お花見は近場ですませることにした。
となると牛久シャトーなのである。
レンガ造りの洋館と桜の組み合わせは、
シロートが撮ってもいちおう絵になるから不思議。
…が、かんじんのレンガ造りの洋館は
震災以来こんな感じです↓↓
背景に写っている白デカいミイラみたいのがそうです。
いつ工事が終わるのやら。
でもミイラの近くには、ミイラではない洋館があるので
それでごまかすことにしました。
――以下、小津安二郎のはなし。
そういえば、小津映画に桜、って出てきたっけ?
などとおもった。
出てこない、ような気がした。
ポプラの並木が風にわさわさ揺れている、とかはよくあるんだが、
桜はないなーー……
小津映画って
季節感がない。
5月のようでも6月のようでも7月のようでも8月のようでも9月のようでもある。
いつでもカラッと晴れていて、
寒くも暑くもない。
ムシムシしてない。
その点、
桜は、季節が固定されてしまう。
小津映画に桜は似合わない。
「小津安二郎 全日記」をみてみると、
戦前にはあまり桜に関する記述がない。
推測するに……
1934年4月2日。
ちょうど桜の季節にお父さんが亡くなっている。
桜というと父の死を思い出すのかもしれない。
1935年4月15日
「花ぐもり 荒模様 にわか雨」
1935年4月23日
「いたるところ さくら れうらん」
4月24日
「花どきの旅情まことに愁ひ多し」
酒を飲んでワイワイやるのが好きだった人だが、
「お花見」という記事が見当たらない。
唯一見つけたのは、
1952年4月11日
「朝六時起床 母と清水公園に花見にゆく さくら 満開なり」
野田に住んでいた頃のこと。
そういや 野田のどういうあたりに住んでいたのか?
いつか見に行きたいとおもっていて、
行かないでいる。
1955年4月3日
春雨 さくら 円覚寺満開となる。
…そんな記述もあるが、
この頃は北鎌倉住まい。
帰り道の光景だろう。
野田もそうだが、
満開の円覚寺とかも、みたいみたいとおもっていて
今年もまた見逃してしまった。