旅行のはなし、つづき。
たかだか山陰地方に三泊四日で出かけただけのことですが、
基本、うちに引きこもりのわたくしにとってはものすごい大イベント。
サンライズ出雲→ばたでん(一畑電車)……
この展開ですと、次は出雲大社、なのですが、
すみません。
出雲大社の写真はほとんど撮ってません。
その理由を以下に書きますと――
旅行の目的が、大まかに3つあったのですが、
①サンライズ出雲のシングルデラックスに乗る!
②奥出雲おろち号に乗る!
③菊竹清訓(きくたけきよのり)先生の作品。
出雲大社・庁の舎(ちょうのや)、島根県立美術館、東光園。
この3つを見る!
この最後の菊竹清訓、庁の舎でつまづいてしまったわけです……
はやいはなし、
出雲大社の庁の舎はぶっこわされて、もう、跡形もない状態だったわけです……
(前もって調べておけよ!)
ショックでかすぎて、出雲大社はもう、うつろな目をしてうろつきまわるだけでした。
…………
□□□□□□□□
まあ、時系列に沿って書きますか。
サンライズ出雲に別れを告げて、電鉄出雲市駅へ向かいます。
どうでもいいことを書きますが、
サンライズ出雲の車内放送、ばたでんの発車時刻とか紹介しないのね。
というか、完全、「一畑電車無視」というか……
イバラキだとあれですよ、JR常磐線の車内放送で
関東鉄道(イバラキの私鉄)の発車時刻とか丁寧に紹介してくれるのですが……
一体何があった?
JR西日本VSばたでん??
もとい、こんな電車です↓↓
しかし、これですんなり出雲大社へ行けるわけではなく、
途中 「川跡(かわと)」という駅で乗り替えなきゃいけません。
そのあたりよそ者にはややこしい。
車内には
「しまねっこ」というキャラクターが。
川跡から乗った電車。
この電車にも しまねっこのぬいぐるみがいたが それは撮っていない。
で、出雲大社前駅に到着するのですが、
駅舎は まあ、あとでたっぷりご紹介するとして――
問題の出雲大社ですよ。
写真をほとんど撮らなかった出雲大社ですよ。
えー↓↓
以下、ごちゃごちゃ書いていますが、
要約すると、
「前略。トマス・ピンコよ。
遠路はるばるご苦労なことだが、
菊竹清訓先生の庁の舎は壊してしまったので、あしからず」
なる文章が掲示してあります。(ウソ)
えーこれは写真ですね↓↓
亡びる前の庁の舎の写真ですね。
遺影ですね↓↓
これまた要約すると、
「雨漏りとかひどくてコストがかさむから、
かっこいい建物だったけど壊してしまったのだ。
泣くな、トマス・ピンコよ」
ということが書いてあります。(ウソ)
あーあ………
で、でも、出雲大社にはもうひとつ菊竹清訓作品がありまして、
出雲大社・神祜殿(1981)
もともと庁の舎が宝物殿として建てられたのだが、
雨漏りの問題とかがあったらしく、
で、この神祜殿があたらしく宝物殿になった、という流れのようです。
しかし、どこかもっさりしていて
いかにも「菊竹!」って感じの過激さがないような……
内部も撮影禁止なので、わたくし的にももりあがらない。
というより庁の舎がもはや存在しないというショックがでかすぎるというのもあるが……
日経BP「菊竹清訓巡礼」に従いまして
菊竹作品の年代を整理しますと……
・スカイハウス(1958)
・出雲大社・庁の舎(1963)
・館林市庁舎(1963)
・東光園(1964)
・都城市民会館(1966)
とか、なんでしょう、菊竹清訓の50年代60年代って
なんかヤバい、うかつに近づいたらケガをしそうな禍々しいエネルギーを感じるのですが……
ここに、
・出雲大社・神祜殿(1981)
などと並べてしまうと、
80年代の菊竹先生というと、京都信用金庫の支店の仕事ばっかりやっている
おとなしい時期だったのではないか? などと勝手なことを考える。
まあ、このあと
松江に移動にしまして
・島根県立美術館(1998)
に圧倒されまして、
90年代の菊竹清訓は心底ヤバい。
どうかしてる……
ということを思い知るのでありますが、それはのちほど。
ショックはデカかったですが、
ジャングル大帝御朱印帳に ご朱印いただき、
御守もいただき、
これ以外にも↓↓ 家族に頼まれた御守などいろいろいただき、
そそくさと出雲大社をあとにするわけですが、
あれですな、
写真には撮った人の心情がみごとに再現されますな(笑)
……みごとにうつろな感じです。
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もとい、
出雲大社前駅(1930)ですよ。
どこかの神社とは違い、昔の建物を大事にとっておく精神。
ウィキペディアをみたりしましたが、
設計は誰がしたのか、わからず。
しいて言うと、ゴシック風味のアールデコ建築。といったところか。
はっきりいって「大味」だけど、
小さくコンパクトに 破綻なくまとめあげている。
実にいいです。
屋根の色がなんともいえません。
渋い、青磁みたいなグリーン。
派手すぎず……でもきちんと存在を主張していて――
あんがい高い材料を使っていそうです。
入口に誇らしげにはまったプレート。
登録有形文化財 というものだそうです。
しかし、
戦前アールデコ建築って
・スクラッチタイル
・モスグリーン色の窓枠
これ、お決まりですね。
文句を言ってるわけじゃなく……
「これだよ、これ」
という、感じ。
ひさしのデザイン↓↓
鉄骨の補強は竣工時からあったのか?
あとからの追加かな。やっぱり。
隅がピシッっときまってます。
手を抜いたところがないです。
よくあるでしょ? 隅っこに手を抜いた建物が。
出雲大社前駅。
正直申しまして――
出雲大社・庁の舎→島根県立美術館
という 菊竹清訓巡礼の道の通過点と認識していたのですが、
まさか、その……ただの通過点がすばらしかった、という……
まあ、松江へ行く電車……
13:56発 大社線・各停 松江しんじ湖温泉行き
を待つ暇つぶしにいっぱい写真を撮りました、ということもあるんですけど……
次回、出雲大社前駅の中をご紹介。