトマス・ピンコ。

 

鎌倉駅から 八幡様経由で 報国寺まで歩きます。

 

いいですね~

看板にも風情があります。

 

とかいって

上空は 前回の記事で紹介しましたが

スーパーホーネットが飛び回っている……

 

報国寺

竹の寺……

 

期待が高まる……

 

20分かそこら歩きまして

竹の寺・報国寺へ到着。

 

「建立 建武元年(1334)」

「開基 足利家時」

とありますが、家時という人は

足利尊氏の祖父、おじいさんだそうです。

 

さて、どんなお寺か?

 

と、期待が高まるのですが、

 

お寺の門を撮っている時に耳にした、

とある家族連れの会話が、なんかイヤな予感……

 

「いやになる。ゾロゾロと……」

「なんでこんなにカップルばかりなのかしら?」

「縁結びとかなにかご利益でもあるのかしら?」

んーー、なんかイヤな予感。

拝観料 200円です。

拝観券の裏側……

 

休耕庵という塔頭の跡に、孟宗竹が生え、現在の「竹の庭」になりました。

どうぞ、心静かに、ご参拝下さい。 合掌

 

んー

なるほど、「心静か」ね……

 

なんでわざわざこんなこと書くのかしら??

……んー、イヤな予感が高まるのですが……

 

はい。

イヤな予感のとおりでした。

 

平日だというのに

ゾロゾロと人だらけで なんかうるさいし……

 

「禅」

「静謐」

といったイメージとは 程遠い場所でした。

 

というか、

今日日、鎌倉でそんな静かな場所を求めるのが間違っているのでしょう。

 

去年行った 瀧原宮(伊勢神宮の別宮)みたいな

山奥まで足を延ばさないと そんな場所はないのでしょう。

 

「――とかいって

いい雰囲気の写真じゃないですか?」

 

とおもった、あなた。

だまされないでください。

 

撮影機材がよくて

撮ってる人間の腕もまあまあ良いせいです。

 

はははは。

 

江ノ電に乗ると、

鎌倉PRみたいな映像が流れてるのですが……

 

きれいお姉さんが

報国寺の竹林の中で

「うわ~癒されるぅ……」

 

みたいな顔をしている映像が流れたりしますが、

 

あれ。ウソです。

 

ここ、騒々しいです。

んー、だが、

こうやって撮った写真を ベタベタ並べてみると……

 

そう悪くないような気がしてきた。

 

グジグジ 文句ばっかり書きましたが、

鎌倉駅からちょろっと歩いた距離で、こんな写真を撮れるんだから、

たいしたものだと思ったりもしました。

 

あとは……

人のふり見て我がふり直せ

 

というやつで、こういう場所で

キャッキャ 撮影会みたいなことをしちゃいけないな、

などとおもったりもしました。

 

 

 


おそるべし豪徳寺……ま、招き猫の洪水……

$
0
0

ゆりがうちにやってきた

2011年10月……

 

こんなだったころ↓↓

世田谷の豪徳寺で

「身心堅固」というお札をいただいて――

 

そのご利益か……

このようにふてぶてしく健康に育ちましたので、↓↓

 

もう一度 お礼に行くべきであろうと、

参拝にいきました。

 

――のですが、

 

うすうす噂にはきいてましたが、

 

な、なんか

とんでもないことになってる……

 

招き猫の洪水……

 

 

2011年に撮った観音様の写真ですが↓↓

 

たしか、まわりにはなにもなくポツンとおられたとおもうのですが……↓↓

 

2017年

6年後には……↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

 

やんややんや……

招き猫に囲まれてる……

 

前は寂しそうだったのだが、

今はみんなでワイワイやってる感じの観音様……

 

6年の重みを感じましたね……

 

あと、ガイジンさんが多かった……

僕が着いたとき、

チャイニーズっぽいきれいなお姉さん方が 撮影会やっておられました。

 

6年経ったね……

年取ったね……

 

しかし 純白の豪徳寺バージョンの招き猫に統一しているあたり

日本人を感じる。

 

よくある三毛猫の、とか、黒猫の、とかを

混ぜる不届きものはあんまりいないのではないか??

 

あ。でもお寺さんの方でどけちゃうのかしら??

 

はなし、ちと、わき道にそれますが……

 

さいきんわたくし 吉野裕子という民俗学の先生の本にはまってまして、

この吉野先生の方法論というのが、

易・陰陽五行説

をつかって日本の民俗を解く、というもので……

 

それで

易・陰陽五行説

にもはまりつつあるのです。

 

べつにオカルトとしての興味ではなく、

古代日本人~江戸人の思想を支配していたのは

けっきょくのところ

儒教・仏教よりも 易・陰陽五行説だったのではないか?

という興味です。

 

んで、

日常、五行説のことばっかり考えてるもので

 

『招き猫』も五行説で解読できるのではないか?

とか思っちゃうのですね。

 

五行説は 万物を

「木」「火」「土」「金」「水」

この五気で説明します。

 

それぞれ

木生火→木は火を生み、

火生土→火は土(灰)を生み、

土生金→土は金を生み、

金生水→金は水を生み、

水生木→水は木を生む。

 

という関係があります。「金生水」はわかりづらいのですが、

冷えた金属に水が結露する、あのイメージではないか、ということです。

 

あと、

木剋土→木は土に勝ち、

土剋水→土は水に勝ち、

水剋火→水は火に勝ち、

火剋金→火は金に勝ち、

金剋木→金は木に勝ち、

 

という関係もあります。これはわかりやすいです。

 

退屈なはなしが続きますが

さいご 招き猫につなげますので お待ちください。

 

五行であとひとつ重要なのは

五気それぞれ シンボルの色があるんですな。

 

木→青

火→赤

土→黄

金→白

水→黒

 

中国では「黄色」の服は皇帝しか着れなかった、とかいいますが、

それは「土」=「黄色」の法則が理由です。

 

五気の中でいつも中心に位置するのが「土」

(そういうことになっているんですわ……)

それで人間界の中心の皇帝だけが

最も高貴な黄色の服が着れる、ということのようです。

 

はい。

でようやく

陰陽五行説による招き猫の解読です。

 

招き猫発祥の地、豪徳寺が なぜ「純白」の招き猫にこだわるのか?

というと、

 

おそらく、豪徳寺が井伊家の菩提寺であったこと、

サムライと深い関係があったこと、

に由来するとおもわれます。

 

思い出してください。

白=「金」です。

 

サムライも「金」に関係があります。

「刀」=「金属」=「金」です。

 

ほかの木、火、土、水ではなく、サムライ=「金」=「白」ですので、

豪徳寺の招き猫は

黒猫でもなく、三毛猫でもなく

純白の猫でなくてはならんのです。

(白は源氏のシンボルカラーでもあるな……)

 

えーさて、ここで当然の質問、

「白、はいいとして、『赤』はどうなの? 赤い首輪してますが??」

 

ここで登場するのが、

「火剋金」=「火は金に勝つ」の原則。

金属は高温に弱い、溶けてしまいます。

 

純白、つまり金気のネコちゃんは 「火」に弱い、という理屈があるので、

あらかじめ「火」に対する防御策として

「火」を象徴する「赤」を身にまとったのではないか??

 

豪徳寺の招き猫が 「小判」を持っていないのも

武士のプライドでしょう。

 

「白」=「金」ですけど、

あくまで刀、日本刀の「金」であって、

「マネー」「ゴールド」の「金」ではないからです。

 

ところが……

 

商人階級はそうは考えないでしょう。

「刀」なんて持たないのですから、

彼らは「カネ」が武器なのですから。

 

もともとの純白・豪徳寺招き猫に小判を持たせたのは

商人階級のだれか、です。

 

さらに推理をすすめると

黒色招き猫→黒=水……つまり、漁師、あるいは水商売の人たち。

黄色招き猫→黄=土……つまり、農家の人たち。

が、生み出した。

もしくは必要とした、のではないか??

 

じゃ、

一番定番の三毛猫タイプ招き猫は

五行説でどう説明できるか??

 

わたくしの推理によると、

木、火、土、金、水

ご利益、ぜんぶぶっこんでやろうぜ!

→三毛猫タイプ招き猫。

とおもわれます。

 

三毛猫の体の模様は

白→金

黄→土

黒→水

これだけで三気もあるわけです。

すごいにゃんこです。

さらに赤い首輪をしてますので

赤→火

これで四気。

 

んーでも、待って 青→木 がないじゃないの??

 

ここでややこしい説明。

寅(トラ)が木気の動物、というはなしです。

 

五行説は、さっき書きましたが、これで万物を説明しようという原理です。

とうぜん、動物もそれで無理やり説明しようとします。

 

一年は寅月からはじまります。

寅→卯→辰→巳 という風に 十二支が各月に割り当てられている。

さらに季節にも五行が割り当てられている。

春→木

夏→火

秋→金

冬→水

という具合。

 

一年の始まり「寅」月は春のはじめ、つまり木気のはじめ。

寅は木気の動物……

 

なので、小型の寅、

ネコ=木気

なのです。

かなり無理やりなのですが、そういう理屈なのだから仕方ない。

 

はい。

これで五気そろったわけです。

 

三毛猫の招き猫は最強

なわけです。

 

でも、あくまでサムライのプライドを守り続ける豪徳寺、

かっこよすぎます。

 

純白招き猫はサムライのシンボル

なのです。

 

はぁ……

はたして最後まで読んでいただけた方はいらっしゃるのか??

 

お札。

いただきました。

下手っぴな写真ですが……

たまたまゆりが写っているので。

 

ゆり→身心堅固・災難消除

クロ→身心堅固・病気平癒

です。

 

クロ、年取って、ちょくちょく具合が悪いので。

おしらじの滝・山の駅たかはら(栃木県矢板市)

$
0
0

おしらじの滝へ行きました。

栃木県矢板市……の山奥。

ものすごく山奥。

 

こんなです。

いくらなんでも青すぎだろ。という……

 

しかし

滝?――って?

どこ?

 

とおもわれたあなた、正解。

 

どうやら 雨の降った直後にだけ、まんなかの部分に滝が出現するらしいです。

 

しかし。

滝がなくてもこりゃ 楽しめます。

 

宝石のような池、です。

 

 

□□□□□□□□

おしらじの滝への道のりですが、

ほかの方が紹介されている通り

「山の駅たかはら」を経由するのが正当かとおもわれます。

 

(ちなみにイバラキ南部からのルートは

常磐道→北関東道→東北道 とひたすら高速を飛ばして

矢板で降りる。

そこから人っ子ひとりいない県道56号線というのを――ものすごいワインディングロード……

のぼりつめ、2時間半かけてようやくたどり着きました。)

 

↓↓グーグルマップでの

「山の駅たかはら」「おしらじの滝」の位置関係……

 

ですが、

 

これは「すさまじい高低差」「道なき道」といった要素が反映されていないので

まったく参考にはなりません。

(あと県道56号がすごく単調に描かれているが……

もっとこまかいカーブがたくさんあった気がする??)

 

なので、はじめての方は山の駅たかはらで

「おしらじの滝へはどう行くんですか?」

と聞き、

さらに熊除けの鈴を持っていない方は

「熊除けの鈴レンタルお願いします」

と、お願いしましょう。

熊除け鈴 装備、必須です。

 

レンタル料はたしか300円でした。

あと、

山の駅たかはらの人たち、ものすごく親切です。

ありがとうございました。

 

山の駅たかはらのオジサンの解説を

記憶に従って再現すると……

「(山の駅たかはらの入口から県道をみて)

まず右へ進みます。グーっと坂を下りて ヘアピンカーブをすぎ 坂を上ります。

上りつめたところに二つ タイヤチェーンの着脱場があります。

その二つ目の脱着場にクルマを止めてください」

 

という感じ。

よく他の人のブログなどでは「駐車場」と書かれているのですが、

山の駅たかはらのオジサンたちは

「いや、あれは正確にはチェーン着脱場だ」とこだわっています。

 

あと、「着脱場からの下り道 くれぐれも気を付けてください」

「今年、一人亡くなってますから」

「脅しているんじゃありませんよ。くれぐれも注意してください」

 

はい。

これがそのチェーン着脱場からの山道の入口。

 

アピールしようという気、ゼロ。

むしろ隠したいんじゃあるまいか。

 

山道はこんな。

 

登山靴がないとやばいです。スニーカーでは行きたくないです。

写真の地面は乾いてますが、途中グチャグチャの泥の部分もありました。

 

自分はダナーライト(ゴアテックスだぜ!)履いていったので 平気でした。

 

途中まで カメラを首からぶらさげて

まわりの風景を撮る余裕もあったのですが――

 

だんだん道がきつくなって、

「ひゃあ。剣呑。剣呑」

「これはカメラを壊すか、自分が大けがをするか、どちらかだ」

と気づき、

首からぶら下げたカメラをバックパックにしまいました。

 

で、たどりつくのが こんなご褒美。

 

 

 

ひたすらに無音です。

 

広瀬すず……

じゃなかった、

熊除け鈴の音だけがします。

 

電話、ネット つながりません。

 

なので

「おしらじの滝、なう」

とかできません。

 

あしからず。

滝から 背後を振り返ると

こんな風景↓↓

 

岩がゴロゴロで とても進めなさそうです。

 

なんといいますか、

抽象絵画をぼんやりみているような

そんな快感がありました。

 

自分は、セザンヌが好きで……

「〇〇美術館展」とかでセザンヌの絵がくると

2,30分は絵の前でぼんやりしてしまう人なので……

 

その感じに似てました。

「池」という画題はモネみたいですが……

 

モネみたいに不透明なぼってりした感じじゃなく……

この透き通ったブルーは

セザンヌっぽい、

 

とか偉そうなことを考えました。

 

しかし このブルーですが……

 

すぐ近くに これまた有名な「スッカン沢」というのがあるのですが、

これもまた 青い。

 

で、この青……

「スッカン沢を流れる水は、場所によっては青白く見えます。これは、スッカン沢が高原山のカルデラ跡を水源とし、鉱物や炭酸等の火山の成分が多く含まれている水が流れているためです」

(塩原温泉ビジターセンターのパンフレットより)

 

というので、

たぶん同じ理由じゃあるまいか、と。

 

 

色々と 色調を変えてみる……

 

が、どっちも正解のような気がする……

 

 

そうそう。

肝心の「おしらじ」ですが、

 

しらじ、というのが、すり鉢の意味だそうです。

それに「お」がついていますので

 

「すり鉢様の滝」

というようなニュアンスでしょうか。

 

すり鉢という表現ですが、

 

おしらじ→すり鉢→女陰イメージ。

 

これは誰でも思いつくところでしょう。

 

ものすごく神聖なところなんじゃあるまいか。

女神さまのいらっしゃる池……

 

もしくは女神さまの、アソコ……ははは。

 

それだけに観光地化しないことを望みたいところです……

 

って、なんか偉そうなこといってる。

 

でも人がたくさん来るようになったら あれでしょ。

バカもたくさん来ますよね。

ここで弁当食って、空き缶だのビニール袋だの捨てるバカ、

必ずいますよね。

 

ん。だからあくまで隠しておきたいのだな。

 

アピールしようという気、ゼロ。

などと書きましたが、

正解だとおもいます。

 

そうそう、あと、ここの部分が↑↑

 

人の顔みたいにみえる、というのだが、

 

(トマス・ピンコ画伯、解説↓↓)

現地ではそんな風にみえなかった。

 

写真に撮ってみてはじめて気づく、というものではないかな。

 

 

とにかくまた行きたくなっている自分がいます。

 

めちゃくちゃ遠いわけでもないしな。

 

今度は滝のある日に行きたいですが……

雨の翌日と、うまく休日にぶつかるか??

 

あと、他人様のブログをみたところ、

滝を見下ろすポイントがあったらしいのですが、

自分はまったく気づきませんでした。

 

残念。

 

今度はその地点から写真を撮りたい。

 

あと、

 

その前に……

ですね……

 

My熊除け鈴をゲットしたい。

などとおもっております。

スッカン沢(栃木県那須塩原市) その1

$
0
0

スッカン沢の写真もいろいろ撮りましたので、ご報告。

 

前回の「おしらじの滝」との位置関係は以下のような具合。↓↓

 

山の駅たかはらから県道を那須塩原方面にずんずん進みます。

おしらじの滝の駐車場を通り過ぎ、

のぼったりくだったり

壮絶なヘアピンカーブの連続などを過ぎたところにあります。

 

しかし、僕の購入後10年くらいのカーナビにもしっかり登録されている場所ですので、

おしらじの滝よりわかりやすいとおもわれます。

 

塩原温泉ビジターセンターのHPから

このようなりっぱな地図がダウンロードできますので↓↓

 

はじめて行かれる方は これを参考にした方が良いのではないかとおもいます。

(とか、なんか先輩ぶってます)

 

もとい、

 

県道から スッカン沢への入口は、

こんな風にばっちり整備されております。

 

スッカン沢の横に並んではしる「雄飛の滝線歩道」を歩きます。

 

えんえん沢の流れの心地よい音を聞きながら歩きます。

 

写真ではもちろん再現できないんですが……

 

「体力のある方向き」とか説明されているのをどこかで読みましたが、

レベルとしては 筑波山登山ぐらいだとおもいます。

 

そもそも「スッカン沢」とは??――

 

塩原温泉ビジターセンターの地図から引用しますと……

「スッカン沢

呼び名の由来…スッカン沢を流れる水は、場所によっては青白く見えます。これは、スッカン沢が高原山のカルデラ跡を水源とし、鉱物や炭酸等の火山の成分が多く含まれている水が流れているためです。そのためこの沢の水は昔、辛くて飲めないことから「酢辛い沢」等と呼ばれていました。この呼び方がなまって、今の「スッカン沢」になったといわれています。」

 
ですって。
 

 

しかし、はじめのころは、

正直、

 

「あんまし青くねえなぁ……」などと若干がっかりしておったのですが、

 

 

この、

ソ連の滝……

 

じゃなかった、「素連(それん)の滝」の標識のあたりから

なんか青くなってきた気がします。

 

こんなです。

 

紅葉あるいは新緑の頃はいいでしょうねぇ……

 

10月初旬。

なんか中途半端な時期に来てしまったような気もする。

 

でも、暑くなく 寒くなく、

気候は一番いいか。

 

この写真 奥 ↓↓

 

崖のところあるのが 「ソ連の滝」らしいっす。……

 

……

 

……ん?

 

 

あれ、今地図見たら、「素簾の滝」って書いてある……

 

「連」じゃなくて 「簾」……

 

地図の解説。

「素簾の滝

歩道の対岸の岩肌をいく筋にもなって流れ落ちる滝で、まるで白い糸が岩をおおいつくす簾(すだれ)の様にみえることから、「すだれ滝」とも言われています。」

 
なので。
 
この標識 字間違ってますね。
×「連」
◎「簾」

 

でも ここらへんの雰囲気。

 

ソ連映画「惑星ソラリス」の――

ソラリスの海の雰囲気に似てる……

 

さては 標識の作者はタルコフスキーファンかもしれん……

 

……なわけないか。

 

でもソラリス風の謎めいた風景が続きます。

 

天国のタルコフスキーに見せてやりたいような風景。

 

 

ここ↓↓

 

完全にソラリスしてます。

 

とかいって、「惑星ソラリス」みていない方を完全無視した記述が続きます。

 

まさか栃木の山奥に 惑星ソラリスがあったとはねえ……

 

 

 

こんな風な 小さな滝があちこちにあります。

 

水流で削れた石の

なめらかな表面が……

 

女性のつるつるのお肌のようで なんとも艶めかしい……

 

うわ……

 

いよいよ青くなってきました……

 

 

その2につづく。

易・五行思想で読む「南総里見八犬伝」 その1

$
0
0

はじめに結論を書いてしまいます。

曲亭馬琴の「南総里見八犬伝」の八犬士、彼らは……

 

・犬阪毛野→坎(かん・☵)・一白水気

・犬飼現八→坤(こん・☷)・二黒土気

・犬江親兵衛→震(しん・☳)・三碧木気

・犬塚信乃→巽(そん・☴)・四緑木気

・犬山道節→乾(けん・☰)・六白金気

・犬川荘介→兌(だ・☱)・七赤金気

・犬田小文吾→艮(ごん・☶)・八白土気

・犬村大角→離(り・☲)・九紫火気

 

というように、易の八卦の化身なのではないか、という考察です。

 

以下、易・五行、そして「南総里見八犬伝」に興味のない方には

なんの意味もない記事となります。

ですが、「易・五行思想」 古代中国哲学の精髄みたいなところがありますので

それはそれなりにおもしろいものかともおもいます。

 

□□□□□□□□

 

そもそもアカデミックな世界、江戸文学研究の世界では

八犬士の「8」はどのように解釈されているのか?

 

高田衛先生の「完本 八犬伝の世界」をみていきたいとおもいます。

(というか、わたくしはこれしか八犬伝研究本を読んでない……)

 

 江戸時代は「八」は「少陰」と言って、吉数ではなかった。 「八」という忌むべき陰数は、『八犬伝』では主として「仁義八行」と「法華経八部」の二つによって聖別されている。

(ちくま学芸文庫・高田衛著「完本 八犬伝の世界」116ページより)

 

(トマス注:文観の描いた八字文殊菩薩について)

 その周囲に描かれている九人の幼童子に注意したい。あたかも慈母を慕う幼な児のように、唐獅子騎乗の文殊菩薩のまわりに散って、讃嘆と慕情をこめて仰ぎ見上げている童子たちは、いうまでもなく文殊八大童子と文殊侍者の善財童子である。これこそ、聖なる父母聖像としての伏姫・八房の合体像と、八犬士の関係をあらわす原基的なイメージではないだろうか。

(同書158ページより)

 

(トマス注:「馬琴日記」の記述によると、滝沢家では星祭……北斗星供がおこなわれていた)

 このような信仰を背景に、馬琴は北斗七星と八犬伝の脈絡を神話幻想として書いたわけである。先述したように、一時期『八犬伝』は『七犬伝』の構想を持ったが、その要件は北斗七星であったのである。

(同書543ページより)

 

(トマス注:北斗七星には輔星があるので八星とみることもできる)

 つまり北斗は事実上八星であり、しかも「輔星」が「丞相ノ象」とあることは、『八犬伝』に童子神として「神体示現」(テオファニー)し、「犬士の首」となる犬江親兵衛の設定と見事に符合することを思わないではいられないのである。

(同書543~544ページより)

 

――以上、

まとめますと、

①仁義八行のイメージ(例の仁義礼智忠信孝悌)

②法華経八部のイメージ

③文殊八大童子のイメージ

④北斗七星のイメージ

(補足説明しますと、

北斗七星のひしゃくの柄の先から二番目の星が「アルコル」と「ミザール」という二重星になっているので

8星である、ということです)

 

という説が紹介されています。

 

逆にいうと、トマス・ピンコ説の「八卦」……

「当たるも八卦、当たらぬも八卦」の

八卦は完全に無視されている

ということです。

 

んー、のっけからなんか

「八犬士=八卦の化身」説には暗雲が立ち込めているようですが……

 

しかし、ですね。

麻生磯次先生の「滝沢馬琴」によると、

これは馬琴の二十代のエピソードですが……

 

作家として世に立とうとあせりながら、(トマス注:山東京伝の)山東庵に出入りしている間にも、馬琴の身辺にはさまざまなことが起こった。『蜘蛛の糸巻』によると、ある日の事、馬琴は京伝をおとずれて、「自分は卜筮を少々心得ていますから、神奈川のしるべを頼って、うらないをして、しばらく暮らそうと思います。都合では長逗留するかも知れません」といって、飄然と出て行った。

(吉川弘文館、麻生磯次著「滝沢馬琴」24~25ページより)

 

馬琴先生。

易者になろうという一時期もあったわけです。

そんな馬琴にとって、「8」といや、「八卦」だったんじゃないの??

ともおもえるんですが……

 

□□□□□□□□

前置きは終わりまして、いよいよ本論です。

わたくしがなぜ「八犬士=八卦の化身」説を思いついたのか?

 

そもそもの出発点は……

 

 

吉野裕子先生の著書によく出てくるこの表です。↑↑

吉野裕子というお人、今までの記事で何回か触れましたが、

易・五行思想から日本の民俗を解読する、というお仕事をされている方です。

 

この「五行配当表」なにかというと、この人の本に登場します。

で、

八犬伝ファンのわたくしにとってどうしても気になってしまったのは、ここ。

 

 

五常……仁 礼 信 義 智 って、これ、

八犬士の持っている玉の文字そのものじゃない??

 

さらに、↓↓

 

「仁」のところを横にみてみる……

つまり犬江親兵衛=仁ですけど……

 

まず

「木」→親兵衛の親父は山林房八→木に関係がある。

親兵衛の赤ん坊の時のあだ名は「大八」→大八車→木製……

 

「青」も親兵衛に関係が深いのよね……

親兵衛の愛馬の名前はむろん、「青海波」(せいかいは)

 

「甲」…甲乙丙丁の「甲」ですが、一番最初に里見候に仕えたのは親兵衛。

犬江親兵衛といや、八犬士のエース格です。

 

「寅」……もちろん虎退治のエピソードを思いだします。

 

「震」「☳」 この卦、ようするに「雷」をあらわします。

 

これは当然、親兵衛の神隠しのシーンを思い出させます……

 

一朶の靄雲天引降て、(いちだのむらくもたなびきくだりて)

電光凄じく、(いなびかりすさまじく)

風亦颯と音し来つ、

石を巻き沙を飛して、

草木を靡かす鳴動に、

(岩波文庫「南総里見八犬伝(二)」378ページより)

 

まあ、赤ん坊の親兵衛を 伏姫さまがさらっていくのですが……

電光(いなびかり)です。雷光です。

挿絵にも「雷」が 描かれています。

 

んーこれはいよいよ、

「八犬伝」の元ネタは「易」なんじゃないの???

という疑惑が濃厚になってくるわけなんですが……

 

めちゃくちゃ長くなりそうなんで、

今日はここまでにしときます。

 

というか、読んでいただいた方、おられるのか??

易・五行思想で読む「南総里見八犬伝」 その2

$
0
0

説明の順番を間違えていました……

 

「八犬士=八卦の化身」

……これを証明する前に、

「八卦」とはなんぞや?

これを説明しないといかんでしょう。

 

□□□□□□□□

以下、説明。

 

――「陰」「陽」この二元論で世界を表現しようという

ま、無謀な試みが「易」です。

(ただコンピュータの基本はON・OFFの二進法ですから……

古代版のコンピュータとおもえなくもない、が……

実際、かのゴットフリート・ライプニッツは易経の二進法システムにいたく感激していたとか、いないとか)

 

「―――」 →陽

「― ―」 →陰

穴、空白のないただの横線が「陽」

まんなかに穴、空白のある横線が「陰」です。

 

この「陰」「陽」を下から 3段重ねます。

そうするとできるのは……

 

☷☶☵☴☳☲☱☰

 

この8パターンです。単純に2×2×2パターンですので 答えは「8」なわけです。

これが「八卦」で、易の基本となります。

 

左から

☷(坤・こん)☶(艮・ごん)☵(坎・かん)☴(巽・そん)

☳(震・しん)☲(離・り)☱(兌・だ)☰(乾・けん)

と読みます。

それぞれ、

坤→地 艮→山 坎→水 巽→風 震→雷 離→火 兌→沢 乾→天

と象徴するものが決まっています。

 

といいますか……

上述のようにこれで世界を……宇宙を説明しようというのですから……

 

こんな表のように↓↓

 

たとえば、右端の

☰(乾)は、「天」「剛」「父」「南」(先天)「西北」(後天)「金気」を象徴することになります。

 

この八卦。さらには九星図という なんか東洋流の占星術みたいのとも絡み合うことになります。

 

「八卦」と「九星」の対照表がこれ↑↑

「一白水気」とか「二黒土気」とかいうのがこれです。

(じつは……気学、とかなんとかいうものとかかわってくるらしく、

あんまりよくわかっていません。勉強中です)

 

左上の「☰・乾」は 「6」ですので 六白金気

その下の「☱・兌」は 「7」ですので 七赤金気 となります。

 

おもしろいのは、左側の図が 数学でいう「魔方陣」になっていることです。

縦の項目を足した数字はどれも「15」

横の項目を足した数字……これまた「15」

ななめの数字は……これまた「15」

 

さらにいうと、1 2 3 4 5 これは易・五行では「生数」と呼ばれているのですが、

(6 7 8 9 10 は成数)

1+2+3+4+5=15

これまた「15」がでてくる、ということで、

 

この九星図というのはものすごく神聖視されているようです。

九星図に関して古代中国の神話があったりするんですが、それはパスします。

 

□□□□□□□□

はい、以上が「八卦」システムのおおよその概略です。

前回の八犬伝の話題に戻りますと……

 

 

この表により、八犬士のうち、四犬士は それぞれの卦がわかるわけです。

上から

震・☳→「仁」の玉を持つ、犬江親兵衛

離・☲→「礼」の玉を持つ、犬村大角

兌・☱→「義」の玉を持つ、犬川荘介

坎・☵→「智」の玉を持つ、犬阪毛野

これを敷衍しまして、
上の九星図と重ねますと……
 
震・☳=三碧木気=犬江親兵衛
離・☲=九紫火気=犬村大角
兌・☱=七赤金気=犬川荘介
坎・☵=一白金気=犬阪毛野
 
となります。
はたして、この仮説があっているのかどうか?
 
ここで吉野裕子先生がなにかというと引用してくる
田中胎東著「九気密意」という本を引っ張り出してきます。
(田中胎東というお方、
なんかよくわかりませんが「気学」の大家である由)
 
もし九星・九気の解釈と、「南総里見八犬伝」の人物像がうまい具合に一致していたとすれば、
曲亭馬琴は「易・五行」をもとに
「八犬伝」の構想を練っていた、ということが証明されることになります。
 
まず、
①震・☳=三碧木気=犬江親兵衛
これをみていきましょう。
 
三碧を長男となす。
三碧木性は、たとえ末子として出生すといえどもよくその兄姉を凌いで生家に顧尽し、
事実において後継たるの役をなすべし。
(香草社、田中胎東編「九気密意」81ページより)
→んーまさしく親兵衛です。
八犬士の中でひとり、ガキんちょのくせに最強というキャラ。
末子ですが、八犬士の筆頭です。
 
三碧を顕現とす。
顕現とは、陰闇を去って陽明につくをさす。
(同書82ページより)
三碧を発育となす。
宇宙森羅万象のうち、育つ、暢びる、小さきものが大きくなるの作用は、みなこれを三碧となす。
(同書83ページより)
→はいはい。親兵衛してます。
神隠しからの「顕現」
それから異常な成長っぷり。
 
三碧を仁となす。
仁とは、進んで人の幸慶を祐くるをいう。
(同書92~93ページより)
→親兵衛=仁。
八犬士の中でただ一人殺人を犯さないのはこの人です。
 
本命三碧木性の人は、その父との縁薄くおおむねその四歳、七歳、十歳、十二歳にこれと生別死別を見るに至るべし。しかして三碧木性その人にとりてはこれを不運となすよりも、むしろこれによってその後天の運はかえってますます剛強を加うべし。
(同書98ページより)
→これまた親兵衛してます。
両親とのはやい死別。ですが、両親の死の場面において、
親兵衛は他の犬士たちに出会います。
そして、伏姫さまに一番かわいがられるのは、もちろん親兵衛・仁 なわけです。
まさしく「後天の運はかえってますます剛喬を加うべし」
 
つづいて
②離・☲=九紫火気=犬村大角
をみてみます。
 
人、九紫の剋気を用うるや、その心眼曇りて精神朦朧たるに至るべく、これを祐気として用い、あるいは南方吉相の家に永居する時は、その心眼明光を発して見ずして知察するの能をうくべし、これを暗示という。
(同書223~224ページより)
→大角なんですが、
最初の登場場面は、化け猫にだまされている……
化け猫が化けた父親に孝行を尽くしている……というそんな少々マヌケなところから始まります。
そこを現八に助けられるわけなんですけど……
 
「心眼曇りて精神朦朧」とはぴったりです。
 
九紫を高貴となす。
九は数の最高にして、紫は色の最貴となす。
志操の崇高、技芸の高雅、識見の高邁、挙措の高尚を九紫という。
(同書225ページより)
→これまた、大角にぴったり。
八犬士の中でも どこかこう近寄りがたい雰囲気のある、それが犬村大角です。
 
九紫を争いとなす。
一切の喧嘩争闘を、九紫となす。
(同書227ページより)
化け猫が父親になって以降のめちゃくちゃ
そして雛衣(ひなきぬ・大角の嫁です)が自殺したあとの
血まみれシーンとか、もう、めちゃくちゃです。
「喧嘩争闘」です。
 
本命九紫火性の人は、(中略)
その智、明敏に過ぎ、その行、果敢に過ぎて独り聳えてその根を張らず、一朝有事の際自己に献身尽忠の知己、部下を得ずして身位をささうるあたわざるのおそれあり。
(同書240~241ページより)
→ここなんすけど、
例の「対管領関東幻想大戦」(by高田衛)における
大角先生の微妙な立ち位置をうまく表現しているような気がする。
 
大角は毛野と比べて 知力は勝るとも劣らない的なことをいわれるのだが、
けっきょく 「幻想大戦」を指揮るのはあくまで軍師・毛野たんであって、
大角先生ではない。
 
むしろ安房にある司令部から遠ざけられてスパイ任務というか、
謀略任務みたいのをやらされるわけである。
 
たぶん里見候は大角の「明敏に過ぎ」「果敢に過ぎ」というあたりを
よく見抜いていたのかもしれない。
 
九紫を心臓となす。
(同書231ページより)
雛衣の自殺→胸から「礼」の字の玉が飛び出し、化け猫を撃つ。化け猫の正体がバレる。
という壮絶シーンなんですが……
 
馬琴先生の名文を引用しましょう。
 

(おく)れはせじ。」と(ひな)(きぬ)が、はや握持(にぎりも)つつかの間に、

(きらめか)したる刃の電光(いなづま)刃尖(きつさき)深く()の下へ、ぐさと(つき)()(ひき)(めぐ)らせば、

()(ほとばし)鮮血(ちしほ)と共に、(あらは)(いづ)一箇(ひとつ)の霊玉、

勢ひさながら鳥銃(てつほう)の、火蓋を切て放せし如く、

前面(むかひ)に坐したる一角が、鳩尾(むな)(ぼね)(はた)と打砕けば、

(あつ)」と一ト声(さけび)(はて)ず、手足を(はつ)てぞ(たふ)れける。

 

(岩波文庫「南総里見八犬伝(四)」72ページより)
(んー、というか うまくフォントが揃えられない……)
 
大角の嫁、雛衣が刺したのは 自分の心臓だったのではないでしょうか??
 
以上、まだ二人しか証明(??)できていないですが、
また長くなりそうなので今回はここまで。
Viewing all 593 articles
Browse latest View live