前囘(前回)の記事で アニトラの踊りの畫像(画像)をみたい、とのコメントをいただきましたので、
載せます。
(あいかわらず舊字(旧字)で攻めます(笑))
前囘の記事の繰り返しになりますが、
アニトラの踊りの右側の美少女が崔承喜さんで、
これから大スタアになっていく人です。
(のちのち金日成の北朝鮮に帰って行き、消息不明になるわけですが)
姐さん、こんな感じですよ↓↓
顔の横に布がぶら下がって踊りにくいのではないか? などと心配してしまいます。
話は逸れますが、
アサヒグラフを買うついでに
「田中絹代ブロマイド」なるものも某古書店で買ってしまったのですが……
いろいろ疑問が生じまして……
・これって何かの映畫のスチールなのかな? (ブロマイドでこんな背景にする必要はあるだろうか?)
・絹代ちゃんの年齢を考えると、撮影は戰前だろうが、プリントされたのはいつなんだろう?
なにかお分かりの方、ご教授願います。
戰前のプリントか 戰後のプリントか見分ける方法はあるのか??
にしても……
かわいいぜ、絹代たん……
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もとい、誰に頼まれたわけでもないのに
アサヒグラフ 第十巻 第二號 昭和三年一月四日
をご紹介いたします。
表紙は華やかです。一瞬どこぞの女優さんか? と思うのですが、
この頃のアサヒグラフの表紙、藝能人が飾ることはまずない。
讀んでみますと
春をことほぐ富士の盆景
イギリス實業家ハリスン氏夫人の純日本藝術
なるほど。
日本大好きガイジンはチヤホヤされる、の法則。
この頃からそれはあったわけですね。
それが美人ならば、なお良し、ということか。
p4
とても美しい寫眞。
今樣雪女郎
アルプスの山は美はし、雪すがたかゞやくばかり、雪をけり雪をしだきてはせゆくやスキーのおとめ
木の間もる陽のサフアイアを、うちくだきうちつくろいて、はしるはしる。
と、まあ、ポエムしてます。
今だとアイドルのグラビアにこんなポエムが付きますね。
ようするにスイスの女の子がスキーしているところ。
黨時のスキーヤーのファッション、なんとも可愛らしい。
p5
見開き、隣りの写真も美しい。
畫面の明暗がビビッドで、木の枝が額のようになっているあたりが素睛らしいです。
凍った湖の上のアイス・ボートの樣子です。
……と、表紙・p4・p5のように この雜誌。
ジャーナリスティックな興味よりも 寫眞の美しさを重視する傾向があるようです。
それが……へんなことになってしまっているのが
p7
フツトボールの猛選手 アル・マースター君
【寫眞】マースター君の見事なキツク
前囘も「ピントがずれている」などと書きましたが、
アメフトにおいて「キッカー」はメインの選手じゃないんですよね。
ほとんど試合に登場しません。
(ほぼほぼフィールドの外にいて、キックのタイミングだけ登場する)
花形選手はやはり「クォーターバック」です。
でも、この寫眞が選ばれてしまう、というのは、
「實際のアメリカン・フットボールを良く知らない」ということもあるでしょうが、
「寫眞の美しさ」……ようするに
「映え」を重視したから
なのでしょう。
p9
ゴヤの「少女肖像」を紹介しています。
このページのように東西の名畫を紹介するページが毎號あります。
p19 「コドモグラフ」というお子樣向けページ(これも毎號ある)
獨逸のおもちゃ工場を紹介しているんですが……
いくさには まけても おもちやまで こんなものが できるやうになり
いまに むかしの ドイツに かへるでせう。
と、この頃の獨逸關聯(ドイツ関連)の記事は、
戰争に負けた可哀想な國……
というトーンで語られることが多いです。
p22-23
絹代ちゃんですよ、絹代ちゃん
松竹「近代武者修行」
【寫眞】鈴木傳明と田中絹代
日活「結婚二重奏」
【寫眞】主演者岡田時彦と夏川静江
「近代武者修行」は牛原虚彦監督
「結婚二重奏」は田坂具隆監督
p23
そしてクララ・バウ(クララ・ボウ)です。
この子はたいてい、しどけない……ほとんどハダカみたいな恰好でアサヒグラフに登場します。
クララ・バウのこのエロテイクな香氣の前に、
このモダンな振舞の前に屈伏しない「男性」が、
と言はうよりは「近代人」が一人でもあつたら偉いもんだ。
……だそうです。
p30
これも毎號おなじみ カールツァイスの廣告。
プンクタール鏡玉(レンズ)
という眼鏡レンズです。
p31 おしまいは
マクマナスの「おやぢ教育」
ジグスとマギーのブルジョワ・中年夫婦が主人公の漫畫なのですが……
ジグス&マギーは マンガマンガした丸っこい顔なのに、
なぜか娘がやけに美人↓↓
という設定がおもしろい。
セリフも興味深いものがあります。
ひらがな・カタカナの使い方が今の感覺からするとかなりヘンテコです。
まあーお母さん、素睛らしいのネー、何處でお買ひになつて……
ちよッと買って見たのサー ドゥーいゝだろうー
この美人の娘、名前はついているんだろうか?
一人娘なんだろうか?
あまり登場しないキャラなので疑問が深まります。