16.「淑女は何を忘れたか」(1937)
現存小津作品16作品目。
トーキー第2作。
んで、小津安っさんが戦争に行く前、最後の作品ということになります。
はじめにざざっと感想を書いてしまいますと――
・栗島すみ子はミスキャスト
→ミスキャストも何も、「銀幕の女王」栗島すみ子の引退記念作みたいな作品なので
この人がいないことには作品は成立しないわけなのですが、
今の目からみると このオバサンの何が魅力だったのか? よくわからない。
ただ、この役……セクシーなブルジョワマダムの役を 当時誰か演じられましたか?
といや、見当たらないのも事実。
・暗号 〇なのか? +なのか?
→小津安っさんは作品中に「暗号」を仕込む。というわたくしトマス・ピンコの理論なんですけど――
この作品はよくわかりません。「〇」のようでもあり 「+」のようでもあります。
・対角線の嵐!
→上記の 暗号「+」ともかかわりあってくるとおもうのですが、
画面の対角線をつかった構図が頻出します。
対角線を二本引っ張ると「+」ができあがります。
・「塔」はあまり出てこない。
→あからさまに「塔」を撮るのを小津安っさんはやめてしまったらしいです。
かわりに桑野ミッチーが持つフェンシングの剣とか
斎藤達雄が持つ新聞とか
「塔」状の物体(男根状?)が出て来ます。
・中西文吾との交流
→この頃、中西文吾というお金持ちのモダンボーイと交流がありまして
どうも この作品のブルジョワ臭は彼に影響されているところがあるのではないか?
(小津本人は 深川から高輪に引っ越したことが「山の手」を描いた原因だと、戦後語っている)
□□□□□□□□
もとい、はじめから見ていきます。
土橋式……前作「一人息子」は 親友・茂原英雄の開発した「茂原式」トーキーだったのですが……
茂原式は一作きりで終ったようです。
本作より小津作品のキャメラは 厚田雄春が担当。
以降、(他社での作品をのぞいて)全作品 小津作品の撮影監督は厚田さん。
「小津安二郎物語」によると――
さっきもお話したように、『淑女』のときは途中でキャメラの茂原さんが予備役の召集で三週間穴があくというので、「じゃあ、厚田ケー、やってくれよ」ってことになったんです。そう、ぼくは最後の三分の一ぐらいやったでしょうか。
(筑摩書房、厚田雄春/蓮實重彦「小津安二郎物語」96ページより)
という厚田自身の証言なんですが……
「小津安二郎・人と仕事」では、
昭和12年
1・27 茂原英雄の母堂逝去。
1・28 早朝、茂原の帰郷を上野に送る。
厚田雄春が代りに撮影。
(蛮友社「小津安二郎・人と仕事」499ページより)
と、茂原さんのお母さんの死去が原因のように書かれていて、事情はよくわかりません。
とにかく、はっきりしているのは、キャメラマン交代の影響――画面の違和感はまったく感じられないということ。
茂原・厚田コンビというのは大したものです。
あとは……構図は小津が決めていた、というのが大きいか。
衣装は三越が関わっているらしく、
S3 吉川満子と飯田蝶子の会話で「三越」というワードが出てきます。
タイアップなのかな?
また暗号「〇」とかかわりがあるような気もするのだが、深読みだろうか?
S1 流れる風景
走る車のフェンダー越しに東京山の手、麹町辺りの屋敷町の景色が流れる。
固定カメラでヘッドライトとフェンダーを捉えて
で走らせるというおなじみのやつ。
構図が崩れるので 移動撮影をいやがった小津安っさんですが、
こうすれば構図は崩れないわけです。
ヘッドライトが暗号「〇」
あと背景に塔(電柱)です。
背景はボケてますが、なんとなくお屋敷町なんだろうというのはわかる。
ただ個人的には タイムトリップ的な体験をしたかったりもするので(1930年代の帝都をみてみたい)
そういう意味では小津のこのやり方は不満。
というか、小津作品は全般的にタイムトリップ感は薄いです。
あくまで「小津の構図」で風景を切り取ってしまいますので
社会学・歴史学的な興味で小津作品をみるとがっかりすることが多い。
(というか、そもそもセット撮影が多く、ロケ撮影が少ない)
以上、当ブログでは小津安二郎作品をほめることばかり書きますので
欠点もきちんと書いておきます。
S2 小宮家前
小学生藤雄が小宮ドクトルの邸の門前で遊んでいる。
そこへ一台の自動車が停る。
杉山のマダム千代子、銀狐の襟巻をして颯爽と降りる。
というのだが――
このマフラーはやりすぎじゃないんですか?
当時はこういうもんだったのかねぇ。
あと、このシークエンスで思い出すのは、
「全日記小津安二郎」1933年
1月10日(火)
湯ヶ原投宿
▲二階から玄関につく湯治の客を見る 女あり
狐のえり巻きをなす 池忠曰く
チェ! 狸が狐しよつてゐやがら
本作の脚本は伏見晃で 「池忠」こと、池田忠雄ではないのですが。
千代子「アラ藤雄ちゃん、こんにちは」
藤雄、お辞儀をする。
千代子「おかあさん来てらっしゃる?」
――と、前作 信州の貧しい親子を演じていた
飯田蝶子&葉山正雄コンビが
打って変わって山の手のブルジョワ階級を演じてます。
前の記事で 清水宏作品を分析しながら――
(鬼滅の刃の映画と清水宏作品を比較するというヒドイ記事です)
背景のぐるぐるボケがひどい。
小津作品だとこんなじゃないな、などと書いたのですが、
まったくの間違いで(笑)
↑↓この頃のレンズはこうだったようです。
小津はロケ撮影があんまりないので目立たないだけか。
暗号「〇」
深読みかな??
S3 小宮家 小宮夫人時子の部屋
時子「あんた、今日いやに綺麗ね」
千代子「そう?」
光子「今日はとても素敵よ」
時子「ほんとに綺麗よ……今日は」
などという小津的などうでもいい会話です。
海外の批評家が「禅問答のようだ」とか食いつきそうですが、
意味はまったくありませんな(笑)
えー、
右のオバサンが 「銀幕の女王」栗島すみ子先生なんですけど……↓↓
同時代のお客はどういう感想だったのだろうか?
今の目から見ると 他のメインキャスト……
桑野通子、斎藤達雄、佐野周二と比べると あきらかに「前時代の遺物」……
古くさい気がしてしょうがないんですが……
この小宮時子役。
たぶん戦後のグラマー女優 京マチ子とか 若尾文子とかじゃないと演じられない役のようにおもえるんですよね。
……もちろん1937年の松竹の俳優陣。
今、現在の学芸会レベルの日本の芸能界に比べると(失礼!)
かなり高レベルだったようにおもえますが。
10代20代のかわいい女の子はいても
30代40代のセクシーで、でも気品があって、という女優さんは存在しなかったわけです。
あー、あと
サイレント時代の女優さんで仕方ないのかもしれないが、
栗島すみ子、キンキンした声で……声もまったくかわいくないんですよね……
はっきりいって酷い。
逆に、桑野ミッチーのかわいく甘ったるい声が目立つというのもあるが……
あ。背景の掛け軸は 次回作「戸田家の兄妹」(1941) 鵠沼の別荘に登場しますね。
千代子「よしてよ、今日は今日はって……」
背景の「+」が気になってしまうのは、
「母を恋はずや」(1934)の例があるからです。
あと、このあとしつこいくらい この背景が出現するからです。
セットの設計は小津がやっていたようですので、(監督は普通はやらない)
どう考えても意図的です。
時子「その羽織、いいわね」
千代子「そう? 鶉縮緬、ちょいと洒落てるだろう」
光子「何処、三越?」
というのですが、
このショットで↓↓
あ……
そこまでやるか……
すげえ……
と思うのは、映画関係者か相当のマニアだけでしょう。
くるっとドンデンを返します。
と、そこにもセットが作りこまれていて 凝った小道具が並べられているわけです。
会話は正直言ってくだらないのですが、
1ショット1ショット 計算されつくして撮られているわけです。
カメラの向き セットの設計 俳優陣の姿勢
すべて完璧。
だが、栗島すみ子がキンキン声で まったくセクシーではないという大きな欠点が
すべてをぶち壊している……
で、今度は栗島すみ子&暗号「+」
まあ、栗島すみ子の悪口はもうやめておこう。
ひとつ気になるのはセットの小道具。
戦後の絶頂期の作品群に比べると なんかごちゃごちゃしている気がする。
たが、計算されつくしたカットバック
凝りに凝ったセット・小道具
計算されつくした演出
(俳優たちの姿勢、立ち位置等すべて撮影前に設計されているということです。
助監督たちをセットに立たせて事前にデザインするらしいです)
小津作品の基本は もうすでに出現しております。
そして――このシーン最後のカットとなりますが……
千代子「ね、ドクトルうち?」
時子「ううん、大学」
千代子「あ、今日は水曜日だったわね」
これが、まあ……ルネッサンス絵画かなにかのように
ばっちり構図がきまっているわけです。
ハァ……
ため息しかない……
対角線を書きましたが、
栗島すみ子の足と卓の接点
飯田蝶子の頭
が、それぞれ対角線に乗るように設計されているんだとおもいます。たぶん。
で、斎藤達雄が久しぶりに登場。
下手くそな役者ですが、この役はこの人しかいないでしょうなぁ。
(若い二人、桑野通子&佐野周二のほうがどうみても上手い)
S4 大学の研究室
小宮「あ、こっちへ継いでくれたまえ……
あ、もしもし、今見てる、ちょっと待って。
うん、駄目だね、あん? あん? うん諦めるんだね……、
君には子供はできんよ」
というまったく酷いセリフ。
斎藤達雄の頭を 対角線にのっけてます。
S5 医科の教室
戦前の伊集院光 大山健二が登場。
松竹の名脇役なんですけど。
この人はえんえん学生役をやってますな。
(手持ちのDVDだと 野村浩将監督「女医絹代先生」(1937)でも 大山さん医学生役なんです)
居眠りしてます。
これも対角線だな。
S6 小宮家の一室 洋間
開け放しになっている婦人用の旅行鞄、
脱ぎ捨てられたオーバーなど。
BGMは弦楽器で甘い旋律を奏でます。
で、若い女性の持ち物を写す、
そして桑野ミッチー登場。というシークエンス。
戦後、「早春」のラスト辺り
淡島千景が登場するところと構造は同じです。
「早春」の音楽はどうだったか記憶にないですが。
S7 小宮家の一室 洋間二階
節子(笑って)
「ほんなことおまっかいな、うちうまいもんでっせ。
京阪国道をピュッと六十キロぐらいで走んねん、
とてもええ気持よ。
叔父さん一ぺん乗せたげまひょうか」
桑野ミッチー登場。
この作品で謎なのは、「節子」(桑野通子)は
「小宮」(斎藤達雄) 「時子」(栗島すみ子)
どっちと血縁なんだろうか?
よくわからない。
この作品内では斎藤達雄と一緒に行動することが多く、
それを誰も不自然にはおもわないので
「小宮」と血縁の姪なのだろう、とおもう。
関西弁の美女が東京に出現。というと「彼岸花」の山本富士子と同じパターンです。
あるいは小津安っさん自身の体験がルーツなのか?
とおもうのは、小津家が本拠地が伊勢松阪である、ということ。
関西弁のきれいなお姉さんが東京にやってくる、というのは実体験だったのかもしれない。
あと、関西弁の美女にこだわりますが……
1920年代の銀座を語った文章なんですけど……
大阪の資本がどっと東京に流れこんできたといえば、震災後に急増したカフェーも大阪資本が多かった。「銀座は今や大阪カフェ、大阪娘、大阪エロの洪水である。大阪カフェの特色はまず第一にエロだ。」(『銀座細見』)。震災後、松坂屋、松屋、三越などが銀座に進出し、また大阪カフェーがのりこんできて、銀座は大きく変わった。
(中公文庫、海野弘著「モダン都市東京 日本の一九二〇年代」124ページより)
と、海野弘先生の本によれば カフェーの女給さんは大阪娘が多かったようなのです。
そのあたりもシナリオ作りに影響があったかもしれない。
時子「自動車? よしてよ、東京じゃ……。
怪我するんなら大阪でして頂戴」
「モダンな二人」対「前時代の遺物」 という感じ。
もしシナリオのテーマがそうだったら 時子役は栗島すみ子で正解なのですが……
そういうわけでもないから、困るわけです。
んーしかし、ここも完璧な構図。
対角線上に三人の頭を乗せています。
そして このことはセットの設計段階から計算されていた、ということです。
ただ……鎧、武士の甲冑はなんなんですかね?
桑野ミッチーが立ち上がって
栗島のオバサンが座っても……
やっぱり対角線の構図は変わらない。
斎藤達雄のパイプの角度とかも細かく指示されているのではあるまいか?
S8 田園調布の未亡人光子の家 その子藤雄の勉強室
岡田「地球表面の海の面積は、陸の面積の約三倍にて……陸の面積の四分の三は北半球にあり……」
佐野周二登場。というか、S4、S7でもう登場してたんですけど。
関口宏のお父さんですよね。
佐野周二が考え込んでしまったので
葉山正雄くんが地球儀を持ってきます。
というか、この子は毎日こんな部屋で勉強してるのか……
すごい設定。
暗号「〇」です。
で、毎度おなじみ 突貫小僧さんの登場。
最近読んだ フィルムアート社「映画読本 清水宏」に
「突貫小僧」こと青木富夫さんのインタビューがのってて、
そこで突貫小僧も太平洋戦争に出征していたことを知りました……
ニューギニア、パラオに行ったなどと答えていらっしゃいます。
山本七平先生によると 軍隊内は娑婆のヒエラルキーがそのまま持ち越されることが多いようなので
人気者の「突貫小僧」は戦場でも案外可愛がられたのではあるまいか? などと勝手に想像します。
が、なんにせよ。これからは呼び捨てにできないな。
「突貫小僧さん」だな、と思いました(笑)
富夫「これね、地球の面積を一とするんだよ、すると陸は四分の一だろう」
藤雄「うん」
佐野周二が出来なかった問題をスラスラと解く突貫さん。
岡田さん(佐野周二)の弁護をしておくと、
方程式を使ってはダメだという条件があるわけです。
ここもたぶん 対角線で構図を決めてます。
というか、ドアのデザインは悪夢みたいですが、
暗号「+」なのかな??
もちろん 突貫さん 葉山くん 地球儀が「〇」です。
あ。シャンデリア(?)といっていいいのか、照明器具の電球もそうですね。
S9 未亡人光子の部屋 日本趣味
桑野ミッチーが光子(吉川満子)に会いに来ますが――
吉川満子をミドポジに置いて 桑野通子の足しか写さないというすさまじい構図。
ローポジションでないと撮れないですな。こんな絵。
この部屋。栗島すみ子の部屋よりはるかに趣味がいいですな。
桑野ミッチーの服装もきまってるし。
鳥かごというのもよく出て来るモチーフです。
S10 藤雄の部屋
藤雄達、地球儀を廻して遊んでいる。
前作に続きまして
突貫小僧さんの美声が披露されます。
「尖らかっちゃダメよ」「尖らかっちゃダメよ」
という歌詞の内容も 暗号「〇」と合わせて考えると興味深いです。
桑野ミッチーもやってきて
この遊びに参加する。
この地球儀エピソード以降、暗号「〇」はでてこなくなるような気がするんだが、
桑野ミッチーの輪郭が「〇」というのと関係があるのか?
にしても すごいデザインのワンピースだな↓↓
S11 郊外の道 田園調布(移動)
移動撮影で二人の足だけを撮ります。
節子「頼りない先生」
岡田「いや、真面目な話、そうですよ」
節子「頼りない先生」
これもトラッキングショット↓↓
というか、背景のモダン建築が気になりますな……
なんだかかっこいいぞ。
これまたローポジションならではの構図。
ほとんど地面しか写してないです。
あ。久しぶりに塔(電柱)です。
ほんと塔があまりでてきません。
S12 小宮の書斎
ウェストミンスターの掛時計がボーン、ボーンと鳴る。
床に木靴が置いてある。
小宮ドクトル、机に向って読書している。
シナリオと違って掛時計ではないですな。
しかし、豪邸でウェストミンスターチャイムが鳴る、という小津映画でよくあるパターン。
このシーン
白いセーターの桑野ミッチーはやけにかわいいです。
あと意味もなくフェンシングの剣が登場するあたりも なんだかすばらしい。
(シナリオには剣は登場しない。現場で思いついちゃったのか??)
節子「叔父さん、この頃ゴルフは?」
小宮「うん、やってるよ。土曜日にはたいがい出かけることになってるんだがね」
ゴルフの話題。
「全日記小津安二郎」1937年をみると
小津安っさん自身 ゴルフにハマっていたようです。
ゴルフの話題 桑野ミッチーの病気 あと冒頭触れましたが 中西文吾の名前がよく出て来ます。
このお金持ちのボンボン 中西さんは撮影現場にも遊びに来ていたようです。
またゴルフも一緒に出かけています。
えー、で、すさまじいのがこれ↓↓
いままで 「対角線」「対角線」って それはこじつけだろう?
などと思われていたあなたも
これは納得せざるをえないはずです。
これをみながら思ったのですが、
当初は桑野ミッチー ゴルフクラブを持つ計画だったのかもしれない。
しかし、重いせいか うまく対角線が出なかったので
急遽 フェンシングの剣になったのかもしれない。
「肩が痛いわ」「これ重いわ」
とかいうことで 急遽撮影所を捜し廻って 剣をみつけたのかもしれない(??)
しかし、対角線を保ちながら さらっと芝居をする桑野ミッチーはすごい。
おなじみ 視線がまったく噛み合わないカットバック。
S13 本郷あたりの学生下宿 大盛館
日の丸の旗が立っている。
「大盛館」は、これ、小津安っさん自身の筆跡ですな。たぶん。
こんなことまでやられたんじゃ、スタッフはたまりませんな。
旗がひるがえる、という好きなモチーフ。
旗竿=「塔」でもあるんでしょう。たぶん。
佐野周二が勉強しているところに
ドクトル小宮(斎藤達雄)がやってくる、というシーン。
これがまあ、やはり対角線です。
斎藤達雄はゴルフ……に行くはずだが、今日はサボりたい。
例のオバサン三人組は歌舞伎。
というブルジョワ臭がプンプン漂うシークエンス。
S17 歌舞伎座の内部 開演中
淡島千景似の美女は芸者さんですかね??
ここも まったくのちょい役で美女を使うというよくあるやつ。
たぶん対角線で構図を決めてるのではあるまいか?
S18 同廊下
千代子「いい男ねえ。誰れだい?」
光子「上原よ」
千代子「上原?」
光子「上原知らないの?」
千代子「うん」
光子「もぐりね……大船の上原よ」
千代子「……そう?」
歌舞伎座の廊下で
スタア・上原謙が登場しまして
今回の記事はこれで終わりにしておきます。
上原謙はチラッと無言で登場して、そのあとまったく物語にはからんできません。
フェンシングの剣といい、上原謙といい、
それから 桑野ミッチーは一体誰のどういう親戚なのか? という問題といい、
謎がいろいろある作品ではあります。