4月、前回書いた記事の直後あたりから 目を痛めまして
しばらくブログから遠ざかっておりました。。
が、何事もなかったかのように再開します。
ゆり坊、とても元気です。
今月末で 11歳になります。
はやいものです。
□□□□□□□□
去年あたりから
アサヒグラフの縮刷・ダイジェスト版の
「アサヒグラフに見る昭和の世相」や「アサヒグラフに見る昭和前史」にはまっていたのですが、
どうにもがまんできなくなり、ホンモノに手を出し始めました。
アサヒグラフ 昭和三年一月一日 第十巻 第一號
を、勝手に紹介いたします。
表紙は 高橋是福氏令孃元子さん(十九)
とあるので シロートのお孃さんです。
(今の感覺だと 雜誌の表紙を飾るのは藝能人、というのが普通だが、
この頃は そういう習慣はなかったようだ)
是福は 高橋是清の次男 寫眞の元子さんは 伊藤博文の孫に嫁いだようです。
「空中戰將棋」という附録が氣になりますが、
殘念ながらそれは付いていませんでした。
(軍人將棋みたいなものか)
「よびもの」として加藤武雄の連載小説が書いてありますが、
これはとてもつまらなかったです。
ちなみに 加藤武雄は 建築家・丹下健三先生の義父(奥さんのお父さん)にあたるようです。
2ページ
「エムゼービー」コーヒーの廣告です。
MJBというと 今の感覺だと安物(失礼……)という印象だが、
この當時はどうだったのか??
小津作品のなにかにMJBの缶でてきたよな・・・
「浮草」のオープニングだっけ??
5ページ
秩父宮殿下の新御殿の紹介。
この頃のアサヒグラフを何冊かみた印象だが、
毎號のように 秩父宮樣は登場している。
えー 6ページ 流行のヘアスタイルの紹介。
銀座ハリウツド美容室 メエイ・ウシヤマさん考案の「ヴアレンシア結び」なるもの。
「マーセルを應用して結び上げた斷髪巻で・・」とか書いてあります。
モデルさんは、モダンな美女ですがお名前が書いてない……
「ち。何だよ……」
というトマスの聲にこたえてなのか?(なわけねえよ)
何號かあと、1月25日號で
「原光代」さん
と紹介されていました。
ネットで調べてみたが
日活の女優さんで ジャッキー・阿部とか溝口健二とかの作品でいくつか出ていたようだ、
という以上のことはわからない。
12・13ページ
今號のメインディッシュという感じがします。
「いやさかの新春を迎へられた 歐洲各國の皇女さま方」
毛唐のセレブが「いやさかの新春」もないだろう……
ともおもいますが、美女揃いで華やかです。
13ページ 眞ん中 イタリー皇帝エマヌエル陛下の第四皇女マリア女王。
ネットで調べてみたが、
調べ方が惡いのか何なのか、どういう方なのかよくわからない。
よくわからないが、とてもかわいい姫君です。
アサヒグラフの編集部もそう思って まん眞ん中に据えたのでしょう。
ちなみにさっき「ヴアレンシア結び」のところででてきた
「マーセル」
というのが このマリア殿下みたいな うねうねの髪なのですよね? たぶん。
23ページ
米國海軍・新鋭航空母艦サラトガ號の砲塔……
というのですが、
航空母艦のメインの機能は「大砲」なんかじゃないわけで……
なんかピントのずれを感じます。
この種のピントのずれは 他の號でもあって
アメフトの選手を紹介するのに よりによって「キッカー」の寫眞が載っていたりします。
アメフトにおいて「キッカー」はメインの選手ではないんですがね。
p26
ダンサーの崔承喜が小さく紹介されております。
【寫眞】朝鮮少女の崔承喜
「あの崔承喜!」
という扱いではまったくないので
期待の新人ダンサー現る! みたいな感じですかね、この頃は。
ちと寫眞がわかりづらいですが……
29ページ
上野驛を賑はしてゐるスキー團
あのぉ……
この記事……なんの斷り(断り)もなく 舊字(旧字)で書いてますが……
わかりますかね?
「上野駅を賑わしているスキー団」です。
あと「寫眞」は「写真」よ。
スキーはとにかく流行っていたらしく、
この頃のアサヒグラフはスキーの記事ばっかりです。
カールツァイス 「ガラン」というオペラグラスの廣告。
カールツァイスは毎號廣告を載せております。
ちなみに「ガラン」は ¥30 だそうです。
オサレな革のケースが付いてきます。
ちなみにちなみに、この記事の寫眞は カールツァイスのマクロプラナー50㎜で撮ってます。
好きだぜ、カールツァイス。
連載漫畫
「おやぢ教育」
アメリカの漫畫家 ジョージ・マクマナスの作品の翻訳。
これもほぼ毎號のってます。
今なら 「〇〇先生の!」と作者名がドカンと出るのが普通ですが、
「ジョージ・マクマナス」という名前は見當たらない。
よくみると最後のコマに小さく署名してあるだけ……
この漫畫、手塚治虫が影響を受けたらしい。
裏表紙。
「ニッポノホン ワシ印レコード」の廣告。
この頃の人は「歌謡曲」ではなくて
歌舞伎だったり民謡のようなものだったり
浪花節みたいのを聴いていたのだな、とわかる。
(クラシックやジャズでは ヴィクターなど海外のブランドに勝てないというのも大きいでしょうが)
あと映畫説明というのもあります。いわゆる活辯の録音でしょう。