ヘスケスレーシングのステッカーだの
Tシャツだのをついつい買ってしまった。
理由:クマさんマークがかわいかったので……
ヘスケス、というのはヘスケス卿とかいうヒトがオーナーの
F1のチームで、たぶん70年代ごろ存在したのだとおもう。
正直よくわかりません。
M・シューマッハ以降のF1しか知りませんもので。
セナ・プロもマンセルも いまいちよくわからなかったりする。
だが、本題はむかしのF1ではなくて
「今年のF1もやっぱりつまらなくなりそうだ」
ということです。
正確にいうと、
「どうせクソメルセデスが勝つんだろ!」
ということです。
「ああ~メルセデス大嫌いっ!」
ということです。
「メルセデスベンツむかつくっ!」
ということです。
「ついでにいうと、本田が出てくるCMもスーパーマリオ風のあのCMも大キライでしたっ! いつだったか一昨年ぐらいにやってたSFアニメっぽい『今日のあたしが終っちゃう!」とかいってたCMはよかったけどねっ!」
ということです。
えーもとい、
うんこメルセデスに関しては僕のお師匠トマス・ピンチョン御大が
実にすばらしいことを書いていらっしゃいます。
ヴァートとブラッドは最近、マリン郡のスパで行われたシンポジウムに参加してきたのだが、そのテーマが「人間関係のプログラミングと牽引における問題の顧客層」というもので、その席で一度ならず指摘されたのが、メルセデスのドライバーのマナーの悪さである。この連中は牽引された車を取り戻しにくるとき、メルセデスを運転するときの伝統に従ってか、シグナルなど一切出さず、いきなりケツを蹴り上げようとするのだ!
(新潮社「ヴァインランド」265ページより――「トマス・ピンチョン全小説」ではなく、旧版のほうです)
メルセデスなんてろくなものではないです。
あーそういや、刑務所から出所したアドルフ・ヒトラーに(ミュンヘン一揆後)
ナチス党員がプレゼントしたのもメルセデスベンツだったっけ。
まあいいや、
なんでヘスケスみたいなかわいいマークのチームは今ないんでしょうか。
というようなわけで、今年はNASCARを楽しくみております。
(日テレG+というCS放送でやってる)
NASCARというのはアメリカのストックカーレースでして、
どうもアメリカ合衆国でモータースポーツというと、
このNASCARが一番の人気であるようです。
どういうものかわからない人が多いとおもいますので
F1との違いを書いていきますと、
・クルマは市販車ベース。(いわゆるフォーミュラカーではない。ただしエンジンは700馬力)
・エンジンメーカーはシボレー、フォード、トヨタ
・エンジン音がめちゃくちゃ派手。
・毎週やってる。
・会場はアメリカ国内だけ(たぶん)
・レース場はオーバルコース(楕円形)
・なので観客はレース場内で起きる出来事をすべて目撃することができる。
・クルマを容赦なくぶつけあう。接触はあたりまえ。
(F1でそれをやるとクルマがすぐに壊れる)
・順位が目まぐるしく変わる。
・イエローフラッグがやたら多い。
・↑に関連するのだが、勝者がさいごのさいごまでわからない。
・大クラッシュが「ビッグワン」とかいってレースの見せ場のひとつになっている。(F1はクラッシュはあんまりない)
・レース後、ドライバー同士の殴り合い、どつきあいもたまにある。
・表彰式、シャンパンは出てこない。コーラとかスポーツ飲料を飲む。
・レーシングクイーンみたいなセクシー系のおねえさんは出てこない。
……等々ありまして、
ひと言で言って「アメリカ~ン」な野蛮なモータースポーツであるわけです。
↑で書きましたが、お色気禁止。アルコール禁止、もアメリカっぽいです。
NASCARの放送をみますと、まず最初にはじまるのが
「牧師さんのお祈り」(正直、さいごのアーメンしかわかりません)
「国歌斉唱」
あと、「空軍機が空を舞う」
で、ドライバーがエンジンをかける。ブロンブロン。
という流れで、これもはなはだアメリカっぽく、
F1というのがいかに官能的なチャラチャラしたスポーツであるか、ということが
逆にわかります。
なんというか、
・F1=サッカー
・NASCAR=アメフト
というようにも思えます。
F1がワールドワイドなのに対し、NASCARはアメリカ国内だけ。
F1がモナコ、シンガポールの市街地コースみたいに
外の世界を積極的にとりこんでいくのに対して
NASCARは荒野のまんなかのオーバルコースで
閉鎖された特別な空間を形作ります。
サッカーがだいたい勝つチームがわかりきっているように
(どうせレアル・マドリーみたいな強豪チームが勝つ)
F1はメルセデスがどうせ勝つにきまっている。
対してアメフトは勝者がわからず、(圧倒的な強豪は存在しない)
NASCARもやっぱり勝者がさいごのさいごまでわからない。
こないだ第5戦フォンタナ、
ブラッド・ケセロウスキーという兄ちゃんが勝ったんだが、
解説のひとも実況のひとも、それから観客も
みんな、ポカン…という感じだった。
解説のひとがたしか「え、何が起こったんですか」
とかいってたとおもう。たしか。
なんか競馬でいう、「鼻の差」とかいう感じの勝利だった。
おもしれえな、NASCAR。
↑さいごにセバスチャン・ベッテル画像なんぞ。
おととし、横浜にて撮影。なつかしいなーー
今や、フェラーリドライバーですよ。
セバスチャンががんばってメルセデスを倒してくれないと、
たぶん、僕、完全にNASCARに乗り換えるとおもう。
サッカーを完全に捨ててアメフト一本槍になってしまったように。