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スッカン沢(栃木県那須塩原市) その2

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スッカン沢、その2……

 

の前に、あこがれのMy熊除け鈴をゲットしましたので ご報告。

 

つくばのモンベルへ行って、買ってきました。

 

左:トレッキングベルスクエア

中国製。カラコラコロコロ カウベルみたいな音がする。

 

右:トレッキングベルサイレント

日本製。消音機能付き。

チーーン と澄んだ高音がします。

 

音&ルックスが気に入ってしまったので

両方購入。

 

ついでに……登山用の服とか持ってないので

ジャケットと手袋とかも買ってしまう……

鈴買いに来ただけなのに おもわぬ出費になってしまいました。

 

□□□□□□□□

つづき。

 

ソ連の滝……

じゃない、素簾の滝周辺の様子です。

 

しかし……

 

去年、瀧原宮 行った時もそうおもったのですが、

 

渓流ってどう撮っていいのやら、途方にくれます。

 

ポートレート撮影なら いろいろテクニック(小細工?)がわかるのですが。

 

まさか渓流にむかってレフ板で光を浴びせるわけにもいかんだろうし……

望遠ズームで絞り開放で撮って

背景をキラキラとボケさせるテクニックとか……

うーん、使えないね。

 

三脚買うしかないですね。

でも、来年です。

 

ジッツォが欲しい。Gitzo……

 

今調べて分かったのだが、ジッツォって 機関銃の台座作ってたメーカーだったのね。

 

仁三郎の滝。

 

塩原温泉ビジターセンターパンフレットによると

 

滝を最初に見つけた人の名をとって「仁三郎の滝」と言われています。舞踏場のような滝つぼの上に流れ落ちる滝が、白いスカートをまとった乙女のように見えることから舞姫滝とも言われています。

 
――だそうで、
味もそっけもない理由です。
 
もっと、こう、仁三郎くんをめぐる悲恋物語とか(きっとこの滝で心中する)
仇討ちとか(この滝で父の仇を討つ)
いろいろ努力して考えてほしいものです。
 
……
 
ごめんなさい。冗談です。
 

 

 

スッカン沢。

トマス個人の感想としては

この仁三郎の滝が一番のクライマックスかな、と……

 

なぜかと、

 

いいますと……

この先の

スッカン橋がなんと……

 

通行止め!

だって。

 

とっても危ないまる(泣)

 

……だったら、チェーンか、ロープでふさいでおけよ、という感じですが……

 

考えてみると、

おっかなくて誰も渡らないね。

 

別に閉鎖しなくてもいいですね。

 

 

スッカン橋周辺の様子です。

 

渡りたかったな……

 

これがたぶん??

雄飛の滝??

 

よくわかりません。

 

大木のカツラというのは この木でしょう。

 

これも近くで見たかったのですが、

なにぶん橋を渡れなかったもので……

 

に、してもすごいブルーです。

 

 

 

つぎは紅葉の時期を狙って??

とかおもっているのですが……

 

今週はまだはやいのか? なにぶん情報が少ないので困ります。


易・五行思想で読む「南総里見八犬伝」 その3

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地味ぃ~……

かつ、大部分の方には意味不明な記事。

あくまで続けます。

 

 

曲亭馬琴「南総里見八犬伝」なんて

誰もが知ってるけど、誰も読まない本の代表格だもんな~

 

まあ、いいや。

わかる方にだけわかればいいのです。

あと、自分の考えていることの整理&記録、という意味もあります。

 

もし、気になったお方。岩波文庫の「南総里見八犬伝」全十巻

チャレンジしてみてはいかが??

 

□□□□□□□□

①震・☳=三碧木気=犬江親兵衛

②離・☲=九紫火気=犬村大角

ここまで証明ができました。(??)

 
とくに親兵衛に関しては めちゃくちゃあてはまっている気がするのですが。
 
異常な成長スピードとか、
他の七犬士をさしおいて目立ってしまう(というか、読者を興ざめさせる)
「長男」ぶりとか、
「三碧木気」でなくては説明がつかないのではあるまいか??
 
つづいて
③兌・☱=七赤金気=犬川荘介
を田中胎東編「気学密意」にしたがって見ていきます。
 
七赤を少女となす。
(香草社、田中胎東編「気学密意」182ページより)
→しょっぱなから「なんじゃそりゃ?」という記述ですが……
 
むしろ「仮少女・にせおとめ」毛野にこそぴったり という感じもするんですが、
じつはこれ、荘介にぴったりです。
 
易の八卦はそれぞれ……
乾・☰→父
兌・☱→少女
離・☲→中女
震・☳→長男
巽・☴→長女
坎・☵→中男
艮・☶→少男
坤・☷→母
という家族構成を持っています。
中国流の男尊女卑の価値観ですから、
この家族では 乾・☰・父 が一番偉く、 兌・☱・少女 が一番身分が下なのです。
 
もちろん八犬士の間に身分の差はない。誰が偉いとか誰が身分が低い、とかはありません。
皆同格。
しかし……出身階層はそれぞれ異なる。
そうです。
荘介は「小厮(こもの)・額蔵(がくぞう)」として登場します。
大塚村の村長・蟇六にこきつかわれる孤児として登場するのです。
 
「七赤を少女となす」
これは八犬士の中での一番の苦労人、荘介にぴったりの記述です。
(ついでにいうと 乾=父=犬山道節は 八犬士の中で一番のお坊ちゃん、出身階層が上、ですから、
これまたぴったりです)
 
おつぎ。
七赤を容喙となす。
積極的に発言関与するを、容喙という。
人、七赤の剋気を用うるや、容喙して人に嫌忌せらるるに至るべし。
(同書190~191ページより)
 
これ、例の冤罪事件のことではないでしょうか?
 
荘介を奴隷のようにこき使っていた 蟇六&亀篠夫婦でしたが、
娘・浜路をめぐるごたごたから
陣代・簸上宮六というやつと助役・軍木五倍二というやつに殺されます。
その殺人現場にたまたま帰ってきた荘介。
主人の仇を討ったのですが
 
「蟇六&亀篠夫婦を殺したのはお前だろう」
と無実の罪をきせられて投獄されてしまいます。
 
べつに蟇六&亀篠夫婦には忠義を尽くす必要などないのですが、
そこは律儀に行動してしまう荘介です。
あと、道節だの毛野だのでしたら、
要領よく殺人現場からトンズラしそうな気がするのですが、
いちいちいらんことに「容喙」してしまうのが荘介です。
 
本命七赤金性の人は、色白く辨能優れて如才なく頭脳また明敏なりといえども、幼少その父と生別死別の悲に遭い刻苦するものとす。
(中略)
七赤金性の人は、親の財産を当てにせず、質素堅実を旨とし独立自営の志を立てて、刻苦精励堅実なるその将来の大成を期するを要す。
(同書195~197ページより)
 
すべて荘介してます。
両親との死別……
でもグレたりしないで、「質素堅実」「刻苦精励堅実」……
まじめまじめの荘介です。
 
はい。四番目いきます。
お待ちかね(?) 紅一点キャラ(?) 毛野たん……
 
④坎・☵=一白水気=犬阪毛野
 
すべて宇宙の陰を司宰する大気のうち、その用最旺なるを一白水気となす。
一白は陰と陽との交って成れるものとす。
一白を胎となす。
胎とは、二つのものが一つになるをいう。
(同書23~25ページより)
 
ぜんぶ毛野のためにあるようなコトバです。
美少年にして美少女……
殺し屋にして踊り子……
「陰」「陽」……
「男」「女」……
すべて「二つのものが一つ」に……
 
ちなみに卦の
坎・☵
も、「陰」に「陽」がはさまれた形をしています。
陰中の陽、なんていい方をしたりします。
 
一白を悩みとす。
悩みとは、二つ以上の心憂をいう。
およそ宇宙一切の悩みは、みなこれを一白水気となす。
(同書27ページより)
 
これまた毛野のキャラ設定にぴったり
親の仇をつねに狙う……その苦悩を指しています。
 
一白を裏とす。
およそ人には、必ず裏あるものとす。裏なき人は成功せざるべし。
(同書27~28ページより)
毛野の登場シーン……
「仮少女・旦開野(にせおとめ・あさけの)」を思い出しましょう。
 
一白を流水とす。
先から先へと、水のごとく低きにつきて進む性を流という。
すなわち、一処に止ることなく、先から先へときりも際限もなく流れ流れて動くを、一白水気となす。
(同書28~29ページより)
これはもう
小文吾君、毛野へ求婚シーン→毛野による大虐殺シーン
→毛野の逃走シーン
というめくるめく展開を思い出すところ。
 
そして一所不在 流れる水のように移動し続ける毛野の運命……
 
一白を孤独とす。
孤独とは周囲に連絡なきをいう。
孤独は自力本願、自営、不羈、独楽となりその裏、頑迷、固陋、偏狭、傲岸、悲哀、と変ず。
(同書35~36ページより)
 
はい。孤独ですね~
犬士たちの群れに最後に合流するのは毛野ですね。
 
本命一白水性の人は、その親との縁薄く幼少にして既に辛苦すべし。その親と早く生別死別をなすをもって、一白水性の後天の運はかえってますます開発せらるるものとす。
その性独立不羈、よく患難に堪忍して遂に大成し、いわゆる山問の涓滴末は大江となるに類す。すなわち、守成より創業をもって成功するの運となすべし。
(同書47ページより)
 
これまた説明のしようがないほど。
孤独な運命だった毛野ですが、さいごは里見候の軍隊を指揮っちゃうまでに出世します。
 
はい。
どんなものでしょう??

①震・☳=三碧木気=犬江親兵衛

②離・☲=九紫火気=犬村大角

③兌・☱=七赤金気=犬川荘介

④坎・☵=一白水気=犬阪毛野

以上、
これで八犬士のうち、半分が証明できました。
 
とくに①親兵衛&④毛野たんに関しては自信あります。
彼らの特異なキャラクター設定には、
 
元・易者志望の馬琴先生、
易・五行・九星の知識フル動員で考え抜いたのではあるまいか??
 
次回から、残りの4人について みていきます。

易・五行思想で読む「南総里見八犬伝」 その4

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なにかに憑かれたように「八犬伝」ネタを連投しております。

その4です。

 

えー

前回まで証明した4名に関しては

この……↓↓

吉野裕子先生の五行配当表であっさり答えが出てしまったので

まったく苦労がなかったのですが……

 

残り4名に関しては、答えを見つけるのに非常に苦労いたしました。

答えがわかってしまえば、「ふん、そんなものか」という感じですが、

2~3週間、悩みに悩みました。

 

はてさて

犬山道節

犬塚信乃

犬田小文吾

犬飼現八

この4名にはどんな「卦」が割り当てられているのか??

(この4名、偶然にも体育会系・武闘派が多い。信乃をのぞく)

 

□□□□□□□□

以下、答え。

 

悩みに悩みながら、 ざざっと岩波文庫の「南総里見八犬伝」を読み返し、

で気づいたのは、

兄弟分のような関係の犬士のペアが3組ある。

という事実でした。

 

①小文吾&現八

②道節&荘介

③親兵衛&信乃

この3組のみなさんです。

 

この3組以外にも

・信乃&荘介

・小文吾&毛野

・現八&大角

・小文吾&親兵衛

といった縁の深いペアもあるっちゃあるんですが、

 

・信乃&荘介→どっちかというと主従関係に近い。(彼らはそう意識はしてないが)

・小文吾&毛野→かんぜんBL……だよね。

・現八&大角→親切な現八が妖怪にだまされてる大角先生を助けた。

縁は深いが、兄弟という感じではない。

・小文吾&親兵衛→はい。伯父&甥です。

 

――というわけで 本当に「兄弟」といえるのは上記の3ペアなのではあるまいか。

 

①小文吾&現八

は、義兄弟の仲です。

そもそも乳兄弟……赤ん坊のころから縁がありました。

 

以下、小文吾のパパ、文五兵衛が信乃に向かってのセリフ。

かかれば子息小文吾とは、俗にいふ乳兄弟にして、その年歳も同じかるべし。

彼に兄なく、これに弟なし。はじめを忘れざらん為に、小文吾と見八と、兄弟の義を結せなば、久後(ゆくすゑ)(たのもし)ん。

(岩波文庫「南総里見八犬伝(二)」208ページより)

 

ちなみに現八は十月生まれ、小文吾は十一月生まれで

現八のほうがお兄さんであるらし。

 

②道節&荘介

は、例の「肩柳道人」のエピソードからの付き合いです。

(道節はあやしげな火遁の術を使って 敵討ちのための資金集めをしていた)

 

道節と荘介は相撲をとって争うのですが、

戦いの最中、

道節の「忠」の玉が荘介の手の中に

荘介の「義」の玉が道節の手の中に

と玉の交換がおこります。

(ん。タマの交換?? って深読みはしないこと)

 

荘介 忠の字の玉をみていわく、

(あな)不思議や、犬塚信乃と、秘蔵し、孝・(てり)寸分で、字あ()()。」に、

(同書156ページより)

 

このあと、荘介は冤罪で投獄、

牢獄で拷問されるのですが、

礼の「忠」の玉を口の中に入れていたので

どんな苦痛にも耐えることができました。

(ものすごいマジックアイテム。

「ウィザードリィ」のワードナのアミュレットみたいなものだろう)

 

そのあと、道節&荘介は何度かバトルがあるのですが――

 

荘介から八房&伏姫、そして仁義八行の玉のはなしを聞かされて、道節は納得……反省。。

いづれも稀世の豪傑なるに、(それがし)眼力(がんりき)ば、村雨和殿(あた)(かたき)の、(おも)よ。

(岩波文庫「南総里見八犬伝(三)」136ページより)

 

また荘介は

忠は義を兼、義中に忠あり。かかれば犬士たらんもの、異姓にして骨肉の如く、玉の字号は同じからで、その感応異なることなし。こも亦自然の妙契なり。

(同書140~141ページより)

と、

「忠」と「義」は交換可能なようなことをいいます。

 

これだけ縁の深い二人なのです。

 

③親兵衛&信乃

この二人の関係は、まあ、壮絶、ですな……

というか、親兵衛の親父の山林房八が壮絶なのか。

 

はなしはものすんごく複雑ですので、うまく説明できなさそうなのですが、

山林房八が信乃にルックスが瓜二つというところがポイントでしょうか。

 

八犬伝序盤のクライマックス「芳流閣の決闘」ってのがありまして、

それで信乃はお尋ね者になっちゃうのですな。

 

芳流閣ってのはわがイバラキの古河にあるのですが、

信乃はそこから決闘相手の現八と共にフネに乗って千葉の行徳にたどり着く。

(芳流閣って高いところからフネに落っこちたので二人とも気絶している。

あと、古河から行徳というのは納得がいかない人が多いだろうが、戦国時代には

川でつながっていたようです)

その後なんのかのあって信乃は行徳の小文吾一家に助けられる。

 

しかし、当地の領主の手が小文吾一家に伸びてきます。

「信乃をひきわたせ」と。

そこで、信乃にそっくりの山林房八が 俺の首を信乃の代わりに渡せ、と……

(ザザッと、こんなですが、はなしはもっと入り組んで複雑です。)

 

で、山林房八ってのはカミさんの沼藺さん(小文吾の妹)と血まみれで死ぬんですけど……

 

その前に信乃が破傷風になったって話、しましたっけ?

あ、してない。(コロンボ警部風)

 

信乃は破傷風になっちゃったんですよ。

破傷風を治すには、ですね。

若い男女の生き血のミックスしたものが大量に必要なんだそうで……

(グロい……)

 

それで信乃は二重の意味で山林房八に助けられたわけなんです。

(ああ。ややこしい話だ)

 

信乃の死にゆく房八に向かってのセリフーー

(それがし)も、()殿(どの)夫婦て、難治金瘡(たちきず)(いえ)も、殿夫婦き、良薬れ。れ、とあば、鮮血(ちしほ)を、後々秘蔵子孫ん。

(岩波文庫「南総里見八犬伝(二)」308ページより)
 
そして親兵衛(当時は赤ちゃんです)に関して
房八夫婦にこう誓います。

かかればその子大八の親兵衛は、わが骨肉の弟に等し。後年里見殿に仕まつりて、(とも)戦場(たたかひのには)ば、(それがし)(たすけ)て、(みなごろし)ん。(もし)難儀ば、ひ、箭面(やおもて)て、今宵が、再生ん。

(同書325ページより)
 
はい。
はっきりいってますね。
「わが骨肉の弟に等し」と。
これは信乃の心中を述べているわけですけど、
 
読者に迫ってくるのも
「血まみれの房八&沼藺夫婦が 瀕死の信乃を再生させた」
「房八&沼藺夫婦は信乃のある意味両親である」
というイメージではないでしょうか?
 
以上、長くなりましたが、親兵衛&信乃は兄弟なのです。
 
□□□□□□□□
 
……ということは、ですね。

①小文吾&現八

②道節&荘介

③親兵衛&信乃

彼ら兄弟はそれぞれ、「五行」の属性が同じ人たちなのではあるまいか。
 
解答を書きますと、

①小文吾&現八=土気

(↑五行配当表から信・現八は土気だとわかっているので)

②道節&荘介=金気

(↑荘介は金気なので)

③親兵衛&信乃=木気

(↑親兵衛は木気なので)

――ということです。

 

さらに、ここで、九星図を引っぱり出して説明したいのは

 

土気→二黒土気、五黄土気、八白土気 の3種類

金気→六白金気、七赤金気 の2種類

木気→三碧木気、四緑木気 の2種類

があるということなんです。

 

これを敷衍すると……

①→このペア二人は二黒土気、五黄土気、八白土気のいずれか。
②→荘介が六白金気なので、当然、道節は六白金気。
③→親兵衛が三碧木気なので、当然、信乃は四緑木気。
 
乾・☰=六白金気=犬山道節

巽・☴=四緑木気=犬塚信乃

 

はい。ここまで答えは出ます。

 

□□□□□□□□

以上の推理によって 6名は「卦」が決定できました。

が、

小文吾&現八

このペアだけは決定ができない。

二黒土気、五黄土気、八白土気のいずれか。
 
まず、五黄土気、これは除外できます。
九星図をみると 五黄土気=中
なんですが、「中」という卦はありませんので。
(おまけに「九気密意」によると、五黄は「腐敗」「盗賊」「暴欲」等等
とんでもなくネガティブなことばかり書かれていて、
八犬士にはとてもあてはまりそうにない)
 
残ったのは二黒土気、八白土気。
これは先に答えを書いてしまいます。推理はあとで書きますね。
 
・艮・☶=八白土気=犬田小文吾
・坤・☷=二黒土気=犬飼現八
です。
以下、推理。
 
推理① 九星図による推理
 
九星図を見ると どうもアヤシイのは……
馬琴先生。九星図をもとにプロットを練ったのではないか? ということです。
関係の深い二人が ↑の赤丸で囲んだところのように
隣りあっているパターンが多いんですよね。
 
乾・兌は、道節&荘介の金気ペア
震・巽は、親兵衛&信乃の木気ペア です。
 
となると、
坎・艮は、毛野と誰か のペア
坤・離は、大角と誰か のペア になるはず。
 
となると、もう答えは明らかで――
艮=犬田小文吾((*´Д`)ハァハァ毛野たん……)
坤=犬飼現八(大角を妖怪の魔手から助ける)
というわけです。
 
推理② 「気学密意」による推理
二黒土気なんですが、
田中胎東先生によりますと……
 
地役 古 消化器 少々
柔順 実行 国土
母 平坦 炭素
地所 方形 粉末
営業 遅鈍 甘味
無 夜 下
(香草社、田中胎東編「気学密意」55~56ページより)
なんですって。
 
これって凄腕のグリーンベレー隊員みたいな戦闘力のくせに
かなり控えめな現八にふさわしくないでしょうか?
「南総里見八犬伝」――
われわれが読む大きな物語は
「信乃の物語」「道節の物語」「毛野の物語」そして「親兵衛の物語」
があるわけです。
それに対してちょっと控えめな物語として
「小文吾の物語」「荘助の物語」「大角の物語」がある。
 
ですが、現八の物語ってのはないのですよ。ほとんど。
芳流閣の決闘って、あれは「信乃の物語」だし。
行徳のエピソードは、メインは「信乃の物語」 そして「小文吾の物語」です。
大角をたすける庚申山エピソードは、もちろん、「大角の物語」がメインなんです。
 
たえず縁の下の力持ちキャラなのです。現八は。
 
それと
「夜」→庚申山の冒険
「下」→芳流閣の決闘(下からのぼって信乃を追い詰める)
「営業」→京都での道場経営。
を読みたくなるところですが……
 
一方の 八白土気は、
 
継目 変化 少男 辻
相続 改革整理 右脚 打開
止る 親戚知己 肋膜
貯蓄 山丘 関節
強慾 歓迎 耳鼻
吝嗇 家 節
(同書203ページより)
ですって。
 
まず「少男」
小文吾がずっと前髪をおとさなかったこと、童形であったことを思い出しましょう。
(アマチュアの関取だったので月代を剃っていなかった)
 
「止る」は相撲の関取をやってた小文吾にふさわしい。
暴れ牛を押しとどめたエピソードもあったっけ。
「親戚知己」 これは親兵衛との関係。
 
そして注目したいのは「継目」 
高田衛先生は「八犬伝の世界」の中でこんなことを書いてます。
 
馬琴が八名の名を並記するとき、その甲乙なく軽重なきを期して、細心の注意を払っていることがわかる。普通の犬士連名の場合、親兵衛はたいていトップだが、その場合ほとんどかならず第八番目は犬田小文吾なのである。小文吾は親兵衛の血続きの伯父であった。伯父と甥という関係では、当然伯父の方が目上である。トップの親兵衛は、八番目の小文吾が伯父なのだから、その下位に位置し、事実上の座順は円環状ということになるのである。
(ちくま学芸文庫、高田衛著「完本 八犬伝の世界」428~429ページより)
 
あと、小文吾の名前が最後、というのは、
仁義礼智忠信孝悌 この順で 悌が最後というのもありましょうが……
 
九星的には「継目」とみたいわけですよ。
小文吾=八白土気=「継目」
なので、連名の最後にかならずくる、と。
 
□□□□□□□□
はい。
というようなわけで、残り4名の「卦」が特定できました。
 
乾・☰=六白金気=犬山道節

巽・☴=四緑木気=犬塚信乃

艮・☶=八白土気=犬田小文吾
坤・☷=二黒土気=犬飼現八
 
次回以降、彼らそれぞれの性格をみていきたいとおもいます。

おしらじの滝 ふたたび(栃木県矢板市)

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おしらじ様参り、2回目。

滝がみえてよかった!

 

――という記事です。

 

□□□□□□□□

えらく、ねむい……

 

のを、がんばって4時。イバラキ発。

 

真っ暗な高速道路をずんずん突き進みまして――

 

7時すぎ。おしらじ様のおられる高原山に到着。

 

台風21号が暴れまわって数日後だったので、

滝への道は 倒木やらなにやらゴロゴロ転がって なかなか難儀いたしました。

 

が、谷底から

 

ザザザザザザ……

 

と、前回訪問時には聞かれなかった水音が聞こえ、

期待が高まります。

 

うむ。早起きした甲斐があった。

これはもう思う存分、おしらじ様を独り占めできるぞ!!

 

トマス:おしらじさま!

おしらじ様:トマスさん! また来てくれたのね!

トマス:え!?

おしらじ様:おしらじ、うれしいっ!

トマス:え? 僕を……おぼえて?

 

おしらじ様:当たり前じゃない。だってあたし。

トマス:え……

おしらじ様:こないだは初対面だったし……人目もあったから、いえなかったけど……

トマス:え……

おしらじ様:トマスさん。あたし、あなたのことが……す……す……

 

とかいう妄想を

ひひひひひ、と、

くり広げておったのですが、

 

7時半

もう先客がおられました。

 

そういや千葉ナンバーの車が駐車場にとまっていたっけ。

 

……

もとい、

滝ながれてました。

 

美人、いや

美滝ですよ。

 

先客のかたと、

「滝ながれてるのみれて良かったです」

とか

「倒木がちょうどイヤな位置にありますね」

とか

はなしました。

 

 

滝の反対側、というか、

下流側というか、

 

は。こんな感じ。↓↓

前回来たときは、ただ岩石がゴロゴロしてる場所だったのですが、

 

今回は立派な「渓流」になってました。

なるほど、こういうところなのか。

 

水の色は深いブルー。

 

前回は緑っぽかった。

落ち葉もたくさん浮かんでたし。

 

ただ、どうなんだろ。

 

早朝。ここはあまり日があたらないんですよね。

おしらじ=すり鉢 つまり、盆地の底ですので。

 

前回はお昼頃で もっと日があたっていたので

で、緑色にみえたのかもしれぬ。

 

 

 

やさしげな先客さんが

「では、お気をつけて」

と帰られたので……

 

おしらじ様と二人きり!!

 

なので、

以下の写真は 遠慮なくフラッシュ(スピードライト)使っているんですが、

 

横幅800px ではあんまり違いがわかりませんかね。

 

三脚、買うべきなんだろうな……

とか、思うのですが、

 

そもそも、ですよ。

 

ライカとかコンタックスとかの、

レンジファインダーカメラ、一眼レフカメラって

「コンパクトに持ち運びできるカメラはできないものか?」

という試行錯誤のもと、生まれてきたわけで……

(ニコン・キャノンはそのドイツ製カメラの子孫である)

 

いわゆる中判カメラ。

持ち運びできないほどデカいカメラを三脚につけるのは理解できるのだが、

 

一眼レフを三脚につけるのってなんか「倒錯」のような気がして……

 

いや、しかし

おしらじ様、独り占め……

 

森は静寂に満ちていた。もはや二人を邪魔するものは誰もいなかった。

二人はみつめあった。二人の瞳に涙がうっすら浮かんだ。

 

おしらじ様:トマスさん……

トマス:おしらじさま……

おしらじ様:ようやく……

トマス:二人きり、ですね。

 

……とか、脳内ワールドがふたたび爆発しそうになりましたが。

 

三脚装備のオジサンが二人、あらわれて

滝のまんまえで ガチャガチャ三脚をセットし始めましたので

 

おしらじ様とのラブラブな時間はあっさり終わりを告げました。

 

滝の上に出られる、と教えていただいたので

楽しみにしておったのですが、

 

台風の影響か、「立入り禁止」のロープがはられていて

滝の上には登れませんでした。

 

残念。

しかし。2回目にして 滝、みれたので幸運なんでしょう。

次はスッカン沢に向かいました。

紅葉のスッカン沢 その1

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2017年10月27日のスッカン沢の様子です。

 

写真 大量に撮りましたので

 

大量にベタベタ貼っていきます。

 

並び順は 時系列です。

 

おしゃれなブログを書く人は

 

・たった一枚だけの画像を載せて

・おしゃれな一文を載せて

 

で、終わり。

にするのですが、

 

そんなことできな~い……

 

たった一枚 とか、

よく選べるよな~

 

県道から下りて

ほんのちょっと歩くだけで こんな風景です。

 

 

 

 

紅葉というより

黄葉ですかね。

 

でもすごくきれいでした。

 

 

 

 

 

茨城県南住まいの人間にとって

 

「山」というと 筑波山なのですが、

 

渓流とかがないので、

被写体としてはイマイチのような気がする……

 

いい山ですよ。いい山なんですけど……

 

やはり、紅葉には「水」要素がないと。

 

素簾の滝、近辺です。

渓流撮るにはこのあたりが 絶好のポイントではなかろうか。

 

このあたりから

グッと水の色が青くなります。

 

 

素簾の滝 (↓↓画面奥 崖です)

近くに寄れる、というのを 他人様のブログで目にしたのですが、

 

そのためにはこの激流を 対岸に渡らねばならず……

 

一体どうするのだろう?

どこか渡れるポイントあるのかしら??

 

けっきょくわかりませんでした。

 

たしか

5,6日前に台風、

2,3日前に雨、

という天気の推移だったので

 

水量は明らかに多かったです。

 

前回の訪問時はこんなじゃなかった。

 

 

 

 

 

 

前回の訪問から

たった2週間かそこらでしたが、

 

まるで様子が違う。

 

これは何度も来たくなりますね~

 

 

 

 

 

 

 

仁三郎の滝です。

 

日が高くなってきました。

 

その2につづく。

易・五行思想で読む「南総里見八犬伝」その5(信乃の女装の意味をさぐる)

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いったい誰が読んでくださるのか 八犬伝ネタ。

まあ、どなたか 八犬伝フリークの目に触れるようなことがあればいいのですが。

 

え、さて、

前回までの考察で

八犬士それぞれの「卦」が明らかになりました。

 

ので、以下のような表をつくってみました。↓↓

ひょっとして、「八犬伝」のプロットを練る

馬琴先生の机の上にも こんな表があったのかも??

この表と「易経」を片手に 頭を抱えてウンウン唸っている馬琴先生……

 

天才型ではなくて努力型の人ですからね――この想像もありえなく、ない??

 

たとえば 「大角・離・☲」と「毛野・坎・☵」は

「火」と「水」なのでえらく相性が悪いわけですよ。

一緒にいたらバトル必至。

なので対管領戦において

「水」の毛野は安房の司令部にいて

「火」の大角は品川あたり(だっけ?)で

ゝ大と一緒にスパイ活動にいそしんでいるわけ。

 

さらにいうと、「離・☲」と「坎・☵」の組み合わせ、

これは「易経」の最後2つの卦だったりします。

つまり……

「䷾」既済(完成)→離・☲が下、坎・☵が上。

「䷿」未済(未完成)→坎・☵が下、離・☲が上。

 

「易経」知識がない方には「なんのこっちゃ?」というはなしですが……

 

・「水」毛野と「火」大角が大活躍する 対管領戦で、「南総里見八犬伝」はフィナーレを迎える。

・「水」と「火」の組み合わせの卦で、「易経」はフィナーレを迎える。

 

と、この2つの書物の構造が似通っていること……

これは偶然とはおもえません。

 

どう考えてみても、曲亭馬琴は「易経」片手にプロットを練った

としか思えんのですが……

 

□□□□□□□□

今回は

乾・☰=六白金気=犬山道節

巽・☴=四緑木気=犬塚信乃

この二人を、田中胎東編「気学密意」にしたがって見ていきたいと存じます。

 

まず、

⑤乾・☰=六白金気=犬山道節

 

御神体、御本尊として明鏡玉剣、黄金仏を安置崇仰し、これを荘重に祭祀するはすなわち六白金気の用を畏敬するにあるのみ。

(香草社、田中胎東編「気学密意」152ページより)

はい。

悪名高い道節の登場シーン。

うさんくさい「肩柳道人」のエピソードそのままではあるまいか?

(道節、焼身自殺のパフォーマンスをしてお金を集めていた。

火遁の術を心得ているので道節自身、ピンピンしている……)

道節くんのふてぶてしいセリフ……

 

「わが一身には、常に仏菩薩宿らせ給へり。左は(これ)天行の順路、肩は肢体の無上所なり。よりて東方、天照皇太神、西方釈迦牟尼仏、ここに止宿しをはします」

(岩波文庫、「南総里見八犬伝(二)」121ページより)

こんなこといって愚民ども(失礼)からお金を巻き上げていました……

 

六白を幼児となす。

四歳以下の幼少子女をみな六白となす。

(同書、156ページより)

道節のな~んか抜けてるところ、思い出しましょう。

はっきりいって 精神年齢低そうですよね~

マヌケなことをいっては毛野にとっちめられる、お得意のパターン。

 

人、六白の祐気を用うるや、新業の創始、旧業の拡張を発心して遂に大成を見るに至るべしといえども、この際資金不足して中途挫折の恐れあれば、前もってこれが対策を講ずるを要す。

(「気学密意」157ページより)

けっきょく仇討ちには失敗する道節。

けっこういいところまで行くのだけれど……成功はしない道節……

まさしく「中途挫折」……

 

六白を統率とす。

統率とは、上の下を指揮下命するをさす。

将の兵を用い、官の民を治むるを六白という。

(同書160ページより)

指揮るの大好き道節君。

まあ、あってるんじゃないでしょうか。お坊ちゃまだし。

 

六白を剛毅となす。

剛とは心気の強大をいい、毅とは心気の乱怯せざるをいう。すなわち、度胸の良きを剛毅となし、自ら信ずること厚く軽挙妄動せざるをさす。

そもそも乾道すなわち男道は剛毅をもって一貫す。男子剛毅ならずんばまた何をか成さんや。

(同書165ページより)

「男道」……ときましたか。

「男子剛毅ならずんばまた何をか成さんや」

道節くんちの床の間には こんなモットーをかかげた掛け軸がかかっていそうです。

 

さいごに卦の「乾・☰」なのですが、

「陽」が三つ重なりなんとも良さげな感じがしますが、

じつはそうでもないんです。

「易」はバランスを重視します。

「陰」と「陽」のバランスです。

「乾・☰」より 「離・☲」や「坎・☵」のほうがバランスが良いと考えます。

 

「陽」だけ三つというのはどこかあやうい。バランスが悪い、のです。

剛毅だけど、なんか抜けてる。

実行力はあるけど、失敗ばっか……

いよいよ道節君にぴったりの卦といえるでしょう。

 

おつぎ

⑥巽・☴=四緑木気=犬塚信乃

 

四緑を風となす。

風とは、大気の流動すなわち気流をいう。

(同書106ページより)

巽=風、です。

 

ここで、信乃が「信濃」と縁が深いことを思い出したい、

両親の番作―手束のカップルは新婚当時 信濃の温泉にいました。

信乃が生まれた時の番作のセリフ……

 

わが子の命長かれ、と(ことほぎ)て、信乃(よぶ)か。美濃て、不思議名告(なのり)ひ、信濃夫婦ぬ。し。

(岩波文庫「南総里見八犬伝(一)」291ページより)

 

「信濃路にして夫婦となりぬ」ってのがなんとも艶な感じ……

あと、このあと 「この子、将来は出世して信濃の守護になっちゃうかも!」

とかいうのがなんとも若い夫婦の会話らしくていいのですが、

 

とにかく信乃は信濃と縁が深いのです。

で、その信濃ですが……吉野裕子先生はこんなことを述べておられます。

 

トマス注:諏訪大社の神紋は「梶」である)・・梶の葉は諏訪神社の神紋でもあるが、梶を解字すれば、木と尾である。蛇は頭と尾とで成り立っているようなもので、他の生物とこの点で非常に異なっており、蛇の蛇たる所以は正にその尾にある。陰陽五行思想において蛇はまた木気であって、その木と尾の取合せである「梶」の字は蛇の象徴であろう。

 蛇はまた「風」と同気の四緑木気である。それ故に蛇神の支配する信濃は古来、風の名所とされ「風の祝」(かぜのはふり)がおかれていた。

(法政大学出版局、吉野裕子著「蛇」155ページより)

 

諏訪大社のある信濃は風の名所、とされていたらしいのです。

犬塚信乃=犬塚信濃=風・巽・☴

というわけ。

 

以上、これだけで証明は終わったような気もしますが、続けます。

 

人、四緑の祐気、巽方の祐気を用うるや、銀行、会社、官庁に通勤、就職するに至るべく、これを剋気として用うるや、書簡、電報、電話のまちがいをもって事の調談を破るに至るべし。

(「気学密意」111ページより)

 

信乃の就職活動が無残に失敗したことを思い出しましょう。

村雨丸がすり替えられていたことに面接寸前になって気づく、という信乃でした……

 

四緑を縁談となす。

(同書113ページより)

信乃―浜路のカップルのことです。

恋愛らしい恋愛が描かれる八犬士は信乃、ひとりだけです。

(小文吾―毛野もあるけど……毛野がたぶらかしただけ、なので)

 

大角―雛衣もあるけど、もう結婚しちゃってるからな。夫婦だからな。

 

四緑を長女となす。

(同書116ページより)

これもポイントだとおもいますよ。

 

信乃は女装した少年として登場するわけですけど……

信乃の女装って よくよく考えてみると、そんなに必然性はない。

アキレウスの女装とか、ヤマトタケルの女装とか、いろいろ考えたくなりますが、

信乃って女装を利用してなにかするわけじゃないし……

 

とにかく毛野の女装は意味があったけど、信乃の女装は、

一風変わった両親のヘンテコな趣味

以上のものではないような気が……

 

なんですけどね。「四緑を長女となす」

これを生真面目な馬琴先生はやりたかったんではないか。

あくまで真面目にこれを貫きたかったんじゃないか。

つまり、

一番最初に登場する巽・☴の犬士は

あくまで「長女」でなくてはならなかった。

わけです。

これが信乃の女装の真の意味です。

 

はい、以上 道節。信乃の証明終わり。

次回、小文吾、現八をみていきたいとおもいます。

紅葉のスッカン沢 その2 「雄飛の滝」ネーミング問題。

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その2 です。

こういうのはあれですね、

帰ってきてすぐ 記事を書かないとだめですね。

 

はやくも二週間近く 時が過ぎてしまい、記憶がなんだかあいまいです。

 

前回……10月中旬、

とっても危ないまる(泣)

との表示が出ていたスッカン橋ですが……

 

いや、今回もこの表示がでておったのですが、

 

たどりつくと、橋の向こうから三脚を背負ったオジサンが何食わぬ顔でてくてく歩いてくる……

その人との会話……

 

「渡れるんですか?」

「渡れますよ。大きな落石があるけどね~」

 

ってなわけで、スッカン橋 こわごわ渡りました。

 

前回は遠くから眺めた カツラの大木……↓↓

間近でみれました。

 

スッカン橋を下から見上げます。

 

スッカン橋近辺の 渓流の色。

 

ブルー。です。

限りなくブルーでしかないブルーです。

(村上ナニだ、おまえは)

 

スッカン橋の手前を右に折れると 雄飛の滝の手前に出られると 教えていただきましたので

(今日もHAPPYさん ありがとうございます!)

 

さっそく試してみることに。

 

けっこう大変な道。

ですが、

わたくしでもたどり着けましたので

運動神経抜群なあなたなら 容易にたどり着けるでしょう。

 

ただし、

スニーカーでなんとなく来てしまったアナタはやめたほうがよさそうです。

 

じゃ、じゃーん。

たどり着いた雄飛の滝。

 

画面じゃまったく伝わりませんが、ミストが舞っております。

水しぶきがすごいです。

カメラをかばうのに必死です。

 

いや~

夏、来たかった……

 

少々、寒い……

 

豪快というか、勇壮というか、なんというか、

男らしい滝です。

 

おしらじの滝だったら、

「おしらじ。うれしいっ!!」

などと女性に擬人化できるのですが――

(個人の勝手な妄想です)

 

雄飛さんはあれですね。

「ハハハハハ! よく来たな!」

という感じでしょうか。

 

いや、八犬伝風に

「呵呵呵!」

という感じか。

 

塩原温泉ビジターセンター のパンフレットによりますと、

 

【雄飛の滝】

岩に囲まれた薄暗い場所に差す一筋の光のように見え、夕日が暮れるのも忘れるくらい美しいと言われることから名前の付いた滝です。滝の上にある観瀑台からその流れを見ることができます。

 

といいますので、

お上としては観瀑台からおとなしくみてくれ、ということのようです。

 
んーでも、一度 こうやって間近で見ちゃうと……
観瀑台からの眺めはなんだかしょぼいような気が……

 

いや~来てよかった。

苦労のかいがあります、この光景は。

 

 

 

 

側面の崖 (なにか専門用語があるのかしら?)

の迫力……

 

何百年か 何千年かわかりませんが……

この滝が削ってきた「痕跡」ですよね……

 

 

雄飛の滝近辺の渓流の様子。

 

奥にみえるのは

 

スッカン橋です。

 

柱状節理ってやつですかね。

「ブラタモリ」でなんかやってたが、理屈は忘れてしまった。

 

たしか、実験やってたよな……

もう一度みておこう。

 

しかし、……

「夕日が暮れるのも忘れるくらい美しい」というなら

すなおに

「夕日の滝」

でいいじゃん。とおもいます。

 

「雄飛」という字面がなんかちょっと嫌いです。

センスがない、というか、

肩ひじ張った漢学臭がする、というか……

 

とかおもっていたら

最近読んだ司馬遼太郎先生の「街道をゆく」で、

似たような描写がありまして……

 

留飲を下げたというか、なんというか、

司馬リョー、よくぞ言ってくれた! というか、

 

以下、引用

那須塩原とは全然違う

熊野あたりのはなしなんですけど、

 

 「古座川上流の奇岩怪石の発見は、地元の郷土史家橋爪啓氏によると、一七二五年(享保十)年、八代将軍吉宗の命をうけてこのあたりに薬草採集にやってきた幕臣植村佐平次と小原文直の両人によるという。

 その後、伊勢の津の藤堂藩の儒者斎藤拙堂(一七九七~一八六五)が、当時紀州徳川領だったあたりにやってきて山水に遊び、地元のひとに頼まれて山や岩に名称をつけた。

「テンチュウザン」

 などという、日本語とも中国語ともつかぬ奇怪な名称をつけたのは、拙堂である。字で書いてやっと天柱山であることがわかる。岩山の頂きが柱のようになって天にそびえているためにそういう文字を選んだに相違ないが、江戸時代の漢学者の言語感覚というものが拙堂でさえその程度だったことに驚かざるをえない。」

 

「瀬戸内海の小豆島にも、奇勝の山や谷がある。ここも、漢学者が行って命名した。ぜんたいの景勝の地帯をカンカケイ(寒霞渓)と名づけた。地元にはもともと鉤掛山(かぎかけやま)という、いかにも言語として手ざわりの感じのゆたかな名前があったのだが、それに語呂をあわせつつ、漢字から雅字をえらんで変な名前にしてしまったのである。ついでながら寒霞渓には、ガマに似た奇岩があって、土地ではガマ岩とよんでいた。ガマ岩といえばいいのに、それを雅ならずとして、漢学者の命名以来、蟾蜍岩(センジョガン)ということになっている。」

 

「まことに拙堂もこの古座川の渓谷で、似たことをやった。

「ギョクジュンポウ」

などという、いやらしい名前もつけている。古座川の渓流が山脚にぶちあたってひとまがりしているあたりに、大きなタケノコをいくつも立てたような岩山がある。土地では、碗に飯をたかだかと盛りあげたようなかっこうなので飯盛山とよんでいたのだが、拙堂はそれを卑しみ、玉筍峰という文字をえらんだ。

「シンスイバク」

というのもある。高さ五メートルほどの、婦人が裳を引いたようなしなやかな滝が水を落としているのだが、拙堂はこれに神水瀑という名前をつけた。」

(朝日文庫、司馬遼太郎「街道をゆく 8 種子島みちほか」44~45ページより)

 

引用長くなってしまいまして……

一体お前はどこに行ったんだ、という感じですが……

 

つまり、ですね、

もともと

◎「夕日の滝」

といういい名前だったのを

どこぞのエセインテリが「田舎臭い」とおもったのでしょうか??

 

×「雄飛の滝」

と変な字面にしてしまったのではあるまいか?

 

そんな感じがしてしまいます。

 

あくまで推測ですが、ね。

当ってる気がする。

 

「素簾の滝」もそんな感じがしてならない……

 

もともと「すだれ滝」とかいう素朴な名前だったのを「かっこ悪い」とおもった誰かさんが、

「素簾の滝」とかいう、

日本語とも中国語ともつかぬ奇怪な名称

を、つけてしまったんじゃなかろうか??

 

ん。まあ あくまで推測ですが、ね。

 

しかし、「ソレン」って、なんだよ??

意味不明ですよね。

 

その点、

◎スッカン沢

◎おしらじの滝

ってのは、いい名前がそのまま残ってよかったですね。

 

エセインテリが手を出さなくてよかった……

 

で、帰り道の写真を並べていきます……

 

午前10時半~11時ごろだとおもいます。

 

ちょうどいい感じに日があたって

 

 

黄葉がまぶしかったです。

 

 

今週末、また那須塩原方面出かけたいのですが、

紅葉どうなんでしょう??

 

行けるかどうか、まだ、わからないんですが、

 

あと、天気はどうなのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このあと、山の駅たかはらで

カレーをいただきました。

紅葉の小太郎ヶ淵へ。ビジターセンターから徒歩で行きます。

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2017年11月10日(金)の那須塩原の様子です。

 

塩原温泉ビジターセンターから 前山八方ヶ原線歩道というのをつかって

(酔狂にも)徒歩で小太郎ヶ淵まで行きました。

 

結論からいうと、ビジターセンターから小太郎ヶ淵まで徒歩で行きたい、という場合、

県道沿いの道をたどった方が はるかに楽だし、眺めもいいような気がします。

前山八方ヶ原線歩道というのは……個人的にはイマイチでした……

(あくまで個人の意見です)

 

ビジターセンターから この「前山八方ヶ原線歩道」というやつが整備されていて……

スタート地点は↓↓ こんな風に、

 

明るい感じだったのですが、

 

ものの二三分で なんか薄暗い山道に迷い込みます。↓↓

 

ただの山道ならいいが、近くの塩原温泉病院の建物をえんえん見せられたりして……

 

んーー

お寺か神社をみせられるのならいいが……

 

病院、ねえ……

 

地元の方が散歩に使うのなら こんなにいい道はないでしょうが……

 

クルマで3時間かけてやってきたトマス・ピンコみたいなやつには、あんまりおもしろくありませんでした。

 

鹿股川の渓流を見下ろします。

紅葉はもう終わりですね~

 

しかし、渓流も、スッカン沢から比べてしまうと、なんかイマイチ……

で、がっかりしたのですが、

 

仙人岩吊橋。

 

が、みえてきて、元気を取り戻します。

 

 

 

んー

紅葉真っ盛りに来たかった。

 

新緑の頃なんかも美しいでしょうねえ。

 

吊橋からの眺め。

 

 

渓流から県道へのぼっていきます。

渓流付近は紅葉は終わっていますが、県道は紅葉真っ盛りです。

 

 

 

 

県道沿いに 塩の湯温泉の記念碑というのがあります。

 

狛犬がかわいいです。

 

石碑を建てた人が「カネさん」というせいなのか??

 

なんかお賽銭とかおいてあるへんな石碑です。

 

 

 

このへんてこな石碑のそばに 小太郎ヶ淵の看板が。

 

道なり8分というのだが……

 

徒歩8分? というのは相当健脚でないとムリな気が……

 

クルマでは8分もかからないとおもいますし……

 

もとい……

 

クルマ一台幅の 車道の脇を ずんずん進むと……

 

また、看板。

 

こんな山の風景を見つつ 山道を進むと、

 

こんなご褒美が待っております。

 

小太郎ヶ淵に到着。

 

ちなみに 塩原温泉ビジターセンターを出発したのが 8時15分ごろで

小太郎ヶ淵到着は 9時45分ごろでした。

 

途中、道をはずれて渓流に下りたり 撮影で立ち止まったりしてますのであまり参考にはならんとおもいますが……

そうとうにのんびり行っても1時間半でたどりつける、ということでしょう。

 

 

 

次回、小太郎ヶ淵の写真を載せていこうとおもいます。


紅葉の小太郎ヶ淵&小太郎茶屋(那須塩原市)その1

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2017年11月10日(金) 小太郎ヶ淵の様子です。

 

え―

これから小太郎ヶ淵&小太郎茶屋、よかったよ、という記事を書くのですが……

 

というか、小太郎ヶ淵、素晴らしいのですが……

 

まず、悪口、書きますね。

がっかりした点書きますね。

 

到着したわれわれを迎えるのは――まず、

 

このような……

 

廃屋、です……

 

あと、粗大ゴミね。

 

出だしは最悪でした。

 

で、このハイクオリチーな廃屋から

ちょっと進むと、こんな紅葉真っ盛りの光景がひろがっておるのですが……

 

「キャー、すてき」

ですが……

 

ですが……

 

すぐかたわらに……

 

なんだ、オメーは!!↓↓

捨てた奴、出てこいっ!!

一発殴らせろっ!!

 

あと、ねー

いろいろ文句をいいたいんですよ、わたくし。

 

小太郎茶屋さんでおいしい草団子をいただきながら撮った写真ですが、ね……↓↓

 

いいでしょ。

良く撮れてる、っておもうでしょ。

 

……

 

でも、赤丸のところに注目してみて↓↓

 

赤丸付近をトリミングすると、だな……

 

ぐああああ!!

またも粗大ゴミ。

ブルーシートで覆った粗大ゴミ↓↓

 

あと、ね。

怒りついでに怒っておくよ。

 

駐車場の位置も如何なものか??

 

たえず、赤丸のあたりにクルマが来るのさ。

ひっきりなしに駐車するのさ。

 

まあ、このシルバーのクルマにはまったく恨みはないが……

 

恨めしいのは、

駐車場の位置、だよ。

ねえ……

 

クルマで来るなっ!

みんな、オレみたいに歩いてこい!

 

残念ポイント、これで終わります。

 

小太郎茶屋さん&小太郎ヶ淵の写真を撮ると、だな。

 

また、変な物体が写るのさ。

 

んががががが……

 

フジカラーの自販機??

今ぜったい現役じゃないよね??

ゴミだよね?? これも……

 

□□□□□□□□

ん、でも怒り疲れたし、歩き疲れたし……

 

小太郎茶屋さんで草団子をいただきます。

 

こんなです。

とてもおいしゅうございました。

 

この風景の中、食事ができる、というのは……

 

他にどこか、ありますかね??

 

いろいろ残念なポイントはあるんですけど。

 

小太郎ヶ淵の管理者、というのが一体誰なのか よくわからんのですが……

(そもそも私有地なのか??)

 

美しい風景を守るためには

・ある程度の財力と

・ある程度の権力と

・強烈な美意識

これが必要なんだろうな、とかおもいました。

 

具体的にいうと、

粗大ごみを許さない権力&財力&美意識。

 

そして

あんな無粋なところに駐車場を作らせない

美意識&財力

というのが必要になってくるわけで……

 

それにからんでおもったのは――

 

今まで 有名なお寺で拝観料をとられることに イマイチ納得がいっていなかったのですが……

「神社は拝観料とらないじゃないか」

とか反発していたのですが、

 

風景を守るためにはカネは必要ですよ。

 

というのがこういう例をみるとよくわかります。

 

入場料とっていいんじゃないの? 小太郎ヶ淵。

 

とかいう勝手な意見をほざきまして、

その2につづく。

紅葉の小太郎ヶ淵&小太郎茶屋(那須塩原市)その2

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その2です。

 

前回いろいろとダメな点を書きましたが――

 

ようは邪魔物が写らないポイント、角度を見つければよいのです。

こんな風に↑↑

 

橋でゴミを隠す……

土日祝日はどの程度混むのか、よくわかりませんが――

 

平日午前はこんな感じ。

来客も少なめで、日光の入り込む角度もいい感じです。

おすすめです。

 

 

 

 

 

塩原温泉ビジターセンターで

「塩原の自然」なる書物を買い求めたのですが、

その中で小太郎ヶ淵のことが要領よくまとめられているので、引用させていただきます。

 

■塩の湯から八方ヶ原へと向かう途中にある。箒川の支流の甘湯沢が、緑色凝灰岩の柔らかい部分を削り込んでできた淵。

■淵の上流側では、滑らかな凝灰岩の上を滑るように水が流れていて、小太郎ヶ淵付近で、一気に岩盤を削り込むようにその流れの勢いを増し、深い淵を作っている。

(那須野が原博物館「塩原の自然」41ページより)

 

へえ、これは緑色凝灰岩というものですか……

どうりで緑色にみえます。

 

 

 

 

■浸食や水量の変化により、淵の規模は以前よりやや縮小している。

(同書41ページより)

 

「以前」というのがよくわからんのですが、

かつてはもっと壮大な眺めだったのかもしれない……

 

 

 

シャッタースピード 1/10秒(たしか) で撮ってみます。

 

三脚なし。しゃがみこんで、カメラを両腕でがっちり固定して――↓↓

 

手ぶれ補正機能のせいか、うまく撮れたように思います。

水の流れ、みているとホント飽きません。

 

表現が難しいのですが……

 

つるつるした岩の表面をキレイな水が滑り落ちていく……その様子。

 

人工でわざわざ作ったんじゃないか?

というくらい、不思議な光景です。

 

ふつう、渓流だと 底に 岩やら石やら砂やらがゴロゴロしているわけですが、

そういうのがないわけです。

 

ここは一枚岩の岩盤の上を水が滑り落ちていくので……

なんとも異様な感覚……

 

地質学のことはよくわからんのですが、

これもまた

スッカン沢や、おしらじの滝同様、高原山という火山が作り出した造型なんでしょうか??

(違っていたらすみません)

 

■緑色凝灰岩は、表面が酸化されてややオレンジっぽくなっていたり、灰色がかっていたりするが、割って中を見るときれいな青緑色をしている。

■小太郎ヶ淵周辺も川の水による浸食で岩の表面が常に削られ続けているので、川底や岩盤は鮮やかな緑色に見える。

(同書41ページより)

 

 

 

 

そうそう木でゴミを隠すというテクニックもあります。

 

――というか、ゴミを無くして欲しいが……

んー

偉そうにいえる立場ではないが……

 

帰り道。

歩いてビジターセンターに戻ります。

 

ああ、そうそう……

■県道分岐からの道は、未舗装でやや荒れている。車体を擦らぬよう慎重に運転するか、分岐から5分ほど歩くとよい。

(同書41ページより)

と親切に書いてあります。

 

県道沿いの光景。

紅葉真っ盛りでした。

 

 

帰りは楽ちん。

小太郎ヶ淵→県道は登りですが、県道はゆるやかな下り坂。

舗装されてるし。

あっという間に着きます。

 

↓↓奥に見えるのは 塩原温泉病院。

 

いいところにあるな~

もし入院するならここだなぁ…… とか、考えました。(いや、別になんの病気もないのですが)

 

 

ビジターセンター。

さっき引用した「塩原の自然」を購入しました。

 

ビジターセンターの紅葉です。

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11月22日。

 

トトやんの一周忌でした。

はやいものです。

 

天国からゆり、くろを見守ってくれているとおもいます。

Quintessence The Quality of Having It(クインテッセンス)

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おサレな洋書の紹介。

前々から気になっていたのをとうとう買ってしまった。

 

ベティ・コーンフェルドさんとオーウェン・エドワーズさんの共著。

どんな人だかは知りません。

カバーについている解説によると ベティさんはエミー賞受賞歴のあるテレビ番組のライターで

オーウェンさんは「ニューヨーク」「プレイボーイ」等々に執筆している批評家だかライターだかであるらし。

 

なぜ、こんな本を買ったか? といいますと、

 

板坂元「紳士の小道具」という本の「グルカの鞄」という一節の中で――

 

 何千冊という本を身の廻りに置いて暮らしていても、くり返して何度も読む本というものは余りない。が、何でもないようで製本がくずれるまで繙読する本も、たまにある。『クインテッセンス』は、その一冊で、米国にいたころから机辺に置いていたから、十年以上の馴染の本だ。

 アメリカ人の生活の中で、昔から変わらないまま愛用されている品物、それを短いコメントつきで並べた写真集だが見飽きがしない。開巻第一ページはマルティニ、巻尾はチェッカー・キャブ。その間に、クリーネックスのポケット・パックやポラロイドSX-70、ハーレーダビッドソンのバイク、ジッポのライターといった品々が並んでいる。オレオのクッキー、キャンベルのトマトスープ等々、言われてみると「なるほど」と納得する第二の肌のようなものがわれわれの身の廻りにある。それを卒業アルバムでも眺めるように楽しんで読むのだが、飽きることがない。

(小学館、板坂元著「紳士の小道具」36ページより)

 

こんな風に紹介されていては、読みたくなる。

で、買いました。

なるほど、これはよいものです。

 

↑グルカのエクスプレスバッグNo.2

↓モンブランの万年筆。

 

↓↓こういう色っぽいのも……(残念ながら、このページだけです)

 

フレデリック・オブ・ハリウッドという下着メーカーであるらしいのですが、

それのカタログのイラストを褒めています。

テキトーに翻訳すると……

「カタログを開くとあなたはかつて存在しなかった世界に引き戻される。

ここに描かれた、ドリー・パートンの体型と、バービー人形のヘアスタイルのグラマーガールは、

50年代コミックのヒロインの影響を感じさせる」

 

どんなものだか、ぜひ拝見したいものです。

日本でいうとピーチジョンみたいなものか?

 

まあ、文章も写真もおサレでございます。

 

かっこいい文章を拾っていくと (トマス・ピンコのあやしい翻訳付き)

The Hershey's Chocolate Kiss

The idea of a candy called a kiss--and a candy shapped like a nipple at that--is quite erotic.

(ハーシーズのチョコレート・キス

「キス」という名前、そして乳首の形……このキャンディはきわめてエロティックだ)

 

The American Express Card

It's hard to imagine,but before 1958 no one could leave home with it because it did't even exist.

(アメリカンエクスプレスカード

今では想像するのが難しいことだが、1958年以前、われわれは外出するときにこれを持ち歩かなかったのだ。

だって存在していなかったのだから)

 

Levi's Jeans

Their motto is Quality Never Goes Out of Style--and they never have.

(リーバイズのジーンズ

彼らのモットーは「品質はスタイルを裏切らない」 なるほど彼らはそのモットーを貫いてきた)

 

ついでに書きますと……

……リーバイ「ス」ではなくリーバイ「ズ」と濁るのが本当です。

 

えー バイエルのアスピリンなんてものもあるのですが……

これで妙なものを思い出してしまった……

 

(というか、今だと紙箱に入ってますが、昔は瓶入りだったのか)

 

大昔にブックオフで買った

光文社文庫「世界の傑作品」……

 

あるねあるね……↓↓

バイエルアスピリン……

 

そういわれてみると……この「世界の傑作品」

ヘンなチョイスだな、とおもっていたのだ。

 

ハーシーのチョコレートがあったかとおもうと ハーレーダビッドソンが載っている。

そしてバイエルアスピリンがあったかとおもうと、とつぜん、シュタイフのテディベアが載ってる。

 

んーこれって 全部「クインテッセンス」じゃん!!

 

「世界の傑作品」

ポラロイドカメラも ジョンソンのベビーパウダーも コパトーンも、クリネックスも

モンブランも、ケッズのスニーカーも、メルクリン(鉄道模型)も

全部「クインテッセンス」に載ってる!!

 

ははは。

光文社文庫「世界の傑作品」は――

「クインテッセンス」のまるパクり

なのだ!!

 

 

「世界の傑作品」

前書きが笑わせる……

 

 そのとき、僕の頭に浮かんだのは、編集部で以前見せてもらったアメリカ土産の写真集だった。タイトルも作者も覚えていないが、その写真集は一ページに一点ずつモノが紹介されており、いわばアメリカ版世界の一流品カタログという本であった。これは使えると思った。業界用語でいうところの「いただき!」ってやつである。

 しかし、まるで真似したわけではなかった。

(光文社文庫「世界の傑作品」4ページより)

 

光文社さんになんの恨みもないが……

コイツ。

嘘八百というやつである。

タイトルも作者も覚えていないが

――どうみたって「クインテッセンス」だろ!!

おぼえてるもなにもパクりだろ!!

これ見ながら書いたんだろ!!

 

まるで真似したわけではなかった。

――モノのチョイスまるパクりだろ!!

ま、さすがにあのおサレな文章はパクれなかったようですが。

 

いや、最後は日本の出版業界のテキトーさに触れる結果になりましたが……

 

Quintessence これはおもしろいです。

僕も擦り切れるまで読んでしまいそうです。

おしらじの滝 三回目(栃木県矢板市)

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2017年11月10日

おしらじ様参り、3度目。

 

――小太郎ヶ淵のあと、

塩原温泉ビジターセンター近くの「竜化の滝」へ行こうとおもったのですが、

 

やっぱりおしらじの滝に会いたくなり、竜化の滝はパス。

 

途中、スッカン沢もちょっと寄りましたが、

紅葉完全に終わっていました。

 

初冬の雰囲気です。

やはり 高地&渓流ということで 紅葉の進行がはやいのですね。

 

で、おしらじ様。

 

とくに雨天の直後ではなかったので

滝の流れはまったく期待していなかったのですが――

 

どういうわけか、滝がありました。

 

せっかくだから、訪問3回分の写真を並べてみましょうか。

 

↓↓2017年11月10日 13:30ごろ

 

 

↓↓2017年10月28日 7:30ごろ

 

 

 

↓↓2017年10月10日 12:30ごろ

 

 

あふれる緑だった 10月初旬から

たった1か月で初冬の雰囲気に……

 

あと水量の変化とかみるのもおもしろい。

 

光線の入り方としては、やっぱり午前中……

10時~11時くらいがベストなのか??

とか推測します。

今度行くときはその時間を狙ってみようか。

 

季節によってベストの時間帯は変わるでしょうが……

 

□□□□□□□□

もとい、3度目です。

 

ひっひっひ。

初会→裏→馴染み、ですよ。

(吉原の花魁か!!)

 

もうおなじみですよ。常連さんでありんすよ。

 

おしらじ様のお肌のクロースアップ

 

――じゃなかった、おしらじの滝の水面のアップばかり撮ってました。

 

 

 

 

 

 

 

 

紅葉シーズン終わり&午後、という理由か。

それともたまたまなのか?

 

先客2名のオジサン達が帰ってしまうと、

あとはえんえん誰も来ませんでした。

 

こわいくらい静かでした。

けっこう寒かった気がします。

 

ユニクロのヒートテック&モンベルのメリノウールのタートルネック

その上に モンベルのサイクライムジャケットというやつ。

と、けっこう着込んでいたのですが……

 

以下、とくに書くこともありませんので、

 

画像だけ貼っていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今度は新緑の時期かな……

また会いに来たいです。

トーハク庭園開放と デメル猫ラベルチョコ

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この時期になると 行かずにはいられない

東京国立博物館の庭園開放。

 

2017年11月24日の様子です。

 

おしらじの滝で すっかり水面マニアになってしまったか?

本館前の池を熱心に撮っている……

 

青を強調してみる↓↓

 

庭園開放は12月3日までだそうです。

 

この時期、都内の公園はどこも人出がすさまじいですが、

トーハクのお庭は 穴場で あんまり人がいません。

(お花見シーズンもあまりいない)

 

あ。土日祝日はどうなのか、知りません。

 

カラスかいな?

 

ハゼノキがいい感じに紅葉してます。

 

ハゼノキというと、去年六義園でみた ハゼノキの紅葉はすごかった。

今年は見る機会がなさそうですが。

 

望遠ズームで撮ると↓↓

 

遠近感がなく、おもしろい絵がたまに撮れます。

 

また水面を撮ってます。

 

午後、2時~3時 一瞬パラパラと時雨れたので

 

なんか庭園もいい感じに湿ってました。

空模様も 雨上がりっぽくきれいでした。

 

やはり美人な東博子さんでありました……

 

 

 

 

 

この、池の向こう側のモミジ。

毎年撮ってる……

 

 

 

 

 

 

 

16時で庭園開放おわり。

 

↓↓表慶館わきのイチョウ。

 

 

 

いつも美人な 法隆寺宝物館。

(谷口吉生先生の作品)

 

ユリノキ。

 

週末はなんか、夜間も営業してるらしいっす。

 

ライトアップされた東博子さんもきれい……

 

 

 

 

□□□□□□□□

帰り、銀座の松屋によって

 

前から気になっていた

デメルのチョコレートを購入。

 

猫ラベルにやられました……

 

しかし……

あまりの小ささに驚いた……

 

↓↓参考のため、百円玉を置いてみたよ。

 

値段を考えると もうちょっと大きなものを想像していたのですが……

おそるべし、デメル……

 

食べてみて、これまた 驚きました。

 

濃厚なのに後味はすっきり……

 

今回は「ミルク」を買ったので

こんど「スウィート」あるいは「ヘーゼルナッツ」 ためしてみよう。

ザッハトルテとかも気になる……

易・五行思想で読む「南総里見八犬伝」 その6

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久方ぶりの 八犬伝ネタ。

書いてる本人もほとんど忘れつつあった……

 

えー、

ようするに、ですね。

「南総里見八犬伝」の八犬士たちは

「易経」の八卦の化身なのではあるまいか?

という仮説であります。

 

かつて易者志望であった曲亭馬琴にとって

「八」といや、

まず思い浮かべるのは「八卦」――そう考えるのが、ごく自然ではあるまいか?

 

で、以下の表のような結論を得たわけです。

 

 

□□□□□□□□

もとい、最後の二人の証明です。

土気二人組は奇しくも 体育会系の二人であった。

⑦坤・☷=二黒土気=犬飼現八

(坤→「こん」と読みます)

 

例によって田中胎東先生の「気学密意」にしたがって見ていきます。

 

二黒を地役となす。

地役とは、地球の動いて止まらざるがごとくその身を労するをさす。すなわち、自ら身体を使役して人のために尽くすをいう。

勤勉、誠実、犠牲の志は二黒土気の祐気にして、怠惰、弛慢、背信の懈はこれが剋気たり。

(香草社、田中胎東編「気学密意」56ページより)

 

二黒を柔順となす。

体、静にしてその用流なるを柔順という。すなわち、柔順とは自ら主動せず、必ず上長を得てその命に従うをいう。

(同書58ページより)

 

前もどこかで書きましたが、

八犬士それぞれ 各人の物語があるのですが……

現八だけ 「現八の物語」というのがない。

ない、というとかわいそうなのですが、

 

芳流閣における登場シーン、あれは「信乃の物語」だし、

行徳における、信乃、現八、小文吾、そして赤ちゃんの親兵衛の合流も 現八は脇役です。

それからのち……

庚申山の冒険というのがありますが、

これはこれで「大角の物語」になってしまうので、

あくまで脇役に徹する現八なのでありました……

 

二黒を遅鈍となす。

(同書66ページより)
 
遅鈍……というとかわいそうなんですが、
現八先生にぴったりといや ぴったり。
というか信乃にはっきりこういわれてます……
 

犬飼、和殿の(たん)(ゆう)は、今に(はじめ)ぬ事ながら、(およそ)四万の大敵なるに、身は只一騎、()(もの)三十、一呼吸の(あはひ)にして、言下(ごんか)に大敵を(をど)し退けたる、其勢(そのいきほひ)推量(おしはか)るに、全身(みのうち)(すべ)(きも)にあらずは、何人(いづれのひと)(よく)せんや。実に我邦(わがくに)の張飛なる哉。戌孝(もりたか)が及ぶ所にあらず。然はさりながら惜むべし、和殿の思慮足らざりき。

(岩波文庫「南総里見八犬伝(九)」272ページより)
 
犬飼、君ってなんつーか心臓に毛が生えてるっていうか、
すごい勇気あって
三国志の張飛みたいだけど……
ほんと、オレにはかなわないって感じだけど、
でも、ね、ちょっと抜けてるよね~
 
ま、道節先生も毛野たんにこてんぱんに「バカ」といわれたりしますが……

 

本命二黒土性の人は、すべて自ら独立独行せず、必ず上長の人を得てこれとことをともになすべし。すなわち自ら上長に立って指揮下命するよりも、その次位に留って補佐援助するをその天賦となす。

されば大臣になるよりも次官となり、社長となるよりも副社長となって、名を棄てて実をとるを賢となすべし。

(香草社、田中胎東編「気学密意」76ページより)

はい。このあたり、現八君はよくわかっていらっしゃるようで、

決してリーダーになろうとはしてません。

あくまで凄腕のグリーンベレーみたいな地味な仕事に徹します。

 

あと、これはものすごくこまかいのですが、

というか深読みなのですが……

 

二黒を粉末となす。

小さく細く砕別するを二黒とす。

(同書71ページより)

 

現八の実の父は「糠助」というへんな名前の人なのですが、

(信乃が幼少期お世話になったこともある、近所のおっさんである)

 

このへんな名前はこれに由来しているのではあるまいか??

「糠」=「粉末」……

 

おつぎ、

⑧艮・☶=八白土気=犬田小文吾

(艮→「ごん」と読みます)

 

八白の「白」なんですが……

小文吾は登場時点からすでに「白」を強調されております。

 

当下信乃・見八は、目を(ななめ)にしてこれを見るに、(こえ)(あぶら)づきたる(はだ)()の、白きは雪をも欺くべし。

(いわなみ文庫「南総里見八犬伝(二)」237ページより)

信乃、現八、小文吾

この三人がそれぞれ 字の書かれた不思議な珠をもち、

なおかつ、体の一部に牡丹型のアザがある、という描写。

 

小文吾のお肌がピチピチして雪のように白い、というアヤシゲな一文です。

(白雪姫かよ!)

 

八白を継目となす。

(香草社、田中胎東編「気学密意」203ページより)

 

以前も書きましたが、

八犬士が連名になるとき、

最初は「親兵衛」

最後は「小文吾」になるパターンが多いのです。

小文吾=継目です。

 

八白を止まるとなす。

森羅万象止まる作用を、八白という。汽車、電車の停車、銀行、会社、商店の営業停止みなこれを八白とす。

(同書205ページより)

ここは例の暴れ牛のエピソードを思い出したくなるところ。

 

犬田小文吾悌順(やすより)は、(かの)竜種(たつだね)の、(つき)(たけ)く、べうもあを、(ちつと)く、(ひら)(かは)左右に、(しつか)捕駐(とりとめ)り。

(岩波文庫「南総里見八犬伝(四)」261ページより)

 

暴れ牛の角をガッと捕まえてしまう、という……

ついでにいえば、

「艮」(ごん)とは「山」の意味です。

 

そういわれてみると、

小文吾の行動パターンというのは

どこかに軟禁されてしまったり、

のっぴきならない状況に追い込まれて どうしましょう?? と考え込んでしまったり、

「止まる」パターンが多いように思います。

 

八白を少男となす。

無邪気年少の男子を、総称して八白という。

(香草社、田中胎東編「気学密意」212ページより)

相撲取りだった彼が、ずっと童形だったこと――前髪を剃らなかったことを思い出しましょう。

 

はい。

以上、八犬士全員の証明が終わりました。

 

次回以降は、この

八犬士=八卦

が、どのように応用できるのか、

どのように「南総里見八犬伝」の解読に役立つのか、みていきたいとおもいます。

東哉の土鈴がとてもかわいい(戊戌・つちのえいぬ)(丙戌・ひのえいぬ)

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小津安二郎作品に登場する 陶磁器でおなじみ、東哉さん。

 

毎年だしていらっしゃる土鈴は気になっていたのだが――

今まで買わないでいました。

 

が、来年は戌年。

ネットで見ると、

か、かわいい…… というので通販で買ってしまいました。

 

銀座のお店で買えるのかな? そこらへんのことはよくわかりません。

 

↓↓こんな味わい深い箱に入ってました。手書きの字も味わい深い。

 

左が「戊戌・つちのえいぬ」→2018年

右が「丙戌・ひのえいぬ」→2006年

 

まず、丙戌・ひのえいぬ……

10年以上前のものの――まあ、「売れ残り」なんでしょうが、

 

きれいな仔がきました。

ぴかぴかの新品です。

 

というか、「土鈴」というのが そもそもどういうものか よくわかっていなかったのですが、

ほんとに鈴なのですね。

コロコロとやさしげな音がします。

 

最新バージョン、戊戌・つちのえいぬ。

 

描かれているのは牡丹の花だそうです。

 

ん。牡丹……

作者は「八犬伝」ファンか??

 

二人一緒に。

 

「五色飾台紙」というのと、

「金潜紙屏風」というのも買いました。

 

なるほど、ゴージャスな雰囲気。

 

屏風というものの存在価値がいまいちよくわかっていなかったのですが……

 

写真に撮ってみるとよくわかりました。

 

これはレフ板の効果があるのですね!!

 

今年もあと一か月。


「八犬伝」毛野が小文吾をたぶらかした理由(易・五行でお答えします)

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八犬士=八卦の化身。

これが判明したところで、いろいろな謎を解くことができます。

 

まず、「南総里見八犬伝」最大(?)の謎、

仮少女・旦開野(にせをとめ・あさけの)こと犬阪毛野様が

犬田小文吾君をたぶらかした一件につきまして――

(岩波文庫の3巻目です)

 

あっさり解答してしまおうとおもいます。

 

ご存じない方のためにあらすじをザザッとみると――

犬阪毛野たん、というお方は

親の仇を討つために 女装して女田楽の一員として活動しており、

ま、華麗な踊り子さんとして 仇の屋敷に侵入するわけです。

そこで、その屋敷に軟禁されていた犬田小文吾と会い、

いろいろあって……

 

毛野(♂)「あん。どうせかなわない恋ならば いっそ殺して!!」

小文吾(♂)「む。そんなこといわれたって」

毛野(♂)「あなたの脱出を手伝ってあげるわ! 命なんか惜しくないの!」

小文吾(♂)「む。そこまでいってくださるのか。脱出後はオレたち結婚しよう!」

 

などという会話をかわす仲になっちまうのですが……

(江戸時代の小説すさまじい……)

 

よくよく考えてみると、この部分、

腐女子向けサービス

以外の必然はまったくない。

わけです。

 

生真面目な曲亭馬琴先生、

読者さえ容赦なく叱りつける高慢ちきな馬琴様が……

そんな涙ぐましい理由でこの華麗なシーンを描くものだろうか??

 

「先生先生、ここはひとつBL要素をもりこんでくださいまし」

とかほざく編集者が江戸時代にいたともおもえんし……

 

この謎を五行説で解いていこうとおもいます。

 

まずご理解いただきたいのは 五行説の基本中の基本、

相生・相剋の理論です。

この理論は「八犬伝」理解のための基本理論ですので、

必ず暗記しなければなりません。

 

まず

「相生」(そうじょう・相性がいい関係)

・木生火→「木」は「火」を生じる

・火生土→「火」は「土」を生じる

・土生金→「土」は「金」を生じる

・金生水→「金」は「水」を生じる

・水生木→「水」は「木」を生じる

 

「暗記せよ」などと書きましたが、どれも常識的なことをいっております。

木から火がうまれ

火から土(灰)がうまれ

土から金(鉱物)がうまれ

金から水(結露)がうまれ

水から木(植物)がうまれ

という具合。金生水だけがわかりにくいですが。

ま~古代中国では青銅器の器に液体を入れていた、ということもあるかもしれない。

 

おつぎ。

「相剋」(そうこく・相性が悪い関係)

・木剋土→「木」は「土」を剋す

・土剋水→「土」は「水」を剋す

・水剋火→「水」は「火」を剋す

・火剋金→「火」は「金」を剋す

・金剋木→「金」は「木」を剋す

 

これまた単純なことをいっております。

木は土を剋し(木が土を傷めつける)

土は水を剋し(土嚢・堤防で水をせきとめたりする)

水は火を剋し(水で火を消す)

火は金を剋し(火で金属を柔らかくする、溶かす)

金は木を剋し(斧などで木を伐採する)

 

はい。ではこの相生・相剋の理論を「八犬伝」に応用すればよいわけです。

すると

・犬阪毛野(一白水星)=水気

ですので、

相性がいいのは、

・犬山道節(六白金星)=金気

・犬川荘介(七赤金星)=金気

・犬江親兵衛(三碧木星)=木気

・犬塚信乃(四緑木星)=木気

この4人になります。

 

逆に相性が悪いのは、

・犬田小文吾(八白土星)→土気

・犬飼現八(二黒土星)→土気

・犬村大角(九紫火星)→火気

この3人になります。

 

つまり、

犬阪毛野(一白水星)と犬田小文吾(八白土星)は

相性が最悪。

ということになります。

 

じゃ、なんで馬琴先生は こんな最悪の組み合わせの二人の出会いを書いてしまったのか?

8人も主要人物がいるのですから、

別の出会いを書いてもよかったはず。です。

 

しかし……あくまでドマジメ、生真面目な、馬琴先生。たぶんプロットを練る時に ↑の九星図を使ったのではあるまいか??

 

つまり、

・乾・犬山道節(六白金星)=金気

・兌・犬川荘介(七赤金星)=金気

(金気同士で相性がいい)

 

・坤・犬飼現八(二黒土星)=土気

・離・犬村大角(九紫火星)=火気

(火生土で相性がいい)

 

・巽・犬塚信乃(四緑木星)=木気

・震・犬江親兵衛(三碧木星)=木気

(木気同士で相性がいい)

 

・艮・犬田小文吾(八白土星)=土気

・坎・犬阪毛野(一白水星)=水気

(土剋水で相性最悪……)

 

この4つの組み合わせは必ず書かなければならなかったわけです。

□□□□□□□□

もとい、

毛野と小文吾の出会いのシーンをこまかくみていきましょう。

テキストは岩波文庫「南総里見八犬伝(三)」です。

 

ざっとあらすじ。

荒芽山で五犬士が集結したのですが、

管領・定正の軍勢に攻められ、五犬士は散り散りに……

犬田小文吾はいろいろありまして、

馬加常武(まくわり・つねたけ)という悪いやつに軟禁されてしまいます。

 

その屋敷へ冒頭説明しましたが、馬加を仇と狙っている

女田楽・旦開野(あさけの)こと、犬阪毛野様が乗り込んでくる、というわけです。

 

以下、

成金エロじじいの馬加が 今ちまたで評判のロリータアイドル 旦開野たんを呼んで

小文吾にみせびらかす、という そんなシーンです。

 

当下(そのとき)いと艶妖(あでやか)なる少女(をとめ)の、年は二八ばかりなるが、搨箔(すりはく)縫箔(ぬひはく)したる、六尺袖の表衣(うちぎ)に、雑色(いろいろ)下襲(したがさね)して、炷籠(たきこめ)たる奇南()()も、えならぬまでに、今の世にはいとめづらかなる帯の(うはも)めきて、幅広きを、(たて)ざまに、(むすび)なしたる、腰は風に(なび)柳の如く、姿は独立(ひとりたて)る花に似たり。色好みなる心もて今これを見たらんには、魂忽地(たちまち)天外に(とび)て、この君の為には、命も惜からずと思ふめれど、小文吾は(さが)として、声色を(たしま)ざれば、目前(まのあたり)(いで)て来ぬる、この少女をよくも見ず、こゝろの中には爪弾(つまはぢき)して、あらずもがなと思ひけり。

 

 (岩波文庫「南総里見八犬伝(三)」300ページより)

 

16歳の美少女、あでやかな衣装、なんなの、このいい匂いは……

ため息がでそうな名文ですが……

このシーン。

旦開野嬢……もとい毛野様の心理を追ってみますと……

「やった。馬加の屋敷に乗り込んだぞ」

「よし。ロリコン馬加たぶらかし作戦完了。

今晩中にも馬加一家皆殺しにしてやる。わくわく」

「え……まって、

なに、あの大男(小文吾のこと)。

新入りの用心棒???」

「しかも……土気??

こいつ、八白土星??」

「や、やばい……

お、犯されるぅぅ……」

(土剋水、小文吾・剋・毛野なので……)

 

旦開野嬢の心中はこんな感じだったはずです。

華麗に踊ってますが、心中おだやかではない。

が、

ここで重要なのは 小文吾君の中二男子っぽい反応です。

「少女をよく見もしないで、心の中で チッとおもっていた」

トマス的に……というか、五行的にみると、これが最重要ポイントです。

 

「ん。まてよ。

お、犯されるぅぅ……

――とか、おもったけど、

このデカぶつ(小文吾)、案外ウブじゃん。

あたし(絶世の美少女)とろくろく目も合わせないでやんの」

「この新入り、ひょっとして中二レベル??」

「よし。たぶらかしてやれ」

 

この短い一説に隠されているのは、以上のような「土気」と「水気」の戦いです。

本来ならば「水気」は「土気」に勝てるはずはないのですが、

その「土気」が案外ウブで、色仕掛けに弱い、ということを

お利口な毛野様は見抜いてしまった。わけです。

 

なので、以下に続く かんざし攻撃。ラブレター作戦(和歌を送る)は

苦手な土気(小文吾)のパワーを弱めようという作戦。

 

さらに小文吾を狙った馬加側の刺客を かんざし手裏剣で殺す、という強烈なシーンもありまして

冒頭紹介しましたラブシーンへとなだれこみます。

 

「その疑ひは(ことわ)りながら、(さき)にわらはが(うち)かけて、おん身の(あた)撃留(うちとめ)たる、花釵児(はなかんざし)を見給ふても、心は大かたしられもせんに、物いはぬとて相見(あひみ)たる、夏野の女郎花(をみなべし)、結ぶは露の(たま)櫛笥(くしげ)、ふたゝびこゝにあはんとて、神をかけ()に流したる、木の葉に示せし水茎(みづくき)の、深き思ひを今さらに、知らず(がほ)なる薄情(うすなさけ)、とても(かな)はぬ恋ならば、(せめ)ておん身の手にかゝりて、(しな)んとまでに覚期(かくご)して、来つるを不便(ふびん)と見給はずや。心つよし。」と(ゑん)ずれば、・・・ 

(同書313ページより)

 

「あん。どうせかなわない恋ならば いっそ殺して!!」

で締めくくられる

旦開野嬢(毛野様)の名セリフですが……

注意深い読者ならば。このセリフが「水気」だらけなのを見抜くことでしょう。

 

「露の玉櫛笥」「樋に流したる」「水茎」

びしょびしょの「水気」だらけのセリフで 「土気」小文吾を圧倒します。

 

これで苦手な「土気」を完全に弱めた毛野は

馬加一家虐殺作戦を実行にうつすわけです。

 

□□□□□□□□

これだけだと、論理が強引なような気もしますので、

一点だけ補足。

 

それは

毛野の仇、「馬加」という名前。

これも馬琴先生のこまかい計算がうかがえます。

 

なぜなら、

馬=午=火気

だからです。

 

お昼の十二時を「正午」といいます。

火気の一番盛んな時間なので 「馬・午」の時間なのです。

あるいは

一年で一番火気が盛んな真夏は六月(旧暦です)

六月は 午の月なのです。(一月・寅 二月・卯 三月・辰……六月・午となります。これも旧暦)

ようするに馬は火気の動物。

 

つまり、

水剋火……

犬阪毛野(水気)・剋・馬加常武(火気)

という裏のイメージがあるわけです。

もう、名前からして、毛野に一家皆殺しにされるしかない運命だったわけです。

 

馬加さんの敗因は

トマス・ピンコのブログをきちんと読んでいなかったから。

ということになります。

 

気学で読み解く「晩春」(小津安二郎監督)その1

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はぁ……また、気学……

一白水星とかなんとかいってる、アレ……

 

トマス・ピンコの野郎、へんなオカルトにはまっちゃって……

そのうち「ぼく、占い師になる!」とか言い出すんじゃないの??

 

――とかお思いの方もいらっしゃるのではないか

と思うのですが、

本人は大まじめだったりする……

(すみません)

 

小津安二郎×野田高梧は、最高傑作「晩春」(1949)のシナリオを創造するにあたって

気学を応用したんじゃないのか――

以下、そんな推測です。

 

□□□□□□□□

九星というのは、それぞれの年を支配している星がある、という

東洋流の占星術みたいなヤツなんですが……

この星、「年」だけじゃなくて 

「月」「日」「時間」もそれぞれ支配、というか、影響をおよぼしていたりする、らしい。

 

早い話。本日 西暦2017年12月8日 というのは、

2017年(平成29年)→一白水星

12月→七赤金星

8日→五黄土星

という風になっているのです。

(これは暦をみてもいいし、インターネットで計算してくれるサイトもあります)

つまり、今日は「五黄土星」の日。です。

 

で、わたくしが最近読んでいる

波里光徳編「気学問答集」というのをみると、

それぞれの星の日に何が起こる、どういう人が訪ねてくるとかいうはなしが書いてあるわけです。

(ちなみに、「五黄の日は、どんよりとした曇り空か、天候が変化して大荒れとなる事がある」とか書いてあって、

関東地方ではけっこうあたっていたりします)

 

まあ理屈はこのへんでいいや。

具体的に「晩春」を気学で読み解いてみましょう。

 

□□□□□□□□

気学的に見ますと、

どうやら「晩春」の最初の日は

a,三碧木星の日

であったらしいのです。

 

三碧木星の日には、どんな人が訪ねて来たり、どんな話が出たり、又どんな事が起こったりするか?

1、若者が訪ねて来る。

2、電気屋が来る。

3、行商人や勧誘員がやって来る。

4、珍しい話が持ち込まれる。

5、新しい考えの話題が出る。

6、快晴の日が多い。

(東洋書院、波里光徳編「気学問答集・第一巻」32ページより)

 

と、波里光徳先生の本に書いてあります。

で、「晩春」をみますと……

 

S4

紀子「でもブーちゃん、縞のズボン穿いたらおかしかない?」

まさ「なんだっていいのよ、膝から下切っちゃって、どう?」

 

叔母のまさ(杉村春子)が、 紀子(原節子)にむかって

叔父さんのズボンを 半ズボンに仕立ててくれ、と頼んでいます。

 

けっこう奇抜なことをいってます。

「珍しい話」「新しい考え」……三碧木星……

 

((*´Д`)ハァハァ……原節ちゃん………………………)

 

同じころ、

曾宮家では……

S9

助手の服部さん(宇佐美淳)が、

東大教授の周吉(笠智衆)の原稿の手伝いをしています。

 

若者が訪ねて来る……三碧木星……

 

そして、これが決定的です。

声「電灯会社です、メートル拝見します」

周吉(書きつづけながら)「ああどうぞ」

声「踏台貸して下さい」

 

あとになってこの電気屋さんがゲーリー・クーパーに似てるとかいう話題の伏線になるのですが、

いやそんなことよりも……

 

「電気屋が来る」……

 

もう、決定的です。

「晩春」で描かれる最初の日は、まさしく三碧木星の日なのです。

 

では次の日は……

b,四緑木星の日

四緑木星の日には、どんな人が訪ねて来たり、どんな話が出たり、又どんな事が起こったりするか?

1、縁談が持ち込まれる。

2、遠方から人が来る。

3、建具屋が来る。

4、道に迷ったりする。

5、風が吹く。

(同書33ページより)

 

S21

紀子(通りすがりに気がついて)「小父さま――」

小野寺「あ、紀ちゃんか――」

紀子「いつ出ていらしったの?」

 

周吉(笠智衆)の親友の小野寺(三島雅夫)が京都からやってきます。

遠方から人が来る……まさしく四緑木星の日です。

 

(↑↑……というか、ものすごい構図のショットだな……)

 

S26

その夜。

小野寺が曾宮家を訪問。

その会話。

 

小野寺「ここ、海近いのかい」

周吉「歩いて十四、五分かな」

小野寺「割りに遠いんだね、こっちかい海」

周吉「イヤこっちだ」

小野寺「ふウん――八幡様はこっちだね?」

周吉「イヤこっちだ」

小野寺「東京はどっちだい」

周吉「東京はこっちだよ」

 

完全に迷子……

「道に迷ったりする」……まさしく四緑木星……

こわいくらい気学の教え通りになっています……

 

次は

c,五黄土星の日

五黄土星の日には、どんな事が起るか?

1、古い問題や古い友人の話が出たり、古い病気が再発したりする。

2、腐った物や毀れた物を持ち込まれたり、届けられたりする。

3、納豆・酒粕・味噌・甘い物を買いに行ったり、貰ったりする。

4、五黄の日は、どんよりとした曇り空か、天候が変化して大荒れとなる事がある。

(同書33ページより)

 

S31

杉村春子のうちで、

笠智衆、杉村春子の兄妹の会話。

まさ「だって、あたしなんか胸が一ぱいで、お色直しの時おムスビ一つ食べられなかったもんよ」

周吉「今なら食べるよお前だって」

 

まさ叔母さんの結婚当時のはなしなので

古い問題……

 

で、決定的な「五黄」要素は……

 

S34

曾宮家で……

 

周吉「叔母さんとこで奈良漬貰って来た、カバンにはいってる」

 

で、その奈良漬けをカバンから取り出す原節ちゃん。

ん、

奈良漬……

奈良漬??

酒粕使いますよね。もちろん。

 

まさしく、

「納豆・酒粕・味噌・甘い物を買いに行ったり、貰ったりする」

 

(原節ちゃん祭、開催中!!……)

 

「五黄土星」は腐敗とかの意味があり、

そこから発酵食品全般につながります。

(納豆、酒、味噌、チーズとかもそうだろうな)

 

今までずっと「奈良漬」は謎だったのですが……

まさか、五黄土星と関係があるとは……

 

しかし、「五黄」これだけで終わりません。

 

S37

笠智衆・原節子父娘の なんともうらやましい夕食風景ですが……

 

周吉「叔母さんがね、どうだろうっていうんだけど……」

紀子「何が?」

周吉「お前をさ、服部に」

 

 

紀子、途端に吹き出しそうになり、茶碗と箸を置いて、笑いを忍ぶ。

周吉「なんだい?」

紀子「お茶……お茶頂戴……」

周吉(お茶をついでやりながら)「どうしたんだ」

紀子「だって、服部さん、奥さんお貰いになるのよ、もうとうからきまってるのよ」

周吉「――そうか……」

 

笠智衆&杉村春子は

宇佐美淳と原節子を結婚させようとしますが……

(どうして今までこの縁談をおもいつかなかったのか??――灯台下暗しというやつか??)

 

服部さん(宇佐美淳)はもう別の人との結婚が決まっています。

はい。「五黄」してます。

腐った物や毀れた物を持ち込まれたり、届けられたりする。

というわけ。

 

ただ、そのあとのシークエンスは、なんとも切ない感じ。

 

紀子(原節子)&服部さん(宇佐美淳)は、

タイミングさえよければ結ばれていたはずのカップルだったようなのです。

 

S41

ヴァイオリンリサイタルの会場。

紀子を誘ったのですが、断られた服部さん。

 

 

S42

丸の内を歩く紀子のすんばらしいショット。

 

(これはロケ、だよね?? 丸の内??)

 

どれもこれも毀れたもの、毀れたはなし、というわけです。

 

「晩春」のこのあたりのシーンを構想している小津安二郎の頭の中に――

 

水久保澄子たんの姿があったかどうか??

(「非常線の女」より↓↓)

 

それはわかりません。

 

五黄おわりまして

d,六白金星の日

です。

 

六白金星の日には、どんな人が訪ねて来たり、どんな話が出たり、又どんな事が起ったりするか?

1、弁護士・計理士・僧侶の話が出たり、又それらの人々が訪ねてきたりする。

2、大きな話が持ち込まれる。

3、投資・特許・発明などに関する事が起こる。

4、政治の話が出る。

5、競輪・競馬の話が出たり、又それらに出掛けたりする。

6、快晴の事が多い。

(同書34ページより)

 

S47

親友のアヤちゃん(月丘夢路)が鎌倉に遊びに来ます。

 

アヤ「あ、クロちゃん来なかった。あの人今これなんだって、ラージーポンポン。七か月……」

紀子「ふウん、あの人いつお嫁にいったの?」

 

妊娠のことを「ラージポンポン」といいます。

おなかが大きい。

「大きな話」

 

バツイチのアヤちゃんと、未婚の紀子の会話です。

 

紀子「あんた、まだヒット打つつもり?」

アヤ「そうよ。第一回は選球の失敗だもの、今度はいい球打つわよ。行っちゃいなさい、あんたも早く!」

おわかりのとおり、結婚のことをいってます。

なんというか、結婚=ギャンブルみたいな口ぶりです。

「競輪・競馬の話が出たり、又それらに出掛けたりする」

 

もちろん、小津ファンならば誰でもご存知の通り、

「麦秋」のアヤちゃん(淡島千景)は、

「幸福なんて何さ! 単なる楽しい予想じゃないの! 競馬にいく前の晩みたいなもんよ」

と断言しております。

 

六白金星 まだ終わりません。

 

アヤ「ジャムない?」

紀子「ある」

アヤ「持って来て、少し」

紀子「どっさり、実は」

アヤ「そう」

 

どっさり……

また、「大きな話」です。

 

以上、なんか長くなりそうなので七赤金星以降は次回。

 

今日のところを要点だけまとめますと、

a,三碧木星の日→若者、電気屋さん

b,四緑木星の日→遠方から人が来る、迷子になる。

c,五黄土星の日→発酵食品(奈良漬け)、毀れた話。こわれたカップル。

d,六白金星の日→大きな話。ギャンブルの話。

 

というわけです。

で、これがことごとく「晩春」のシナリオにあてはまっているわけです。

 

どうでしょう?

どう考えても、野田高梧×小津安二郎は気学を応用したとしか思えんのですが……

 

その2につづく。

トーハクの庭園・六義園・ハゼノキの紅葉(2016年11月25日)

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こんばんは。

タイトルの年号間違えていません。

2016年、去年の画像をペタペタ貼っていきます。

 

去年はトトやんが天国へ行ってしまった直後で

ブログとかやる気にならなかったのを思い出しました。

 

でもせっかく撮ってもったいないので今のタイミングで貼ります。

 

――あと

今年はもう終わり、だとおもいますが、

来年、東京の庭園に紅葉見にいくのになにか参考になるかな、と。 思いまして。

 

まず上野の東博子さま……トーハクの庭園です。

 

イチョウ。

 

毎年撮ってるモミジ&東博子さん。

 

お池を望遠ズームで撮るとサイケデリックです。

 

 

 

LSDだのなんだの

あやしげな薬品に頼らなくても……

 

世界は美しい、ということでしょう。

 

 

 

ユリノキ。

今年 11月24日トーハク行った時は

ユリノキの葉っぱ ほとんど落ちてましたので

今年は紅葉が早かったということか。

 

 

□□□□□□□□

で、六義園。

はじめて行ったのですが、

あまりの人の多さに驚きました。

 

↓↓この橋。

紅葉+池+雰囲気のある橋=いいじゃん!!

とか、おもったのですが、

たえず人が行列してる写真しか撮れない。

 

↓↓待ちに待って、これです。

左端にお姉さんの足が写ってる。

 

 

 

↓以下、人気のあんまりない写真が続きますが、

がんばって人のいないタイミングを狙って撮ったので……

 

ほんとは人間だらけの場所でした。

しかも洋の東西を問わず、いろいろな国の人がギャアギャアわめいてました。

 

うん、でもきれいな場所で……

 

元気いっぱいだったころのトトが

ふいにチョロチョロ駆けてきそうなそんな気がしたのを覚えています。

 

 

しかし、ハゼノキがすんばらしかった……

 

 

自分の中では

六義園=ハゼノキ

です。

 

 

 

天然の影絵 というか、なんというか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ハゼノキ様をひととおり撮り終わって――

 

 

で、さっきの橋 (なんか名前とかあったような気がするが……)

に戻ると、

 

人気がなくなっていたのですが、

(オバサンがちらっと写ってるが)

 

光線が……

さっきのキラキラ光線がなくなってました。

 

 

 

で、この直後、有名なイルミネーションがはじまったのですが、

 

――写真撮ったのですが、どれもブレブレで使い物にならず。

 

僕は

「レンズいいやつ使ってるし、撮れるだろ」

とかおもったのですが、無理。

 

やはりイルミネーション撮るには三脚必須のようです。

気学で読み解く「晩春」(小津安二郎監督)その2

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その2です。

えー

重大な論理の欠陥に気づいてしまいました……

 

「晩春」なのですが……

広津和郎「父と娘」なる短編が原作なのですね……

 

ということは、「気学に凝っていた」のは広津和郎なのか??

 

さっそく、

原作を読んでみようとおもったのですが、「父と娘」 どうも全集に収録されていないらしく――

読みたくても読めない。(国会図書館へでも行けば別??)

 

逆に言えば、その程度の……

全集に収録されないレベルの作品なのか??

 

しかし、

「晩春」――「父と娘」とまったく別モノ

というのをどこかで読んだおぼえもあるし……(広津がそう書いていた)

ああ、わからん。

ああ、じれったい。

□□□□□□□□

もとい、

ようするにトマス・ピンコの野郎がなにを考えているのか? というと、

 

野田高梧×小津安二郎コンビは

シナリオ書きの土台に「気学」を使ったのではないか? という推測なのです。

 

前回、みましたが……

「電気屋さん」という登場人物は 「気学」の三碧木星から着想を得たとしかおもえませんし

(三碧木星は「易」でいうと、☳・震。これは雷です。電気ビリビリです)

「奈良漬け」という小道具も 五黄土星からきているのではないか としかおもえない。

しかも 語られる物語は 

なんとなく好意を持っていた

紀子(原節子)&服部(宇佐美淳)のカップルの関係が終わる。

毀れる。

といういかにも五黄の作用です。

(五黄=破壊、腐敗の意味)

 

これはどう考えても「気学」でしょう??

 

この「気学」要素が広津の「父と娘」由来のものなのか?

それとも野田×小津のオリジナルなのか??

 

他の紀子三部作

「麦秋」「東京物語」をこまかく見ていけばあきらかになるか?

ともおもうのですが……

今「八犬伝」読みたいんだよな~

 

□□□□□□□□

 

もとい、つづき。

〇七赤金星の日

 

 

七赤金星の日には、どんな人が訪ねて来たり、どんな話が出たり、又どんな事が起ったりするか?

1、少女が訪ねて来る(七赤は兌の少女)

2、食物や金銭の話が出る(七赤は兌の口、兌の金銭である)。

3、遊びや宴会の話が出る。

4、異性関係の話が出る。

5、天候は快晴でない事の方が多い!

(東洋書院、波里光徳編「気学問答集 第一巻」34~35ページより)

 

これもすごいです。

「晩春」のシナリオ、こわいくらい「気学」してます。

 

S50

紀子(原節子)はまさ叔母さん(杉村春子)の家に遊びに来ています。

紀子「ブーちゃん……」

勝義「……」

紀子「ブーちゃん、どうして野球しないの?」

 

勝義「乾かないんだよゥ、エナメル」

紀子「何のエナメルさ」

勝義「バットだよゥ」

紀子「ああ、赤バットにしたのね」

 

はい。もうおわかりですね。

赤バット→「赤」→七赤金星

 

でも、これでは終わりません。

エナメルが妙に気になったのでかんがえてみた。

 

……すると、わかりました。

エナメル→七宝!!

「七」ですよ、奥さん……

 

 

(↑女性の足、ストッキング、汽車ポッポ……小津・ヒッチコック 東西の両巨匠がそろって足フェチだとは……)

 

さらに恐ろしいのはこれ↓↓……

 

ブーちゃんの背中に

1……6……

 

深読みしすぎ??

なんでしょうか??

 

1+6=7

7!!

 

はい、おつぎ。

〇八白土星の日

 

 

八白土星の日には、どんな人が訪ねて来たり、どんな話が出たり、又どんな事が起ったりするか?

1、仲介人・周旋人・相続人・肥った人・強欲な人が訪ねて来る。

2、継ぎ合わせた物や積み重ねた物を買ったり、持ち込まれたりする。

3、天候は変わり易い!

(同書35ページより)

 

(もう!! 足の裏を写すぅぅ……)

 

まさ叔母さん(杉村春子)が紀子(原節子)にお見合いを勧めます。

 

S52

まさ「ううん、ね、あんたもそろそろお嫁に行かなきゃならない時だし……」

紀子「ああ、そのこと? いいのよ、叔母さん」

まさ「よかないわよ、おすわんなさいよ」

紀子「――?」

まさ「実はいい人があるんだけど、一度あんた会ってみない?」

 

結婚の仲介

さらに……

お父さん(笠智衆)にも縁談がある、という……

 

まさ「あの人も、いいお宅の奥様だったんだけど、旦那さま亡くして、子供さんもいないし、気の毒な人なのよ。ねえ、どうかしら? ――しっかりした人だし、好みもいいし……」

 

継ぎ合わせた物や積み重ねた物を買ったり、持ち込まれたりする。

……というやつなのでしょう。

 

 

そして

S67

アヤちゃん(月丘夢路)の豪邸で

ショートケーキが登場します。

 

どこかで買って来たのではなくアヤちゃんお手製のもの。

アヤ「ちょいと手が放せなかったのよ。ショートケーキこさえてたの。バニラ少し入れすぎちゃった。でもおいしいわよ」

(背景にちらっと写っている東郷青児の絵。たぶんホンモノでしょう。小津作品ですから……)

 

はははは。

ショートケーキ=積み重ねた物。

 

小津×野田コンビのしこんだ暗号、すごいです。

 

ショートケーキ=三輪さん(三宅邦子)

というわけですか。

 

いや、考えてみるとアヤちゃんもバツイチか……

継ぎ合わせた物や積み重ねた物……

 

 
となると、「麦秋」のショートケーキシーンも気になってきますが……
まあ、それはそのうち分析しましょう。

 

奈良漬けといい、

さっきのエナメル(七宝)といい、

ショートケーキといい、

小津作品に登場する小道具類はすべて、なにか暗号を秘めているんじゃないか?

そんな気がします。

 

おつぎ。

〇九紫火星の日

 

九紫火星の日には、どんな人が訪ねて来たり、どんな話が出たり、又どんな事が起ったりするか?

1、火災保険の話が出たり、勧誘員が来たりする。

2、警察の呼び出しがあったり、臨検があったりする。

3、税務の話が出たり、税務署の調査があったりする。

4、学者・知者が訪ねて来たりする。

5、天候は快晴の事が多い! 時には九紫の裏の一白の雨の事もある!

(同書35~36ページより)

 

S74

鶴岡八幡宮の境内にて

お巡りさんが登場します。

警察の呼び出しがあったり、臨検があったりする。

 

 

S75

ニヤニヤしてる原節子。↓↓

お見合い相手の佐竹さんが相当にいい人だったらしいです。

 

マニアックなことを書いてしまえば、S67 ショートケーキのシーンと一緒に撮ったんでしょうねえ。

原節ちゃんの体の角度といい、背景の位置といい、ほとんど同じですね。

(ほんのちょっと違うのがおもしろい。S75のほうがレンズと被写体の距離が近い)

 

注目したいのは「ゲーリー・クーパー」

 

アヤ「その電気屋さんクーパーに似てる?」

紀子「うん、とてもよく似てるわ」

アヤ「じゃその人とクーパーと似てるんじゃないの! 何さ!」

 

「クーパー」続きます。

いや、クーパーというより重要なのは「クー」です。

S76

まさ叔母さんは 佐竹さんのことを「クーちゃん」と呼ぶことにする、とかいってます。

 

まさ「そうなのよ、だからあたし、クーちゃんと云おうと思ってるんだけど……」

周吉「クーちゃん?」

 

以前、僕はこの「クーちゃん」をこのように分析したのですが……

①小津作品において 「食べる」「食う」(クー)行為は 家族同士でしか行われない。

→すなわち佐竹(クーちゃん)と紀子は結婚するという暗示。

②「食べる」「食う」(クー)は性的なメタファーである。

→これまた佐竹(クーちゃん)と紀子の結婚を暗示。

 

さらに三番目の理由も出てきそうです。

③「クーちゃん」の「クー」は九紫火星の「九」である。

 

まったくどこまで凝ったシナリオなのでしょうか、「晩春」は…………

 

今回はここまで。

まとめますと、

〇七赤金星の日→赤バット、エナメル(七宝)

〇八白土星の日→縁談がもちこまれる。積み重ねた物(ショートケーキ・三輪さん)

〇九紫火星の日→お巡りさんの登場。クーちゃん。(食う、九)

 

その3につづく。

やっぱりダサい(?)バズリクソンズMA-1スヌーピーパッチ (BR13621)

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真実をみとめるのに時間がかかることがある。

とくに苦い真実の場合は、だ……

 

僕は何を言いたいのだろう。

ようするに、ようするに……

 

スヌーピーパッチのあまりのかわいさに

アメ横のヒノヤさんで

ついつい買ってしまった Buzz Rickson's TYPE MA-1 (BR13621) は、

やっぱり失敗だったのではないか?

というおはなしです。

 

――もとい、

 

はっきり書いてしまいましょう。

↓↓どこからどこまでもかっこいいA-2ジャケット(BR80367)と比べると 歴然としているのだが……

(これもヒノヤさんで買った)

 

 

×↑↑釣り鐘型のドスンとしたシェイプはもうどうにもならない。

×↑↑太い、かぎりなく太い腕もどうにもならない。

×どうしようなくスタイルがよくて何を着ても似合うあなたなら、

なんなく着こなせるでしょう。

×あと、デブ……失礼、ぽっちゃり系のあなたもなんなく着こなせるでしょう。

 

ようするにこれはもう、自分にはどうにも着こなせないという悲しい事実に、

購入後一年経ってようやく気付いてしまったのです。

 

だいたいね、あーた。

 

バズリクソンズのカタログとか フライトジャケットを紹介する雑誌とかに、のってる

↑↑こういう写真が問題ですよ。

 

マリリンさん達が着てるのはMA-1ではなくて B-15Cらしいのですが、

こういう写真を見て、

「きゃーフライトジャケットかっこいい! ボーナスも出たことだし、買っちゃいましょ」

とかおもっちゃったあなた。

ちょっと冷静に考えてみて。

 

①マリリン・モンローは何を着たってかっこいい。

②右側のお兄さんですが、

飛行場+戦闘機+ヘルメット+ごついベルト類+美女

こういう小道具があるからかっこいいのだ。

 

街中でこの格好で歩いてみな、絶対見られたもんじゃないから。

 

以上、なんかバズリクソンズ・東洋エンタープライズ様を完全に敵にまわした感じの記事ですが……

そのためにバズリクソンズ様は、スレンダータイプのMA-1を用意していらっしゃるのだろうとおもいます。

 

なので、結論。

ものすごくスタイルがよいわけでも

おデブでもないあなた。

スレンダータイプMA-1を買いましょう!!

 

□□□□□□□□

以下、バズリクソンズ MA-1 の素晴らしい点を見ていきます。

さんざんけなした後なので 説得力ゼロですが……

 

◎ナイロンの質感が素晴らしい。

◎セージグリーンの色味も素晴らしい。

 

ナイロン=安っぽい

という印象があったのですが、この生地見て、その印象は吹き飛びました。

ナイロン=人絹

なのですね……

人工の絹なのですね……

 

カタログには

2/2 HEAVY NYLON TWILL などと書いてあって正直どういうものか、よくわからんのですが、

とにかくこれはただならぬ光沢です。

 

◎あったかい。

 

MA-1 ってのは、アメリカ空軍の分類では

「インターミディエートゾーン」という分類に入るフライトジャケットなのですが、

 

気温10℃~マイナス10℃ に対応しているらしく……

関東地方に住んでいる限り、これで真冬も余裕でカバーできます。

 

というか、正直、

若干オーバースペックかもしれません。

自分は、1月末~2月中旬 のほんと寒い時期だけ使う。という感じです。

 

 

◎コーツ&クラークスジッパーの質感。

これはなんでしょう。

ごっついジッパーの質感。

これはなんとも表現のしようが……

 

なんか大昔のSF映画に出てくる装置、みたいな重厚感を感じさせます。

 

 

 

 

◎ひょっとして大戦モデルとなら合うのではないか???

 

えーさんざんダサいダサい

けなしましたが……

 

同バズリクソンズ

M43019 というリーバイズ大戦モデルのレプリカがあるのですが↓↓

 

これまたお尻といいあんよ部分といい 太くてけっこう不格好なので(!!)

これとなら似合うのではないか(??)

とかおもって、MA-1 着るときは こいつをはいております。

 

「え? なんですか?

僕はブカブカ 太いお洋服が大好きなんですけど」

という感じです。

……

……

……ま。個人の趣味なので、参考にはしないでください。

 

◎とにかくスヌーピーパッチがかわいい。

はい。いいんです。

ダサかろうが不格好だろうが いいんです。

スヌーピーパッチがかわいいのだから、いいのです。

 

はい。この服は観賞用なのです。

ほとんど着ません。 眺めてるだけでいいんです。

 

あと……

何十年か後、お爺ちゃんになったら、

あんがいこういう服が似合うようになるかもしれない、とかおもってまして……

 

たぶん、この服は手放さないだろうなー とおもいます。

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