10月の軽井沢旅行から かれこれ一か月経ってしまいまして――
……一生懸命思い出し 思い出し 書いていかないといけない。
ほんと、さっさと書かないとダメですね。
もとい、旅行の二日目は 朝から雨。
万平ホテルから 旧三笠ホテルへクルマでむかいました。
旧三笠ホテルの駐車場は 建物からけっこう離れたところにありました。
徒歩5分くらいだったとおもいます。
駐車場から三笠ホテルの途中撮った景色↓↓
どなたかの別荘でしょう。うらやまし。
竹内さん(誰かは知らない)の別荘の かわいらしい標識。
どうも売りに出されているようでしたが。
三笠ホテル到着。
外観はこんな。
紅葉は……見ごろを過ぎてますね。
建物。
あとで見直してみますと 屋根の軒を支えるブラケットとか
いろいろ興味深いディテールがあるのですが……
残念ながらほとんど外観の写真はなし。
けっこうザアザア降りだったものでねぇ……
これもT子さんに傘をさしかけてもらったようやく撮ったとおもいます。
重要文化財・旧三笠ホテル
1905年竣工だそうなので ちょうど日露戦争の頃の建物ですな。
ということは海の上では戦艦三笠が活躍していたと……
入口。はいります。
建物において
エントランスってかなり重要かとおもうのですが、
はっきりいって大したエントランスではなかったです。
あとエントランスから上方に主階段が伸びていくのですが、
これも大したものではなかった。
シロートでも設計できそうなレベル――
見学のしょっぱなはそんな感じで――
これは期待できないなぁ……
とおもったのですが、
段々おもしろくなってきました。
そんな不思議な建物でした。
はいってすぐの部屋に
いろいろ資料・説明が……↓↓
興味深いのは一番下の「番外編」ってやつで……
いわく、
古い洋館にはつきもののちょっとした怖いお話がここ三笠ホテルにもあります。真夏でも軽井沢は涼しく、浅間山の影響もあり昼間でも暗くなります。霧が舞い、来館者が一瞬とぎれ、貴方とお友達のみになった時、その場所が2階の1・2号室でしたら感覚を研ぎ澄ませてみてください。スキップしている女の子や、有島武郎氏、澁澤栄一氏に出会えるかもしれません。
だそうで――
おいおい。
幽霊がでるかもよ って
正々堂々かくなよ!
幽霊話につづきまして――
たぶん スタッフ用(??)なのかね、
急すぎる階段におどろかされました。
(注、上でけなしたメインの階段ではない)
この角度……今だと建築法規的にアウトなのではなかろうか。
うっかり足を滑らせたら死ぬぞ。
気づきますと、
この廊下のたたずまいとかにヤラれてしまっている自分がいました。
このピンク色がかった照明がいいです。
あと窓から見える緑。
なんかタルコフスキー映画の雰囲気を感じたのですが……
ロシアの建物はもっと重厚か??
ロビーに入っていきます。
雨の日+平日
というので 誰もいないんじゃないか? と期待したのですが、
・テレビカメラ&マンフロットの三脚を抱えた撮影班
・キヤノンの一眼をもったカメラマン、助手+花嫁&花婿(のモデルさん?)
という撮影部隊がいまして、
20年来のニコンユーザーのわたしには
キヤノンが目障り(笑)
でした。
あ。失礼。
若干 邪魔だったかなぁ などとおもいました。
あとご老人の団体客が バスからどやどやガヤガヤやってきたのですが、
こちらは一瞬で通り過ぎていきました。
たぶん次は白糸の滝に行ったのでしょうかね。
もといロビーです。
説明書きも律儀に写しましたので、
まあ、読んでくださいませ。
んー
天井がいいな!
などと万平ホテルの天井にがっかりしたわたくしはおもいました。
このカーテンボックスの説明ですが、
松と鶴 とかいわれても だいぶ高い所にあるので
わかりにくいです。
松と鶴ってこれね。
うちに帰って来て 写真を拡大してみてはじめてわかる、という↓↓
ここはなんだか居心地のいい空間でした。
この↓↓
窓の、なんというのか、ストッパーというか 鍵というか、
この部品は、
万平ホテルのパーツを同じでした。
これは前々回の記事にのせた画像↓↓
まあ、YKKのサッシの部品みたいに 当時はありふれたパーツだったのでしょう。
国産品だか舶来物だかなんだかよくわかりませんが。
このソファの場所は↓↓
なにか最近のドラマの なんとかいうシーンで使われたらしいですが、
興味がないのでメモってません。
が、なるほどいい場所を選びましたね。
この角度からの写真が、
このロビーの雰囲気を一番よく伝えているのではなかろうか。
などと自分ではおもいます↓↓
そうそう。
タイトルに「牛久シャトーの匂いがする」
などと書きまして、
そのことに言及していなかった。
はっきり申し上げて 建築的にどうこういう長所はないようにおもうのです。
この旧三笠ホテル。
でもなにか 個人的に魅かれるものがありまして――……
建物の中でも
「なぜかなぁ?」とずっと考えていたのですが……
よくわからなかった。
うちに帰って来て
「そもそも この設計者の岡田時太郎ってのは何者か?」
とおもいまして――
(はっきりいってビッグネームではないです。この人)
ググってみたところ……
なんとまあ。わがイバラキ県牛久市の……
僕の家から徒歩二三十分の……
牛久シャトーの設計者じゃありませんか。
(↑↑すみません。手持ちの画像がこれくらいしかなくて……桜メインの画像ですな)
三笠ホテルも牛久シャトーも……
建築的に、はっきりと、「ここがスゴイ!」っていうポイントはない……とおもう。
けれども端正ですっきりして、理知的で、なによりも
明るい!
というのが三笠ホテル・牛久シャトー
つまり、岡田時太郎の特徴か、ともおもう。
この人のお師匠の辰野金吾の作品と比べてみればわかりやすいかな。
辰野作品は なにかこう……夏目漱石的などこか陰鬱な
文学的に言うと 「明治の重み」みたいのを背負ってる気がする。
そこへもってくると、明るいね。岡田時太郎。
なにか重ったるい情緒だの感情だのは持ち込まないね。
まあ、建築にしろ文学にしろ、
本当におもしろいのはそういう部分だったりするわけですが。
えー、ググってみても情報があまりに少なく、
岡田時太郎という人の人物像はまったく浮かんでこないのだが、
明るい人だったのではないかな? と勝手に想像する。
代表作の「三笠ホテル」「牛久シャトー」(これくらいしか作品がないようだ)
この二つとも 愛されて生き残っているあたりも、
岡田時太郎の性格のあらわれではないか?
(と、これまた勝手に想像する)
きっとみんなに愛される人物だったのではないかな。
(けど深みはないかもしれない、と、これまた勝手に想像する)
その2につづく。
いろいろ部屋をみてまわります。
はたして幽霊少女には会えたのか??