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1/24ナイト2000を作ってみることにした。その2

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長いこと使い道がわからなかった

イリ―のカフェポッドの空き缶…


どことなくかっこいいし、

なにかに使えそうなので捨てるに捨てられなかった

Made in Italyの、

あの空き缶が、ようやく役に立つ日がやってきました。


そうです。


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工具入れとして活躍しております。

ヤスリとかニッパーとか筆とか突っ込んでおります。


あと…ちいさいパーツを入れるのには、

釣り道具ケースを使っております。

これは…ルアーか釣り針かなんかいれるんでしょうかねぇ…

釣りやらないのでわかりません。


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アキバのヨドバシでタミヤ製のディスプレイケースを購入。

ちなみにプラモ売場から離れた場所に…

なんかすこぶるわかりにくい場所に陳列されておった。

これもなぜだかよくわかりません。


横浜のヨドバシだとモデルカーコーナーあたりにちゃんとあった気がする。


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コンパウンド…


という歯磨き粉みたいなやつでクリアパーツ(窓の部品)

を磨きます。


タミヤ製の3種類のコンパウンドを買いました。

あと、コンパウンド用クロスというのも買いました。

商売うまいよな、タミヤ。


ぼくが小さいころはコンパウンドというと一種類しかなかった気がする。

クロスなんていう立派なものもなかった。はず。

今はほんと道具類が充実してますなぁ。


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あと、ボディも磨きます。

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シャシーは塗装する気がないので、さっさと組み上げます。

メッキパーツはアルテコで強引にくっつけます。

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…んで、いよいよボディの塗装というわけで、


エアブラシ君の登場。

使うのは一年ぶり。


というか、きちんと塗装に使うのははじめて。


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……


ん…だが、


みなさん、お待ちかね(?)の、

このお方が登場されます……


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くんくん…


じゃないよ。まったく。

一体なにをする気なんだね!?

そこの君ぃ~????



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女体を征服することにした。その1

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…うう、なんというタイトルであろうか。

アメーバ様に「こら」と怒られたりはしないだろうか。

ビクビクものである。
あーこわいこわい。


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なんのことはない、各方面からつっつかれて

筑波山に再挑戦したのであります。

↑こんな山です。


10月31日、天気、あいにくの曇り。

あらかじめ言っておきますが、

天気のせいでたいした写真は撮れませんでした。

全部天気のせいです。僕の腕のせいではないのです。


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大鳥居近辺からの風景。


そうそう、僕の行った日の翌日。11月1日は、

御座替祭(おざがわりさい)なる筑波山神社の祭礼があるらしい。


↓「神輿御休所」というのが設置されていた。

その他神社ではお祭りの用意がされていたようだった。


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神社の写真は前も載せましたが…

今回は広角ズーム持っていきましたんで

ちょっと画像の雰囲気が違うのではあるまいか、と。



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神社のお参りをしてから、

女体山の登山口を目指します。


先月の記事から繰り返しになりますが

筑波山は

男体山(標高871m)

女体山(標高877m)

この二つが連なっているわけです。


で、前回僕が、完全に降参してしまった


ジャングル踏破地獄道



は、男体山の登山口から登る「御幸ケ原コース」というものでありました。


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あやまちを繰り返す気はありませんので、

今回は迷わず女体山を目指します。


ちなみに神社の西側…ケーブルカーの駅近辺が男体山の登山口。

神社の東側をずんずん進んでいくと女体山の登山口に出ます。


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はい、みなさん。

ここが女体の入口です。


以降、ちびちび更新していきます。

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女体を征服することにした。その2

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↓女体山登山口から下界を見下ろします。

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なるほど、男体山に比べるとやけになだらかです。

歩いて15分ほどで「酒迎場分岐」という分岐点に到着。


そこから「白雲橋コース」と「迎場コース」というのに

分かれるんですが、ここは迷いなくなだらかな「迎場コース」を選択します。


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楽。…前回の地獄道から比べると、ホント楽。

森のなかの散歩という感じです。

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「つつじヶ丘まで300m」

あっという間に、

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視界がひらけてきて、


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つづじヶ丘に到着。

女体山の登山口から、のんびり歩いて45分ほどかかりました。


なんかロープウェイとかあったりして、

イバラキらしからぬおしゃれな雰囲気です。

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なんか「高原」っぽい空気を醸し出しちゃっています。


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キリンさんもいるし、ね。

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ここで休憩という手もありますが、

休まず、女体のてっぺんを目指します。


あと1.8km。

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眺めが良い。

これも男体山では期待できなかった点です。


しかし…天気がいい日に来たかったものです。


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ぽつぽつ紅葉している木があります。
紅葉シーズンはメチャクチャ混むらしいので、

わざとはずしました。


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ここまでのところ調子よく登ってますぞ。

ただ…空がどんより曇ってきたんですが………

羽二重餅騒動に関するご報告

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いやぁ、羽二重餅である。

この、福井だか金沢だか、あのあたりの特産のお菓子であるらしいのだが、

これがまた大変な騒動を巻き起こしてくれたわけです。

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ことの発端は、うちの玄関にこの(↑)羽二重餅が

落っこちていたことにはじまります。

どうやら僕の乳が…じゃなかった父が、

職場の同僚からもらってきたのをポケットに入れたままにし、

そのまま、カギやら財布やらを玄関でがさごそやったために

玄関にこの羽二重餅が落ちてしまったらしい。

だが、そのあたりの因果関係はどうでもよいのです。


重要なことは、この玄関に落ちていたお菓子を僕の母が食べた結果、

「まぁ、おいしいんじゃない」という程度ではなく、

「なんなの、これ?え?なんですか?え?え?一体これはなんなの?」

という程度の、

ま、一種のカルチャーショック的な衝撃を与えてしまったということです。


で、けっか、

「これはたくさん取り寄せてたらふく味わってしまおう。ウヒヒヒ」

ということになるのは、当然のなりゆき。

急性羽二重餅中毒になってしまった母は息子を

…つまり、僕を「これ、参れ」と呼びつけたわけです。


「これ、息子、この銘菓をインターネットとやらでただちに取り寄せなさい」

「はい。この…羽二重餅、ですか」

「そうじゃ、早う、とりかかりなさい」

「はい。して、手掛かりは?」

「ぬ。手掛かりとな」

「ええ。ですから、生産している会社の名前ですとか、住所ですとか、ホームページのアドレスですとか…」

「ぬ。そんなものわかるか。あるのはこれだけじゃ」

と、羽二重餅の包み紙をポンと投げて寄こしました。

「ん…これはなんと読むものでしょうか、母上…」

「林…内…リンナイ製菓…であろうかの??」

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まあ、すこぶる頼りない情報だという予感があったわけなのですが、

日頃、生活費など一銭も家に入れずに完全パラサイト人生を送っていることに

引け目をちょっと感じていることもあったりした僕は

仕方なしにググってみることにしました。

結果は、案の定、わからない。

やってみればすぐにおわかりいただけるが「林内」とやったりすると

ガス器具の会社のリンナイの情報ばっかりゲットできてしまうのである。


「母上、まこと申し訳ありませぬが」

「ぬ」

「これだけではやはり皆目わかりませぬ」

「左様か」

「ここはひとつ、例の『リンナイ』にはこだわらず、別の製菓会社のものをお取り寄せになればいかがか、と…」

「ぬ」

「どうやら、松岡軒とやら申す菓子店が、『うちは元祖羽二重餅である』などと主張している模様でございます。母上にはぜひこの羽二重餅をご賞味いただければなどと愚考いたしまする」

「ぬ」

「拙者が悪いのではございませぬ。この『リンナイ』とやらが、あまりに商売っ気がないのが悪いのでございます。普通はですね…」

「ぬ」

「普通は個別包装のパッケージに会社名だの住所だのをちょっとくらいは印刷しておくものでございます。しかるに、この包装のそっけなさときたら」

「ぬ、ぬ…」

「ですから…」

「もうよい。その松岡軒とやらの製品を取り寄せなさい」

「ははっ」

「だが…だが…」

「は?」

「手に入らぬ、となると、余計に欲しくなるものじゃの…」


え~…

けっきょくドラ息子は役に立たない、と見切りをつけた母は、

自分で「リンナイ」の羽二重餅を探すことにしたようです。

まず、父の職場の同僚から、どこであの羽二重餅を買ったのかを

聞きだします。だがこれが…

「永平寺の売店」であったような気もするし、

「兼六園」であったような気もする。というやけにあやふやな情報。

そこで兼六園に電話をかけてみると…

どうもお役所で管理しているものらしく、特定の商品だの売店だのに

関する情報を教えるわけにはいかぬものらしい。

そこで観光協会とやらに聞けといわれる。

んで…

「リンナイの羽二重餅をさがしておるのじゃが」

「はい?リンナイ?」

「リンナイじゃ。リンナイ製菓…知人が兼六園で購ったときいたのじゃが」

「…さあ??…(なんだろうね。と協会の姐さんが同僚に尋ねる)え?…え?…」

「なんじゃ?」

「あの、それは『林内』ではなく『竹内』ではないでしょうか?」


はい。…というようなわけで

ようやく探し求めているものの正体が判明しました。

「竹内製菓の羽二重餅」

その、観光協会だかなんだかに

兼六園内の売店、「寄観亭」(きかんてい)というのを紹介され、

そこからうちにその羽二重餅を送ってもらうことになりました。


で、僕が「楽天」で頼んだ、

「松岡軒の羽二重餅」

と同日に兼六園からの荷物も届いたことでありました。


「祝着至極にぞんじまする、母上」

「む」

「ネット社会だのなんだの申しましても、やはり電話ですな。世の中は電話で動いておりますな」

「む」

「いや、めでたい、めでたい」

「む…だが、ちと残念な気もするの」

「は?」

「電話でダメだったら、妾は直接、金沢、福井にまで旅に出るつもりであったものを……」


□□□□□□□□


食べた感想。


結論からいうと

羽二重餅は羽二重餅である。

どちらも、ま、大して変りませんでした。


違いを書いておくと。

「竹内」→個別包装。あっさりめの味。歯ごたえがある。黄色っぽい色をしている。

「松岡」→個別包装ではない。甘い。口の中でとろける。白い色。


しいていうと…竹内の方が好き。

松岡は甘すぎてもたれる気がする。

だけど、ネット通販で簡単に手に入らない、というので

竹内の点が甘くなっているのかもしれない。


そんなこんなで羽二重餅騒動は終わりました。


ゆりたんのすべて。その54

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うがぁあああ~~


と、今日も大騒ぎのゆりです。

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先日、新しくプリンタを買ったのですが、

さっそくこのお方のチェックがはいりました。

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ヤロー、このヤロー!

(やめてください。やめてください……)


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なんだ貴様は…

オレさまに断わりもなく…

(これはあなたの敵じゃないです……)

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これでもかっ!

これでもかっ!
(やめて~、お願いやめて~)


□□□□□□□□


そんな横暴なゆり王にも

かわいい時代があったのだ、と


ちょうど一年前に撮った写真を

振り返ってみました。


懐かしいな。


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なんとまぁ…


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ちいさなあんよ…

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おめめも青かったし…


時がたつのははやいものです。

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「赤坂」駅徒歩4分。「六本木」駅徒歩9分。「乃木坂」駅徒歩9分の6駅6路線利用可

女体を征服することにした。その3

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今回はなかなか順調です。

「つづじヶ丘」を越えると急にのぼりはきつくなってきますが、

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ところどころゆるい斜面があって、楽になります。

前回ふとももをつって、痛い思いをしたので、

いたわりながらの登山です。

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こころなしか、風景といい、植物といい、

男体山とは違って、やさしげな雰囲気です。

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あっという間に、

「女体山頂まで900m」

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と…ここで…


いわくありげな巨岩が姿をあらわします…

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「弁慶七戻り」

古来「石門」といい、聖と俗を分ける門。頭上の岩が落ちそうで弁慶も七戻りしたといわれています。


――うわ……

懐かし…


小学校の遠足でみた…たしか、みた…

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画像でこうやってみると、ホント落っこちてきそうですが…

あんがいがっちり食い込んでますよ。この岩。

ご安心を。


トトやんのすべて


だが、あらためて見ると…

「弁慶七戻り」って天才的なネーミングセンスだわね。


「行こうかな??」

「どうしよ、かな??」

とじたばたしている

弁慶・義経一行の姿が見えてくるようで…


トトやんのすべて


「どうぞどうぞ、ここは若さま、お先に」
「え!?オレ…なんでなんで??、弁慶お前先行けよ!」

「いえいえいえ…ここは若さま、皆に手本を」

「えー、やだよ~、なんでだよぉ~」

「どうぞどうぞ、さあさあ…」


という会話があったとか、なかったとか。

トトやんのすべて。その67

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さいきん、妙にじじむさい

トトやんです。


毎日ボォーッとしてます。


トトやんのすべて

先日も…


トトやんのすべて


あ…


トトやんのすべて

カマキリがいる。


トトやんのすべて


わぁ

カマキリだ。

カマキリだ。

遊びましょ、遊びましょ…

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遊びま…


…あれ…

トトやんのすべて


誰と遊ぼうとしたんだっけ??

トトやんのすべて

僕はなにをしようとしたのだろう??



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僕はどこから来て

どこへ行くのだろう??…

トトやんのすべて


命拾いをしたカマキリ君でした……


□□□□□□□□



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あいかわらずクンクンやってます……




女体を征服することにした。その4

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筑波山の女体(山)征服記録、その4でございます。


前回の「弁慶七戻り」から以降、

(ガイドブックの表現でいうところの)

「奇岩・怪石スポット」とやらに突入いたします。


これはあれですな…


次々に出現する怪石(モンスター)

をどんどんやっつけていき、

最後頂上にのぼりつめる…という

RPG的な感覚

なんでしょうな。


大昔の誰かさん…

エンターテイナー的才能を持った山伏だか坊さんだかが

考案したものと推測いたします。


ま、理屈はさておき。

岩です。


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「高天原」(たかまがはら)――

「神さまの世界」を意味し、天照大神(あまてらすおおみかみ)を祀る稲村神社があります。


ようするに馬鹿でかい岩の上に神社があって、

そこにお参りするためにでかい岩の周囲をぐるぐる

のぼったり下りたりできる…わけです。

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まあまあ楽しいです。

が、すこぶる被写体にしにくいシロモノです。


僕の持っていった28㎜-80㎜レンズでは

こんなのしか撮れませんでした。


超広角が必要だね、ここは。


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つづきまして…

「母の胎内くぐり」――

筑波山禅定(修験の行)の行場の1つ。岩を抜けることで、生まれた姿に立ち返ることを意味しています。


…ですってよ。


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潜ってみましたが、別にそんな気分はしませんでした。

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えー続きまして~…

トトやんのすべて

「陰陽石」――

高さ10メートルを超える巨大な岩が2つそびえ立ち、陰陽寄り添っているようにみえます。


…って、え?

とつぜんエロネタですか、あなた。

つくば市観光協会様。

「陰陽寄り添っている」って…え?…え?…

ものすごくエロいこと言ってない??


この平板な表現が

逆にウケる…



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んー…でも…「男」-「女」って感じじゃないなぁ…


これはどうみても…


マッチョホモカップルが

ガツンガツンぶつかりあっている様子にしか見えんのだが…


「陰陽石」じゃなくて、

「陽陽石」ですよ、これは(断言)。


あるいは…

ワレメに注目するならば…

「陰陰石」ですかね…



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…ハイ。というようなわけで。


はやくも女体山頂まで600m。

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まだまだ岩は出現します。


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「出船入船」――

元来「熊野の鳥居石」といわれ船玉神を祀ります。石の姿が出船と入船とに並んでみえます。


…というのだが、「出船」「入船」ってコトバ、常識なんだろうか?

たぶん港から出ていく船、入ってくる船ってことなんだろうが…


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「裏面大黒」――

大きな袋を持った大黒様の後ろ姿に見える岩です。


これは説得力ゼロ。


なんかうまいネーミングがおもいつかないもので

「テキトーにめでたそうなのをつけてやれ」

というやっつけ仕事を思わせます。

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「北斗岩」――

天にそびえたつ岩で、天空に輝く北斗星のように、決して動かないことを意味しています。


この岩は写真写りがよいです…


…と、今気づきました。

もっと撮っておいてやればよかったです。

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そんなこんなで、どんどん山頂に近づいていきます。

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しかし、天気が悪い。

トトやんのすべて


つくづく、山の写真撮るなら

快晴の日じゃないといけない、とおもいました。

「紅楼夢」感想 その1

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「こうろうむ」――…ホンロウモン、である。

岩波文庫で全12巻。

中国清朝の、ま、全盛期…乾隆帝の時代の長編物語。

とうとう読んでしまいました。


いろいろ感想をグダグダ書いていこうとおもいます。


トトやんのすべて


感想①「小説」というジャンルに関して。


しょっぱな、小難しいことを書きます。


前に「南総里見八犬伝」(岩波文庫で全十巻)

を読んだ時にも感じたことを今回「紅楼夢」でも感じました。

それは…


「なぜ東洋は『小説』(という文学ジャンル)を生まなかったのか?」

という疑問です。

あるいはこう言い換えてもいいです。

「アジア・オリエントの諸国家に対し、明らかに後進文明圏であったヨーロッパは、なぜ『小説』を生んだのか?」

と。


『小説』とは何か?…というのは

色んな説明の仕方があるとおもいますが、

僕のいう『小説』というのはすなわち、

「『物語』の崩壊形態」であるといってよいです。


――かつて『物語』というものがありました。

それは人間の生活の背後に

「神々の闘争」(ギリシアの物語)であるとか、

「救済神話」(ユダヤ・キリスト教の物語)であるとか…

そういう、人間の生活以上の大きく、かつかっちりとした構造を

措定する、というそういう仕組みのことです。


つまり

「A国とB国が戦争をしてA国が敗けた」

このことを

「A国を応援する神々が、B国を応援する神々に敗けた」

というような描写をするシステムのことです。

(ホメロスがそうですな)


因果応報というのも、ま、そうです。

なにか悪いことがAさんの身に起きると、

それはAさんの前世の悪い行いのせいである、とする…

これは人間の生活が「輪廻」というシステムに支配されている…という

一個の『物語』であるわけです。

(んー、べつに仏教を茶化そうとしているわけではないです)


えー…

ようするにこれが『物語』というものです。


ところがヨーロッパブンガクの進化方向は

この非常にかっちりと安定した構造を持っていた『物語』を

どんどん崩壊させていく方向をとったのです。


その崩壊の端緒が一体なんだったのか?

そのあたりは僕にはよくわからんのですが、

たぶんダンテの「神曲」あたりがあやしいのではないかとおもわれます。


「神曲」は、…ま、誰もがご存知の通り、詩人ダンテが

永遠の恋人ベアトリーチェに導かれ、地獄、煉獄、天国をさまよい歩く…

そういう非常に「かっちりと安定した構造」を持っております。

だが…だが…

この『物語』は完全に裏切られる。

というのは、本来ダンテが想定したはずの構造によれば

もっとも卑しく、もっとも汚らわしいはずの「地獄」が、

どうしたわけだか

もっとも魅力的で、もっとも崇高になってしまったのです。

実際に読めばすぐにわかるとおり…

「地獄」が一番楽しく、「煉獄」まあまあ楽しく、

「天国」に至っては読むに堪えないつまらなさ、となってしまっている。


初期ルネサンスの巨人ダンテはこうして、

本人の意思とはかかわりなく、『物語』をぶっ壊してしまったわけです。


で、この壊れかけた『物語』が完全にぶっこわれて『小説』が誕生した瞬間。

これははっきりしている…とおもいます。

すなわちセルバンテスの『ドン・キホーテ』のことです。


世界じゅうどこを探してもこの作品より深遠で力強いものはない。これはいまのところ人類の思想の最も偉大な、そして究極の言葉である。これは人間が表現しうるかぎりの、最も辛辣な皮肉である。そこでもしもこの世の終わりがきて、まあ、あの世のどこかで、「どうだね、地上でのお前たちの生活が分かったかね、それについてお前の引き出した結論は?」とたずねられたならば、「これがわたしの人生についての結論です――こんな結論を引き出したということであなたはわたしを非難することがおできになりますか?」と、黙ってドン・キホーテを差し出すこともできようというものである。

(ちくま学芸文庫・ドストエフスキー「作家の日記2」271ページより)


…と、ドストエフスキーが書いているのもむべなるかな。

セルバンテスは、かつてあった『物語』を

強烈に皮肉り、ぶち壊し、そうやって出来た荒野に、

ドン・キホーテ、なる一人の「主体」、イデオローグを立たせたわけです。

こうして『物語』に変って『小説』が登場し…

そしてそれが19世紀のフランスやらイギリスやらロシアやらで絶頂期を迎えて、

20世紀、ジェイムズ・ジョイスなる男がそれをまたぶっ壊す…

ということになりますが、そのあたりはま、いいです。

(というか書く能力が僕にはないです)


―――…


…で、ようやく話が東洋に戻ります。

この『小説』の定義に従えば、

あまりといえばあまりにかっちりした構造をもった「八犬伝」は

もちろん『小説』ではありません。これは『物語』です。

日本人は夏目漱石によって『小説』なる…

おっそろしく乱暴かつ暴力的なブンガクジャンルを知るのです。

(泉鏡花あたりの端正な『物語』とソーセキの『猫』を比べてみればよくわかりますな…)

11世紀に「源氏物語」を生んだ日本文学は

自分の力で『小説』を生むことはけっきょくなかったわけです。


では…

「紅楼夢」はどうなのか?

「紅楼夢」は『小説』なのであろうか?


□□□□□□□□


結論からいうと…

ぼくは…なんか…「紅楼夢」は、

(ヨーロッパ的な意味の)『小説』ではないにしても、

でも…でも…

『物語』をぶっ壊す…

『物語』にヒビを入れるところまではいってるんじゃないか??

と思っております。


その理由は…主人公・賈宝玉が叫ぶ…


女の子のからだは水で出来てる。

男のからだは泥で出来てる。

ぼくは女の子を見ると、せいせいした気持ちになるが、

男を見ると、臭くって胸がむかつくんだ。

(岩波文庫「紅楼夢(一)」60ページより)


…この強烈なイデオロギー宣言によります。

金持ち女好きお坊ちゃん賈宝玉は

この女尊男卑イデオロギーにより、

「男尊女卑」という…

あまりにあたりまえすぎる『物語』にヒビをいれるわけです。


□□□□□□□□


うー…「紅楼夢」読んでない人にはなんだか分からない記事になりました。

次は「紅楼夢」の内容にも触れていこうか、とおもいます。


あ、あと…

『小説』『物語』というコトバの使いかたですが、

僕個人のやり方で、アカデミックなものでは全然ないです。

あと…

『小説』>『物語』…で、

なにがなんでも『小説』の方が偉い、ということは全くない。

それは「南総里見八犬伝」を読めばすぐにわかることです。

あるいは「オデュッセイア」やら「創世記」やら…

どっちが進化している、ということでもなく、

ただ単に出現の時間が『小説』の方が後だった、ということになります。

勘違いなさらぬよう。


なんか妙に長くなりました。次回…あるかな??

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女体を征服することにした。その5

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引き続き女体山の頂上を目指します。


「奇岩・怪石スポット」を過ぎると、

紅葉ゾーンにさしかかります。

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いえ、なに…

単に高度がたかくなって、で、

紅葉している木が多くなる、と単にそれだけのはなし。

いずれも10月31日の撮影。

ですから今頃はさぞかし紅葉が美しいことでしょう。


…土日はめちゃくちゃ混むらしいですけど。


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ちょっとゲージュツ家ぶった構図で撮ってみたりして。

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何度も何度も書きますが…

快晴の日に来たかったものです。

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そういや、10月はじめころだったか、

某超絶美女とかわした会話を思い出したりした…


「先生は、あれ、紅葉狩りとか行かれたりします?」

「いや、行かない…です」

「あれ。なんで?」

「だって、だって、なんか」

「ふんふん」

「ますます枯れてしまいそうな気がするから…」

「うー、やめてくださいよぉー…」


…とかいって、がっつり紅葉撮ってますな。

トトやんのすべて

ばっちり狩ってしまってますな、紅葉。

わざわざ登山までして…

狩りまくっておりますな。

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――などといっていると、


あれ?

山頂っぽくね?


雰囲気が…山頂オーラが漂ってるんじゃね??


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はい…

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やった!

山頂。

「女體さんのてっぺん」でございます。


トトやんのすべて

ん。だが、かなり盛り上がりに欠ける登頂となりました。


トトやんのすべて


…というのも、



お気づきでしょうか??

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雨。


はい。けっこうな大雨……


山頂だっていうのに、

人っ子一人いませんよ。



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さっさと女体山本殿にお参り。

トトやんのすべて


で、早々に退散しました。

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ん。だけど、雨の中…

(ケーブルカーの駅がある)御幸ヶ原まで降りていかないとならない…


はたして無事下山できるのであろうか?

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1/24ナイト2000を作ってみることにした。その3

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さて、


「さぁ、エアブラシを使ってかっこいいカーモデルを作成しよう」

とかっこいい決意をかためたかっこいいトマス・ピンコのもとに、

例の茶トラの怪物が襲いかかった!!……


………


トトやんのすべて


…と、いうのが前回までのあらすじ。


□□□□□□□□


くんくん……

トトやんのすべて


ふむふむ…

これは面妖な…


監視の必要あり…だぜ。


トトやんのすべて


などと、おもったかどうか知りませんが、


デェーーン!!……

と、例の茶トラの怪物が、机の上に居座ってしまわれましたので、

その日の作業は延期となりました。


□□□□□□□□


さて、その翌日。

ゆりがいない隙に

ナイト2000の内装を塗装します。


か、快感……

です。

エアブラシ…まさしく「空気筆」です。

気持ちよく濡れていきます。


じゃなかった、塗れていきます。


トトやんのすべて

ボディは

「Mr.カラーGX ウィノーブラック」

という、ちょっと高いやつで塗っていきます。


なかなか良いようです。

テラテラ黒光りしちゃってます。


この黒光り度合、

横に転がっているモンブランのシャープペンともいい勝負です(?)


トトやんのすべて


…ん、ですが、


このなかなかよく出来た上に、さらに光沢をだすため

「Mr.カラーGX スーパークリアーⅢ」

をのせたところ…


あれ?…

あれあれ??…


なんかザラザラになっちゃった……

↓↓(わかります?)

トトやんのすべて


「なんだよ、クリアーなんか塗るんじゃなかった」

と、かなり後悔したんですが、


色々と解説書の類をながめたところ、

これは必然の現象であるらしいです。

なんでもエアブラシで塗装を重ねれば重ねるほど

塗装面は梨地(ザラザラ)になっていく。

なので、そのザラザラをヤスリやらコンパウンドやらで

滑らかにして、その上でさらに塗装を重ねる…


カーモデル作成というのは、つまり

「塗装」→「磨き」→「塗装」→「磨き」

この延々繰り返しであるらしいのです。


なので、

磨きます。あくまで磨きます。

↑の画像に、のっけた上原ひろみたんの新譜

「MOVE

を聴きながらガシガシ磨きます。

トトやんのすべて


↑磨いているところ。

消しゴムにタミヤのフィニシングペーパー(紙やすり)を巻いて使います。

ザラザラが消えたところで、コンパウンド(歯磨き粉みたいの)

をつけてゴシゴシします。


上原ひろみたんの新譜はトータルで70分かそこらあるんですが、

何度かリピートしました。

音楽に関しては批評能力がゼロなんですが、買ってよかったです。

前の「VOICE」にあったベートーヴェンをジャズ風に弾く、

あれが好きだったので、

今回もアレ的なアレがあるかなぁなどと期待してたんですが

なかったです。ま、それはないものねだりというもので。


ようするになにがいいたいのかというと、

「磨き」は時間がかかる作業です。


だが、ま、なんといおうか

ぼく……

こういう地味な作業、

だいすき。

です。


ま、文章の推敲にも似た要素はありますな。

トトやんのすべて


はい。

んで、磨いたところにまた「スーパークリアーⅢ」を

たっぷり塗っていったところ。↑↑


今回はあの悲劇的なザラザラはなくなり、

いい感じの黒光りっぷりです。


だが、まだ梨地が残っているので、

これをさらに磨いていきます。


しかし…マイクロレンズ無しでプラモデルを撮るのは

絶望的に難しいですな……



……たぶん、その4につづく。

女体を征服することにした。その6

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筑波山登頂記、最終回です。


(承前)

…というようなわけで、

濡れそぼる女体のてっぺん(標高877m)をあとにして…


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ケーブルカーの駅のある、御幸ヶ原へ早足で逃げていきます。

雨です。容赦ない雨。

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その途中…


はい。

また、いわくありげな岩があらわれます。


ガマ石――

「元来『雄龍石」といい、傍らに『雌龍石』もあります。永井兵助が『ガマの油売り口上』を考え出したことでガマ石と呼ばれます」


この巨大カエル…

なんか口の中にたくさん石をくわえこんでおりますが、

たしか口の中に石を放り込んでうまくはいれば願い事がかなう、

とかなんとかであった気がします。


かわいそうなカエルです。

動物愛護の観点からとても無視できるものではありません。

なぜイバラキの田舎者はかくも残酷なのでしょうか。

ですが、今は雨から逃げるのに忙しいので無視です


さようなら。


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はい。つづいて…


セキレイ石――

「この石の上に鶺鴒(せきれい)が留まり、男女の道を教えたといわれます」


で…でた。

またまた「アダルトな内容をさらっと語りぬける攻撃」…

でた…


前回の

「陰陽寄り添って」

といい、

今回の

「男女の道」

といい…つくば市観光協会、いい仕事をしています。


では?

「男男の道」「女女の道」は誰が教えてくれたのか?

――という重大な疑問が生じますが、

ここは雨が降っているので道を急ぎます。


たぶん、ペンギンとかダチョウとかあのあたりの鳥でしょう。(テキトー)


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女体山頂から歩いて15分ほどで

御幸ヶ原に到着。


ん、

ていうか、雨やんでるじゃん…


山頂の神社で雨宿りしてりゃよかったじゃん…


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たどりついた

御幸ヶ原はなんかさびれてる。


ま。時間も時間だし(午後4時近く)…

雨降ってたし…

オレ達ゃ、小中学校の団体さんじゃないしなぁ…

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お店はもう、店じまいです。

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さっさとケーブルカーで帰ります。

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えー、ケーブルカーからの景色は別に大したことないです。

やはり男体山は、アスリート向けであるらしいです。


ただふもとのケーブルカーの駅は

紅葉が美しいです。


しばらく写真を撮ります。

いろいろマニュアルで絞り、シャッタースピードをいじって

あそびます。

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雨上がりの紅葉、いい感じです。

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いずれも

ニッコール80-200㎜F2.8使用。


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さすがは大口径ニッコール、背景のボケがたまらない。

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…などとカメラ雑誌風のことを書いてみる。

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雨にぬれる神社の脇を通り抜けて…


駐車場へ。


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愛車のボンネットにも落ち葉が…

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なかなかいい運動になりました。



どうしよ…

男体山、また挑戦しようかなぁ?????…………………

ゆりたんのすべて。その55

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えー、今日はこのピンクのモフモフの話。

トトやんのすべて


このモフモフ、ゆりのお気に入りです。

口でくわえて、どこでも持っていきます。


夜中なんか、ふと見ると、このモフモフ相手にひとりで遊んでいます。


ただの布きれですが、けっこう高かったような気がする。

799円?だっけ、899円だっけ?

袋状になっていて、中に入ることもできます。


なるほど手触りもよいです。

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スヌーピーのライナス君がもっているアレとおなじでしょう。

例のセーフティ・ブランケット。

安心毛布。


幼児心理学とかだとなんていうのかな?

ともかく、

これはゆりのセーフティ・ブランケットです。


…ただ、ここに非常に困ったことがあって、

トトやんのすべて

「セーフティ・ブランケット」という

高尚な横文字を知らないうちの家族が…


「ゆりちゃんのクンク」


というへんな呼び方をはじめたことです。


「ゆりちゃんのクンクがこんなところに落ちてる」

「ゆりちゃんがクンクをくわえて階段にいる」

…という具合。


そのたびに僕は困ったような、気まずいような、

立場においこまれる。


では、そもそも

「クンク」

とはなにものであるのか?


いったいなぜ僕が困った立場におかれることになるのか??

トトやんのすべて


――えー、


クンク、

というのはですね、


わたくし、トマス・ピンコが幼少時に気に入っていたくまのぬいぐるみ、ですね。

肌身離さず持ち歩いていたぬいぐるみ、の名前、ですね。

(あ~、恥ずかし)

今でもよくおぼえてますが、

幼稚園のお泊り会でも「ぜったいにいっしょにいく」

といって親を困らせたあのクンクですね。


親は親で、今考えれば

「これが原因でいじめられたりしたらかわいそう」

とか考えたのでしょうが、

息子は息子で(僕、ですよ)

この世の終わりのように泣き叫ぶ……ダダをこねる……

けっきょく、僕はクンクと一緒に幼稚園へ行くことになりました。


けっか。

まぁ…もともと「ピン子はヘンなやつだ」

という名声を確立していたせいか、

べつになんということもなく終わりました。

クンクと一緒の僕は

べつにからかわれることもなく、無事、お泊り会は終了したのであります。


ま、幼児期の思い出はこのへんにしまして…


突然、この期に及んで、例の…恥ずかしい…

クンク

という呼び名がわが家で復活してしまったというわけ。

「ゆりちゃんのクンク」…

「ゆりのクンク」…


母が「クンク」というのは、まだ許せますが、

妹が「クンク」というのは、許せない。


僕の「クンク」時代には、

生まれるか生まれないかくらいの赤ん坊であった妹が

「クンク」と呼ぶのはあきらかに、これは悪意がこもっているといって

断言しすぎではないであろう。


…とって、

「おまえ、クンクと呼ぶな」

などというと

「はぁ?なんですか?キモい」

などといわれるのがオチ。


どうすればよいのですか?皆さま。

トトやんのすべて

「紅楼夢」感想 その2

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「紅楼夢」とは一体なんなのか?

ご存知ない方も多かろうとおもわれますので


岩波文庫「紅楼夢」第一巻のあらすじでも書いてみようかとおもいます。

トトやんのすべて


一巻には第一回~第十回が収録されています。

(ということはつまり、全十二巻の「紅楼夢」は、

全一二○回で終わるということです。)


・第一回

主人公、賈宝玉(か・ほうぎょく)のルーツが仙界の「石」であることが示されます。仙界の石が人間界をみてみようとおもって、人間に生まれ変わる…

それが賈宝玉なのです。

賈宝玉はそのせいで宝石を口にくわえて生まれてきます。


また、賈雨村(か・うそん)という人物が登場します。

野心満々の貧乏書生といった感じです。


この賈雨村、勉強がよく出来て、仕事大好き人間、

ちょいワルのエグゼクティブ野郎で、ぐんぐん出世する…

ちょうど主人公・おっとり坊ちゃん賈宝玉の正反対の存在として描かれます。

冒頭に登場するのがこの人物であるのは興味深い。


・第二回

官僚として出世した賈雨村が、友人から親戚の賈家のことをききます。

ようするに、読者へ向けて、

主人公・賈宝玉の一家を要領よく説明しているです。


この中で当時7、8歳の賈宝玉坊ちゃんを説明する中で

前回紹介した名セリフが登場します。


「…なんでも、『女の子のからだは水で出来てる。男のからだは泥で出来てる。ぼくは女の子を見ると、せいせいした気持になるが、男を見ると、臭くって胸がむかつくんだ』と、そんな言い草をなさるんだそうです。なんとふるってるじゃありませんか?ねえ、将来の色きちがいは疑いのないところでしょうな」

(岩波文庫「紅楼夢」一、60ページより)


・第三回

悲劇のヒロイン、林黛玉(りん・たいぎょく)の登場です。

母親を失った林黛玉は家庭教師の先生である賈雨村と一緒に

母方の実家である賈家へやってきて身を寄せることになります。

ついでにいうと、

賈雨村の方としては、一時的に落ちぶれて家庭教師なんぞやっていたので、

求職活動がてら都へやってきたということになります。


当然主人公賈宝玉坊ちゃんと、林黛玉の出会いがあります。

お互いがお互い、

「はて、おかしなこと!どうもどこかで一度お目にかかったような気がするわ」

(同書92ページより)

「このお嬢さんなら、ぼくお会いしたことがありますよ」

(同書95ページより)


などとおもったり、口にしたりする。

それもそのはず…二人は仙界で縁があった二人なのである。

(というあたりが第一回に説明されている)


林黛玉は…

蹙むがごとくして蹙まぬ霞をこめたような二つの眉、喜ぶがごとくして喜ばざる情を含んだ双の眼。一抹の愁いを帯びた態は両頬のえくぼから生まれ、病身らしいところにかえってそなわるなまめかしさ。…

(同書95ページより)

うんぬんかんぬん、ようするに「仙女のようなお嬢さん」と

描写されます。


また宝玉付きの侍女、「襲人」(しゅうじん)というお姉さんも登場します。

この変わった名前の登場人物は、

賈宝玉をめぐる主要人物の一人となります。


・第四回

薛蟠(せつ・ばん)という人物が登場します。

十二三の美少女をめぐって、殺人事件を起こすような

わがまま坊ちゃんです。


例の悪徳官僚、賈雨村が、うまいことやって

この殺人事件はもみ消されます。


ちなみに…個人的にはこの薛蟠…

バイセクシャルで、バイオレンス好き、ギャンブル好き、頭空っぽ…

金持ちアウトロー…ピカレスクロマンの典型的ヒーロー…

でもなんか母や妹の前だと、なんか、しおらしくてカワイイ…

「紅楼夢」のなかでは一番好きですな。


「薛蟠」って二文字入力するのに10分近くかかったけど、

「わだかまる」って入力すれば「蟠」って一発ででてくるってことを

10分たってから気づいたけど、

…でも好き、薛蟠くん。


・第五回

薛蟠一家が、例の殺人事件で故郷に居づらくなったこともあり、

親戚の賈家に身を寄せることになります。

ここで薛蟠くんの妹、薛宝釵(せつ・ほうさ)の登場です。


この宝釵ちゃん、不良の兄貴とは正反対のよく出来た妹。

美しい上に聡明で、やることなすこと落ち着いてしっかりしている。


…というような感じで、ようやく「紅楼夢」一巻の半分。


冒頭の五回ほどで

主人公賈宝玉の浮世離れした性格…

一生成長しないで、社会にも出ないで

女の子相手に楽しく遊んで過ごせればよい、という彼の思想(?)の紹介。


そして仙女のような美貌を持ち、頭脳明晰、

でもなかなか素直になれず屈折した性格の林黛玉。

しっかりものの薛宝釵。

お姉さんキャラでおっとりしている襲人。

…と、賈宝玉をめぐる華麗な主要女性キャラクターの登場。


それから賈雨村、薛蟠たちの世界。

カネ、セック○、権力、バイオレンスの世界…

殺人やら強姦やら、買収、ワイロやらで成立している現実世界を描くことも

この作者――曹雪芹先生は忘れていません。


ま。

「紅楼夢」全体の構造はこのはじまりの5話ですでに明らかです。


「繊細で美しいが、限りなく壊れやすい賈宝玉の世界」

…幾人もの美しい少女たちによって作られるガラス細工みたいな世界が、

美も感受性もない男どもの支配する現実世界によって

どのように破壊されてゆくのか…




…その3につづく。


「紅楼夢」感想 その3

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ひきつづき、岩波文庫「紅楼夢」一巻の中身を見てみます。


第五回以降、物語はエロ要素がどんどん増加していきます。

わくわく。


・第五回

前回紹介した薛宝釵(せつ・ほうさ)の登場に続いて、

賈宝玉(か・ほうぎょく)がみる夢の描写があります。


警幻のその言葉がまだ終わらぬうちに、迷津の水が雷のように轟きわたったかと思うと、無数の夜叉や海鬼の群れが現われて、やにわに宝玉を水の中に引きずりこもうとする。宝玉はあっと驚いて、汗が雨のように流れ出るとともに、思わず声を放って叫んだ。

「可卿(かけい)!助けてーー」

その声に襲人ら腰元たちはびっくりして、急ぎかけつけて宝玉を抱きおこし…

(岩波文庫「紅楼夢」一、165ページより)


水イメージ、怪物たち、流れる汗、悲鳴…

勘のいい読者は、もうこのあたりで、

「これ、夢精じゃね?――宝玉ちゃん、精通じゃね?」

…などとおもうわけですが、


トトやんのすべて


そのあたりは第六回で詳しく語られます。


・第六回

前回の夢の描写の直後です。


 そのとき宝玉は、ぼんやりと腑抜けのようになっていた。女中たちがさっそく桂円湯を運んできたので、それを二口か三口飲むと、やおら起きあがって着物をつくらおうとした。襲人が手をのばして宝玉にズボンの帯を締めてやるとき、ふと手がのびて太股のあたりに触れた拍子に、思わず冷やりと、なにかべとべとしたものを感じたので、はっとして、急に手をひっこめ、

「どうなすったの?」

ときいた。宝玉はぱっと顔を赤らめて、彼女の手をぎゅっと捻じた。襲人はもとより至ってりこうな娘である。それに年も宝玉より二つか上で、ようやく物を知りそめた年頃ではあり、いま宝玉のそうした様子を見ると、さてはと心中に半分方それと察して、思わず自分もはずかしさに面を赤らめ、それ以上はきかなかった。

(同書167ページより)


べとべと、ですって…

やっぱりそうであったことがわかります。

顔を赤らめた宝玉ちゃんの様子などがかわいいです。


ま。このへんのくだりは「紅楼夢」のなかで

僕が三番目に好きだったりするので

(一番はやっぱり晴雯ちゃんの死、二番は尤三姐の死、です)

ひととおり引用してしまおうとおもいます。

以下、上の文章のつづき…


そしてそのまま服をたたみ、宝玉についてご隠居さまのところへまいり、夕ごはんもそこそこにすませてこちらへ帰ると、乳母や腰元などがそこらにいないときをうかがって、別にズボンを一枚取りだして、宝玉に換えてやった。宝玉ははずかしげに、

「ねえ、いい子だから、けっして人には言っちゃだめだよ」

といって頼んだ。襲人の方でもはずかしさをこらえて笑いながら、

「若さま、どんなことを夢でごらんになりましたの?どこからあんなきたならしいものが……」

ときくと、宝玉は

「ちょっと一口には言えないよ」

といって、夢でみたことを詳しく襲人に話してきかせた。そして話が警幻仙女から男女の道を授けられるくだりまでくると、襲人ははずかしさに面を掩い、(おもてをおおい)、身をうつ伏せにして笑うのであった。宝玉も日頃から襲人の物腰やさしく、なまめかしい様子を憎からず思っていたので、ついに襲人にせがんでともどもにかの警幻仙女に授けられた男女の事を味わった。

(同書167-168ページより)


…というように、主人公・賈宝玉が

「男女の道」「雲雨の情」とやらに目覚めるところが描かれます。

「どこからあんなきたならしいものが…」

襲人姉さんの、なんかSっ気のあるセリフがたまりません。


えー…

と、ここまでくると、

「ハハァーン、なるほど、『紅楼夢』というのは、こういう小説なのか」

…とおもわれた方も多いのではあるまいか。


「つまり、あれでしょ、こんな調子でわがまま坊ちゃん賈宝玉の女遍歴が描かれるエロ小説、なわけでしょ?え?」

…そう、おもわれたんじゃないですか?え?


というか、僕はそこを期待いたしました。

だって…ローティーンでさっさとやることをやってしまった

金持ち女好き坊ちゃんが…

「晴雯」ちゃん、だの「麝月」ちゃん、だの…

名前からしてもうたまらない美人の侍女にかしづかれて

日夜生きているわけですよ、これはなにも起こらないほうが

逆に不思議。


ところがなにも起こらない。

「紅楼夢」全12巻、

いろいろな人物のいろいろなエッチシーンが登場しますが、

(男-女、男-男、女-女…いろいろあります)

肝心の賈宝玉の行為はたった二度、

上に紹介した襲人ちゃん相手のものと、

11巻だったか、12巻だったか、忘れましたが、

嫁さんの薛宝釵相手のもの…このたった二回だけなのです。

最愛の女性・林黛玉とはなにもなくして終わるし、

侍女の中で一番の美人の晴雯ともまたなにもなく終わります。


このあたり訳者の松枝茂夫先生は以下のように解説しておられます。


 ただ宝玉にしても宝釵にしても、狎褻(こうせつ)するにはあまりにもたがいに敬愛し合っていた。宝玉は晴雯とあれだけ狎れ昵み(なれなじみ)ながら、晴雯を処女として死なせた。黛玉との場合は一層そうであった。愛すればこそである。真に愛すればこそ彼女らを「清浄女児」のままで死なせねばならなかった。

 宝玉は幼くしてすでに何人かの女の肌を知っていた。秦可卿や襲人、あるいは香菱も?あるいは……?のつく女性がまだ外にも何人かいたはずである。だが彼は、第五回、警幻が保証しているように、決して「皮膚濫淫」の徒ではなかった。晴雯と黛玉の清浄な死に直面して、宝玉は何か悟るところがあったのではあるまいか。

(岩波文庫「紅楼夢」八、407ページより)

なるほど…

ま、このあたり…

賈宝玉という人のけっこう複雑なメンタリティに関しては

色々書きたいことがあるんですが、今日のところはこれまで。


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